風邪になった鹿目まどかが悪魔ほむらに看病されるだけ(完結)   作:曇天紫苑

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『愛は、それが自己犠牲である時の他は、愛の名に値しない』
 ロマン・ロラン


行かないで、消えないで

 満月が、その丘を照らしていた。

 優雅な光である。そんな月明かりを反射する流水と、風に揺られる草の音色が凛とした静けさを漂わせ、その世界を一つの完成した物へと変えている。

 人気の無い空間だ。

 しかし、その一番先端。数歩行けば落ちてしまいそうな先に、彼女は、暁美ほむらは座っていた。二つ並んだ椅子の片方、空いている席を優しく撫でながら、軽く足を揺らせて。

 

 鼻歌を奏でながら、ただ座り続ける彼女。その背中を流れる黒の髪が、風によって揺らめく。

 仄かな明かりが彼女の耳にかかる飾りを光らせ、一人の確固とした少女の魅力を引き立てている。その背中は孤独が似合い、悲しい程に孤独を感じさせる。

 

 それでも、暁美ほむらは上機嫌で鼻歌を続ける。まるで一人ではないかの様に、誰かが、側に居る様に。

 

 

 そんな時、かさ、と。草の中が揺れる音がした。

 

 

 歴とした人間の気配が、その場に漏れ出す。人ならざる暁美ほむらにとっては、よくよく感じやすい物だったであろう。

 暁美ほむらは、その音を耳にすると同時に振り向いた。

 そこには、可愛らしくおめかしをした鹿目まどかが立っていた。

 

「お待たせ、ほむらちゃん」

 

 はにかんだ笑みの鹿目まどかは、ごく自然な物として優しげな表情となったまま、夜風に揺られる自分の髪を直す。

 小柄で愛らしい少女だ。その姿を確認すると、暁美ほむらは椅子を持って丘の中へ戻っていった。万が一にも落下しない位置まで離れると、改めて二つの椅子を並べる。

 

「座って?」

「うん」

 

 並べられた椅子の片方へ、鹿目まどかは遠慮を見せずに腰掛ける。少し遅れて暁美ほむらが座ると、彼女は嬉しそうにその顔を眺めた。

 

「夜風が気持ちいいね」

「ええ、とても」

 

 微笑した暁美ほむらが、気遣う様に己の身を脇へ寄せる。まだ微かな戸惑いや遠慮が有り、鹿目まどかと距離を取ろうとしている様にも見える。

 これに不満を露わにした鹿目まどかが、口を大きく歪めた。

 

「ほむらちゃん。わたしって、二人分の椅子でも、ほむらちゃんが寄らなきゃいけないくらい……太ってるのかな」

「い、いいえ。そんな事は無いの」

「じゃあ、こっちに来て。何だか、避けられてるみたいで傷ついちゃうし」

「ええ……それも、そうね。もう、避けるとか、そういう段階の関係じゃ無いものね、私達は」

 

 一人で納得した口振りで、暁美ほむらはまた鹿目まどかへ距離を詰める。その所作にも遠慮と躊躇は存在したが、そんな物は鹿目まどかの好意によって打ち消されている。

 彼女達はようやく椅子へ座り終え、その距離を肩が触れ合う所まで近づけた。もう少し顔を傾ければ、頬も密着するだろう。

 二人は良好な関係を滲ませる様に、見せつける様に笑い合った。私達には、これほどまでに大切な人が居るのだ、そう言い放つ様だった。

 

「本当に良い景色だね」

「気に入って貰えた? なら、何よりの事よ」

 

 見滝原の夜景は、星空と都市の光が均等に輝き、一つの世界を作り上げている。

 それを見つめた二人が癒しに包まれる。特に、鹿目まどかの表情は感動的な色を帯びていた。

 

「こんなに素敵な場所が有るなんて……あ、見て。あそこに鳥が……」

 

 鹿目まどかは空を指す。そこでは、頭の部分だけが奇妙な色合いをした、黒の鳥が群れを成して飛んでいた。

 

