転生魔術師クリプターくん ワイの担当した異聞帯が絶望すぎる   作:Uとマリーン見守りたかった隊

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ぺぺさん回収しに行く6章を、オリジナル異聞帯と同時連載にするか、6章やってからオリジナル異聞帯に行くかで迷い中です…


神を撃ち落とす日(前編)

 

 

 

中国異聞帯、インド異聞帯、そして、アトランティスを突破したカルデアはついにオリュンポスへと到達した。

そんな中、このオリュンポスを担当するクリプターのリーダー、キリシュタリア・ヴォーダイムは、ふとかつての自身の旅路を振り返っていた。

 

ーーークリプターの蘇生には人間ひとりを蘇らせるための熱量、因果を覆すための熱量が必要だった。

異星の神は死の状態にあるクリプターの運命……彼らひとりひとりの主観世界において、その成果を得るための環境を作り出した。あり得たかもしれない。しかし決してあり得なかった、主観世界の主と私の人理修復の旅である。

 

カドックとは信頼し合えた。

オフェリアとは笑い合えた。

芥とは助け合えた。

ベリルとはすれ違えた。

ぺぺには助けられた。

ああ見えて義理人情の人だからね、鴉郎さんは。

 

そしてマーレ、君との旅路は、これまでとは違った特別なモノだった。

 

「あ、あれはまさか!?」

 

「ふむ、実に興味深い建造物だ…よし、さっそく中に入ろう!」

 

「なんで特異点に()()()()()()()()()()()()があるんだよ!異物混入も大概にしろ!」

 

時には不思議な建造物に出会いーーー

 

 

 

「ノブノブ!ハニョ〜ブ!」

 

「あれは日本の埴輪というというものかな?…一体ぐらいお土産に欲しいな」

 

「ぐだぐだしてきたよ……本当に大丈夫なのか?このシミュレーション……」

 

また、時には不思議な生命体?にも出会ったーーー

 

 

 

「……ここから先は未知の領域だ。マーレ、君も気をつけるんだ」

 

「ああ、了解だリーダー!(第六特異点キャメロット…ここのヤバさはよく知ってるからな)」

 

「サーヴァントユニヴァースより参上!セイバー死すべし!さあ、行きましょうマスター。私以外のセイバーぶっ飛ばす!!」

 

「……シリアス終わったな」

 

他の5人とは来ることができなかった白亜の城(キャメロット)では、宇宙からの来訪者(謎のヒロイン)と肩を並べて共に戦いーーー

 

 

 

「すごいぞマーレ、まさに神代の戦いだ!!」

 

「はえースッゴイ、回帰の獣(ティアマト)遊星の巨神(セファール)天の牡牛(グガランナ)…ハリウッド映画でも作るのか…」

 

「…現実逃避は良くないぞマーレ。だが、これで全ての特異点が我々の手で修復された。……全ては君のおかげだよ」

 

第七の特異点では、これぞ神代という素晴らしい戦いを見ることができたーーー

 

 

「……いよいよだ。これが最後の戦いになるだろう」

 

「そうだな、いよいよ人理修復達成まであと少し!気合い入れ直さないとな!…おい、もっと復活して素材よこせバルバトス」

 

「…モウコロシテクレ」

 

 

 

ーーーーそして、私たちは人理修復を成し遂げた。

 

 

 

 

「どうだったキリシュタリア、最後まで二人で果たせた人理修復の感想は?」

 

ーーー君は、私のことに気づいていたんだね。

 

「まあ、正確には知っていたんだ。キリシュタリア…共に人理修復を成し遂げた戦友であるお前には、特別に俺の秘密を話そう」

 

 

「俺は、君達を観測していた次元…この世界とは別の世界から来た魂を持つ異世界からの転生者だ」

 

 

「本名はマーレ・()()()。太平洋に沈んだ大陸に文明を起こした、最初の転生者の子孫にして、そいつが作った遺産(パチモン)の継承者…それが俺だ」

 

 

「さて、これで現実の俺も蘇生しただろう。めでたく秘匿者の仲間入りだ。これからは地球の王様を決めるゲームの敵同士になる。先に言っておくぞキリシュタリア。俺はお前の理想を知っている。その上で俺はお前の理想を否定しよう」

 

 

………それはなぜかな?

