なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン) 作:ジンジャエール
「はっ、はっ、」
一護の体は遠くへと投げ飛ばされる。素早く受け身を取ろうとしたがそれでも先程の攻撃のダメージが残っているようで硬い地面が顔を容赦なく擦り上げた。ヒビの入ったアスファルトに一護の顔から垂れた血が滴っている。
一護は苦悶の感情を浮かべながらグリムジョーが此方に攻撃してくる前に素早く手を翳して先ほど破壊された仮面を形成しようとする。が、その目論見は外れ形成しようとした仮面は音を立てながら白い光となって霧散した。
「…く……そ…ッ、」
それを少し距離を取った場所から見上げていたグリムジョーは一笑した。瞬間一護の腹に足がめり込み先ほど投げ飛ばされた時よりも更に激しく体は凄まじい勢いで放り出さる。
「ハッ、どうやらさっきの仮面は一度壊れたらもう出せねぇらしいなァ!」
大きく口を開けて歯を見せながらグリムジョーは口角を上げながら笑った。
「…いや、出す構えを取るってことはそういう訳でもねぇのか」
「だがダメージを受け過ぎたせいか、霊力を削られちまってるせいかそれとも回数制限かのか」
「──何が理由かは知らねぇが、とにかくあの仮面は──」
「〝今はもう出せねぇ〟」
鈍い音が響いた。肉が裂ける音がした後グリムジョーの少々刃こぼれが目立つ斬魄刀が一護の腕に突き刺さっている。
「─そうだろ?心配すんな、この距離での
グリムジョーの手の平から霊子を収束させた光が溢れる。一護は汗を掻きながら目を開く。刀で身動きが取れず抜こうにも恐らくグリムジョーの放つ虚閃の方が一手速い。ここからどう出るか、そう考えているうちに死の宣告が刻々と迫っている。
一先ず放たれると同時に横に自分の体を逸らして軌道から外れて最小限にしようと足に力を込める。
「!!…な…!?」
腕は最悪どうにかなると迫ってくる痛みに耐えようとした瞬間。グリムジョーの動揺した声が響いたと同時に。
──やけに瞬間見知った声が耳の奥に張り付いた。この声は──
目で目視した時には既に遅くグリムジョーは反応出来ずに強大な凍気を一斉に放出され身体一体が全て一瞬にして凍らされ、白い水蒸気を放っている。
「はっ…はっ……すげぇ威力だな…いつの間にこんな……ぐ…」
「喋るな、ただえさえ抜きづらいのだ。余計手間取るではないか。…貴様こそ随分と無茶な力を遣ったようだな…ガタガタだぞ…」
「…うるせーよ」
一護は目を別の方向に向けながら先ほどまでの疲労からか顔中に汗が滴っている。
そんな一護にルキアは声を掛けようとした。が、
「──……一護…」
その言葉が紡がれる前にルキアの頭をガッと鷲掴み伸びてくる手が現れる。
ルキアの目にはつい先程凍結させた筈のグリムジョーが氷の牢獄を抜け出した姿が映っていた。
「…ナメんじゃねぇぞ死神…薄皮一枚凍らせて…それで俺を殺したつもりか…!?甘えんだよッ!!!」
「ルキア!!!」
一護はルキアの頭を鷲掴み虚閃を放とうとするグリムジョーの元へ足を走らせようとするが突き刺さった斬魄刀がそれを許しはくれない。ギシギシと鈍い音が響くのも構わず一護は必死にルキアの元へ行こうとする。
「ぐ…く…そォ…!!」
グリムジョーの虚閃から放たれる光が更に大きくなりもうすぐ目の前で何も出来ずに仲間の命が奪われようしていた──が、
それはルキアを掴んでいたグリムジョーの腕のみを攻撃した何者かによりそれは阻止された。
「はっ…はっ…、」
掴まれていた頭を離され九死に一生を得たルキアは必死に自分の心臓を落ち着かせようと浅く息を吐く。
「…やれやれ」
そう聞こえた声の方向に目をぎょろっと向ける。それは先ほど自分を攻撃した人物だと言うことを理解していたからだ。
一護は目を見開いてどこかの家の天井に佇み仁王立ちで斬魄刀を携えた目を引く金髪の色を見た。
「ホンマは死神の戦いに手ェ出すんいややねんけどなァ…」
「──しゃアない」
何かを堪える様に自室のシーツを握り締める過去の1000年前の斬月のおっさんフェイスをより熟成させたイケおじすぎる麗しいお顔。イライラしてるガチギレ陛下…良い…。希望を抱いて歩く姿は美しいっすねぇェェ?!!!!!