「ああ、カラスの様ね。随分と夜更かしな鳥」

「うん。やっぱり、鳥さんって普通は夜に寝るのかな」

「夜行性のも居るには居るんでしょうけれど、見かけないわね」

「もしかして、暗くて見つけられないだけかも」

「ああ、その可能性は十分に有ると思うわ。今度調べてみましょうか」

「だね。後さ、出来れば寝てる所とか見てみたいよね、きっと可愛いよ」

「分かるわ。鳥が丸くなって寝ている所とか、想像するだけで癒されるわね」

 

 彼女達は、他愛も無い好奇心だけの会話を心から楽しんでいる様子だ。

 鳥の話をしながら、彼女達は夜の空を行く黒の鳥を目で追っていた。

 夜を飛び続ける余りに、燃え尽きて星になるのではないか。と、そう思われる程に鳥は飛んでいた。

 

「ずっと飛んでるんだね」

「それでも、時々は下りて餌を探すのよ。ほら」

 

 暁美ほむらが言い終えたと同時に、鳥達は降下していった。主の告げた事を忠実に守ったかの様な反応である。

 

「居なくなっちゃった」

「ずっと眺めている訳にもいかないわ。行くわよ」

 

 暁美ほむらは立ち上がり、鹿目まどかへ手を差し伸べる。

 姫君に手を差し出すかの様な真剣さと、丁寧さ、それより何よりも神聖さを感じさせる手つきである。

 鹿目まどかもこれには動揺する。だが、やがて決意を固めたらしく、ゆっくりとその手を取った。

 

 手を引く暁美ほむらの表情は、冷静な中にも確かな喜びを秘めた微笑みである。それが一瞬だけでも不気味でおぞましい物へ変わったとしても、鹿目まどかは逃げはしない。

 

「んっ」

 

 二人は椅子のすぐ後ろへ行き、腰を落とす。

 彼女らが改めてその腰を委ねたのは、ピクニックに使う様なシートの上だ。飾り気の無い緑色だが、使い勝手は良さそうだ。

 その上にはサンドイッチが幾つか入った籠が、まるでピクニック。

 いや、実際の所、それはピクニックとほぼ同然だった。だからこそ、ここへ来て夜景を眺めているのは、彼女達だけではない。

 

「お父様と詢子さんは?」

「あっちでタツヤを見てるよ。ほら、あそこ」

「……ああ、本当ね。まどかが心配なんでしょうね。もしかすると、私と一緒に居させるのが不安なのかしら」

 

 体育座りをした二人が、サンドイッチを手にする。

 勿論、これは彼女達の手作りだ。大切な友達が食べる物だからと、技術は無くとも精一杯の出来る限りの親愛の情が籠められていた。相手の為のお手製だ、他人が食べる事は許されない。

 

「ほむらちゃんと一緒に居るのが不安なんて、絶対無いと思うよ? それよりは、家族みんなで遊びに来たかったんじゃないかな」

 

 好意を明らかにしながらも、鹿目まどかはサンドイッチを口にする。ハムとタマゴだ、その形は丁寧に仕上げられており、それ以上に暁美ほむらの愛情が詰まっていた。

 

「そうね……家族の団欒は、とても大切よ」

「ほむらちゃん……それは」

「あ、いえ。違うわ、別に私は……自分の家庭環境の話をしている訳ではないの。ただ、まどかの家庭はやっぱり明るくて素敵だと思っただけで」

 

 自分の発言を誤魔化したかったのか、暁美ほむらもサンドイッチに手を付ける。気合いの入れ過ぎか、具が若干多過ぎたミックスフルーツだ。形は何とか整えているものの、具材が溢れかかっている。

 それを暁美ほむらは落とさない様に注意しながら食べる。クリームと果実のバランス自体は、作り手である鹿目まどかの入念な味見によって保証された物だった。

 甘みが心を落ち着かせるのだろう。フルーツミックスのサンドイッチを口にすると、暁美ほむらの顔が少しずつ穏やかさを増していった。大切な人の手作り、味以上に、そこが大切なのだ。

 

「ほんとに綺麗だねー……」

「ええ……将来、誰か大切な人と一緒に眺めようと思っていた光景なの」

 

