無口な無口な神機使い~別に喋れない訳ではないんだが~   作:猫丸飯店

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Q.リンドウの件、気にしてないの?
A.生きてるならセーフのスタンス。

某霧映画の結末は認めない。


無口な無口な復帰訓練1

ここは極東支部のエントランスホール。

暗かった雰囲気も徐々に収まり、ようやく普段の喧騒が戻り始めている。

 

リンドウの捜索が打ち切られてからしばらく。

そろそろアリサが原隊復帰するらしい。

 

とは言ってもしばらくは訓練も兼ねての経過観察との事だが。

まぁ普通に怪我して離れてたのとは少々事情が違うしな。

 

-あの新型、そろそろ原隊復帰するらしいぜ-

-ハッ、ていうかどの面下げて復帰するって言うんだよ-

 

案の定、聞こえてくるのは陰口ばかり。

おいおい止めろよ、どうせ聞くなら前みたいな他愛の無い喧騒の方が聞きたいよ。

 

というかお前ら、俺に何度も尻拭いさせた馬鹿共だろうが。

謝罪はどうした謝罪は。

 

礼は言ったって?

感謝とは言葉じゃなくて金額で表す物って親に習わなかったのか。

 

親はいない?

俺にそれが通じる訳ないだろう。

 

まぁいいや、金を要求したら脅迫だしな。

お仕事と思って割り切ろう。

 

いつか誠意を見せて貰うぞ?たんまりな。

 

さて本題。目の前にいるのは噂の新型。

ある意味、今極東で一番の人気者だ。

 

本当に戦えるようになったのか、原隊復帰の前にある程度実地訓練を挟むという話だ。

俺が呼ばれた理由は単純で、復帰まで面倒を見てやるというお話になったのだ。

 

本来ならリンドウの役目なんだが本人いないし。

タツミも隊長格だが所属が違うし。

経験の長さで言えばソーマでも良いんだが…まぁ不向きか。

 

つまり適材適所と言うわけだ。

決して一人部隊で暇だろうと思われてる訳ではないと信じたい。

 

リンドウ、貸し二つな。一つじゃないのかって?

利子というものを知らんのか。

 

………

 

さて、そんなこんなで引き受けた訳だが一つ問題点がある。

 

アリサは今をときめく新型使い。

近接用の剣形態の他、当然射撃用の銃形態にも対応出来る。

 

俺はご存じの旧型使い。

換装すれば銃型神機も使えないことは無いが、お世辞にも射撃が上手な方ではない。

 

これはちょっと困り事だ。

白兵戦を教えるならまだしも、遠近両用の戦闘スタイルは訓練出来ない。

命がけの戦場行くのに変な癖がついても困るし。

 

まぁ今日の所は置いておこう。

頼むぞ未来の俺。文句は鏡に向かって言ってくれ。

 

……………………………………………………………………………………………

 

さて現場にやってきた。

 

アリサの様子は…うん、意外と大丈夫そうだ。

まぁ恐怖じゃなくて暗示があの件の原因だしな。

 

один(アジン)、два(ドゥヴァ)、три(トゥリー)だっけ?

1、2の3で発動とかホント腕前は確かだなあのオッサン。

 

カウンセリング帰りにうっかり話を聞いてしまって、気まずいったらありゃしなかった。

おまけに腹いせにお礼参りに行ったら何時の間にか異動になってて、挙句お亡くなりになってたんだが。

 

恐ろしい速さでの因果応報。やっぱり神様って見てるんだね。

ちなみに極東じゃこういう結末を草生えるって言うらしい。

 

大自然の糧になったと表現する辺り、八百万の国の言葉は一味違う。

 

閑話休題、ミッションに戻ろう。

なお今回はアリサは戦闘に参加せず、後ろで見ているのがミッションとなる。

 

まぁさっき見た感じならすぐに戦わせてもいいかなと思ったが。

一応専門家が組んだリハビリミッションなのでそれに従う事にする。

 

アリサに視線を向けると力強く頷きを返される。

うん、良い目だ。意思の力を感じるな。

 

ターゲットが現れる。

スマンな、可憐なレディが見ているんだ。

 

男の子だからな、滾らん方がどうかしている。

やる気を見せないと性的嗜好を疑われてしまう。

 

--恨みは無いが、瞬殺させてもらおうか。

 

……………………………………………………………………………………………

 

ここは極東支部のエントランスホール。

暗かった雰囲気も徐々に収まり、ようやく普段の喧騒が戻り始めている。

 

はっはっは、たやすい。

まぁオウガテイル相手にイキるのも恥ずかしいので言わないが。

 

配給ビールで祝杯を挙げる。

リンドウ君貸し三つな。これ俺の配給ビールだから。

 

隣にはアリサが座っている。

目の前にあるのは缶ジュース。流石に酒進めたらアルハラだしな。

 

…いや、ロシア出身だからウォッカの方が良かったか?

ごめん、甲斐性無しの上官で。そこまで強い方じゃないから部屋にも置いてないんだ。

 

耳を澄ませばひそひそ声が聞こえてくる。

まったく、陰口しか叩けんのか。

 

-新型の奴、あの鉄仮面に目を付けられてるぜ-

-そりゃそうだ、あの人なんだかんだでリンドウさんと仲良かったからな-

 

ちょっと待て、聞き捨てならんぞどういう事だ。

まるで俺がアリサにハラスメントしてるような言い草じゃないか。

 

…いや、普通にハラスメントだなこれ。

任務が一緒になっただけの上官が、任務上がりの晩酌に付き合わせてるんだから。

 

おまけに相手はメンタル不調のか弱い女性。

言い訳無用のこの状況。

 

ごめんなさい、そういうつもりじゃないんです。

残りの飲み物全部置いてくから査問会は勘弁してください。

 

「あっ…」

 

後ろから声が上がるが気にしない。

長居は無用、さっさとずらかるとしよう。

 

………

 

「…やっぱり、あの人も私の事…」




どんどん短くなってる気がするが気にしない。
その内短い奴はくっつけるかも。
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