スゥぅぅぅぅぅッ今のうちに目一杯吸っときましょう。流石は帝国千年の歴史を背負っている程よく分厚い胸板…良いですね大好きです。陛下は吸うと体に良いんですよ?これ帝国の一般常識ですからね。
知らなかった人は皆非国民、そして即座に死刑です。とっととギロチン行きですよ!ほら!きびきび歩く!!ははっ早くこれが世界中に浸透するといいですね!!。あ?乾燥させた陛下のマントの炙り焼きを吸う?馬鹿野郎ッ!!そんな変に通ぶってやるより気取らずに王道の生吸いが一番体と心にいいに決まってんだろうがヨォッ!!
後継者の権力で見えざる帝国に本当に作っちゃおうかな…ヴァンデンライヒ支部居酒屋店。つまみ?勿論陛下のマントの切れ端ですよ。実質おかずですね!!あ、すいませーん!残りはお持ち帰りで、家族に持って帰りたくて、へへ、これがないと酒が進まな…あ?お持ち帰りできない?今回限りで食べ放題のみ…だと?。
流石に食べ放題でお持ち帰りが出来ないことでクレームを入れるなんてそんなキチガイのすることをこのバーヴァンシー様がやるわけない…のだが…だが、これは、あまりに惨いッこれが人間のやることかよォォォォッッ?!!!!
…おっと、失礼〜気振り出すと最近すぐこうなってしまって〜汗汗すっね!いやぁ実の所今はちょっと陛下が1000年前のダーテンを見返すとかで山爺のダーテンの映像情報とか死神さんの賑やかな和気藹々なシーン見てたらなんかイライラしだしたんで陛下のよちよちで忙しいんだよね!!これが帝国の後継者の仕事の大半です!!ドヤァ。
よ!給料泥棒!!石田が来た時にこの業務内容を伝えて散々いびり散らかしてやらぁ!!
姑枠をポテトとツートップで2人体制のまま散々いびってやらぁ、ほらぁ、どうした?膝枕から添い寝までが後継者の仕事だゼェ?早くやってみろや(笑)なんてやっちゃっいま
「バーヴァンシー…」
あ、陛下が切なげにお名前呼んでるぅ…でも2人っきりかもしれないけど良い子だからトリスタンって呼ぼうね!ね!。一応見られてるかもしれないからね!!もーだからこういうのが積み重なって千年前のヒューベルトパイセンに愛人だって間違えられたんだよ!!!正直私今も周りから自分が陛下の愛娘として見られている自信がない…だって毎日一緒に添い寝してるんだよ??絶対えっちな事したんやろうなって思われてんだろ!!
そのせいなのか最近の野望はふた◯りです。これでショタ攻めのおねショタ構図が完成しますね!!…え、なに、おねショタじゃなくておにショタもしくはおじショタ…?ちょっと何言ってるか分かんないですね。
「お父様大丈夫?ランスロットから入電来てるけど繋ぐ?直接来させた方がいいんじゃ」
「…問題ない。そのまま媒体にのみ繋いでくれ」
「でも」
「私は大丈夫だ。問題ない」
気を落ち着かせる為に近くにあった水を飲み干す。
勢いをつけて飲んでしまったので口から少し溢れた様だったので乙女の必需品ハンカチで陛下の口を拭く。いやはや流れる様な女子力ですね〜。
これがあるのとないのとじゃヒロイン力が違ってくるから皆んなも気をつけようね!!ちなみに柄は白いレースのやつだよ!!
