無口な無口な神機使い~別に喋れない訳ではないんだが~   作:猫丸飯店

158 / 160
Q1.ハルさんと顔見知り?
A1.実は互いに"顔は知ってる"という程度。

Q2.相性は?
A2.◎。

某コミックだとハルさんすぐ別の地域に行ってますしね。

ただお互い何気に有名人なので顔と名前は知っている模様。
会話イベントが用意出来るくらいに相性も良し。

ハルさんが一方的に喋ってるだけとか言ってはいけません。


無口な無口な新フォーム5

さて、今更ながらアラガミの身体という物は。

強固なオラクル細胞の結合によって従来の生物からは考えられない程の耐久性を有している。

 

これは単純に硬いという状態のみを意味するものではない。

 

伸縮性に弾力性といった硬度以外の要素も複雑に入り混じった特性を兼ね備える事により。

斬る・砕く・貫くといった破壊的行為が非常に困難な物質となっている。

 

これに従来の生物や兵器をベースに加え、その構造に応じた性質をさらに色濃く仕上げたのがアラガミと言う存在。

 

例えば甲殻や装甲、爪や砲塔といった純粋な強度を求められる部位は柔軟性よりも硬度に長じる事で堅牢性を確保し。

ヒレや関節、尻尾といったしなやかさが求められる部位はさしずめ高品質のゴムのようによく伸び、弾む事によってその強靭さを実現している。

 

ところがつい最近判明した驚愕の事実として。

全てのアラガミに共通するある一つの例外の存在が明らかになった。

 

それは今回相手するアラガミのように発生したて、いわゆる"幼体"と呼べる段階においては。

身体の構成要素が固まっていないせいなのか、どの部位においても衝撃や圧力に対しての反発や抵抗が非常に小さい--要するに各段に耐久性の劣った状態である事が判明したのだ。

 

もちろん種族や個体差で多少の違いはあると思うが。

アラガミによってはそれこそ文字通り人肌レベルに柔らかいくらいだ。

 

"人肌レベル"なんて、まるで触って確かめたかのように言うんだなって?

確かめたも何もシオがまさにそんな感じだったからな。

 

以前構ってやってた時に俺もルーキー達みたいに頬をぷにぷにってされたから。

後日この前のお返しだーって俺の方からもシオのほっぺをもみくちゃしてやったんだ。

 

で、可愛い顔しててもアラガミには違わんだろと思ってちょいと強めにシェイクしたら。

人の子供と大して変わらんもちもち具合で普通にビビった。

 

犯罪?ロリコン?

やれやれ、心の汚れている人間は揃いも揃って皆そう言う。

 

少々肌の白さが目立つもの、シオの見た目や言動は人間の幼子と変わらない。

こんなのどっからどう見たって大人がじゃれる子供と遊んでやってるだけの光景にしか見えんだろ。

 

それを一体どんな汚れた心と瞳で見たらそんな風に見えるんだか。

 

大体彼女の部屋には観察用の監視カメラだって備わっていたんだ。

やましい事するつもりならそんな部屋で堂々と事に及ぶ訳ないだろう。

 

仮に百歩譲ってもこれは"人に悪戯するって事は自分も悪戯されても文句言えないんだぞ"って言うのを教えただけの話。

つまりは遊びであると同時にれっきとした教育の一環。

シオももみくちゃにされてる間楽しそうにキャッキャと笑ってたし、殊更何の問題もありはしない。

 

わかったら今後は俺のように清い心で物事を判断するよう努めたまえ。

濁った心じゃ恥ずかしくて両親に顔向け出来ないぞ?

 

 

 

 

 

あ、とはいえ絵面だけ確かに誤解を招きそうだなって言うのは理解してるからな。

 

第一部隊の面々、特にソーマには内緒だ。

勘違いで"前が見えねぇ"的な意味で両親に顔向け出来なくされては溜まらないからな。

 

まぁシオが口うっかり口滑らせない限り安泰だけどな。

偶然にも俺の顔はカメラに写らない位置にあったから。

 

………

 

話が逸れたので本題に戻ろう。

 

まず作戦エリアにやってきたのはシユウが二体。

先鋒の二体の侵入後、数分遅れで後詰めの堕天種二体がやってくるという予測らしい。

 

新型神機を用いた戦術においてはまず銃撃戦でアラガミの動きを牽制し。

自分達に有利な状況を作り出した後、近接神機で一気に仕留めるというのが基本の定石。

 

新型神機使いであるアネットとフェデリコもその定石に従い。

作戦エリアへと降り立った二体のシユウに対し、予め銃形態へと切り替えておいた神機を構え射撃戦の体勢を取る。

 

うむ、悪くない。

新型神機の性能を過信する事無く、まずは実直に教本通りの戦術を選択。

 

いや、"何を当たり前の事を"と思うかもしれんが。

意外とこれをやり続けられる新人っていないんだよ。

 

大抵は慣れと慢心を勘違いしてMy戦術を模索し始めて。

実戦訓練とぶっつけ本番を混同した挙句、雑魚相手に無双してドやるというパターンが多いんだ。

 

