無口な無口な神機使い~別に喋れない訳ではないんだが~   作:猫丸飯店

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Q.ルーキーちゃん側はどんな状況?
A.リンドウさんに命令するところ。

名シーンですね。

現在のルーキーちゃんのミッション評価はSSS。
あと三つ取ればルート確定。

無口さんに追いつかれてはいけませぬ。
乱入してくる前に全てのカタをつけましょう。


無口な無口な裁罪人3

やるなレン。

一部とはいえ、仮にもハンニバル種と思しきアラガミの身体を紙屑同然に斬り飛ばすとは。

 

戦闘中ゆえ、あくまで心の中で。

されど思わず声が出そうな程には素直に感心する。

 

神機でアラガミの身体を切断する。

これだけの事に限って言えば、そこにさしたる技術は必要無い。

 

加速させたやいばを走らせる。

重量を乗せたを立てる。

 

従来の金属で作られた刀剣を用いるなら必須となるであろう技術だが。

細胞レベルで物質の結合を喰い千切る神機には全くと言っていい程必要がない。

 

神機の切れ味とはすなわちオラクル細胞の捕喰性能。

即ち組み込まれた偏食因子の質がその要因の大半を占める。

 

極端な話。

それが喰える物なら触れるだけで細胞の結合を噛み千切れる。

 

そこに技術の巧拙は関係無い。

 

切れて当然、切れなくて当然。

故に切断属性の近接神機を使うゴッドイーターにはアラガミを"切る"ための技術ではなく、アラガミを"斬る"ための技術が求められるのだ。

 

相手は人間を生餌とばかりに喰らわんとするアラガミ。

 

反撃を待たずに牙剥く相手に。

武器を突き立てたけど切れなかった~などとなればどうなるかなど言うまでもない。

 

そしてアラガミと違って人間の細胞はひどく脆い。

 

アラガミ相手に神機の刃が立たないなんて事はザラにあるが。

人間相手にアラガミの歯が立たないなんて事はありえない。

 

噛まれれば最後。

熟した果実のようにグシャリと中身が弾け飛…びはしなかったか。

 

派手に滴り落ちはしてたけど。

まぁマナーのマの字も解さない畜生の食事風景などどうでもいい。

 

何が言いたいのかというと。

適切な場所に当たりさえすれば切れるのだから。

アラガミを斬るための立ち回りが要求されるのだという話である。

 

そこから行くと先程のレンの動きは正にベテラン、エースの動きと言って差し支えない。

 

アラガミの攻撃を掻い潜っての三連撃。

当たり所こそ効果の薄い場所だったが、それを確認した上で効果的に切断出来る部位を推測し。

 

そして再度アラガミが腕を振り払うのに合わせてカウンター。

読み通り深々と斬り込んだ事もそうだが、斬り切れなかったと見るや即座に刃を抜いて次に備える周到さ。

 

しかもその際には部位を斬り飛ばしてダメージを大きくすることも忘れない。

なるほど、これが支部長直属の特務兵の実力というものか。

 

フフフ、フハハハハハハハハハハハハ。

悪くない、これが今回の俺側の戦力か。

 

抜かりなく戦闘準備を整えたベテランの古参兵に加え。

戦闘力と戦術眼を兼ね備えた支部長直属の特務兵。

 

いつぞやの醜態を晒した無能一人に比べればまさに雲泥の差。

これなら後の心配は不要だな。

 

ルーキーをを喰い殺そうとするアラガミも。

リンドウを喰い殺そうとするアラガミ共も。

 

俺たち二人の実力を持ってすれば造作も無い。

みんなまとめて返り討ちにしてくれる。

 

そして今度こそ。

今度こそ絶対に。

 

 

リンドウも。ルーキーも。

皆、皆生きてあのアナグラに帰るんだ。

 

 

 

 

 

邪魔するアラガミ共は、一匹残らず細切れにしてやる。

 

……………………………………………………………………………………………

 

油断無く、油断無く。

徹底的に追い詰める。

 

