パワフル緋真さん   作:汚名卍解

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やっとこの人と絡めた…


あの人と出会う緋真さん

 

 

 

どうも、最近になって月一で更木隊長と卯ノ花隊長の相手に死ぬ思いでヤりあってる戌吊緋真さんでーす。

 

最近自分の実力が上がってるのは肌で感じてるけど、流石に月一で卯ノ花隊長と更木隊長の相手はキツイわ。

身体はともかく精神が追いつかない。

そんな私は今は休日。

瀞霊廷の有名な甘味処でちょっとしたオヤツタイムを満喫してます。

 

ちなみに私の今いるこの甘味処は結構お高いお店なのだ。

所謂知る人ぞ知る名店というヤツだ。結構繁盛してて店員さんが忙しそうだ。

なんで私がそんな良いお店を知っているのかと言うと、草鹿副隊長が会長してる女性死神協会に私も会員として参加しているからだ。

そしてそこで乱菊さんから聞いた。

 

だって私は四席だよ?それなりのお給料は貰ってるんだから贅沢しても良いじゃん。

 

「すいませーん!みたらし団子おかわりー!」

 

「はいよー」と店主の声が聞こえる。

しばらくしてみたらし団子がくる。甘いモノ食わないとやってらんねーよ。

太るってか?安心しろ太る暇がないくらい常日頃から身体動かしてるから太らない。

むしろ太る方が大変なくらいだと思う。てかあんな化け物供と斬り合いをやってれば嫌でも痩せるわ。

 

 

甘味を楽しみ、しばらくは落ち着いた時間を過ごす。

いやー最近忙しくて碌に休めてなかったからたまにはこういう休日もいいよね?

 

さて、そろそろお勘定済ませて買い物でもしますかー

 

「すいませんー!」

 

と店員さんを呼んでも中々店員が来ない。

 

あれ?

 

店の外を見てみたら店主らしき人が誰かと話してる。

 

「売れ行きは?」

 

「ハイ!万事滞りなく!」と店主さんが答えてる。

 

あれ…店主さんと話してる人なんか見覚えあるな…?

 

「朽木…白哉…?」

 

そう、甘味処の店主と話していたのは隊長羽織を着ていない朽木白哉。

そうだった、朽木白哉はこの時期はまだ隊長じゃないんだった。

朽木白哉が隊長になるのはルキアが護廷十三隊に入る前の事だったって確か尸魂界編でルキアがチラッと言ってた気がする。

 

原作の人気キャラの1人であり、BLEACHでも大人気な章である尸魂界編の章ボス。

そして、原作では『緋真』の()だった人。

 

つまり私の未来の夫…てコト⁉︎

 

んなワケあるか

 

現在、私と朽木白哉の関係は接点も皆無。他人以外の何者でもない。

朽木白哉が私に興味を持つ訳ないだろうし、私も六番隊とはまず関わらないし、関わるとしたら仕事以外にないだろうし、まず私が朽木白哉と結婚なんてありえないだろう。

 

つかこの店、朽木家御用達の老舗だったんだ。

朽木家は色んな事業に手を出してるとは聞いてたけど、こんな所にも手を出してるんだ…。

とりあえずなんか話てるみたいだし、他の従業員は私以外の他の客に接待してる。

しょうがない。せっかくなので他のメニューでも眺めて時間を潰そう。

そこでメニューにふと「()()()()使()饅頭」なる物を見つける。

 

なんかすんげー見覚えあるなと思ったらコレ原作のオマケかなんかで白哉が考案してたキャラクターじゃん。

懐かしいな…私も前世で最初見た時はそれを作る朽木白哉のギャップが面白くて笑った気がする。

懐かしい気分にさせてくれたついでだ。これ食べよ。

 

あ、店主と朽木白哉の話が終わったらしい。

そして店主さんが私に「ハイハイ。何のご用で?」

 

「すいません。このわかめ大使饅頭を一つお願いします」

 

「かしこまりましたー!」と店主はそそくさと店の奥に消えていった。

さーて、ここで食べ終わったら何して時間潰そうかな?

また1人で幻影剣の練習でもしようかなぁ?今度はいっその事ベオウルフの籠手と具足でも再現して作ってみるかな?

