ようこそ実力至上主義の生徒会へ   作:まぐまれむ

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話の途中で、無人島試験のルールが出てきますが、すでにご存じの方は、OAAで総合力B以下のグループしか作れない、戦略カードの存在、以外はおおよそ原作通りですので読み飛ばしても大丈夫な個所となります。
アニメ知識のみの方は割愛されているルールなどもあるので読んでもいいのかもしれません。




増えていくピース

1年生の特別試験から一夜明け、新しい一日がスタートした。

 

寮を出ると朝の柔らかな日差しが出迎えてくれる。

6月も近づいてきたがまだ梅雨には早いらしく、春の余韻が残る穏やかな天気模様。

 

本来、櫛田、堀北と登校する曜日だが、櫛田からはしばらく一緒に登校できないと連絡が入っており、堀北も堀北で学期末テストに向けて勉強に力を入れたいと朝一での登校を希望したためスルーした。

つまり今となってはなぜか貴重になってしまった一人の時間を過ごすことができる。

それもあって、今日のように外の世界にいると実感できる日はゆっくりと空を眺めながら歩くことにしている。2度目の春だが、学生として、もしくは人生であと1度しか体験できないと考えると、少しでも記憶に残してお――。

 

「きっよたかー」

 

そんな春の余韻を味わう朝は、元気いっぱいの声でかき消された。

 

「朝から元気だな、恵」

 

「そう?いつもこんな感じだけど?」

 

「恵にしては早いから何かあったのかと思ったんだが……」

 

「変なとこ鋭いわね。別に何もないし……たまたま清隆を見かけて声かけただけ」

 

「そうか」

 

実にわかりやすい反応ではあったが、深く追求しない方がいいということは学習済み。

 

「で、今日は例の犯人探しするんでしょ?どんな作戦で行くの?」

 

恵が楽しげに話すため、これからの反応を予想するとちょっと気が重いな。

 

「その件だが、犯人が見つかった」

 

「はい?」

 

「犯人が見つかった」

 

「聞こえなかったわけじゃないわよ。え?もしかしてあれだけ私に頼っておきながら、清隆は最後の美味しいところだけは一人で行って、いいとこ取りしたってこと?信じらんない」

 

万引きとはいえ犯罪者の捜索でその表現はどうかと思うが……。

 

「オレも不本意ではあった」

 

「あー、わかった!超危険な相手で私を巻き込まないようにーー」

 

「いや、そうじゃない」

 

咄嗟に否定してしまったが、ちょっと頬を染めた恵の様子を見て、そういうことにしておけば良かったのかと気づかされた。が、覆水盆に返らず、恵は再び鋭い目つきに戻る。

 

「じゃあ何よ。理由次第じゃわかってるわよね?」

 

何をわかればいいかはわからなかったが、ひとまず首を縦に振る以外の選択肢はなかった。

 

「実は――」

 

周囲に人がいないことを確認して、昨晩の出来事を思い起こす。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

波多野退学疑惑が晴れ、その日の生徒会活動は解散となった。

八神は顔を出さなかったが、南雲宛に『試験の疲れが出てしまい休みます』と連絡があったそうだ。

仮病だろうが、目的までは計れないし、材料不足の現状で考えるだけ時間の無駄。

八神の動向を本人に気づかれることなく探れる人材がいれば話は別だが、それが可能なのは天沢ぐらい。その天沢も味方とは言えないだけに、今のところ放置するのがベストだろう。

 

いや、本来のベストは、何か行動を起こされる前に、八神を退学にすること。

だが、今のオレはその選択肢を意図的に除外している。

 

なぜなら――

 

自分でも驚く心境の変化だが、八神が一体どうやってオレを退学に追い詰めるのか、それを見てみるのも悪くない、と思えているからだ。

 

「綾小路くん、私たちも帰ろうか」

 

「そうだな」

 

ここ最近は万引き事件の捜査で落ち着いた時間もなかったため、一之瀬の提案に乗り、大人しく帰宅することにした。

というより、ここで一之瀬の提案を断り、万引き事件の調査のために恵を呼び出して、それを目撃される方がリスクだと本能が告げていた。

 

この手のリスクヘッジが選択肢として浮かぶようになったことに成長の手応えを感じながら、一之瀬との帰り道は他愛のない話をし、寮のエレベーターを降りたところで別れ、自室へ向かう。

 

そのエレベーターのドアが閉まった瞬間、横の死角からスッと顔を出したのは――天沢だった。

 

「せんぱい遅ーい。可愛い後輩をこんなに待たせるなんて」

 