 見滝原の夜景は、その下を走る車を朧気に見せる。

 一つ一つが生命であり、この世界が存在している証拠だった。暁美ほむらはその輝きに目を向けながら、静かに口を動かしている。

 

「ほむらちゃんの大切な人は、わたし?」

「ええ。貴女は、私の大切な人。ずっと、ずぅっと……永遠に」

 

 半ば告白とも取れる発言。しかし、二人の間にはその意図を勘違いする様な空気は流れない。

 分かっているのだ、自分達の間に有る感情が、何なのかを。

 

「まどか。私はね」

 

 唐突に、暁美ほむらが立ち上がった。

 その両手を胸の前で合わせて、祈る様に鹿目まどかへ微笑みかける。

 

「苦痛の時も、責め苦の時も」

「困難の時も、試練の時も」

「狂喜の時も、邪悪の時も」

「希望の時も、絶望の時も」

「何時、如何なる時であっても」

 

 次々に言葉を放ち、暁美ほむらはそれを誇らしげに続けた。

 最初は怪訝そうだった鹿目まどかは、今も微妙に疑問を浮かべている。言われている事を完全には理解できていないのか、口を噤んで静かに聞き入れている。

 その態度を確認した様で、暁美ほむらはにこやかな笑顔を見せた。

 

「私は、貴女を愛し、貴女を敬い、貴女を願い、貴女を助け、命有る限り……ううん、私という存在が無くなったとしても」

 

 言葉を切り、暁美ほむらは深呼吸をした。

 

「何を犠牲にしてでも、この心を尽くす事を、それを必要とされなくとも、貴女に尽くす事を……」

 

 

「誓います」

 

 

 堂々と、暁美ほむらは宣言した。

 真っ白い服を着ている事も有って、それはまるで結婚式の花嫁の様な、それでいて花婿の様な。

 まさしく、神聖さと、純粋さだった。少なくとも、その言葉を口にする彼女の瞳に浮かぶのは悪意でも善意でもなく、ただただ美しく、ただ献身的なまでの、輝かしい想いだった。

 しかし、その神聖さは、唐突に表情を崩した暁美ほむら自身の手によって四散する。

 

「なんてね」

 

 微かな悪戯っぽさを漂わせた微笑み。それは彼女らしく無いが、目映い暗黒の輝きの表現だった。

 そこで、鹿目まどかはやっと何かから解放されて、大きく息を吐く。

 

「……っぁ……な、なんだろ。ドキドキしちゃった。息が止まるかと思ったよ」

「ふふ、驚いた?」

「今のって、結婚式の時に言うのだよね?」

「ええ。内容は私らしく変えた物だけどね」

 

 暁美ほむらはユーモラスさを漂わせる。

 他の誰も知る事を許されない、彼女の中の温かみ。何よりも特別な存在に対してだけ見せる、彼女の素の表情だった。

 

「ほんとに凄かったよ」

「そう? それは良かったわ」

 

 喜ばれた事を素直に受け止めたらしく、暁美ほむらは嬉しげだ。

 彼女にとっての特別な少女、鹿目まどかの側へ戻り、暁美ほむらはまたサンドイッチを一口食べる。小食である彼女は、本当に少しずつしか食べない。大切な人の作った料理を、一口ずつ味わっている。

 

 そこで、彼女は何か面白い事を思いついたのだろう。

 サンドイッチを大きく食べて、タオルで手を拭くと、鹿目まどかへ手を伸ばした。

 

「まどか、立って」

「うん、何かするの?」

「ええ」

 

 鹿目まどかは素直に立ち上がり、手を繋いだまま暁美ほむらの前へ立つ。

 彼女が言葉を待っていると、暁美ほむらは妖しげな笑みを浮かべた。

 

「ねえ、まどか。踊ってみない?」

「え? 踊れるの?」

「少しだけ、ね」

 

 鹿目まどかが唐突な提案に目を丸くする。しかし、次の瞬間には感心した風な表情へと変わった。

 

