なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン) 作:ジンジャエール
妖精騎士トリスタンの朝は早い──
まだ日が登らない時間帯に目を覚ますと立派な筋肉質な体がお見えになる。
そう、今隣で寝てらっしゃるのはお髭がチャームポイントの少年期に比べるとでっかくなったなぁ…と思わず物思いに耽る程に巨体に成長したスーパーハイパープリティーキュートな原作開始時の例の陛下である。
思わず時間を忘れて見ていたくなる衝動を抑えつつ父の部屋から素早く起床し自分の部屋へ戻るのだ。
その時は必ず細心の注意を払わなければならない。
陛下の過保護も困った物だと思いながらしかし元のバーヴァン・シーはモルガンに呼ばれれば必ず何がなんでもそれを優先させるだろうと思いながら考え直す。
足早に部屋に戻ると同時に彼女は浴槽に向かう。
─〝バーヴァン・シー〟を名乗る者として美に関しては一番気にしなくてはならないのだ。
そんな事を考えながら軽くシャワーを浴びて賢者タイムへと突入する。
勿論産毛すら残らずムダ毛処理も完璧である。少しのニキビや傷も付いていない。いやつく事は許されないのだ。
ここがBLEACHの世界と言えど油断は許されない。鏡の前で顔に最低限のスキンケアをする。
これは最低限の、とつける事で陛下の娘として一応身なりを整えるためにやっているだけで別に肌年齢だのなんだのは気にしてないしそのままでも美しいのだと言う設定を付けるためである。
日々のそう言う努力が時には輝く時があるのだ。
多分。
しかし既にキャラ崩壊が進み決してあの本物に合わせる顔もなし。
妖精国とは状況が違うとは言えばそれまでだがこれは由々しき事態だと賢きバーヴァンシー()は考える。
ならば聖兵を、と思い毎日3killを心掛けている。
いや、
「なんでもかんでも取り敢えずモブを殺せば臨場感が出るからやってるんだろ?そんな事を言う輩も居ますがね。
けどそんな時にだからこそ出せる味ってやつがあるんですよ──」
そうこの世辞辛い世の中、原作キャラを原作外の方法で例えば原作開始時にご都合とオリ主活躍の為に既に死亡して描写が2行ちょいなど…または直ぐに殺され大した描写もなく死亡エンドなんてした日には批判殺到だ。
流石に此方のBLEACH信者を怒らせるような事はしたくわない。
人気キャラを殺そうものなら己〇〇!とこれみよがしに某青い鳥やPの名が付くアプリにて分からせモ〇レなどが蔓延するに違いない。
それは嫌だ。これは流石のバーヴァンシーでも怖気付く。
いや、多分最初は過去編来るまでは分からせ系のメスガキなのでどのみちあるんだろうなぁと感じる…(遠い目)。
もはや日本文化ですらあると思えてくるが仕方ない。それがジャパニーズ二次創作と言うやつだ。
自分の地雷は誰かの好物…そんな事は当然であり要は棲み分けが大切だと元腐男子系TS女子バーヴァンシーは考える。
それにバーヴァンシーは日々お客様のニーズにお応えるする吸血妖精系アイドルだ。この程度の事で諦める事は許されない。
なに…安いもんだぜ。陛下の曇らせに比べたらこんな事…。
しかしヘイトを溜める、という悪辣的な行動で言えば原作キャラ死亡は全然アリなのだが自分は別にキャラに対してアンチ・ヘイトをしたい訳ではない。
たまに辛辣になる事もあるだろう。罵倒もするだろう。そしてほんのちょっと…先っちょだけでも曇らせたりもしちゃったりもする。主に陛下。しかしそれもまた愛の形…言わばDV系ヤンデレだと思ってくれて構わない。だがせめてかっこいいオサレな戦闘描写を挟み原作をリスペクトした上で行うなどと言う救済処置もあるがなにぶん
しかも陛下は私に聖文字が付与できないので普通に無理ゲーですね。
はい!この話終わり!!