何かしらの約束をしていたわけではない為、無視して進もうとすると、後ろから抱き着かれる気配がしたので、ダッキングして躱す。

だが、当然天沢はそれも織り込み済み、そのまま倒れるようにのしかかろうとしてくる。

避けることは可能だが、そうすると天沢はわざとそのまま倒れ、あえてケガを負う。難癖をつける材料を獲得するつもりだろう。

かといって、そのまま動かずに受けると後ろから抱き着かれることになる。誰かに目撃されるだけで色々問題になる。

 

そのためしゃがんだまま、右足軸に回転し天沢の後ろを取りながら素早く立ち上がり、倒れる前に後ろの襟を掴み猫のように持ち上げる。

 

「ちぇー、この手もダメか」

 

「当たり前だろ」

 

お互い本気を出していないやりとり。

じゃれ合いにもならない。

 

「今度からは襟を掴まれたら服が破けてはだけるように細工しとこー」

 

「……裁縫の勉強でもしておくか」

 

天沢の襟をゆっくりと離すと、オレの顔をじっと見つめ、首を傾げる。

 

「なんかたまに思うんだけどさ、綾小路先輩の身体能力ってあたしが知ってるデータと違ったりする?」

 

「成長期だからな」

 

「こんな環境で成長できるとか笑えない冗談だよ」

 

悪くない洞察力だと評価しつつ、成長していることも嘘とは言えない為、軽く流しておく。

 

「それでわざわざ何の用だ?」

 

「そんなの言わなくてもわかってるよね?」

 

ぎゅっとオレの腕に抱き着いてお決まりの上目遣い。

 

「ゴ・ハ・ン」

 

「……」

 

「もしかしてエッチな事でも想像しました?やらしー」

 

「それはないと断言できる」

 

どちらかというとこんな場面では誰かさんを退学するようにお願いされることが多かったなと思っただけのこと。

 

「大体せんぱいが悪いんだよ。ヨーグルトメーカーがどうたらってわけのわかんない電話してきて勝手に切っちゃうし。そのまま放置でしょ?だから今日は逃げられないように直接来ちゃった」

 

この的確に人の傷を抉ってくるスキルは褒めても良いかもしれない。

 

「でもせんぱいにだったらあたしを食べてもらってもいいケドぉ?」

 

「邪な考えを持っている女子を部屋に上げることはできないな」

 

「邪な考えなんてありませーん。純粋なLOVEだよ、ラ・ブ」

 

「出禁で」

 

それだけ伝え、天沢を置いて玄関の鍵を開けドアノブを握る。

 

「……あたしが来た本当の理由、言わなくてもわかってますよね?」

 

「……」

 

天沢は観念したのか、少しトーンを落として問いかけてきた。

本当の理由――それはタイミングから考えて試験結果の話だろう。

退学者が出た経緯は波多野もよくわかっていなかった。

何を語ったとしても天沢の話を鵜呑みにはできないが、何かしら見えて来るものがあるかもしれない。

 

「お茶くらい出すか」

 

「ご飯だってばー」

 

仕方なく玄関を開け、天沢を招き入れる。

 

「お邪魔っしまーす。ってどうしました?」

 

脱いだ靴を丁寧に揃えて立ち上がった天沢。その様子をじっと見ていたため、そう聞き返された。

 

「言葉通り邪魔だな、と思っただけだ」

 

「ひどーい。あたしだって傷つくんですよ?」

 

「そんなメンタルじゃ、今ここにいないだろ」

 

この歳までホワイトルームで生き残り、曲がりなりにも刺客に選出されるだけの実力者。

余程のことでもない限り心は動かない。

 

「でた、先輩のホワハラ」

 

「ほわはら?」

 

「ホワイトルームハラスメントの略だよ。最高傑作基準で何でも語るのはよくないと思うなぁ」

 

「月城はオレを超える人材はすでにいくらでも作れると言っていたが?」

 

「そんなわけないじゃん。何かひと分野だけなら並べるかもだけど、総合力じゃ絶対無理」

 

「断言していいのか?」

 

今の天沢の発言は月城の話を否定することになる。

大した情報でなくともどこでどう綻びが生まれるかはわからない。

 

「別に口止めはされてないし、どっちみち信じるかどうかは先輩次第だからねー」

 

「ごもっとも」

 

こんな天沢だが、ちゃんと命令に従い刺客として動いている場合、こちらの憶測を狂わせる偽の情報を与えに来ている線も捨てきれない。

つまり本当のことを言おうが言うまいが関係がないということ。

 

リビングに入り、椅子に座る。

 

「適当に座ってくれ。早速だが――」

 

「あー、お腹が減って口が動かないなー」

 

「その口はさっきまで元気に走り回っていたろ」

 

「――――」

 

天沢は口元でバツ印を作り、そのままベットにダイブして枕に顔をうずめる。

何か食べるまでテコでも動かないつもりらしい。

 

「一体どこで学習して来たんだ……」

 

オレの次の世代からは『駄々のこねかた』のカリキュラムでも導入されたのか?