…それにしても陛下ったら地雷なのに無理しちゃって…こう言うのは棲み分けが大事なんだよ!ほらぁおてての血管浮き出ちゃってるじゃん〜。はい山爺のダーテンナイナイしようね〜。
「わかったけど…でも無理はしないでね?」
ふふふ、オタクは地雷見ると軽率に爆発するのを既にバーヴァンシー様は経験済みなのだ!!陛下も一応気をつけようね…海外系の好きなキャラの二次創作で逆カプなのに推しのCP表記で見事に釣られて地雷を見て叫ぶなんてことになってほしくないんだよ…あ、こら!耐え切れないからって私のお腹に顔を埋めるんじゃありません!お父様の愛娘は猫ちゃんじゃないからね!!動物セラピーならぬ娘セラピーをするんじゃない!!さっき私は大丈夫だって言ったばかりでしょ!!確かに動物飼ってる奴らは地雷原踏むと動物で自己回復し出すとかよく言うけど!!そう言うことするから他の人達にあれ娘に対する態度じゃない!とか言われるんですよ!!めっ!!…もう!!
ま、まぁ陛下はそもそも親のお手本知らないしそこら辺は仕方ないとは思ってるんですよ?。
精々知ってることなんて私の母親紛いの行為くらいですしね?でもこれは流石にやりすぎだから、めってしないと。
…はっ、私の日課の脳内トラップ中に映像流してたの?!!一声かけてよぉぉ〜…この即決力はまさしく親子っすねぇ。
あははは〜…俺チャンはアルビオン⭐︎チャレンジバンジージャンプ事件今でも忘れてねぇからな??そこらへんいつか落とし前つけさせますからね…オイコラお前に言ってんだぞお爺様や。
『…できもしないことをそうおいそれと言うものではないぞ』
やかましい!!!本当にやってやるからな!!圧倒的に戦力差をものともせず!!!!そして0秒バンジーの復讐…あ、ちょっとぉ???いきなり戦闘シーンまで飛ばすのやめてよ!!陛下!
『おぉ、あれが我が末孫か。お前も見るといい。うむ、中々の顔立ちではないか。後で息子にダビングを要求せねばならぬな』
いやだよっ?!!だって実質陛下にお願いするの私じゃん!!それだともし仮に見られた場合周りからすげぇチャン一の事大好きに思われるじゃんッ!!バー・ヴァンシー的にそれは…
え、ちょっと私初めてリアタイで主人公見るんだが?!!!ふざけんじゃないよ、え、これぶっちゃけこの世界is初見で我らが主人公黒崎一護きゅん見ちゃうの?ダーテンぐらいでしかみてないんだけど!!いきなりの過剰摂取はお肌に悪…い?
──画面越しのその目立つ髪色を見た瞬間、思わず言葉を失ってしまったのは言わずもがなだろう。
正直に言おう。とても美しかった。均等にとれた肉体。整った顔立ち。目つきが悪いが澄んだ琥珀色の瞳に眩しいほどに明るい髪色。その形容すべき全てが美しい。
「…あれが特記戦力の黒崎一護?」
オレンジ髪が特徴的な我らが主人公…あーなんか陛下を見た時にも感じたけど自分という存在がBLEACH世界に来た感が…この変なもぞもぞとした感覚がさぁ…改めて思うと本当なんで俺来ちゃったんだろうね、不思議だよね〜。
…あらやだ!チャン一ったら白米のお供な絶望フェイスがよく似合うプリティーなお顔は大変お宜しいでございましてよッ!!
