なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン) 作:ジンジャエール
「…なんだろこれ」
机の上に置いていた紙には消え掛かっているが何か文字らしき物が書いてある。
何度も何度も同じ言葉が溢れかえっており狂気すら感じる。
「████?名前かな、これ…なんか地味にわかんないけど」
でもこれ見るたびになんか体が反応してゾワゾワする。
…なんか気持ち悪いし捨てちゃおう。
そう言ってくず入れの中にぐしゃぐしゃにしてポイっと捨てる。
「よぉし!!今日も頑張るゾォ!!」
いざ!曇らせ目指して一本釣りダァぁぁ!!!
庭で花を摘んでいる女を見つめる。
よく見慣れた白い髪、長時間横顔を見つめていたので自分の存在に気付いたのだろう。
自分を見つけて満遍の笑みで駆けてくる。
バーヴァンシーだ。
「ハッシュヴァルト!!」
「バーヴァンシー…誰かが見ているかとしれないのだから外では少し節度を持っふぇ…ふぁーゔぁんひー!??」
彼女の指が私の頬に触れ口角を無理やり上げさせる。
「まあいけないわ!ハッシュヴァルト!綺麗なお顔が硬くなって眉間に皺もできてるわ─それに人前ではなくてここは二人だけよ?」
「えーい!」
避けることも出来たが避けずに受け止める。
そうしてバーヴァンシーが世話をしている花畑に押し倒される。
「全く…大きくなったのは体だけでお転婆は相変わらず変わらないな」
「あ!お父様にも言われて気にしてたのに!!」
そう言って少し唸りながら自分の頭を胸に押し付け頭を撫でる
「な、?!!ば、バーヴァンシー!!」
「貴方は少し真面目すぎるわね…貴方と出会ってもう5年は経ったけれど、最近では一人称も変えて無理矢理大人になろうとしているみたい」
「…それは仕方がない星十字騎士団の団長に陛下直々に着任を命じて頂いた。少しでも陛下のご期待に応えようと努力するのは当然なんだ」
目を瞑りバーヴァンシーに体を預ける。
「えぇ、そうよね貴方のそう言う所私は好きよ」
「は、?!!だから!そう言う言動は控えてくれ…君は陛下の愛娘なんだ」
「わかっているわ!けれど私と居る時まで気張っていては駄目よ
私は貴方のお友達なんだから」
向きをかけて膝枕のような姿勢をとる。、
もう私も背が伸びて決して昔と比べて華奢というわけではないのに。
「…バーヴァンシー」
「今日はもうこの後予定はないでしょう?久しぶりに寝かしつけてあげましょう
よく貴方に聞かせてた円卓のお話よ?いつも話し始めてすぐに寝てしまってたわね」
〝懐かしいわ〟
そう言って過去を惜しむ女の横顔。それを見た自分が思ったことは果たして何だっただろうか?自分がいなければ何も出来ない。
自分がいなければ生きることさえ難しかった。そして自分がいなければ外にすら出ることも許されない。そして自分を決して裏切らない。
いや、裏切れないと言うべきなのか。
そのような感情を胸に、優越感に浸りながら底知れぬ執着を胸に今日もバーヴァンシーの隣に立つ。
「…あら寝てしまったのね可愛い方」
そう言ってハッシュヴァルトの顔を撫でる
まるで母が子にするかのような手つきで微笑んでいる。
「バーヴァンシー…ハッシュヴァルトか」
もうそんな時間だったのかと慌てたがどうやら〝食事の時間〟ではなくたまたま執務が早く終わったのだろう。
「えぇ、お話を聞かせていたら寝てしまったみたい」
「お前に私がよく聞かせていた物か…」
手を顎に当てながらこちらを見ている
「えぇ!お父様ったらそれしかお話ししてくださらないんだもの!」
「おかげで全て覚えてしまったの!!あ、そうだわ!お父様も良ければご一緒にどう?」