それにしても…本物のバーヴァン・シーは例え上級兵だろうと司会進行役だろうとぶっ殺すであろう事は分かっている。
しかし立場と言うものがあるのもまた事実。
ならば彼方の妖精騎士達と同じ同僚的な立ち位置として接すれば良いのでは?そう思う方もいるだろう。しかし既に陛下が妖精騎士とか言うナイスすぎる役職を付けた物を設立している為難しい。親衛隊が妖精騎士なら他は違うもんね、うんうん。流石陛下。私の望みがわかってらっしゃる。長年伊達に一緒にいた訳じゃないね!!。
陛下にあの沼地から助けられ他の騎士団員からの認知コメで業界(陛下ファンクラブ)を騒がせ早数日…吸血衝動も起きないし血も必要としなくなったんだけどもなんかたまに無性に飲みたくなる。まぁそう言う時はポテトに貰ったりしてるから別にいいんだけサ。
文句言える立場じゃないんだけどその…量が、ねぇ?
しかし最終的には陛下の曇らせ指数を増やすのにも最適だしやっぱりポテト以外で一人くらいは仲のいいやつ必要だよなぁ。
となるとやっぱり親衛隊の中で…ってことになるのかな。
別に他の星十字騎士団の人達と基本関わらない親衛隊もいる。
妖精騎士ベディビエールもといゆるるんバードさんガレス…某お爺様の左腕さんなどは基本同じ妖精騎士としか連まない。
しかし例外としてみんな大好きアスキ…じゃなかった妖精騎士ガヘリス等は進んで下の兵にも普通に絡みに行っているんだが…陽キャァッ!!!!いやぁ私には到底真似できないぜ!
そうなれば結論ガヴェインは論外そもそもテンションについて行けない。ガヘリスも同じ理由。まぁたまに話す程度なら理解できるけど多分裏設定とかで実はすげぇ仲良し!とはならないだろう。
そしてベディビィエール…は言わずもがな。
別に仲が悪い訳じゃないよ?唯事あるごとにお説教と陛下の娘を名乗るならばうんぬんを聞かされるこっちの身にもなってほしいってゆーか。
いや私が悪いんだよ?悪いんだねどぉ…。
まぁ?そうなれば一応消去法で選択肢は決まってるけど。
わぁッ!!なんか中のお爺様がうるさい気がするけど気にしなーい!!
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昼下がりの頃。ガレスはいつもの様に陛下から与えられた部屋で何もせずに待機していた。
周りの目が鬱陶しいと言うのもあるだろう。
何故か自分は周りから霊王の左腕なのではないかと勘繰られよく目を集めてしまうからだ。
自分は陛下から妖精騎士〝ガレス〟という名を着名した。
それは自分を陛下が自分の名であるペルニダを真名として認識しているという証そのものだ。
彼は自分は一つの個であると彼は考えておりその証拠たる
そんな事もあり基本ガレスは親衛隊以外とは会話をしないし陛下に命令される事以外では外に出ない。しかし今回は違った。なんの気まぐれかふと外に出ようと扉を開けたのだ。自分でもよく分からない。唯何かに呼ばれている様なそんな感覚が彼を襲う。
ふと先程まで話し声が聞こえていた場所から音がなくなる。
その付近を見てみると周りに聖兵はいない。
いや、〝先程まではそこに居た〟のだ。
ただ、目の前にいる少女の足元に転がる肉塊になっただけ。
白かった通路は壁にも血が滴りぐずぐずになっている腹の中身が出て凄まじい光景だ。他の者達が見れば恐怖を感じるだろう。
しかしガレスは特に何も感じない。
「カタズケル?ソレ」
そう言ってガレスはそこに置いてあったスクラップを畳んでいく。
目の前の少女はメキメキと言って死体がなくなっていく姿を見ても特に何も言わなかった。
後に残っている血は聖兵にでも片付けさせようと思考を巡らせる。
「─ねえアンタ」
ガレスが先程まで死体を片付けていた時は何も言わなかった少女が口を開く。
「ペル…ガレスノコト?」
「そうテメェに言ってんだよ。つうか周りに人影なんてねぇのにわかるだろ」
この様に棘のある言い方をされても不思議と怒りは湧いてこなかった。
やはり陛下の娘と言う立場を自分が無意識に意識しているからなのか。
そんな事を思いながら要件を尋ねる。
「ナニカヨウ」
トリスタンは此方を不躾にくまなく見渡す。
なにがしたいのかはわからない。
「ふーん…」
体内時間で数十秒程経った頃だろうか。
そうして無言で見つめ合っていればアチラから声が掛かる。
