なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン) 作:ジンジャエール
バーヴァンシー感が出るのはまだまだ先です…
バズビーと別れそのまま陛下について行ったが何か取りに行くものはないかと聞かれる。あの森に置いてあった荷物は殆ど生活の為に必要最低限の物しかなく、そして流石にこの状況で何かを取りに戻れるほど肝は据わっていないので丁重に断った。
「ハッシュヴァルトよ、お前に頼みたいことがある」
城に着き早々にユーハバッハに言われハッシュヴァルトは少し体を強張らせた。
「え、えとそれは一体…その、どのような」
「何、そう緊張する必要はない
お前には私の娘の話し相手を頼みたいのだ」
ハッシュヴァルトの目が見開く。
何故ならユーハバッハは皇妃を迎えずに王政を敷いていたからだ。
他の国であれば他所の姫や地位の高い令嬢を貰い外交を行なっていくのだが、ユーハバッハはそのような事をする必要がなかった。
何故なら誰もユーハバッハには逆らわないから。
彼の王政は完璧であるが故に子を残す必要もないと家臣も何も言わなかった。
「陛下のご息女様と言うことでしょうか?しかし、陛下には…」
「お前の疑問は当然だハッシュヴァルト。私に妃はおらぬ。
まだ城の者にしか伝えずに口外も禁じている故城の外で暮らしていたお前が知らないのも無理はない」
城内の廊下を歩きながら陛下はある部屋に辿り着き
そのまま鍵で扉を開けて中の人物に声を掛ける。
「バーヴァンシー、私がいない間いい子にしていたか?」
今の今まで椅子に座り本を読んでいたであろう少女がこちらに駆け寄ってくる。
〝白〟頭の中で彼女を始めて見た感想はそれだった
青い瞳をこちらに向けながら
目の前で銀髪の髪が揺れながら近づいてくる様を見つめる。
しかしすぐに思考が戻り慌てて膝をつく。
「よい、ハッシュヴァルト楽にしろバーヴァンシーも硬くなる必要はない」
陛下から命じられ立ち上がれば目の前の少女がこちらを見ている
「お父様?この方はどなたですか?」
少女は陛下の方をチラリと見て様子を伺っている
「今日からお前の話し相手になる者だ
明日から騎士団と兼用でお前との時間を設けさせる」
そう言った陛下に少女は目をキラキラと輝かせる。
「この間お父様が言っていたお友達ですね!
初めまして私はバーヴァンシー!貴方のお名前は?」
「ユーグラム…ユーグラム・ハッシュヴァルトと申します殿下」
「…ハッシュヴァルトお前は私の半身だ
敬語も敬称も要らぬ。素のままでバーヴァンシーと話をして構わない…バーヴァンシーもそれでよいな?」
「はい!勿論ですお父様!」
「それから、次からはハッシュヴァルトと共に居るならば庭くらいなら外に出ても構わない」
ただ決して一人ではなくハッシュヴァルトと共にだ
そう言ったユーハバッハを横目にバーヴァンシーはユーハバッハに声を掛ける
「本当ですか!…それなら早速ハッシュヴァルトと共に庭に行っても?」
「あぁ行ってくるといい…だがお前は少しばかりお転婆が過ぎる処があるハッシュヴァルト、バーヴァンシーをよく見ていてくれ」
「しょ、承知いたしました陛下」
「お、お父様!…ハッシュヴァルト!行きましょう!」
「え、あ、う、うん」
バーヴァンシーはハッシュヴァルトの手を握りそのまま扉から外に出る
手を引かれながら彼女の後ろ姿を見ながら彼はこれからの生活に思いを馳せる
その思考の隅に親友の顔が散らついたが直ぐに目の前の少女を見て思い直した。
「ハッシュヴァルトは山育ちなのね!私と一緒だわ」
ハッシュヴァルトはギョッとした顔でバーヴァンシーを見つめる。
「え、バーヴァンシー、君山育ちなの?」
「さ、最近まで碌に外に出れてないから虚弱に見えるだけよ?それにここに来てまだ一ヶ月しか経っていないわ」
「まあたまに抜け出したりしていたけれど…」
そう言ってバーヴァンシーは目を逸らす。
「そういう事してるから陛下にお転婆だって言われるんだよ」
そんな軽口を言える程度にはバーヴァンシーと打ち解けたなと最近ようやくこの環境に順応してきたハッシュヴァルトは実感した。
「…あ、そういえば、決まった時間によく陛下が君の部屋に入っていくのが見えたけどいつもなにをしてるの?」
「あ、それはね…えーと…私が話すとまどろっこしくなるから今度お父様に聞いてみて!
