50周目終わりなエルデの王に祝福を!   作:ゼノアplus+

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どんな武器持たせてもステータスが全てを解決してしまう件


8話

 

 

 

祝福を触り、改めて装備や記憶を確認した私は鉱山に足を踏み入れた。整備されていないらしく坑道というよりは洞窟といった感じだ。毒の発生原因を断つ事ができれば坑道として整備されるのだろう。

 

 

「エルデの毒よりは大した事無いな……」

 

 

毒の蓄積は確かにある。しかし陸ほやほどではないので多少無理して進んでも問題は無さそうだ。しかし……

 

 

「少々……鬱陶しいな」

 

 

恐らくコボルト?と呼ばれる棍棒を持った亜人のモンスターがわらわらと現れる。幸い『輝石の速つぶて』をセットしていたおかげで精神力の消費も少なく楽に狩れてはいるが……コイツら、毒に耐性があるのか現在進行形で発生している毒を意に介していないかのように動き回っている。

 

 

「『夜と炎の構え』」

 

 

一本道なので遠慮なく戦技の劣化版彗星アズールを放つ。逃げ場のないコボルト達は瞬く間に体に風穴を開け倒れ伏していった。ルーンは……うむ、やはり取るに足りんな。

 

 

「ダメだな、流石に伝説の武器は強すぎたか。全く使っていない武器などあったか……ああ、これにしよう」

 

 

『火の癒しよ』を使用した後インベントリの中を弄っていると、とある武器を見つけた。全く必要としていなかったので2つしか所持していなかったがこういう場で試すのも悪くない。

 

 

「ふっ……ご照覧あれぃ!!なんてな」

 

 

『接がれた飛竜』と名付けられたこの武器……武器なのか?指読みエンヤに追憶と交換してもらったので詳細は不明だが、黄金の君主ゴドリックが討伐した飛竜の首そのものだ。そもそも拳系統の武器を使わない事、そこまで秀でた性能ではない事が相まってインベントリで眠っていた品だ。今日使わなければもう2度と使うこともないだろう。

 

 

「ふんっ……まあこんなものか」

 

 

どのみちどんな武器を使おうと私の高すぎる筋力のせいで相手の硬さなど無意味なのだ。気にしてはいけない。

 

隠し道があるかもと思い時折、壁を殴って歩いているがそもそもここは人間の活動には向かない毒霧の領域。そもそも人の手など加えられていなかった事を思い出した。

 

適当にコボルトを殺しつつ道なりに歩くこと数分、ついに別れ道が出来ていた。しかもどうやら自然に出来たものではなくコボルト達が掘った道のようでいつ崩れてもおかしくなさそうな道だ。生き埋めになると死ぬのに時間を食うため面倒なのだが、奴らが活動した痕跡となっては放置することもできない。『遺跡石』を曲がり角に置いていくことにしよう。

 

やはりコボルトが出てきたのだがなにやら様子がおかしい、一瞬別の方向に視線を向けたのだ。コボルトがどれほどの知能を持つのか知らないが気を引き締めた方が良さそうだ。

 

目の前のコボルトを壁に叩きつけると奴の得物が今までと違う、鉈だ。今までは棍棒だったのに急に金属製の武器になっている。刃こぼれが酷くろくな手入れをしていないのがわかる。一応、もらっておこう。

 

 

「ゴホッ、ゴホッ……毒性の物質も強くなっている……か?」

 

 

単純に深層に近づいているのならばそれでいいが、一旦駆け抜けて死にながら確認して回るか。

 

 

「どけ」

 

 

鎧姿で走っているためガチャガチャと音が鳴る。ついでに腰にランタンをつけているためその明かりにも反応してコボルト達が寄ってくる。道自体が細いので何とか隙間を縫って『猟犬のステップ』で乗り越え、土産に火炎壺を後方にひとつまみしておく。

 

 

「『ご照覧あれい!』……誰だこの戦技の名前つけた奴。エンヤか、エンヤしかいないな。あの老婆、実はゴドリック嫌いでは?」

 

 

事実なので仕方ないが『奴はデミゴッドの中で最弱……』とか言っていた気がする。

 

細道にぎゅうぎゅうになりながら突進してくるコボルト達を戦技の炎で炭へと変える。バカなのか?