「あれこそが帝国の救世主と言うべきか…今後重要になってくる三世界の全ての性質を合わせ持つ者だ。それにしてもよく覚えていたな」
「偉いぞ」頭をわしゃわしゃと大きなお手手で撫で回される。まぁバーヴァン・シーちゃんはカルデアでパワポ作れるぐらいには勤勉な妖精さんなのでね。などと思いつつ撫でられ過ぎて頭が少しごわごわになってしまったぞこれ。
髪を手櫛で直しながら水晶端末越しにチャン一を凝視する。
「なんか、変な子」
彼の生き様は偽善と言っても差し支えないほどに純粋で、希望に満ちていて、それでいて歪な程に未熟な子供だ。水晶画面越しの映像。その中の髪の色と同じ瞳、眩しいほどに太陽を彷彿とさせるオレンジ色の髪を揺らしながら戦うチョコラテくん、すげぇこれが黒崎一護か〜。…うんなんかこう、キラキラして見えるぅ。…すげぇエフェクトかかってるように見えるぞこれ、え?なに?アニメ見た時こんな描写あった?いやいやいやなかったに決まってんじゃねぇか。
なにこの現象…怖ぁ。でも何かはわからない…なんなんだ。それに何故かものすごく気になる、気になって仕方がないぞぉッ。なんで…私の心の中の(自主規制)は陛下にしか反応しないと思ってたのに…え、ポテトさんの裸見てもなにも思わなかった我が愚息が…そんな…。
はッもしやこれが主人公補正的なやつでは?!!!私の中の女の体がおそらく主人公特有のフェロモンに引っかかったのか…はは、この名探偵バーヴァンシー様にかかればざっとこんなもんやで工藤ッ!!やれやれ正妻(織姫)は大変だな…こんなすけべな旦那を持ってよ…。などと言いつつ陛下の写真集(監修・帝国の後継者)を常備してニヤニヤしているバーヴァンシーなのでした!!!。え、なに流石に見つかったらキャラ崩壊まったなしぃ????大丈夫!!!二重底の机の中に入れてるから!!!これでお掃除の人が来ても大丈夫だろ〜!!!
「お前がその様に他者を判断するのは珍しいな。そんなに気に入ったのか?」
「え、あ、別にそんなんじゃないけど…ん、どうだろう。最近私結構変わったからかな…」
「そうであるならばその変化はお前にとって良いことだ。私の言いつけをしっかりと守っている証拠なのだからな」
それを聞くとバーヴァンシーは顔を明るくさせて髪を揺らす。
「ほ、本当?私いい子?」
「あぁ、勿論だともバーヴァンシー。お前以上のいい子がどこにいると言うのだ」
そういうとバーヴァンシーは嬉しそうに擦り寄りながら胸板に体を預ける。そうすると何かを思い出したかのように子供が親に褒めてもらうのを待つようにしている。
「あ、そういえばあのね!今日もね!頑張って沢山?とは言えないけど、お父様の言った通りに悪辣にしたの!」
少しすると何かを思い出したかのように子供が親に褒めてもらうのを待つようにしている。
「適当な聖兵捕まえてね!手脚をもいで…芋虫みたいにして遊んでたらね!ぴーぴー泣いちゃって、最後には命乞いしてしきてさぁ。面白いったらないっての!」
嬉しそうに体を揺らしながら自分に語り掛ける。やはり悪辣に他人へ今までされてきた事のほんの少しでも発散できているようで何よりだ。
「その後ガレスが来て勝手に片付けてったんだけど、あんな雑用そこら辺の聖兵にやらせとけばいいのに」
私が側にいてやれない間は自分の半身にバーヴァンシーを任せていたがなにぶん少々繊細な子なのでうまくやれているか心配だったが元気そうで何よりだと思わず己の妖精の成長に笑みを溢す。
が、油断は出来ない。部屋で1人で泣き叫んで居るのをよくランスロットからの報告で聞いている。
恐らく善良な精神がついていけていないのだろう。
が、この様なことでもしなければバーヴァンシーが生きられないのもまた事実。やはりこの世界は根本から変えるべきだな。
過去では同情的に見ていたの霊王の存在。世界の楔にされた不幸な生贄。