ハッシュヴァルトならきっとお父様も話してくれるから」
「うーん…じゃあ今度聞いてみるよ」
「─吸血衝動、ですか?」
この生活にも慣れバーヴァンシーと緊張せずに話せるようになった頃、バーヴァンシーの言葉を思い出し陛下に疑問をぶつけるてみる。
訓練で出た汗を拭きながら陛下の言葉を繰り返す。
「お前のその分け与える力は近辺の霊子を集め他者に分け与える物近くに居る者に作用する、それを用いて少しでもそれが抑えられればと思ったのだ」
「〝前のバーヴァンシー〟に私が施した物の影響により以前よりはそれは軽減しているが…霊圧の高い者の血を一日に何度か摂取しなければ理性を失いながら周りの者を襲い、そして最後には体の霊子が不足し体が崩れながら死んでゆくのだ」
「そして一番の問題点は魂魄にある。度重なる負荷により弱り果て不完全な形で取り込まれている私の力と無理に作り替えた体のせいで体と魂魄が合わずにお前が来るまでは日を跨ぐ度に酷くなっていた」
そこでふとハッシュヴァルトは何か違和感に気づくが
「ならば、どうしてバーヴァンシーに分け与えている力を陛下の元に戻さないのですか?」
ユーハバッハは自らの力を自分のもとに還元させる能力があるそれを用いればいいのではないのだろうか。
「私の分け与えた力も今のバーヴァンシーにとっては毒でもありまた命綱でもあるからだ」
「それは一体…」
「もう時間だハッシュヴァルト。お前はバーヴァンシーの部屋に向え」
「え、あ、承知いしました」
頭の中で疑問を抱えながら一礼をしてからバーヴァンシーの部屋に向かう。
この何年後にハッシュヴァルトはその意味を知ることになるとは誰も思わなかっただろう。
一人を除いては
あ〜可愛い
あの性癖壊される美少年ぶり…この美少年も何年後には…やめておきましょうなんか色々思考が壊される気がします。
今はいい感じに私を意識させて好感度を稼いでいますが。
ポテト君…いいですよね。接するたびにたじろいでる感じが… 。
最近では慣れてきて軽口も言ってくるようになって。
これから私とバズビーと陛下とで揺れ動いてすげぇ勢いで天秤が傾きますし今のうちに可愛がっておきましょう。
まぁそれでも手加減せずに今後のためにも幸薄系可哀想な女の子でしか興奮できない体にするんですがね。
初恋は一生を左右するとよく言われますから!
私、顔は一応良い方ですしぃ?
万が一そっちに走っても軌道修正させましょう。おつまみ感覚では中々いいですよね彼。あ、勿論本命は陛下ですが??
まぁそれにしても…これから初代隊長と陛下が戦うまでは暇ですね…
こうガッチガチに過保護に育てられると…出す手も中々ねぇ?
せめてその前に一回くらいは死んでポテト君に私の印象をぐっちゃぐちゃにしてプレゼントフォーユーしたい…
陛下も曇らせて役者も育てられるとか言う二段構え
イェーイ!!我ながら惚れ惚れしちまうぜ★
…まぁどうやって死ぬかは今度考えるとして
本当は魂魄が弱りきって今回で終わりになりそうだから山爺との対決あたりで陛下がどうにかしてもらって悪辣ルートに入りたいと思ってたんですけど…なに?他力本願?
仕方がないじゃないですか。でも一回はポテト君に私の死に姿を見せたくて…初回だからそんなに酷くないやつにしてあげますから♡
よぉし!頑張ってポテト君惚れさせて余計に陛下の心情をぐちゃぐちゃにしちゃうぞぉ♡
なんだこいつ陛下曇らせるとか言いながらイケメンキャラ落として最後にどうせ恋愛物にシフト変更して救済でもやって終わるんだだろ?って今思いましたね?わかるんですよぉ…みなさん忘れてません?ここは所詮本の中、妄想でそう言う事を思うことはあっても結局の所彼らは人ではなく創作物。つまりそう言う事です。アーユーオーケー?
はあ、それにしても陛下のヒモになってから中々体に疲れが溜まりませんでしたが外に出てポテト君が来るようになってからなんかどっと疲れますね…もう年かな…
前も内緒でよく外には出てはいましたがそれの比にならないくらい
今日は余計に疲れましたしもう寝ますね…
それでは皆さん!良い悪夢を!!
──ベッドに入ったはずの彼女は起き上がり
窓辺の付近まで歩いていく
「…やっと寝たか全く困った孫よ」
それにしても我が息子ながら節穴にも程がある
このような者に弄ばれるとは彼奴もまだまだ若造だと息子への評価を改め窓越しに自分の顔を見つめる
〝それは紛れもないバーヴァンシーの肉体〟
「余がある程度補助してやっているから良いものの…いや?この娘ならば余がおらずとも彼奴の目も欺けていたやもしれぬな」
それも今となってはわからぬが…
「今は精々眠れ、何余は寛大だ対価は要らぬ
ただ少し…我が末の男孫のために協力してはもらうが…まぁお前にはそれすらわからぬ故」
少女がその真実を知ることになるのは少女が言うところの原作主人公と相対したその後になる
痛みはない
苦痛もない
そこにあるのは緩やかな海
揺蕩い溺れ自分がいなければ世界そのものが崩れる
それを知りながら罪悪感に駆られ足掻く子供達を見つめながら
全てを包み込む原初の王は
裏切られし我らが罪の形は
愛の形を知り何を成すのか
許されよ許されよ我らが罪を許されよ
罪を知らずに生まれながら
咎を背負った全ての子らよ
我が愛すべき民よ
「私はお前達人間を愛している
その果てに幾ら人類が地に伏せようが
どれほどの子らが血を流そうが
それはこれからの未来の対価である
──その対価の果てにお前達は死を克服する」
生と死が存在しなかった原初の世界
我が息子が救国の勇者に敗れし時
再び我らが王は降臨する
それは人の言葉で依存
または悲哀
慄くがいい
──我こそは霊王の意志そのものである
魔性のポテト
ユーゴ「ごめんバズ…バーヴァンシーは僕がいないと駄目だから…それにバズだって僕のこと裏切ったし別にいいよね?」
バズ「ちょ、まてよ!!ユーゴー!!」
偽バーヴァンシー「これがN T R」
霊王の意志「え、余スルー?」