私は見た。
砂漠の空を舞う美しい鷹を──。

*この作品は二次創作になります。
* 原作:歌川ピロシキ様、砂漠の鷹は望郷の涙を流すか:https://kakuyomu.jp/works/16817139557923797996


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こちらは私主催の企画による二次創作作品となります。
作者様から許可取り済みの上です。
企画主旨:作品タイトルからインスピレーションだけで二次創作をする。
それではよろしくお願いいたします。


美しく舞う鷹に魅入られて

 原作:歌川ピロシキ様、砂漠の鷹は望郷の涙を流すか:https://kakuyomu.jp/works/16817139557923797996

 

 ****

 

 その美しい鷹を見たのは、私が研究のため仲間達と共に砂漠を進んでいた時だった。なるべく避けたとはいえ、やはりそこは砂漠。耐えがたい熱波に襲われていた最中――現れた。

 

 最初は、幻でもみたのか? と思ったほどだ。

 それほどまでに美しい一羽の鷹が空を舞うように飛んでいたのだ。

 この地域に、鷹が生息しているという話は聞いていなかったし、現地の者達も大変驚いていた。

 

 そう。この地域には、本来鷹はいない。

 

 だが、確かに私達は目撃した。

 この世のものとは思えないほどに、美しい鷹を!

 私は一目で魅入られてしまった。この鷹について知りたい! 知的好奇心と欲望に駆られた私は、本来の研究を投げ出してその鷹を追うことにした。

 当然、仲間達からは非難されたし……私を見限る者も続出した。

 それはそうだろう。私達の本来の研究目的は、この地域の緑化だったのだから。

 

 温暖化による砂漠化現象が進み、緑を失ってきた私達人類は、緑を取り戻す方法を求めていた。それなのに、だ。

 

 一羽の鷹に魅入られ、それを放棄するというのは確かに赦されないものなのだろう。

 ――だが。

 それでも私は、あの鷹が気になって仕方なかった。そして、追い求めた。

 

 なぜあの緑を失った砂漠に? しかも一羽でなぜ?

 

 あの鷹のことが知りたくて知りたくて……気づけば私は孤独となり、一人で砂漠の海に沈んでいっていた。

 

 そう、人間の脆さにより私は命を終える時が来てしまったのだ。

 

 あぁ、あの鷹をもう一度見たい。一目でいい! 今一度!

 

 その願いは天に届いた。意識を失う間際、あの鷹が確かに空を舞うのを見た。

 

 やはり……美しい。

 

 届かないとわかっていながらも、私は最後の力を振り絞り手を伸ばして……意識を失った。

 

 ****

 

 鷹を見た。美しい二羽の鷹が、この緑のない砂漠の空を舞うように飛んでいた。不思議な光景に僕は目を瞬かせた。

 

 そうしていると、そばに現地の人が来て僕に声をかけてきた。曰く、あの鷹は死の具現だと。

 魅入られしまえば、終わりだ――そう告げられ、ある研究者の話を聞いた。

 

 砂漠を舞う鷹に魅入られ、行方知れずとなった研究者。どうなったのか、誰もわからない永遠の謎。

 

 それを気にすることなく、僕は研究へと戻る。二羽の鷹の鳴き声が熱波の砂漠に響き渡るのを背にしながら。

 

 ――死を呼び舞う鷹は、今日も獲物を求めて空を飛ぶ。そのことに誰も気づかずに。




読んで頂きありがとうございました。
また、許可して下さった歌川ピロシキ様ありがとうございました。

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