 

「相席…いいだろうか?」

 

「はい。どうぞ」

 

朽木白哉が相席してきた。断る理由は無いので承諾する。

 

そしてしばらく無言の時間が続く。

 

………………気まずい

 

何この人?全然喋らないんだけど…

 

とりあえずその無言の時間をやり過ごしている内に店員さんがわかめ大使饅頭を「お待たせしました!」と運んでくる。

よし、さっさとコレ食べて帰ろ。

 

「それは……!」

 

あ、反応した。

自分が考案したキャラクターだから商品を注文されて嬉しかったのかな?

 

「良いですよね。わかめ大使」

 

なんだかんだで可愛いし面白い。

前世でチラッとやってたブレソルでわかめ大使(CV置鮎龍太郎)がプレイアブルキャラとして操作出来た時はマジでお腹痛くなるくらい笑った記憶がある。

 

「ッ⁉︎………分かるのか?」

 

…なにが?

ちょっと意図が分からないけど、褒められて嬉しかったのかな?

どうしようこの人…可愛く見えてきた。

とりあえず食べながら適当に答えよう。

 

「可愛いですし面白いとも思いますよ。腕と足の部分はかなり気を使って作られてますから、繊細な作りをしてて見てて面白いです」

 

ふざけた見た目をしてると言われてるが、腕や脚部分とか大きさとかにもかなり繊細に作られてる。

どこに情熱注いでんだとは思うけど、それはそれとして技術力を注ぎこんでるんだから素晴らしい物なんだろう。

 

「そうか」

 

それだけ言って、朽木白哉は再び黙る。しかもなんか震えてる。

マジでどうしたんだこの人?

あ、店員さんが来た。

 

「お待たせしました。わかめ大使饅頭です!」

 

そう言って朽木白哉の前に私と同じわかめ大使饅頭を置いた。

 

アンタも頼んでたんかい

 

そして私達はわかめ大使饅頭を黙々と食べる。

 

 

 

 

 

 

それが…しばらく後にマジで夫婦となる私と朽木白哉の馴れ初めだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朽木白哉が緋真を初めて見た時の第一印象は「何処にでもいる普通の女性」だった。

 

笑みを浮かべながら甘味を楽しみ、可愛らしい物を愛でる普通の女性。

それが当時の朽木白哉の緋真の印象だった。

その日は五大貴族【朽木家】の次期当主としての一環として朽木家御用達の老舗の経営状況を見に行った時の事だった。

老舗の経営状況は良好だった。

せっかくなので休憩がてらここで少し食べていく事にした。

 

客が満席だったので相席になった。

店主が「良い席をご用意します」と提案してきたが、白哉としては少し休むだけなので、その提案を断った。

その相席の相手が緋真だった。

 

注文を済ませて、品が来るまで出来るだけ休む。

周囲の賑わいこそあるが緋真が話しかけなかったおかげで落ち着いた時間を過ごせた。

 

休憩を味わっている中で、彼女の注文した品が届いた。

 

それは【わかめ大使饅頭】。

白哉が自分の芸術性の全てを注ぎ込んで生み出した至高の存在。

 

商品として売り出そうと当時の朽木家当主だった朽木銀嶺にかなり微妙な顔をされたが、なんとか説得して商品として売り出したは良いがあまり人気が無いのが現状だった。

 

評判を知った時は「絶対に人気が出る」と確信していた白哉も流石に落ち込んだ。

 

だからなのか、運ばれてきたわかめ大使を頼み、頬張る緋真を見て白哉は嬉しかった。

 

そして何よりわかめ大使の自分がこだわってた部分を褒めてくれて嬉しかった。

 

甘味を楽しむ彼女を見て、白哉は無意識に笑みを浮かべていた。

 

そしてこの店での出来事が朽木白哉が戌吊緋真という女性に興味を持つキッカケだった。

 




ネタバレand繋ぎ回

よく「この緋真と白哉は夫婦にならなそう」という意見がありますが、2人は後にちゃんと夫婦になります。
原作の流れには大した影響はありません。ただ後に朽木家の一員となるルキアの心労が本編よりかなりキツイ事になる。


次回も白哉回
多分デートする

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