実際に手を煩わされているだけに不要と切り捨てるには惜しいスキルかもしれない。今度南雲に勝負を挑まれたら使ってみるか……。

 

「食材が少ないから大したものは作れないぞ」

 

寝転がったまま足を前後にバタバタさせて反応する天沢。

どうやらそれで構わないということらしい。

 

どうせ自分の分を作る必要はあったため、2人分でも大差ないと諦め、キッチンに入る。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「食材少ないって言ってたのにトムヤンクンが出てくるとは思わなかったなぁ」

 

「本来ならジャスミンライスやカイチアオもセットにしたいところだ」

 

「先輩、才能の無駄遣いをするならホワイトルーム帰ったら?」

 

「無駄だと感じたなら今後天沢に作る必要はないな」

 

「前言撤回しまーす」

 

調子のいい天沢にペースを握らせていては話が進まない。

 

「それでどんな釈明を聞かせてくれるんだ」

 

約束通り食事を済ませたので、本題に入るよう促す。

 

「釈明と来たかー、うん、まぁそんな感じなんだけどさ」

 

あえて選んだ『釈明』という言葉。それに対する反応で大体の回答は予想がつく。

 

「今回の試験で退学者が出たけど、それにあたしはノータッチ。もっと言えば何の指示もなかったからクラスの方針に沿って動いた感じかな」

 

「その試験を力技で攻略したみたいだが、良かったのか?」

 

人のことを言えた義理ではないが、天沢が作家として思い切った攻略をしたこと、それは普通の高校生には不可能であること、つまりかなり目立つ行動だ。

 

「まー、刺客としてバレちゃってるから隠す意味もないし。あたしは別に先輩みたいに自称事なかれ主義でもないしねー。クラスのみんなには生徒会の綾小路せんぱいから勉強教えてもらってるからヨユーだった、って説明しておいたよ。せんぱいの株を上げてあげるできた後輩でしょ」

 

「面倒ごとを押し付けた、の間違いだろ」

 

とは言ったものの、オレも昨年オール満点の理由に似たような説明をしていた。因果応報か……。

 

「ま、とにかくあたしは敵対してないから、って念を押しておきたかっただけ」

 

「本当にそれだけか?」

 

事前に作家であることを告知していた時点でそれは概ね予想できたこと。

わざわざ訪問してまで伝える話ではない。他に理由があるとすれば――

 

「……言わなきゃだめ?」

 

天沢が珍しくしおらしい態度で言葉を発した同タイミングで、オレの携帯端末が鳴り、着信を知らせる。

 

波多野からだ。

なぜか頬を膨らませる天沢を横目に電話に出る。

 

『遅くにすみませんっす。ちょっと綾小路先輩に伺いたいことがありまして。いまお時間大丈夫っすか?』

 

「あぁ」

 

『いま1年寮の管理人さんに呼ばれて、デンヤくんの部屋にいるんっすけど』

 

ちょうど話題になっていた人物、退学になった波田野。この時間であればすでに手続きも完了し、学校を去った後だろう。

 

『実はデンヤくんの部屋に処分していいかわからない私物がいくつか残ってるみたいで、自分、生徒会ということで対処をお願いされたんっすけど、どうしていいかわからず……』

 

退学者の私物、これは卒業でも同じことだが、情報漏洩の観点から、この敷地から持ち帰れるものと、そうでないものに分けられる。

寮から退居する際に持ち帰り可能なものの中から必要な物、不要な物を指定して出ていくことになる。

必要なものは後日まとめて実家なり、新居なりに発送される仕組みだ。

 

波多野から詳細を聞くかぎり、どうやらそのリストに載っていなかった私物があったらしい。

 

「ちなみに何が残ってたんだ?」

 

これが食料品などの消耗物なら捨ててしまって問題ない。

 

「えーと、カップ麺、お茶、洗顔料、 週刊誌、ココアの素とかっすね」

 

「それなら捨てて問題ない」

 

「あー、でも、トランプとか水筒、本、あとデジカメなんかもあるっすけど、これも捨てていいっすかです?」

 

「……」

 

既視感のあるラインナップ。

 

「もしかしてだが、その中の本のタイトルは『幻の女』じゃないか?」

 

「さすが綾小路先輩っす!!何でもお見通しなんっすね、自分驚愕っす」

 

「カップ麺の商品名は『 Gカップ 』で、デジカメの色はピンクか?」

 

「大当たりっす。な、何か景品を用意した方が良いっすかね??」

 

「いや、大丈夫だ。それよりオレもそっちに行っていいか?」

 

「はい、それは構わないっすけど」

 

波多野に何号室か聞き、身支度を始める。

 

「天沢、悪いが今日はお開きだ」

 

「はーい」

 

すんなり了承する天沢。

喰えない後輩たちだと理解する。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「――ということがあったんだ」

 