 

 

「神のような存在なんてクソだよクソ。どうせロクな存在じゃない。(転生の記憶戻った瞬間に爆死させるような奴等だぞ!)…それに、俺たち人間は無限の可能性を秘めている。それは、完璧じゃないからこそ、きっと何かを成し遂げるために進化(成長)し続ける存在だからだと思うんだ」

 

 

「だからこそ、キリシュタリア…俺はこの王様ゲームに必ず勝利する。そして、人ではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

ーーーいいだろう。なら、勝負をしようマーレ。私は与えられたもの全てを使って必ず勝利してみせる。…そして、私がこの星の最後の人間になるだろう。

 

 

「そいつはいい!なら、もし現実の俺が勝ったら、その時は現実の俺に協力してやってくれ!じゃあな、キリシュタリア…世界を救ったAチームのリーダー。お前ならきっと、また世界を救えるよ」

 

 

 

ーーーまた会おう、マーレ。

 

 

 

「…………来たか、マシュ、そして我々ではない、新たなカルデアのマスター」

 

過去の追憶を終えたキリシュタリアは改めて前を見つめ直す。その先には、破神を成し遂げてキリシュタリアの下にたどり着いたカルデアの主従の姿があった。

 

 

決着の時は刻々と近づいていた。

 

 

太平洋異聞帯、人類種の拠点

 

「それじゃ、俺は一足先にオリュンポスに行ってくる。後は手筈通り頼むぞ全連結指揮体(アインツィヒ)

 

「【了解(ヤヴォール)】」

 

一方、ちゃっかりクリプター会議を欠席した(サボった)現在世界(本物)のマーレは、機凱種のリーダー的存在であるアインツィヒに指示を出すと、裏切るであろうベリルの始末と、異星の神の降臨に立ち会うため、キリシュタリアのいるオリュンポスへと向かう(重役出勤の)準備を整えていた。

 

「……なあ、本当によかったのか?道具としての生き方を選んで。()()()()()()()()()()()、それが、どれだけ残酷な事なのか理解している筈だ」

 

「【解答】【我らは機械、心なき道具】『意志者(シュピーラー)』の悲願を成就させるその日まで、我らの在り方が変わることはない」

 

マーレの問いに応答するアインツィヒ。その声は、とても心があるとは思えないどこまでも機械的なものだった。ただ一箇所、『意志者』という言葉を除いて。

 

「そうだったな、意志者(リク)が定めた【ルール】に道具の損失を認めぬ旨は含まれていない。ゆえに道具である機凱種はいくら損失しても問題ない…か」

 

()()()()()()()()()()、この大戦を終わらせるためにやるべき事をしよう。そして、もしも、全てが終わったその後共に生きていたら、お前の愛に生きる物語を俺に見せてくれよ」

 

「………【了解】」

 

(今、一瞬照れたな)

 

どんなに元の存在(機械)に戻ろうとしても、一度心を手に入れた彼等はもう元に戻る事はできないだろう。

それでも、彼等は成すべき事の為にその在り方すら偽っている。どれだけ損失を出した(命を失った)としても、彼等はきっと貫き通すだろう。ならば、せめて俺は彼等に報いてやりたい。あと、恋心で面白くなるアインツィヒも実際に見てみたいしな。

 

「必ず勝ってみせる。キリシュタリアにも、この世界にも。そして、君達の目指した世界を必ず実現してみせるよ、リク」

 

何よりも証明してやりたい。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 





マーレ・ドーラ
伝承保菌者 過去の転生者(ドーラ王)が作った星杯のパチモン、『星杯の模造品(スーニアスター・レプリカ)』の継承者。
パチモンなので本物と比べると話にならない(欠片から零れる一滴分の力すらない)が、優秀な魔力炉心として機能する。また、継承者は限定的に『盤上の輪廻(ディスボード)』の異界秩序を押し付ける特殊な固有結界を展開することができる。
初見なら『とある方法で』慢心しているジブリールを撃破できるらしい。

その家系は初代が根源接続者(笑)であり、相当代も重ねているため人間にしては優れている方だと思う。なお、異聞帯に一人で正面から挑んでたら普通に死んでた。所詮は人間である。

スカウト理由 カルデアからの魔力供給が途絶えた時の保険。

好きなもの ゲーム 何かに挑む者
嫌いなもの (バカな)神と先祖(バカ) 退屈な世界

ドーラ王(転生者) ご先祖様。大体こいつのせい。この世界線の汎人類史のムー大陸が抑止力に消されたのもたぶんこいつのせい。


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