なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン) 作:ジンジャエール
「…ふむ…」
満点の晴天の中、白い羽織を着た白髪が目立つ者が一人。お茶を飲みながら浮竹十四郎は修練場から少し遠い崖に面した場所に腰掛けながらある方向へと目を離さないでいた。そうしていると背後から檜佐木が声を掛ける。
「いたいた、何してんですか。こんなとこで?」
「あぁ、檜佐木君かイヤなにちょっと休憩がてら見物をね」
九番隊副隊長である檜佐木修兵は浮竹が指を指す方向を見る。
2人の少女が切磋琢磨している。
「朽木と旅禍の子じゃないスか、えーっと…」
「織姫ちゃんだよ、冬の決戦に向けて修行中だ。一ヶ月前からね」
檜佐木が言葉を紡ぐより先に浮竹が口を開く。
顔をじっくりと見つめれば2人の顔つきはとても充実しており修行というには似つかわしくない様子だ。
「なんか…修行にしちゃ楽しそうにやってますね」
「あ、やっぱりそう見えるかい?」
「…あれは昔から友達を作るのが下手な子でね。
まぁ、なかなか心を開かない所為なんだが…」
浮竹はお茶を啜りながら朽木ルキアの横顔を見る。そうして過去の出来事を思い返して少し感傷に浸っていた。
「血相を変えて『隊舎裏の修行場を開けてくれ』と言った時は何事かと思ったが…良い友達ができて良かった」
まるで自分の娘に友達ができたことを心の底から喜ぶ親の様な、そんな親心を感じた檜佐木はしかし人間と此方の住人の違いを死神として知っているが故につい口に出してしまう。
「…それが人間でも、…ですか」
「それを言うなよ」
少し困った様に笑う浮竹を横目に失言だったと思い直しながら目を逸らす。
「…すいません」
「いや、いいんだ。歩む時は違っても友達ってのは良いもんさ、それにほら何だ。あの子達は普通じゃないから尸魂界に来たらみんなそのうち死神になるかも知れんぞ」
そう言って笑った浮竹の顔はとても希望に満ちている。
かくいう自分も浮竹の話を聞いてそうなればいいなと修練場で己の力を高め合う少女2人を見ながら檜佐木はそう思った。
「そういえば君こそどうした。こんなとこまで?何か用があったんじゃないか?」
「あぁ、そうだ」
何を目的に態々浮竹を探しに来たのかを思い出した様で何やらゴソゴソと手を動かしたそれを浮竹に差し出した。
「今月分の瀞霊廷通信です。あと中に通販目録も」
「あれ?なんで君が?」
渡された雑誌を見ながら浮竹を疑問符を浮かべる。
「マイりましたよ、十番隊は今現世でしょ。十一番隊は隊長は寝てるし副隊長はどこ行ったかわかんねーし、十二番隊なんか2人そろって研究室から出てきゃしねーし」
尊敬していた。信用していた東仙要の離叛を思い出して少し苦笑いを浮かべる。藍染惣右介についていった己の隊長を思い浮かべて過去を惜しむ様に懐かしむ様にしながら檜佐木は言った。
「正直、隊長業務がこんな忙しいなんて知らなかたっス。東仙隊長は部下にものを頼まない人だったから…」
「…さてと、そろそろ行きます」
隊舎に戻ろうとする檜佐木を浮竹は引き止める。
「もうちょっとゆっくりしていきなよ」
「言ったでしょ、忙しいんスよ俺、女の子の修行眺めてんのは悪くないけどもうちょいヒマな時にまた誘って下さい」
浮竹は去っていく檜佐木の後ろ姿を見つめた後空を見上げて独り言を呟く。
「…四月か…」
「心を癒すには短く…力を蓄えるには更に短い時間だ…」
「願わくばこの仮初の平穏が…少しでも長く───…」
この時浮竹はまだ知らなかった。現世で不穏な出来事が起ころうとしている事に、尚これを古来より人はフラグと呼ぶ──
バキィッ
異様な感覚に現世に居た死神達は一斉に上を向く。
更にそして空の穴から出てきた者達に目を見開きその光景を見た。
「破面…?!」
次回!破面襲来?!!ドキドキ♡グリムジョー再び!!(by陛下?陛下なら俺の隣で寝てるぜ★なトリスタンより)