学校へ向かう道中で、恵に(天沢との話は割愛して)経緯を話した。

 

「忘れ物の処分と万引き犯に何の繋がりがあるわけ?」

 

恵は、まだ結びつかないようなので、少し補足をする。

 

「その退学者の部屋にあったモノは盗品と同じモノだった」

 

「ええっ!?現行犯逮捕じゃん」

 

「現行でもなければ本人もいないから逮捕も無理だぞ」

 

「……言ってみたかっただけよ。じゃあ万引き犯がたまたま試験で退学になったってこと?」

 

「状況からそう判断するしかないな」

 

「まさに天罰ってやつね」

 

「どうだろうな」

 

この結果を偶然で片付けるにはあまりに出来すぎている。

 

「あれ?清隆、教室行かないの?」

 

校舎に到着後、教室とは別方向に歩き出そうとしたため恵に呼び止められる。

 

「一応理事長代理に報告する必要がある。捜査協力者として一緒に来るか?お茶ぐらい出るかもしれない」

 

「うげー。私はパスでー」

 

また、いいとこ取りしたなどと言われないように話したが、二つ返事で断られた。

万が一ついて来ると言っても適当な理由をつけて一人で向かったわけだが……。

 

気持ちを切り替えて理事長室を目指す。

形式的には犯人探しの勝負であるため結果報告は必要だが、この一件、どこまで月城が絡んでいるのかの一片でも探れればという考えもある。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「そうですか。万引きは重い罪ですが、退学という形で彼はすでに罰を受けました。これ以上学校側から追及することはいたしません。今回もお手柄でしたね、綾小路くん」

 

月城はこちらの報告を聞き、あっさりとした返事で済ます。

 

「それだけですか?状況証拠だけで犯人と決めつけてるのは早計では?」

 

「ここから先は司法の仕事です。被害にあった店舗へはこちらで補償をしておきますので、これ以上、大事にする必要もないでしょう」

 

それ以上話すこともないと理事長室からの退室を促される。

 

「それでは次の勝負は約束通り夏の試験です。お楽しみに」

 

「全く楽しみにはなりませんね」

 

嫌味には嫌味で返しておき、退室する。

 

波多野から聞いた人物像だと、波田野は万引きに手を染めるかどうか疑わしい。ただあの一之瀬でも条件次第では魔が差すこともあるため決めつけはできない。

 

逆に考えれば、何者かに万引きをしなくてはいけない条件を揃えられた、という可能性もある。

 

問題は、目的は何かということ。

 

本人が退学した以上、追加の情報は入手できない。

証拠隠ぺいのために抹消されたのか?

もしくは罪を被せられたのか、偶然だったのか。はたまた意図せぬ事故が起きた場合もある。

 

現状の情報を元に、可能性を検証していく。

だが、この万引き事件の目的がオレを退学にするための戦略だと容易に繋がることはない。

巧みに偽装している、というよりもそう繋げるにはあまりにも――。

 

釈然としない幕引きとなったが、頭の隅に留めておくことにする。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

それから数日後、生徒会室に生徒会メンバーが集っていた。

今日は無人島試験で導入予定の『戦略カード』案を提出する日だ。

 

 

 

 

ここで一度夏の無人島試験のルールを整理しておく。

 

【日程】

 

7月19日 出港し無人島を目指す

 

7月20日 試験開始

 

8月3日 試験終了&結果発表

 

8月4日 帰港予定日の11日まで船内で自由行動

 

最大2週間に及ぶ試験の中で事前に作ったグループで指定されたエリアへ移動しながら、課題に挑み、獲得した得点で競う。

今回が昨年の無人島試験と一番違う点は、全学年合同で行うことだろう。

クラス同士だけでなく学年の垣根を越えた戦いとなる。まさに南雲が考えそうな試験と言える。

 

試験結果を左右するグループについては

 

1.クラスを問わず同学年で組むことが可能

2.男女関係なく組むことができるが、混合の場合はグループ内の女子の割合が3分の2を超えていなければいけない。またグループの人数は2、3年生は最大3人で1年生は4人。無人島の課題の中で最大6人まで増やせる場合もある

3.一度組んだグループは原則として解散できない

4.グループ内のOAAの総合の評価が平均してB以下でならなくてはいけない

 

このルールに基づき、試験実施が発表されてから、期限内にグループを組むことになる。

 

グループメンバーが全員リタイアした時点で失格となる。

 

 

無人島で得点を集める方法は2つ。

 

1.無人島を100マスに分け、一定時間内にその場所に向かう『基本移動』。

着順報酬として1位のグループに10点、2位に5点、3位に3点。それに加え、時間内に到着した者には『到着ボーナス』が1点与えられる。3人グループが1位で到着すれば、合計13点が入ることになるため、グループ人数が多い方が得られるポイントは多い。