「ほむらちゃんって、ダンスの経験も有るんだ」

「そうね……お節介な先輩から、少し教え込まれただけよ。心配しなくても、私も素人同然だから」

「でもわたしは踊れないよ?」

「ふふ、よくあるでしょう? わたしに合わせてくれれば良いのよ……って」

 

 少々の無理を感じさせる笑顔で、暁美ほむらは言い切った。言い回しが微かに悪魔じみた邪悪さを秘めていたが、結局は好意の塊である。

 鹿目まどかは迷いを見せた。自分は踊れないのに、本当に良いのだろうか。そういった顔をして、考えた様だ。

 しかし、最終的には暁美ほむらの期待が滲む目に負けたのか、鹿目まどかは微笑んだ。

 

「じゃあ、お願いするね」

「任せて」

 

 その言葉と同時に、暁美ほむらは手を軽く引っ張って、鹿目まどかの身体を引き寄せる。

 抱き寄せる様に背中へ手を回すと、暁美ほむらはゆっくりと踊り出す。

 

「ふ……ふふっ……」

 

 何もかもが楽しいと言わんばかりに、踊る。

 

 踊り方は丁寧であり、動作はかなり遅い。二人で踊るのには、あまり慣れていない様だ。

 その為か、極力パートナーに負担をかけない様に気遣っている様子で、その動きにより、鹿目まどかは流される様に踊っていた。

 しかし、その楽しげな雰囲気に呑まれたのか、鹿目まどかもまた楽しそうな様子へと変わっていく。

 

 二人は、鼻歌を奏で始めた。共に踊っている為か、完璧に揃った鼻歌だった。

 

 足を引っ張らない様にと思ったのか、鹿目まどかは少しずつ積極的に踊っていく。

 暁美ほむらが鹿目まどかを引き寄せて、腕の中へ納めると、次のステップを踏んだ時には、鹿目まどかが暁美ほむらを引っ張って、抱き寄せていた。

 

「あははっ、はは」

 

 抱き合う形となった二人は、どちらとも無く愉快そうに笑い出した。

 踊るのも忘れて、二つの陰が一つに重なる。

 

「ふぅっ」

「えへへっ」

 

 それなりの動きで踊った為か、二人は一緒に息を吐き、身体を寄せ合ったまま指を絡める。

 指と指が複雑に絡まった状態、それを維持しながら、この二人は相手に向かって心の一つでも溢れ帰りそうな気持ちの籠もった表情を見せた。

 

「ほむらちゃん」

「なあに?」

 

 耳元で囁く鹿目まどかは、同じく耳元で囁き返す暁美ほむらの言葉を受けて、僅かに口を閉じた。

 だが、すぐに何らかの覚悟を確定させた顔色となって、小さくも確かな一言を告げる。

 

「大好き」

「……私も、貴女が好きよ。世界の何よりも、誰よりも」

 

 とてもつもなく重く、熱い気持ちを秘めた返答だ。

 ごく真剣な顔をした暁美ほむらは、どうやら嘘偽りの無い本心で答えている様だった。

 

 二人は自然に指を解き、踊りを続ける。

 最初は鈍かった鹿目まどかのステップは、失敗を恐れずに積極的な踊り方をする様に変わっていく。安心して暁美ほむらへ身体を預けている為だ。

 

 相手を信じ切っているからこそ、二人は踊る事が出来た。

 

 互いに相手へ好意を抱き、慈しみ、尊び合う関係。

 それは、決して恋で結ばれる物ではなかった。

 だが、何よりも深い物だった。魂と、その存在で繋がる関係だとでも言うべきだろうか。

 神と悪魔、鹿目まどかと暁美ほむら、多くの為の自己犠牲とたった一人の為の自己犠牲。その反しながらも互いを強く強く慈しむ気持ちが、すれ違う筈だった二人の心を確かに交差させていた。

 