「お父様?」
しかしあの男バーヴァンシーに関して悉く余計なことしかしない。何を感じどのような意思でその様なことをやったのかは知らないがもはやユーハバッハが己の父に対して持っていた同情や憐憫などは遠い彼方に消え去っていた。
「…そう、なのか。偉いな」
それにしても友ができたのは良いことだ、親としては祝福すべき事柄なのだろう…が、しかしアレと仲が良いのは少し親として些か複雑極まる。やはり親衛隊との交流などさせない方が良かったか、いや、私の我儘でせっかくあのバーヴァンシーが自分から交流して作った友との可能性を潰してはいけない…子供の成長を見守るのもまた親の務めだと聞く。無理矢理に離してしまうのは教育上良くないだろう。ここは我慢して子供の成長を見守るのが正解だと考えを改めよう。
「あ、でもね」
堪えるように言葉を吐く。しかしその顔の複雑そうな面持ちは全くもって隠せていない。
そんなユーハバッハの内情を梅雨知らずにバーヴァンシーは少し顔を曇らせる。
「ユーゴ私が遊んでたら変な目で見てくるの、不思議。なんというか、よくわからないけど」
「ねえお父様、やっぱり私何か間違えて…わっ、お父様?」
そう言おうとしたバーヴァンシーだったが、だがその瞬間バーヴァンシーを掴んでいた手に力が入る。ギシギシと骨が軋む程に強く、そしてその手の熱が経由伝わってくる程に近い。しかしバーヴァンシーの腕がまだ曲がっていないということはある程度力加減をしているのだろう。いつもバーヴァンシーに慈しみを向ける目とは思えない程に背筋が凍る血の玉座に鎮座する皇帝の目線を一心に受けるバーヴァンシーは何か粗相をしたのかとあわあわと声を震わせる。他の聖文字持ちですら気絶する者すら出てくるその視線を真っ直ぐと見つめるながら言った言葉と云えば。
「ご、ごめんなさい、私何かしちゃった?自分ではよくわからなくて。お父様が言ってくれたら全部直すから、もっといっぱい殺すから、だから」
いきなりの事に驚いて目を白黒させながら自分の態度に何か怒らせるような事があったのかと尋ねてくる何か勘違いをしているバーヴァンシーに極めて優しく言い聞かせる。
「お前は良い方向に成長している。周りの目など気にするな、そのまま残忍であれ」
許せるものか、例え受けた当人が許しを与えたとしても私だけは、私だけはこの少女のために憤怒せねば。己を無碍に扱うならばその何倍もの愛情を。お前が自分を偽らなければ生きてはいけぬ乱暴に扱われたならば私が護らねば。一体だれがこの娘を護り慈しんでやれるというのだ。
首元に手を持っていきユーハバッハの体重により倒れかかっていた体を支える。
「ハッシュヴァルトには私から言っておこう。お前が今まで他者にされてきた事に比べれば天秤にかけるまでもないのだから」
「?、よくわからないけれど。そうよね、お父様が間違えてた事なんてないものね!」
ユーハバッハに対して疑いもせずにただあるがままを受け止める。
その姿に少々危機感を覚えたが今はまだこれでいい。これからゆっくりと教えていけばいいだけなのだから。
「その通りだ。お前は父の言う事を聞いていればいい」
わかってくれた様で何よりだとほっと息を飲み込んで昔はお前の方が高かったであろう頭を今は私が撫でている。
私の母代わりの様に接して。目の前の自分の不幸の原因である私に憎悪を抱いても仕方なかっただろうにそれでも普通の子供とは少し違うだろうが精一杯愛情を持って育てたバーヴァンシー。
今は他の部下の前では名前を呼ぶことはできない。
妖精騎士、あの沼地のおかげと言うのは少しイラつくのだがもはや態々血を与えずとも一般的な生活ができる様になったのを機にバーヴァンシーに聖文字を与えようとした。しかし何故か魂への付与ができなかった。理由はおそらくあの忌々しい父のせいだろうと当たりをつけた。いつか殺す。