ただし、着順ボーナスはグループの最後の1人がゴールした段階で認められるため、他のメンバーを置いて1人だけ先着しても無駄となる。そしてグループ内に一人でもリタイア者がいる場合、残されたメンバーが上位で到着しても着順ボーナスがつくことはない。

 

この移動は初日と最終日は3回、それ以外の12日は日に4回、指定の時間に行われる。持ち時間は2時間。指定エリアへの移動を3回連続でスルーするとグループ毎に1点減点、4回連続なら2点減点と、到達できない回数が重なる毎にマイナスが増えていく。ただし、1回でも時間内に到着できればリセットされ、また連続で3回スルーするまでは減点はない。スルーに関してはグループ全員の到着ではなく誰か一人でも到着すれば回避できる。

 

そしてエリアの指定は基本的に最後に指定されたマスの前後左右2マス内、斜め1マス内に再指定される。ただし、1日に1回だけランダム指定される。このランダム指定は日を跨いでも連続で起こることはない。

 

移動のルートは予め決まっており、全部で12のテーブルにわけられているため、12通りのルートのうちどれかを辿っていくことになる。

グループメンバーは同じテーブルになり、途中でメンバーが増えた場合は、どちらかのテーブルに統一される。

 

2.無人島の至る場所で開催される『課題』をこなすこと。

随時開催されるこの課題をクリアすることで、課題ごとに報酬が用意されている。参加条件などもあるようだが、どんな課題が出るかは生徒会にも秘匿されているため、試験開始まではわからない。

ただ、課題で必要とされる能力は、身体能力3割、学力4割、その他3割とされている。

 

この課題の報酬の中にはグループの人数の最大数を上げるものやこれから提案する戦略カードも含まれる予定だ。

 

そしてこれらの得点の計測や確認のアイテムとして腕時計とタブレットがある。

 

計測は専用の腕時計を身に着けることで行っており、GPSによる位置情報だけでなく、生徒の体温、心拍数、血圧等も計測しており、学校側が常時モニタリングをしている。

もし何らかの項目が規定ラインを越えた場合には『警告アラート』が鳴る。このアラートは5秒すると自動で鳴りやむが、状況が改善せずに続くと10分後に2回目のアラート。その後、さらに5分経つと『緊急アラート』に変わる。このアラートが鳴った生徒は24時間以内にスタート地点でメディカルチェックを受けなくてはならず、受けなかった場合は最悪リタイアとなる。

また、警告アラートは手動でしか止めることはできず、5分間なり続けた場合はGPS情報を元にその場に教員と医療班が駆けつけることになる。

 

この腕時計は加工をしてあり、特殊な工具を使用しない限り外すことはできない。万が一取り外せたとしても得点を得る機能はストップする。

故障などの際も同様に得点機能がストップするが、スタート地点で交換が可能。

 

次にタブレットについて

 

・無人島の地図を閲覧でき、自身の指定エリアや現在地をリアルタイムで表示できる。

・課題の位置や内容、報酬などの詳細も閲覧できる

・試験4日目から12日終了まで、上位、下位10組のグループメンバーと得点が確認できる。

・6日目以降は1得点消費することで全生徒の現在位置を閲覧可能になる『GPSサーチ』の機能が解禁される。

・自身の所持している戦略カードの確認と使用ができる。

・充電はスタート地点や課題会場など特定の場所で可能。

 

そうして得点を稼いでいき順位を競うわけだが、大規模な試験だけに報酬もペナルティもこれまでの特別試験とは比べ物にならない。

 

 

■報酬

 

1位のグループ

300クラスポイント、100万プライベートポイント、1プロテクトポイント

 

2位のグループ

200クラスポイント、50万プライベートポイント

 

3位のグループ

100クラスポイント、25万プライベートポイント

 

クラスポイントは、人数に関係なくクラス数で均等に割るため、1クラスで構成されたグループが勝利すれば総取りでき、4クラスで構成されたグループが勝利した場合、クラスポイントは増えるが順位に変動はない形になる。クラス数で割るため最大数6人であっても、クラス構成が2クラスであれば人数に関係なく、報酬の二分の一がそれぞれクラスに入る。

 

その他、上位50%に5万、70%に1万のプライベートポイントが入る。

 

■ペナルティ

 

下位5グループのメンバーは退学

ただし、600万プライベートポイントを払うことで回避可能

このプライベートポイントの支払いはグループの人数で均等に割られるため、6人グループであれば100万ポイントで退学を免除できる。

 

また上位3グループが得るクラスポイントは、下位3グループのクラスから徴収される。

 

例えば、1位が2年Aクラスの単独グループだったとしても、最下位が同じく2年Aクラスであれば、クラスポイントの変動はない。

つまり、より上位のクラスに上がるなら、自クラスで上位を独占し、他クラスを下位3グループに落とせば、最大1200クラスポイントの差がつく。

もちろん、全学年合同であること、1クラスだけで構成したグループが互いに3つも存在する可能性などを考慮すると机上の空論でしかない。

 