 

 

「む……梯子だと?」

 

 

あんな細い道でコボルトが生活している訳がないとは思っていたが、ここにきて人工物を発見した。しかも綺麗に木材が切り揃えられていて文明を感じる。

 

 

「…………いや、罠だろう」

 

 

下を見ると、気がついていないのかコボルトの鉈だけが見える。恐らく降りてきたところを奇襲するつもりだろうが、鉈が見えているので意味がない。

 

 

「『ご照覧あれい!』」

 

 

出来るだけ梯子に引火しないように下に向けて戦技の炎を放つ。一定量の悲鳴が聞こえた後、静けさだけが残った。

 

 

「ふっ……住処か」

 

 

梯子を使わずジャンプで穴に飛びこむと、薄暗いがコボルト達が住んでいた痕跡があった。どうやらさっきの炎で大半が焼けてしまったようで詳しい事情が分からないがまあ討伐が依頼内容なので気にしなくていいだろう。

 

 

「…………チッ、ここまでか」

 

 

この道にいるコボルトは殲滅したはずなので一旦死に戻りだ。しかしルーンが勿体無いな……ああ、冒険者カードに全て注ぎ込んでおこう。といっても今残っているルーンは20万ほど、つまり2ポイントにしかならない。まあ死んでもここに戻ってくる気は無いので無駄になるよりはいい。

 

 

【YOU DIED】

 

【YOU DIED】

 

【YOU DIED】

 

【YOU DIED】

 

【YOU DIED】

 

 

……

………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、ここで最後か」

 

 

あれから多くの分かれ道を進み続け行き止まりになるたびに死んでは入り口からスタートしてきた私は、ようやく最後のルートを残すのみとなった。

 

祝福に戻る時しか外を見ていないため正確な時間はわからないが、どうやら朝日が登り始めたらしい。夜通しかかったとは、思っていたより広い鉱山だ。道中邪魔してくるコボルトの数が10数匹程度で障害というにはあまりにか弱かった。そして少しずつ道が広がり始め、大きな空間へと出た。

 

 

「ほう……見た目通りなら戦士、司祭、魔術師、そして王といったところか。少し、真面目にやるとしよう」

 

 

玉座にしては見窄らしいものに座っているでっぷりと太ったコボルトの右に司祭風、左に魔術師風、正面に戦士風のコボルトがそれぞれいる。戦士風のは3体ほど確認できる。

 

 

「ティシー、頼む」

 

『……!!』

 

 

私は遺灰、『黒き刃ティシー+10』を呼び出す。彼女は私の前に膝をつき一礼した。

 

 

「そう畏まるな。お前なら……余裕だろう?」

 

『……』コクッ

 

 

遺灰たちはしゃべる事ができないため基本ジェスチャーで意志を示してくれるのだが、その中でもティシーはやけに仰々しいというか本当に忠誠を誓っているかの如く接してくれる。

 

 

『グギャァァァァ!?!?』

 

 

汚い叫びが聞こえてきた。ティシーの持つ『黒き刃』の戦技『死の刃』によって生命力をじわじわと削られているからだろう。なぜ今回ティシーを採用したかというと……ぶっちゃけ顔が見たかったからだ。何周目か忘れたが途中からは遺灰を召喚することなく戦っていたから、ラティナやティシーをはじめとする名前持ちの遺灰とは当分顔を合わせていなかったのだ。そのうちクララを呼び出す機会もほしいな。

 

 

「『滅びの流星』」

 

 

戦士コボルトがティシーに切り刻まれているのを見て司祭と魔術師が支援をしようとしたが私の魔術が迫っているのを見て一目散に逃げ始めた。そんなメンタルで術が使えるのか?他の戦士コボルトはティシーにビビり、術を使う私に標的を向けてきた。どうやら私の方が殺しやすいと考えたのだろう。だが、それが甘い。

 

 

「『カーリアの速剣』」

 

 

術師なら近接が弱いなんて、エルデにはない常識だ。むしろ近接の方が強い魔術師も信仰者もざらにいる。この世界は職業にスキルも技も縛られすぎてしまうという欠点がある。だからこそ成り立っているのかもしれないがな。

 

私とティシーの斬撃に依って瞬く間に切り伏せられたコボルト達を、我関せずといった様子で見下ろしていた王コボルトがついに立ち上がった。

 

 

「ツヨイニンゲン……ヒサシブリダ」

 

「ほう、知性があったとは。お前……いや、貴公らに罪はないがここで死んでもらうぞ」

 

「フザケタコトヲヌカス」

 

「残念ながら……少し、遅かったな」

 

「ナニヲイッテ……ガッ……!?」

 

「見事だ、ティシー」

 

 

王が私と悠長に会話をしているうちに、ティシーが背後に回り込んで致命の一撃を叩き込んでいた。流石は王都御用達の暗殺集団『黒き刃』の長の娘、他の団員とは実力が違う。私が墓すずらんで強化したこともあって、もしかしたら彼女の実力は母であり長であったアレクトーを超えるかもしれん。

 

 

「グ………グゥ…」

 

「ほう……!!ティシーの一撃を喰らって息があるとは。ああいや、ティシー、お前の実力不足ではない。此奴の意地だ、だからそんなに落ち込まないでくれ」

 

 

暗殺者としてのプライドが許さないのか、一撃で殺せなかったことに落ち込んでいるティシーだが私の言葉で気を取り直したのかもう一度刃を突き立てようとしたが、一旦止めた。

 

 

「待て、此奴には聞く事がある」

 

『…』

 

 

ティシーは構えを解き私の後方で跪いた。私は倒れ伏した王コボルトに近づくと話しかけた。

 