過去に刻んだ様にバーヴァンシーの為に魂にではなく名に対して己の魂を刻印私が着名と言う形で真名を封じたのはその聖文字と比べれば名を呼ばれただけで剥げるその脆い欠点もあるが最もな目的はあの城での惨劇を他の者たちが覚えている可能性を危惧してだ。子が少しでも傷つかぬ様に配慮するのは親として当然のこと。昔と比べて逆の立場になってしまった愛娘。願わくば少しでも健やかに過ごしてくれる事を祈るばかりだ。
「あ、でもユーゴにあんまり何か言うのはやめてね。この間もお父様に注意されてしゅんってしてたから」
ハッシュヴァルト、己の半身であり側近。最初に会わせた頃はここまで酷くは無かったが。あの赤毛の子供が入隊してからは距離が近くなった様に思える。あの何を思っているのかよくわからない子供も最近では千年間所在不明、生死不明のバーヴァンシーが帰ってきたのが酷く嬉しかったのか生きていたことにホッとしたのか業務以外では常に一緒に居る。まぁ流石に親衛隊の部屋にまでは行かないにしても頻度が凄まじい。
「…姉弟で仲が良いのは良い事だがあれは流石に年頃の男女としては宜しくないぞお前達」
「私は気にしないけど…」
「駄目だ。絶対」
そう言って頭を抱える男の影は先程の苛烈さを感じさせない程にとても穏やかだった。
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「くそッ…!クソッ…!」
顔から夥しい血が吹き出しながらポタポタと血が滴る。平子真子から放たれた虚閃で瀕死の重傷を負ったかと思っていたがグリムジョーは本来受ける筈のダメージを自分の虚閃で削った。
「…とっさに自分の虚閃をぶつけてダメージを削ったか…やるやないか」
「クソが……ッ!」
グリムジョーは自身の斬魄刀を構える。
虚化した影響により虚の異形の仮面越しに平子は何かを感じ取り動こうと──した。
しかしそれより早くグリムジョーが言葉を紡ぐ。
「〝軋れ〟」
平子は目を見開く。それは今から来る筈のグリムジョーの変化ではなく。今この場に居なかった筈のウルキオラ・シファーがグリムジョーの斬魄刀の柄を握り制止した。
「…ウル…キオラ…!」
歯を噛み締めて滑らかに汗が滑り落ちる。
グリムジョーの感情とは裏腹にウルキオラは
「─任務完了だ。戻るぞ」
それを言い終わると同時にウルキオラとグリムジョーの周りに光が出現する。一護は見た事があるそれに思わず声を上げる。
「
その声にウルキオラは微かに反応を見せながら膝をついて此方を睨みつけている黒崎一護の敵意を傍観しながらただいつものように冷たい瞳で見ているだけだった。
「…霊圧の名残がある…。…どうやら新たな力を手に入れたらしいな…」
「─だが、その程度か」
「終わりだ。最早貴様らに術は無い。太陽は既に」
即席漫画
罪深い鳥「君はここに来て日が浅いだろう。これは僕たちからのプレゼントだ。」
偽バー「何これ」
罪深い鳥「ここ千年分の古いダーテンから最近のものまで取り揃えて皆んなで纏めてみたんだ。良かったら読んでくれ」
偽バー「いらな「遠慮しなくていい」
偽バー「必要な「見てくれこの本の373ページなんて僕の力作なんだ。あ、これは最近のダーテンは省略してわかりやすく簡潔にしているのに対してこの五百年代物のダーテンはまるで小説を読んでいるかのように思えてくる。一言で済むものの名前を言わずにいかに言葉で伝えられるか、そんな気迫を感じだよ。例えばこの三ページごとに陛下の素晴らしさを歌にした賛歌僕はこの作者のような讃歌をカイザーゲザンツとは別の国歌のように陛下の前で自分の気持ちをありありと語った歌を披露することを提案したんだが審査が通る前にランスロットが見つけてそのまま選考通知すらなく計画書も消えてしまってね。酷いだろう?僕はただアルファ・メンシェのリーダーとして(以下略」
【挿絵表示】