 鳥が鳴き、少女達が花火を片手に踊り出し、誰にも見えない天空へ浮かぶ紋章が美しい輝きを帯びる。

 そして、満月が今の彼女達を表現する様に、二つの椅子を照らしていた。




ここだけ、三人称です。どちらの視点でも合わない。



「あとがき」

 とりあえず、もう何度も言う事ではないと思っていますが、私は叛逆の物語が大好きです。この美しさに、温かさに、輝かしさに、そして彼女達の決意と想いの尊さに、大きな愛情を抱いています。
 正直に言えば、本編よりも叛逆の物語の方が好きなのです。それは美樹さやかの扱いであったり、暁美ほむらという人格を完璧に描き切った事であったり、安易な見かけだけのハッピーエンドではなく、もっと奥深いハッピーエンドに持ち込んだ形だったり。どれもこれも、私にとっては大切な要素で、叛逆の物語に魂まで注ぎ込む理由となりました。単純なファンサービスに流れていたら、私はまどかマギカを見限っていた事でしょう。

 叛逆の物語において、まどかマギカというテーマについて最も重要な事とは、『鹿目まどかが戻ってきた』事に有ると思います。本編における自己犠牲による女神の誕生、それを悲劇だとして否定した上で、女神の起こした慈悲の奇跡を守る。そういう点が、何ともまどかマギカらしい。

『願いは間違っていない、その願いから生まれた結果が、どこかしらで間違っていたとしても』

 これは、まどかマギカ本編に普遍する真理だと思うのです。
 (魔法少女の)絶望の否定、(魔法少女の)犠牲の否定、(魔法少女の)願いの肯定、(魔女化という)運命への叛逆によって生まれた円環の理。それを、同じく(自らの)絶望の否定、(まどかの)犠牲の否定、(ほむら自らの)願いの肯定、(円環の理という)運命への叛逆によって生まれた悪魔ほむらが覆す。その構図は素晴らしい物です。無論、心情面でも私は彼女達に心酔していますが。
 私が登場人物の一人一人に愛情を抱けるのも、叛逆の物語が構図・世界観・描写
ストーリーのあらゆる面で、そういった美しさを持った作品だったからだと思うんですよね。ただの続編でもファンサービスでもない。もう一歩先を行った作品だった。シリーズを観ていない人間には、シリーズのテーマや雰囲気を理解しようと努めていない人には伝わらないかもしれない。でも、私はシリーズを観ていたし、理解しようと必死になっていた時期が有った。狂気の様に熱意を傾けた時期が有りました。だから、今、私はこうやって半ば信仰の域に入り込む程叛逆の物語が好きで、大切に思っているのです。
 続編が有ったとしても叛逆の物語を超える事は、少なくとも私の中では無いでしょう。ここが私の愛情の最大値なのです。もしかすると、私は今、人生で最も狂おしい時間を過ごしているのかもしれません。


 さて、本作の話ですね。
 本作は……言ってしまえば私の暁美ほむらと鹿目まどかへの愛情が書かせた物です。私の気持ちは基本的に前作で描き切ったので此処で語るつもりは有りません。
 結局、ある意味本作は日常物で、そうではない物になりましたね。終始徹底して『悪魔ほむらの肯定』『鹿目まどかの幸せ』を描いたつもりです。こういうありふれた幸せを守る為に暁美ほむらは存在しているんだ、という事を簡単に表現しました。
 無論、原作が本作の様にこのまま上手く行くとは思いません。思えません。しかし、仮にこうして何事も無く時間が過ぎて行けば、こんな風になるのではないかと思います。
 実は私、叛逆の物語に続編は要らないかな(続編が上手く作られるのか?という『不安』。鹿目まどかが笑顔で居て、暁美ほむらが満足している。彼女達が傷ついていない今で終わっていて欲しいという『願い』の二つが入り混じった気持ち)、と思っているタイプの人間なので、こういうのも十分にアリなんですよね。勿論、続編は続編としてある程度の予測は立てていますが……でもやっぱり、叛逆の物語が本当に綺麗な終わり方をしたので、台無しにされるんじゃ、という不安感は結構強いんですね(叛逆放映前の時も、本編の美しさを台無しにされるんじゃないかと不安になりましたが、違う意味で『台無し』にされましたね。大好きです)。ならいっそこういう日常になってしまっても、などと考える事はあります。
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