 

最後に、基本カード、特殊カード、戦略カードについて

 

■基本カード

 

・先行

試験開始時に使えるポイントが1.5倍になる※ここでいうポイントは装備品や食料を購入したりできるポイントを指す

 

・追加

所有者の得るプライベートポイント報酬を2倍にする

 

・半減

このカードの所持者がペナルティ時に支払うプライベートポイントを半減させる

 

・便乗

試験開始時に指定した生徒のいるグループが得るプライベートポイント報酬の半分を得る

ただし自分のグループメンバーは選択できず、指定した生徒がいるグループに合流等した場合も無効となる

 

・保険

試験中に体調不良で失格した場合、所有者は1日だけ回復の猶予を得る

不正による失格などは無効

 

■特殊カード

 

・増員

このカードを所有する生徒は6人グループになる場合、男女の割合、OAAの成績に左右されず7人目として存在できる

 

・無効

所持生徒はペナルティのプライベートポイントを払わずに済む

 

・試練

クラスポイントの報酬が1.5倍になるが、上位30位に入れなければペナルティとなる

増加分のクラスポイントの負担は学校側が補填する

 

これらのカードは最初のルール説明が行われた翌日にランダムで1枚、生徒に配られる。

試験開始までの間に同学年同士でトレード可能で、1人で複数枚所持も可能だが、効果は重複しない。誰がどのカードを持っているかはOAAで確認できる。

 

特殊カードは各学年で1枚ずつしか存在しない。

 

■戦略カード

学校が準備したものではなく、南雲の提案で取り入れる予定のルールで、課題クリアやポイントで購入したり、無人島の随所に隠されているのを見つけて入手する。使用することで試験の状況を左右する効果を持ち、同じカードを合成したり、レベルアップのカードを使うことで効果を強化できる。

それらの操作はタブレットで行う。

 

いくつか南雲がすでに作成しているが、他にもこれから各学年2枚ずつ提案していく形になる。

 

 

これらのルールは、6月の中旬を目途に、一般生徒たちには試験の日程とグループについての共有、カードの説明がなされ、無人島でどういったことに取り組むかは試験開始前日に説明される予定だ。

 

 

 

 

そうしてルールを整理している間に生徒会メンバー全員が揃い、南雲が立ち上がり話を始めた。

 

「知っての通り、今回の無人島試験は過去最大規模で最高に盛り上がる試験に仕上がりつつある。この戦略カードもそのひとつだ。これからの提案、期待してるぜ」

 

南雲は向こうの陣営のカードは把握済み。わざとらしく宣言したのはこちらにプレッシャーをかけるためか、自信の表れか。いずれにせよ、無意味な行――

 

「あわわわ、緊張してきたっす」

 

波多野に効いたようなので無意味ではないか。

 

そうして各々が考えた戦略カードが披露されていく。

まとめると

 

カード名:トレース

発案者:溝脇 

効果:しばらくの間、GPSサーチをポイントなしで使用できる。レベルが上がる毎に適用時間が増える。

 

カード名:VIP

発案者:殿河

効果:グループメンバーを対象に発動。その対象メンバーは次の指定エリアを通過しなくても到着した扱いになる(単独グループの場合は効果なく、誰も到着できなかった場合はスルーしたことになる)レベルが上がる毎に対象数を増やせる。(ただしグループ全員を指定しても、誰か一人は指定エリアに到着しなくては効果はない)

 

カード名:ハイド

発案者:八神

効果:使用すると一定時間GPSサーチで自身の場所が表示されなくなる。レベルを上げる毎に対象人数を増やすか、効果時間を増やすかを選べる。

 

これが南雲陣営が提案したカード。

大きく予想からは外れてはいないが、使用されると面倒なものばかり。

南雲が挑発するような視線を向けてくるが、こちらの提案を聞きどこまで続くかは見物かもしれない。

 

「次は波多野の番だ」

 

「はいっす」

 

元気よく起立した波多野がスクリーンに提案内容のデータを表示する。

実際に考えたのは一之瀬だが、波多野もこれで問題ないと採用したカード。

 

カード名:コンフュ

発案者:波多野

効果:グループメンバー全員を対象に発動。一定期間、GPSサーチで表示される現在位置を正しい位置だけでなく、ランダムに点在させたダミーも表示される。レベルを上げる毎に効果時間とダミーの数が増える。

 

「――以上が自分の提案するカードっす」

 

「なかなか面白い提案だと思うぜ」

 

わざとらしい拍手を鳴らしながらそんな評価を送る南雲。

上手く使えばトレースやハイド、事前に南雲が提案した「ロブ」などを無効化できる効果。

早くも両陣営の思惑が交差し始める。

 