「ま、いいわ取り敢えず着いてきて」
そう言って指を刺す方向を見つめる。
少しキョトンとしなながら目的地を聞く。
「ドコニイクノ」
これは当然の疑問であり答えてもらわなければならない問いだった。
行き先も聞かずに人に着いていくものなどいないだろう。
「私の部屋」
トリスタンの部屋?、何故、そう思いながら意味が分からず再び問いかける。
「ナニスルノ?」
「して言うなら…お茶会?って言うの?コレ、やった事ないからまぁわかんないけど」
それを聞いたガレスは余計に困惑する。
「オチャカイ…?」
「そ、まぁテメェじゃ役不足だろうけど今回は我慢してあげるわ。私に選ばれた事を光栄に思いながらエスコートしろよな?」
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トリスタンの部屋の中は割と小綺麗に整理されていた。
「へぇ、その外見で食べれるんだ?案外器用じゃない」
部屋に入り衣服を外し歪な人型から異形の姿へ移り変わる時も彼女は唯興味深そうにしているだけで特に何も言わなかった。トリスタンはカップに入った紅茶を物足りなさそうに飲み干すと近くにある菓子を不服そうに一つ口に運ぶ。それ以上は気持ちが悪いと言う様に一口食べた食べかけのクッキーを自分の取り皿に入れて紅茶を飲み干す。どうやらお茶へ呼んだ以上は自分の何かを食べなければと言う意識からくるものなのだろう。本来は口に何か食べ物を運ぶ事を憚っているのがよく分かった。そう言えば何処かの聖兵が何を用意しても要らないと言うのでそれを知った陛下が密かになんとか物を食べさせようとしているという噂を聞いた。好き嫌いは兎も角陛下が食べろと一言言えば例え泥でも食べるだろうに何故それをしないのか不思議に思う。
「ガレスキヨウ」
サクサクとした食感と甘すぎない味が何処か食が進む。少しすると一杯目の紅茶がすこし苦かったのだろう。入れ直した紅茶に角砂糖を2つ入れて小さなスプーンでかき混ぜる。
「オイシイ」
感想を言うとトリスタンは上機嫌に答える。
「はッお父様の娘なんだからこれくらい出来て当然だろ」
どうやこれは彼女が作った物らしい。意外に庶民的と言うか家庭的と言うか。
「ヘイカニモアゲルノ?」
「は?お父様にこんな物差し上げられる訳ないでしょ。妥協点までいったとしてもそれから更に完璧に仕上げてからじゃないと不敬にも程があるだろ」
それを聞いたガレスは少ししてからクッキーを指差す。
「ジャアコレガレスノ」
「ふーん、まぁ別に良いけど。好きにしたら?その代わり腹がはち切れてでも残さず全部食えよな。私が態々作ってあげたんだからそこら辺身の程弁えろよ」
棘のある言い方だと感じながらふと彼女と雑談をしていれば何か違和感に気づく。そう最近では常に側に居るはずのグランドマスターが今日は彼女の周りに居らず不思議に思う。
「ランスロットハ?」
そう陛下の側近の男と彼女は常に一緒にいたはずだ。こんな長い間一人なのも珍しい。
「お父様の部屋、今日は私行かなくていい日だから何か言われてるんじゃない?」
騎士団内では周知の事実故に隠さずに言う姿に恥じらいはない。
やはりあの噂は虚偽らしい。
男女のそれについてガレスはよくわからないが別に信じていなかったにしてもこう言う形で知れて良かったと感じた。
壁にかけられている時計を見ながら何か言いたげな目で扉を見つめている。
「まぁそれだけじゃないだろうけど」
そう言ってトリスタンは椅子から立ち上がる。どうやらもうこのお茶会はお開きらしい。
「モウオワリ?」
「また私が暇な時にでも呼んであげるわよ」
そう言って嘲る様に笑うトリスタンを大きな目で見つめる。
「その時は精々泣きながら感謝しろよな?」
「ウン」
ガレスが素直にそう答えるとトリスタンは少し顔を歪める。
「…なんか調子狂うわね」
「じゃ、私もう行くから
その余ったやつ適当に処理しといて」
トリスタンに指を刺された方を見る。それは綺麗にラッピングされた物だった。バスケットの中に入れられた物とは別に包装されたクッキーを体に忍ばせて残った菓子は全て平らげる。
そうしてそのままガレスは誰もいなくなった部屋の扉を開けて外へ出た。
偽バー&ペルニダ「「キャッキャッ!」」
お爺様「計画通り…!」