 

「答えろ敗者、なぜ貴様らコボルトは毒性の高いこの鉱山に住む?」

 

「…………カミノイシユエ」

 

「カミ……神?」

 

 

エリス殿、アクア殿、もしくはクリス殿に化けている神、それ以外か……モンスター側の神がいるのかもしれない。エルデに住む獣人達の神といえば『竜王プラキドサクス』だが、この世界で竜の話は未だ聞いていない。

 

 

「神とは?」

 

「シラヌ。カミハワレラニメイジタ」

 

「何をだ」

 

「ココニスムコト、カミノチカラデドクハキカナイトイワレタ」

 

「神の力……加護、もしくは信仰に準ずる祈祷……?いや、ここはエルデではないはずだ。おい、その神とやらを見たことはないんだったな?」

 

「……ソウダ……ガァッ」

 

 

苦しそうなコボルトを尻目に私は思考を続ける。

 

毒を無効化する神性を持つ神……いや、そもそもこの神とは本当に言葉通りの神なのか?いわゆる神聖視したが故に『神』と認めたただの強いモンスターの可能性もある。むしろそちらの方が楽なのだが。

 

 

『……ッ!!』

 

「…………どうした?」

 

 

ティシーが急に臨戦態勢になった。私が彼女に問いかけると同時に、()()が聞こえてきたのだ。

 

 

「なるほど……何者だ?」

 

 

私は右手のスロットを『屍山血河』『(猟犬のステップ)ダガー』『グレートソード』、左手に『黄金樹の聖印』『ルーサットの輝石杖』『クラゲの盾』

を装備する。明らかにこの世界基準とは思えない強い気配がする。流石に舐めてかかるとまずい。

 

 

「そんなに緊張しないでください。そうですねー……私の可愛い子達を虐めるのはこれ以上やめていただきたいんですけど。彼らは貴方達に住処を襲われているだけですから」

 

 

丁寧な口調で話しかけてくるのは女の声だ。しかしその姿はまだ見えず私もティシーも警戒を緩めない。

 

 

「そのことについては素直に謝罪しよう。しかし私にも生活があってな。()()()()は生きるか死ぬか、弱者は淘汰されて当然だろう?」

 

「……ええ、その通りです。彼らは貴方達より弱かった、ただそれだけのことです。しかし私を神と崇めてくれるのですからそれ相応の態度で示さねば彼らの信仰には報えないでしょう?」

 

「ッ……!!『滅びの流星』」

 

 

私は女の声を聞いた瞬間、王コボルトに魔術を放ち言葉を発する隙もなく存在を消滅させる。

 

 

「これで貴公の信仰者は消えた。それでもまだやるか?」

 

「ふふふ……流石は()()()。やる事が野蛮で良いですね」

 

「なに……?」

 

 

この女、今褪せ人と言ったか……?ということはエルデの者ということになる。

 

 

「貴公、エルデの者か」

 

「元、ですけどね。追放されてこの世界でバカンスを楽しませてもらってます。貴方もその口ですか?狭間の地からの追放者ならまだ『褪せ人』とも呼ばれないんですけど……」

 

 

お互い同郷の者だという事が分かった途端、女が洞窟の奥から姿を現した。見た目は普通の村娘、それも成人したてかのような女性だ。

 

 

「いや、エルデの地には舞い戻っている。褪せ人で構わない」

 

「まあ……ですが二本指の加護は無いようですね。ならミラの敵じゃなさそうです」

 

「ミラ?」

 

「ミラの名前です。ミラ()()()と言います」

 

「『……!?』」

 

 

私とティシーが全力でミラサクスと名乗る女から距離を取った。まて、サクスだと……その名は、まさか。

 

 

「どうして距離を取るんですか?」

 

 

ミラサクスは本当に分からないようで首を傾げながら尋ねてきた。この女、素の反応か?それとも様子を見て楽しんでいるのか……分からん。

 

 

「ミラサクス……殿、貴公の知り合いにフォルサクス、ランサクス、グランサクス、プラキドサクス……いずれかの者はいるだろうか」

 

「まあ!!ランとフォルのこと、ご存知なのですか?それにグランおじ様にプラキドサクス様のことも……もしや相当な実力者なんですね」

 

「…………冗談であって欲しかったんだが」

 

 

この日私は、メリナやラニのような運命の出会いというものをしてしまったらしい。

 

 

「皆の知り合いの方なのに、ごめんなさい。改めまして……ランサクスとフォルサクスの姉『古竜ミラサクス』と申します。以後お見知り置きを」




『唐突なオリキャラ ミラサクス』

エルデンリング考察動画を見ていた作者が
ランサクスは人化出来るのとフォルサクスの姉である
という情報を見て生み出した可能性

古竜の名前の意味を懸命に調べても分からず
某狩りゲーの始祖達の名前を雑にパクった

なぜこんな暴挙に至ったのか真相は
当時泥酔していた作者のみ知っている
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