未熟者が陥りがちな典型的な勘違いというやつだな。

そして悲しい事に未熟なゴッドイーターに次はない。

 

話が暗くなってきたので打ち切って結論を。

結局何が言いたいのかというと。

 

アネットもフェデリコも間違いなく優秀な神機使いである事に疑いはない。

しかし惜しいかな、まだ配属間もない新人であるが故に。

俺のような古参兵に比べると経験からくる臨機応変さというものが足りてないという話である。

 

知っての通り、このエイジス島の作戦エリアはアラガミを分断するための建造物が無い闘技場のようなエリア。

乱戦を避けるためにもいかに早く先にやってきた二体を討伐出来るかが本ミッション遂行に当たっての重要なポイントとなる。

 

その際考慮すべきは今回相手となるアラガミがいずれも幼体であるという事。

即ち従来のアラガミに比べてその耐久力は非常に低い事が予想され、普段であれば褒められた戦術ではないゴリ押しが非常に有効な相手となる。

 

そして新型神機は遠近両方に対応する高い汎用性を持ってはいるが。

射撃戦限定という条件を付けた場合、ジュネレーターを内蔵している旧型神機に比べてわずかに火力が見劣りする。

 

であれば今回においてはちまちまとした射撃戦は不要。

一息に懐へ飛び込み、致命の一撃を直接コアへ叩き込んでやるのが最良の戦術。

 

そして俺はこの過酷な極東で生き抜いてきたベテラン古参兵。

アラガミの攻撃を搔い潜ってその懐へ飛び込むことなど造作もない。

 

おあつらえ向きに榊博士から依頼された実験の検証でちょうどいいものがある。

早速コイツから試してみることにしよう。

 

という訳で早速ご紹介させていただくのは神機の制御解放に伴い発生する力場を後方へと噴出し。

推進力へと変えてアラガミへ襲い掛かる高機動突進式の捕喰形態。

 

上手くいったら続けて"対地強襲式"や"旋転全方位式"、"連続乱撃式"など。

アーカイブのアニメやゲームよろしくファンタスティックな技の数々をお披露目予定だ。

 

それでは張り切って行くとしよう。

アネットよろしく"ガブッ"とな!

 

 

そこ、極東がますます魔境になるとか言わないように。

 

…………………………………………………………………………………………

 

さて、そんな感じで様々な捕喰形態で神機にアラガミビュッフェを堪能させる事しばらく。

最後に乱入してきた想定外のセクメトを捕喰したところでそれは起こった。

 

まず今回のミッションでは地上・空中・コンボにステップと様々な食事方法を模索してきた訳だが。

これらは捕喰完了までの速度を重視したいわゆる早喰いスタイルであると言える。

 

即ちアラガミの柔らかい部位を素早く喰い千切り。

バースト状態を途切れる無く維持するというのが運用に当たってのポイントだ。

 

対してセクメトはご存じの通り、ただでさえ硬い表皮を持つシユウ属の接触禁忌種。

 

生まれたてで普段戦う奴よりは柔いと言っても。

流石に先程まで喰い散らかした雑鳥共とは格が違う。

 

対してこちらは検証途中の付け焼刃の技術と戦術。

 

何度も色んな角度から喰らいついてはみたものの。

文字通り歯が立たずにただ硬い表皮を削るだけ。

 

そう、文字通りアラガミとしての()()()()()が違う相手には。

文字通り神機の()()()()が立たなかったという訳だ。

 

ハッハッハ、イッツ・ア・新型神機ジョーク

せっかくの新型神機なんでな、可変機構よろしくネタの方も二段式で仕込んでみた。

 

そんな訳で途中からシェフを増員…もとい、四人がかりでフルボッコにし。

動きが鈍くなった所を限界まで制御を解き放ったチャージ捕喰でがっぷりとその上半身を噛み千切ってやった。

 

するとどうしたことだろう、本来は新型神機使いからアラガミバレットをエネルギーとして受け渡してもらう事で発動する神機の最大解放。

神機使い一人では発動する事の出来ないその特殊な解放状態が突如として俺の身体に訪れた。

 

最初ルーキーか誰かが余った弾を誤射でもしたのかと思って振り返ってみたのだが。

三人から向けられていたのは銃口ではなく、"いきなり何がどうなった"と言わんばかりの奇異の視線。

 

「あ、あのユウマ先輩。それってもしかしなくてもリンクバーストによる最大解放の状態ですよね?」

「俺達、今誰もリンクバーストなんて撃ってないんですけど…自前の捕喰だけで一体どうやって…?」

 

状況を飲み込めないながらもとりあえず率直に疑問を口にして、現状理解に努めようとするアネットとフェデリコ。

 

しかし俺の方も"何がどうなった"という状態なので。

二人のその質問に答えを返してやる事が出来ず沈黙する。

 

 

 

 

 

「--見ましたよ。現行犯です、今回は言い逃れなんてさせませんからね。」




予定より長くなり過ぎましたので神秘の追求は次回で打ち切り。
フード被ったヴァリアントサイズ装備のルーキーちゃん with 絶対領域はまたの機会に。

このシナリオが終わったらそろそろリザレクション編スタートです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。