「次は私が発表しますね」

 

畳みかけるように一之瀬が次のカードを表示した。

 

カード名:ファストパス

発案者:一之瀬

効果:人数制限がある課題を対象に空きがある状態で使用すれば予約できる。(ただし参加するためには時間内に現地に行く必要がある)レベルを上げると使用回数が増える。

 

「……また変わった視点でカードを用意してきたな。流石帆波だ」

 

「ありがとうございます。いないとは思いますが、人海戦術で課題の枠を埋めてくるような人がいた場合の対抗手段になればと考えました。そんな規模で協力するなんて学年全体でも掌握してないと不可能ですから、杞憂だとは思いますけどね」

 

一之瀬からの追撃に表面上は上手く取り繕っている南雲だったが、目から余裕が消える。

 

「ハッ、この特別試験、ますます楽しめそうだ」

 

だがそれも一瞬のことで、南雲は面白おかしそうに笑った。

今の言葉だけは裏表なく本心からのものだと、この場にいた全員が感じとったことだろう。

一之瀬の予想した南雲の人海戦術による課題の独占、その戦略の一端は確実に攻略した。

それでも問題ない次善策でもあるのか、もしくはただドMなだけか。

 

「悪いが逆境を乗り越えることに愉悦を覚えるってだけサ」

 

「つまりドМで間違いないですね」

 

強気の南雲に一之瀬も引かずに切りかかる。

2人とも勝手にオレの思考を読んで会話をしないで欲しい。

 

「それで綾小路はどんな提案をしてくれるんだ?」

 

「一之瀬の後に発表するのは気が引けますね。大したカードではないので」

 

そう言ってスクリーンの映像を切り替える。

 

カード名:リーブ

発案者:綾小路

効果:使用者はグループから離脱できる。(この際グループ作りのルールには抵触しない)その後、使用者のテーブルはランダムに変更となる。また、それまでの所持ポイントは元のグループの所有となり、使用者は0ポイントになる。レベルを上げることで所持ポイントの分割割合を変えることができ、最大で50%にすることができる。

 

「ま、らしいっちゃらしいな。一見不利な効果にも見えるが使い方次第で退学者を量産できる」

 

「いや、自己犠牲のもとグループを救うこともできるんじゃないか」

 

南雲の感想に桐山が反論する。

話に出たように、沈む行く船だと判断すればこのカードを使って抜け出すこともできるし、逆に自分がリタイア寸前でグループに迷惑をかけるなら使った方がいい場面もある。

 

「このカードの存在はグループの不和を生むのでは?裏切りや疑心暗鬼はこの試験の本質と離れます」

 

八神が挙手し、懸念点を挙げていく。

これに反応したのは、またしても桐山。

 

「そうなる場合もあるのは否定しないが、考え方次第だ。このカードがあることでグループ内で手を抜くものの存在をなくし、全力で試験に取り組むようになるんじゃないか?」

 

実力のある生徒に寄生するだけの生徒を予防することができる、ということ。一般生徒はどんな試験かわからないため、グループ作りを失敗した場合の保険にもなる。

 

「それは理想論ですよ。悪意を持ってグループを陥れた後に、自分だけは離脱する使い方だってあります。現に、僕たちの学年にはそれをやりそうな生徒がいますから」

 

「グループ組みもこのカードがあれば裏切られるリスクも考慮して組む必要が出て、より交渉の深みが増す。1年生にとっても良い経験になるはずだ。グループにとって不要な場合は破棄すればいい」

 

様々な意見が行き交っているが、個人的にもこのカードが必要な理由はいくつかある。

大前提として向こうがオレの単独グループを許さないルールを作った理由は『グループメンバーを狙い、早々にリタイアさせることでオレを月城との勝負に敗北させること』だと考えている。

そうなった場合、通常であれば着順ボーナスが入らなくなり苦戦を強いられる。だが、リーブのカードさえあれば残ったオレだけ離脱することで着順ボーナスが復活し継戦可能だ。

つまりオレのグループメンバーを狙う旨味が薄れ、足枷になる分、まだ生かしておいた方がマシという判断を引き出し、刺客から間接的にグループメンバーを守ることができる。

 

ただ、裏を返せば、オレはこの手のカードを作らざるを得ない状況に追い込まれているとも言える。獲得が前提となるからこそ、相手は罠を張りやすい。

相手の土俵に誘い込まれている感は否めないが、なるべく他者を巻き込まない方向で考えているため落としどころとしてはこれ以上は望めないだろう。

 

「お前たちの意見ももっともだが、俺は悪くないと思うぜ、綾小路の案もな」

 

「生徒会長がそうおっしゃるなら僕もこれ以上の意見はありません」

 

