無口な無口な神機使い~別に喋れない訳ではないんだが~   作:猫丸飯店

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以下いつぞや書くと言ってたルーキーちゃんのイメージについて。

Q1.パーソナルカラーは?
A1.ゴールド。

Q2.容姿と印象は?
A2.金髪金眼、肩ぐらいまでに伸びたミドルヘアー。

Q3.身長は?
A3.リッカちゃんよりもちょっと小さめ。

女性に体重は聞かないのがお約束。
ちなみにジーナさんとは互角でs(※作者に華が咲きました)


無口な無口な新フォーム1

フェンリル極東支部討伐班。

第一部隊隊長ルミナ・フォンブラウン。

 

今はまだフェンリル全体で見ても希少な新型神機使いの適合者にして。

若干十五歳の身で在りながら、配属から僅か一年と経たない内にこの極東支部最高戦力の部隊長を務めるに至った人物である。

 

その実力はまさに折り紙付きの一言。

 

大型の肉食獣を遥かに上回るアラガミの巨躯にも全く臆さず。

空駆ける猛禽の如きアラガミのスピードにも遅れは取らない。

 

この極東支部において最も優れた神機使いは誰かと問われれば。

恐らく十人中九人は間違いなく彼女の名を挙げることだろう。

 

こう言い表すとそれこそ鬼か悪魔か。

はたまたゴリラのような容姿を思い浮かべる人も少なくないだろう。

 

驚くなかれ諸君。

彼女の見た目は紛う事無き年相応、それどころか身長に至ってアリサよりも--いや失礼、これは流石に比較対象が悪過ぎるな。

リッカと同じか、何だったら若干低いかなというところまである。

 

何で比較対象を変えたんだって?

仕方ないだろ、同い年でも比較対象と戦力差がありすぎるんだから。

 

その点リッカであれば角が立たない程度に絶妙に互角で…この話は止めようか。

 

とにかく彼女、はっきり言ってその見た目からはそんな凄まじい実力の持ち主である様子は微塵も感じることはできない。

それどころか普段の生活でいえば年相応どころか実年齢よりも若干幼いんじゃないかと思う所すらある。

 

例えば彼女の食事風景。

ここ最近カロリー消費でも増えたのか、暇さえあればレーションの類を口にしている姿をよく見かけるようになった。

 

で、その時の物を食べる時の仕草がね。

なんか"もきゅもきゅ"とか"もっもっもっ"って聞こえてきそうな食べ方なんだよ。

 

ぶっちゃけ例えるならアーカイブの映像で残ってる小動物の食事風景というか。

これが年相応の食べ方か?と言われれば、正直俺は疑問を感じざるを得ない。

 

まぁ行儀が悪いとかそういうのではないし、見た目可愛いから別にいいんだけどな。

周りの人間も結構可愛く思っているのか、その仕草見たさに餌付k…もとい、食べ物を差し入れする事が増えたみたいだし。

 

で、そんな極東支部の隠れたアイドルもとい有名人だった彼女だが。

つい先日、満を持して外部居住区の人達にもその名を知らしめる事に相成った。

 

彼女の名誉を守るため、なぜそうなったのかについては伏せさせてもらうが。

兎にも角にも極東支部屈指の実力者である彼女の勇名は、()()()()()()()()()()()()()巷に知れ渡る事になった。

 

 

「--どうリーダー?もしきつかったりしたら調整するから遠慮なく言ってね。」

 

 

そんな彼女に向かって話しかけるのは極東支部でも有数の神機整備士にして今の俺の上官殿。

仕事に対してどこまでも誠実な彼女の言葉とは裏腹に、質問された当人はどこか気恥ずかしそうな表情を浮かべながら返事を返す。

 

「い、いえ。今のところ特に違和感は無いです。ただ強いて感想を言うなら…」

 

 

 

 

 

「これ、本当にチャージスピア用の戦闘服なんですか?その、私としてはもっと肌を隠した方が良いんじゃないかと…」

 

 

 

 

 

惜しげもなく露わになったお腹回りを気恥ずかしげに両腕で隠しながら、やや頬を赤らめながらも率直に意見を述べるルーキー。

そんな彼女にリッカは手にした資料に目を通しながら、改めて今作戦の趣旨について説明していく。

 

「正確にはデータ収集を目的とした検証用の制服だね。この服…というかベースとなった装備自体は既に欧州方面で開発・運用されているものだけど、気候環境の異なるこの極東でも運用に当たって問題が出ない事を確かめるのが今回の目的。だからデザイン云々についてはとりあえずその検証結果を踏まえてって話になるかなぁ。」

「そ、そうですか、…あの、それならそれでもう一つ気になることがあるんですけど。」

 

