まだ誰もしない感覚で ロウワー   作:汁だく茶釜

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Lanndoのオフィシャルサイトで、二人の名前が判明した時はびっくりしました。


素晴らしい原曲様
https://youtu.be/3sEptl-psU0


救世の魔女

 

 

 

✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎

 

 

 

ある貴族の屋敷にて。

 

 

 

不治の病に侵され、今にも命を奪われてしまいそうな青年の姿があった。

 

 

 

ここ最近の流行病であるこの熱病。

 

 

 

彼に助かる道はないーー何処の医者も同じことを言っていた。

 

 

 

寝台に横になる彼の隣で父と母が見守っていた。

 

 

 

「はぁ、はぁ......」

 

「もう少しだ。もう少しの辛抱だ」

 

 

 

息も絶え絶えで、意識も朦朧としている彼を励ます様に両親は手を掴んだ。

 

 

彼が助かる希望は、たった一つを除いて全て断たれてしまった。

 

 

 

その時だ。

 

 

 

扉を開けて一人の少女と思わしき人物が部屋に入って来る。

 

 

 

 

「申し訳ありません。大変遅れてしまいました」

 

 

 

その声の持ち主は、純白の魔女だった。

 

 

 

世間一般的には、あまり良い印象がある存在とは言えない。

 

 

だが、例外的に彼女には特別悪い噂と言うものは無かった。

 

 

 

なんでも、病の人々を治して回っていると言う"博愛主義"の魔女だと言う。

 

 

 

「これは、イクス殿......いきなりで申し訳ないが治療の方をお願いしたい。もういつまでもつか......」

 

「わかりました。直ぐに取り掛からせてもらいます」

 

 

 

 

イクスと呼ばれた魔女はそう言うと、病に苦しむ青年に手を翳した。

 

 

青年の母は不審そうな表情をイクスに向けるが、妨害するわけでも無い。

 

 

本来、魔女の奇跡など信じる訳はないのだが、そんな物に縋るしか無いほどに彼らは追い詰められていた。

 

 

 

イクスが手を翳し続けて、どれほど経っただろうか。

 

 

「はぁ......うんっ」

 

 

青年の荒々しかった呼吸が、急に穏やかな物になった。

 

 

 

「うっ......急に体から楽に......?」

 

 

 

青年はゆっくりと身体を起こす。

 

 

 

今まで、身体を蝕んでいた病魔が嘘の様に消えて無くなっていた。

 

 

 

「だ、大丈夫なの?」

 

 

心配そうに問いかける母。

 

 

「不思議なくらいに大丈夫だよ......まるで嘘みたいだ」

 

 

「よ、良かった、本当にっ、良かった......!」

 

 

父と母は歓喜のあまりに涙を流した。

 

 

 

「僕はでも、どうして?」

 

 

一体何故助かったのだろう。

 

 

今まで、熱病に侵されて意識も曖昧だった。

 

 

何故、こうも急に元気になったのだろう。

 

 

「魔女様が助けてくれたんだ、どうお礼をすればいいのか......」

 

 

父の視線の先には、イクスがいた。

 

 

 

「貴方が僕の事を?」

 

 

 

イクスは、コクッと首を少し縦に振る。

 

 

その瞬間、青年はイクスの手を取った。

 

 

 

「この恩は一生忘れたりはしません、ありがとうございます」

 

「いえ、そんな大層なことはしていません。私は私に出来ることをしているだけなんです」

 

「そんな事はないです、私は貴方に救われました......」

 

 

 

イクスはその問いに、微笑みで返した。

 

 

世間では、魔女狩りの風潮が強まるこの頃。

 

 

イクスは、人の為にその身を顧みずに流行病を治める為に、その力を惜しむ事なく使っていた。





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