それは自身が生きるための捕喰に非ず。

 

己が血肉とするために喰らうのではなく。

彼の血肉を残さんがために喰らい尽くす。

 

--炎を纏ったアラガミの牙が、その矛先をこちらに向ける。

 

それは獲物を喰らわんとするために向けられたものではなく。

敵対者を確実に屠らんとするために放たれる一撃。

 

陽炎を纏って迫る殺意の塊を最小限の動きで直撃を避け。

すれ違い様開いた口に神機の刃を打ち込み、斬り飛ばす。

 

アラガミがよろめき、口元を拭うかのような仕草を取る。

小癪な奴め、無くなった上顎よりもよだれが零れる方が気になるか。

 

しかしやはり、コアを摘出しないと死なないか。

 

もっともこれはわかり切っていた事。

こればかりはいくら強化薬によって攻撃の威力を高めようと変わらない。

 

加えて言うなら。

もし俺が一人で戦っていたならこんな回りくどい攻撃はしない。

 

手足を詰めるか縦横に分割するか。

いずれにしろ身動き出来なくしてからゆっくり確実に喰い殺す。

 

ではなぜそうしないのか?

 

簡単だ、あの時と違って今回は一人じゃないからな。

そんな手間暇のかかる事はしない。

 

瞬間、レンが裂かれた口に神機を突き立て。

そのまま強引にプレデターフォームへと変形させてアラガミの身体を喰らっていく。

 

「流石にコア付近ともなれば偏食因子の動きも活発ですね…でも、喰べ比べなら負けないッ!」

 

言うが早いか。

喰らわれて薄くなった部分を掴み、力付くで強引にレンが引き裂く。

内側から喰い破るだけならまだしも、何ともえげつない攻撃を思いつくものだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ワンチャン、リンドウもこの手で行けたりしないかな。

 

まぁいい、趨勢は決したと言えるが今は立派に戦闘中。

夢みたいな事を言っていないでさっさと仕留めてしまおう。

 

 

--そう思ってチャージクラッシュのために神機を構えた次の瞬間。

 

唐突に足がもつれるとともに。

神機を手放しながら前のめりに倒れ込んだ。

 

……………………………………………………………………………………………

 

咄嗟に手を突き出して顔から地面にぶつかるのは避けたものの。

突如支える腕が痙攣し始めると同時に、堰でも切ったかのように冷たい汗が滴り落ちてくる

 

「ユウマさん!?くっ…!?」

 

今にもこちらへ駆けてきそうなレンを手のひらを向けて静止する。

 

強化薬を短時間に連続服用した事によるオーバードーズ。

加えてドーピング頼りでスペック以上に身体を酷使した事による反動。

 

何のことは無い。ようするにただの自業自得。

ツケの支払い期日が来たというだけの話だ。

 

そして俺ほどの古参兵ともなればこれは珍しい事でも何でもない。

 

所詮は一山いくらの神機使い。

時には命を削って戦わなければ生き延びれなかった事もざらにある。

 

こんな体験、二度や三度では効かない程度には既に経験済み。

 

直ぐに回復する--とまでは流石に言わないが。

あくまで過負荷からくる一時的な症状であり、多少休めば良くなるというのはとうの昔に学んでいる。

 

取り乱す程の事ではない。

だからそんな深刻そうな顔をするなレン。

 

時間が無いのはちゃんとわかっている。

そして考え無しに身の丈以上の借金をするほど、俺は世間知らずの若造じゃない。

 

こういう時に備えた切り札というものをちゃんと用意している。

 

少しでも体力を温存するためわざわざ言葉に出したりしないまま。

おもむろに内ポケットから薬を取り出し、口にする。

 

取り出したるはファイトドリンク。

エントランスの万屋でも売ってる何の変哲もない市販品。

 

と。

 

それに各種ハーブを加えて効果を増強させた俺のオリジナル。

言うなれば"ファイトドリンク改"とも呼べる代物。

 

濃縮したこれらを一息に飲み干す。

 