腑に落ちないながらも、とりあえず自身をそう納得させたのも束の間。

片手で変わらず腹部を覆いながらも、もう片方の手をクピクピと缶コーヒーを飲みながらやり取りを眺めていた俺に指しながらルーキーが言葉を続ける。

 

「旧型とはいえ同じポール型神機に換装しているのに、何であの人は普段通りの格好何ですか?私だけこうして恥ずかしい思い…もとい、お腹をさらけ出すのは不公平だと思うんですけど。」

 

馬鹿だな。

そんなの野郎の露出に需要なんて無いからに決まってんじゃん。

 

--と言ってもルーキーは納得しなさそうなので。

ひとまず視線を向けてリッカに説明を丸投げする。

 

「不公平云々はともかく、あくまで今回のメインは神機の方だからね。それに男性用の服については以前あの人があの神機使った時に検証済みだし…あと一応言っておくと、別に男性用の戦闘服もお腹出てたりする訳じゃないからね。」

「なっ、何ですかそれ!?ずるい、不公平です!」

 

ずるいってなんだよ。

腹出してなかったらずるいとか聞いた事無いぞ。

 

"言いたいことはわからなくもないけどね"と、苦笑しながら答えるリッカの言葉に。

信じられないといった様子で不平不満の言葉を口にしていくルーキー。

 

挙句の果てにはおもむろに俺の方へ寄ってきたと思うと。

無理やり上着の裾をめくり上げようとしたりする始末。

もし男女が逆なら一発で査問会待った無しの事案である。

 

「どうどう、駄目だよリーダー。女の子が成人男性にそんな事しちゃ。」

「成人男性…そうだ、それですよ先輩。お腹を見せた方が私やアリサ、それに同性のコウタのように周りから若々しく見えますよ?」

 

はり倒すぞこの野郎。

華の二十代を掴まえてなんて暴言を吐きやがる。

 

知ってるか?女性から野郎に向けてもセクハラは成立するんだ。

査問会にチクってやろうかこんちくしょう。

 

まぁ水も滴る十代を引き合いに出されている以上、何も反論出来ないので黙っておくが。

 

そもそも仮に野郎から査問会にタレこんだところで"ハァ?"と返されるのが関の山。

安い挑発と思って流してやろう。

 

代わりにせめてもの仕返しと両手を胸の前で交差させ。

隠すように身体をそらしてからかったら叩かれた。

 

痛ってぇ、リッカがルーキーを押さえているからやったのに。

どうどうって叩かれた後でルーキー押さえ直しても遅いよ。

 

 

--とまぁ、そんな訳で。

 

 

フェンリル極東支部討伐班。

第一部隊隊長ルミナ・フォンブラウン。

 

更なる高みを目指すべくウサギの噂を払拭すべく

新たな装いを纏ってここに見参である。

 

…………………………………………………………………………………………

 

今回の経緯について簡単に説明すると。

 

いつぞやリッカの依頼でお試しした槍型神機。

あれは実はリッカ達極東支部のオリジナルではなく、元々欧州方面で運用されていたポール型神機をベースに改造を施したものだったらしい。

 

何でも以前俺から得られた運用データというのは、アラガミ動物園と揶揄されるほどの過酷な激戦区で得られた貴重な実践データとの事で。

 

それを欧州支部の開発チームへ共有して今日まで改良を続けた結果。

この度ついに新型神機用パーツの開発と運用の目途がついたとの事。

 

そしてつい先日、欧州支部から新型神機用のポール型パーツのサンプルが送られてきて。

いざ運用試験という話になった所に、ちょうど神機の換装に興味を示していたルーキーがリッカに自分を売り込んだのが事の発端である。

 

そう、"ルーキーが自分を売り込んだ"という所でお察しの通り。

このミッション、最初は俺に依頼される流れだったんだよ。

 

今回は以前俺がリッカの依頼で試した旧型神機用のパーツではなく、ルーキー達新型神機用に調整されたパーツに対するものだが。

ご存じの通り俺は極東支部でただ一人の新旧ハイブリット神機使い。

 

人選としては特に問題無しと白羽の矢が立ち、丁度良いから普段あまり使っていない新型神機の調整もやってしまえ--と、はるばる保管庫へやってきたところ。

リッカと一緒にショート/バスター両方の刀身を見比べているルーキーと出くわした。

 

何でも件の一件もあって他の装備について関心を抱いたとのことだが。

よくよく考えてみるとどの刀身も自身以外のウサグルミが使ったことのある物だと気づいて悩んでいるらしい。

 

そういやショートブレードも使った事あるとはいえ、俺は主にバスターブレードがメインだったけど。

キグルミ君はショートブレードにショットガン銃身を組み合わせた新型神機を使っていたな。

 

つまりその二種類のどちらに刀身を変えたところで、ルーキーが着ぐるみ着ている疑惑は晴れはしない。

 

そんな風に悩んでいたルーキーが今回の話を知り。

興味ありますと手を挙げた彼女に、「まぁリーダーなら変に扱って壊すこともないか。」と何故か俺と交互に見比べたリッカがぼやいた事で話が決まった。

 

やれやれ、リッカも人聞きの悪い。

まるで俺が神機を壊す常習犯のように。

 

これでも立派な古参兵ぞ?