南雲にあっさりと同意して引き下がる八神。そもそも否定意見もこちらの意図を引き出すためのポーズでしかない。

 

「ってことでこれで決まりだな」

 

南雲がサンプルとして提示した『チャレンジ』『チェンジ』『ロブ』『レベルアップ』と合わせて、計10枚の戦略カードが揃った。

 

想定より直接攻撃するようなカードが出てこなかったため、防御系のカードを提案しなかった点は一之瀬の読みが勝ったところ。

あとはこれらをどう使うか、相手がどう使ってくるかを計算し、展開パターンを予想していくだけ。

現段階の所感としては、ラインナップを確認する限り、戦略カードで直接戦うというよりも、他の策を通すために使う運用がメインになりそうだ。

 

「次の議題だが、試験後のクルーズ中に、学校からの要望で試験のねぎらいを込めて客船内でレクリエーションを行うことになった。生徒会主体で企画して欲しいとのことだ。企画責任者を立てるが、誰かやりたい奴はいるか?」

 

そんな風に無人島での戦いをシミュレーションしていると、南雲が試験後の話を始めたが、試験までの準備を考えれば余計なことに時間を割きたくないのが人情だろう。

 

「私に任せてください」

 

と案の定、立候補したのは一之瀬のみ。

 

「帆波なら良いレクになる、安心して任せるぜ。――さて、これで決めることは全部決まったわけだ」

 

南雲はそう発言して場を仕切り直す。

 

「わかってると思うが、この試験は全学年で最強を決める――いや、実質、俺たち生徒会の頂上決戦みたいなもんだ」

 

わざわざ言い直し、オレの方を見ながら話す南雲。

 

「俺は勝ちを譲ってやるつもりはない。全力でかかって来いよ、越えられない壁ってのを見せてやる」

 

自信満々の南雲に、傍で頷く殿河&溝脇。

 

「勝つのは絶対に私たちです。ね、綾小路くん」

 

やる気に満ちた一之瀬もその挑発に乗っていく。

 

「悪いがこの試験、Bクラスの命運がかかっている。俺も本気を出させてもらう」

 

桐山の諦めの悪さも相変わらずだ。

 

「先輩たちで盛り上がっているところすみませんが、僕たち1年を忘れてもらっては困ります。この無人島試験で勝利するのは1年生です」

 

「自分も頑張るっす」

 

八神に波多野も初の無人島試験もなんのそのと気合が入っている。

 

「ハッ、いいぜ。まとめて相手になってやる」

 

各々が目的のために闘志を燃やしている、とでも表現すればいいのだろうか。

大規模で多くのクラスポイントが動き退学者も出る試験なだけに熱量も上がっているのか。

いや、話はもっと単純なんだろうな。

他学年との真剣勝負はこの機を逃したらいつ訪れるかわからない。南雲に至ってはこれを実現するために相当前から準備していたみたいだしな。

 

各々が火花を散らしていく中、オレは――。

 

「話し合いが終わったなら帰ります。では」

 

そこまでモチベーションを高くは持てなかったので帰ることにした。

 

「まぁ待てよ」

 

だが、南雲に引き止められる。

まだ挑発が続くのかと少しうんざりしながら振り返ったが、どうやら違う様子。

 

「――6月中旬には一般生徒に試験ルールの一部が公表される」

 

「グループを作る時間を考えると妥当な日程だと思います」

 

それがどうしたのか、と目で訴える。

 

「何が言いたいかっていうと――あと2週間そこらしかない」

 

南雲にしては何とも煮え切らない話し方。

 

「この戦略カードについてだが、俺が学校と交渉して半ば無理矢理、実施しても良いと許可を得た手前、予算がないらしくってな、準備に学校は手を貸せない、という話になっている」

 

「は?」

 

「ってことで、この案を通したいならあと2週間で死ぬ気で働いて間に合わせるしかねえってことだ」

 

「……」

 

「戦略カードのプログラミングは綾小路に任せて、帆波はレクリエーションの準備、他はルールを整備し、テストプレイでデータを集め検証していくぞ」

 

オレ以外は力強く頷く。

 

「間に合わなかったらこれまでの努力が水の泡だ。生徒会の底力を見せてやれ」

 

「「「「おぉーっ!!」」」」

 

謎の一体感を見せる生徒会メンバー。

だが明らかに学生に任せる範疇を超えた仕事内容。

予算云々は建前で、オレの準備時間を削るための月城の嫌がらせだろうな。

 

戦略カードがなくなった場合のグループメンバーの保護とこれから取り組む業務量――どちらが面倒かを天秤かける。

 

そうしてオレは戦略カードのプログラミングを始めるため、渋々生徒会のパソコンに向き合うことにした。

 







戦略カードについての話は162話の『いずれ敗北するあなたへ』で登場しています。随分日が空いてしまったので振り返りたい方はぜひ。
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