途端直後に身体に襲いかかる倦怠感から思わず膝から崩れそうになるが。

代わりに沸々とマグマのように湧き立ってくる高揚感を支えに体勢を立て直す。

 

"気合で何とか~"とは如何にも年寄りが好みそうな表現だが。

戦場においてはあながち的外れな話でも無い。

 

しかし現実というものは厳しい。

気力のみでは精々一瞬動けるようになるのが関の山。

 

なので体力の方も同時に何とかする。

 

ちなみに言っておくとこの症状。

神機使いの必需品である回復錠を飲んでも改善しない。

 

回復錠で回復できるのはあくまで負傷。

正確には物理的科学的の如何は問わず、傷ついた細胞を急速に修復するというのがその薬効。

 

今の俺の状態は言ってしまえば過負荷によって体力的に弱っているだけ。

 

上限値が減っている状態といえばわかりやすいか。

怪我と言えるものはどこにも負っておらず、癒すべきものが無いので回復錠を飲んでも効果はない。

 

ならばどうすれば良いか?

 

回復させるのが無理というなら。

増強してしまうのが手っ取り早い。

 

 

体力増強剤を飲む。

体力増強剤を飲む。

 

 

体力増強剤改を飲む。

体力増強剤Sを飲む。

 

 

そしてダメ押しに強制解放剤改を飲む。

 

 

うむ、相変わらず怖いくらいの効き目だ。

命の前借りをしている感が半端無いな。

 

まぁ重要なのは今乗り越えるべき目の前の現実であり。

しくじった先にあるであろう仮定の未来などではない。

 

俺一人の命で上手くいくなら暴利どころかむしろ破格というもの。

 

それに俺の両親の時は大人二人で子供一人分だったんだぞ?

 

今回は等価交換どころかリンドウにルーキー。

何ならレンも含めての三倍返し。

 

ついでに言えば()()()()()()()()()()()()()()()()()()

命のBETを選択できる今を幸運と呼ばずに何と言う。

 

…良い大人が長々と待たせてしまった。

さっさと片づけて次へ行くとしよう。

 

筋力増強錠90を飲む。

 

…効果が薄い気がするな。

もうさっき服用した分の効果時間は切れているはずだが。

 

違和感に首を傾げつつも。

筋力増強錠90改をさらに飲む。

 

…やはり効きが悪い気がする。

もしかして耐性の一つでも付き始めたか。

 

確かにここの所、服用する機会が多かったかもしれん。

しかし今こそがまさに踏ん張り時。

 

命を無駄遣いする気は毛頭無いが。

出し惜しみして使いどころを逃しては両親に申し訳が立たん。

 

身体への負担はかなりデカいが。

耐性が付いたというなら量を増やせば事足りる。

 

 

 

筋力増強錠90を飲む。

筋力増強錠90を飲む。

 

筋力増強錠90改をさらに飲む。

筋力増強錠90改をさらに飲む。

 

 

 

 

 

--そしてダメ押しに、強制解放剤改をさらに飲み。

 

 

 

 

 

神機を拾い、アラガミを横一文字に薙ぎ払った所で。

 

今度は手を突き出すことも無く、勢いのまま地面に倒れ込んだ。




無口さんの切り札その1。
ゲームでは回復錠が尽きた時お世話になっておりました。

なお無口さん的には用法を見切った上での服用なのでまだ暴走状態ではありません。

暴走すると?
条件無視の火事場餓狼が発動します。

『それどこかで見た事あるな』って?
君のような感の良い(ry


ちなみに言うまでもありませんが。
今の無口さんの思考論理は致命的に破綻しています。

でも選べなかった結果天涯孤独の身の上だし。
下手に選んだ結果シオもリンドウさんもいなくなってしまった。

だから選べる物は全部全力で選び抜こうとなっているのが今の無口さん。

リッカちゃん、一発全力ビンタしてあげてください。
大丈夫、神機使いじゃない=アラガミ判定されませんから安全ですよ。
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