ましてや希少な新型パーツの検証、いつも以上に慎重に扱うに決まっているだろうが。

 

この前試した時だって壊したりなんかしてないだろう?

ちょっと柄が曲がって、ちょっと刃こぼれして、ちょっと泥土で小汚くなっただけだ。

 

言ったら今度こそ反省してないって叩かれそうだから言わないけど。

 

まぁそういう訳でルーキーの神機を換装する方向で話が進んでいき。

そのついでに一緒に送られてきた戦闘服も併せて試着検証しちゃおうかという話になり。

 

最初は良いですねと乗り気だったルーキーが、いざ腹部を露出させている丈の短い上着を取り出したところで固まり。

あくまで装備の試験と特に気にしていないリッカにあれよあれよという間に着替えさせられたのが先ほどまでの光景である。

 

仕事横取りされたけど構わないのかって?

別に俺、そこまでいち早く新パーツを使ってみたいって訳じゃないし。

 

ていうか普段から普通にミッションに応じて刀身や銃身換装してるし。

バスターブレード以外だって全然問題無く使いこなせるしな。

 

それにな、せっかくの機会だし。

ルーキーが気にしている噂の払拭とやらに俺も協力してやろうと思ってな。

 

そもそもルーキーがこの話に興味を示したのは愛用している神機のせいで己が痴態を知られてしまったからではあるが。

きっかけはどうあれ装備の換装、すなわち己が使える手札が増える事自体は別に悪いことではない。

 

"使えるけど使わない"のと"使えないから使わない"とは文字通り雲泥の差。

神機使いの先輩として、後輩のために一肌脱いでやるのも悪くないと思ってな。

 

まぁ一肌脱ぐ…というか脱いでさらしてるのはルーキーの方だけどな。

 

ハッハッハ、イッツ・ア・整備班ジョーク。

セクハラ?おいおい、"一肌脱ぐ"とはこの極東における立派な慣用句の一つだ。

揚げ足取りにセクハラ扱いされては敵わんぞ。

 

今は神秘の追求について語る場面ではない。

真面目にミッションについて話を進めたまえ。

 

…………………………………………………………………………………………

 

さて、ミッションを始めるにあたって。

まずはルーキーの神機と装備の組み合わせについて説明しよう。

 

今回彼女がお試しするのは先にもちょっと触れた"チャージスピア"と呼ばれる槍型神機。

そしてつい最近ようやく実践運用の目途が立ったものの、その癖の強さから使用する者が限られているショットガンタイプの銃身パーツの組み合わせである。

 

ちなみに装甲は普段と同じバックラータイプの軽装甲。

初めてのポール型神機ということもあり、使い慣れた取り回しの良いものの方が良いであろうという我らが上官様の判断だ。

 

チャージスピアの使い方やショットガンの基本的な取り回しについては今更説明の必要はないだろう。

なのでここでは彼女が今纏っている衣装について語るとする。

 

まず普段のルーキーの格好なんだが。

まぁお世辞にも女の子らしいオシャレな格好とは言い難い格好をしている。

 

別に彼女のセンスをディスってるわけではない。

"軍属として考えるなら百点満点の格好"と言えば伝わるだろうか。

 

フェンリル支給の制服で上下を揃え。

肌の露出も最大限にカット。

 

かろうじて女性らしいスカートタイプの制服ではあるものの。

ロングブーツにロングスパッツという、オラクル防壁も真っ青の鉄壁っぷり。

 

詰まる所何が言いたいかというと。

率直に言ってかなり地味、正直盛り上がりに欠ける格好である。

 

言うまでもないが同行メンバーの戦意的な意味での盛り上がりだ。

間違っても"部位的に"とか言ってはいけない。

 

そう言いたくなる気持ちはわからんではないがな。

せめてジーナのように格好だけでも大人びていれば…

 

いや、アリサがいるからそれはそれで気の毒な話か。

どの道色々とお子ちゃまなルーキーには言っても詮無い話だったなハッハッハ。

 

感づかれる前に話を戻そう。

彼女には感応現象というチートスキルがあるからな。

 

先の言葉が知られた日には。

査問会どころかその場で私刑にされてしまうよ。




(騙されてたけど)カノンちゃんは自分の意志で服を着て。
(知らなかったけど)ルーキーちゃんは自分の意志で服を着た。

そこに何の違いもありませぬ。
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