〝ほら、ここに座って!〟
そう言って自分の体の横を叩く
「あぁ、お前の口からその話を聞くのは酷く懐かしいな…青かった春を呼び起こすようだ」
脳裏に浮かぶのは200年経っても色褪せない彼女の記憶。
『ご主人様、さぁこちらへ、ご安心くださいませ…この私めが貴方様が眠くなるまで側についております。
ご主人様のお好きな円卓のお話をいたしましょう』
しかしもう永遠の記憶に絶望する必要はない。
「?私お父様に聞かせてもらったことはあるけどお父様の前でお話なんてしたことあったかしら?」
「そんなに声を張り上げるとハッシュヴァルトが起きてしまうぞバーヴァンシー」
「まぁ!いけないわ、ではどこからお話しいたしましょう」
何故ならもう彼女はここにいるのだから。
部屋の奥の女に会うために足を急ぐ。
今の私の顔はとてもひどいものだろう。
その姿はとてと騎士団長の姿ではなく決して部下には見せられない
部屋の扉を開けるといつもは一度ノックをしてから入る自分のいきなりの訪問に驚いているのだろう。
私の顔を見てギョッとしている
「あら、ハッシュヴァルトどうしたの?とても疲れた顔をしているわ」
彼女は近寄り私の頬に手を当てる
「バーヴァンシー…」
「ほら、こちらに来て可愛い方」
木偶の坊のように突っ立ていた私の手を引いてベッドまで連れて行き。
そのままシーツの上に傾れ込む。
「大丈夫…ここには何も怖いものはないわ、それにしても貴方がこんなに草臥れているだなんて、お友達と喧嘩でもしたの?」
そう言って私の髪を手でほぐしながら抱きしめている
「バーヴァンシーッ、私は、私、は陛下と君を」
ハッシュヴァルトの口に指を当てて「シー…」と私の言葉を遮る。
「だから言ったでしょう貴方は真面目すぎるって
無理に選び取ろうとするからいけないのよ
天秤が少しの歪で揺れ動くことだってあるわ」
「〝ねぇハッシュヴァルト〟」
「私は別に私を切り捨てて貴方はお友達の所に行ってもいいと思うの」
「なッ、何を言っているんだッ、君もわかっているのだろうッ!!私がいなければ君は、「えぇ、そうねその通りよ」
「なら、何故そんなことを言うんだ!!?
何もしなければ死んで、何かをしようとしても死ぬッ」
「陛下から全て聞いてるッ何千回と死にゆく君を助けたいと、そう私に仰ったッ」
そうしてやっと安永を得た彼女がなぜそれを手放そうとするのか
私にはわからない。
「えぇ、そうね死ぬのは辛いことよ。何よりお父様が悲しむもの
─でもねそれはすぐにではないの、
死ぬのはすぐではないのよハッシュヴァルト」
わからない何もそこにあるのはこちらを見つめる青い瞳がハッシュヴァルトを映し出す。
「ではなん…ッ」
いきなり自分の唇とは違う柔らかい感触を感じ目を見開く。
「ばー、ゔぁんしー」
思考が停止して頭を働かせようとしてもバーヴァンシーの口から少し吐息を漏れる。
「ハァ…ねぇハッシュヴァルト貴方はどうしたい?
親友の元へ戻る?それともお父様の元で私と一緒に今までのように暮らすか」
「貴方が選んで」
私はどうしたいのだろう。叔父を殺された、暮らしていた森を焼かれた時、私は何を思った?
バズビーは、私を必要としていない。だって、彼は何でも一人で出来る男だから。私がいても、いなくても。彼にとってかわらない。
それに、今更、陛下を選んだ私があそこに戻れるとも思っていない。
ならば、私は何を選ぶべきなのか、瞼に浮かぶのは、
自分の行動一つで笑ったり怒ったり、はにかむ彼女の笑顔。
それが、私のせいでなくなってしまうところだった。
「わたし、は、わたしは、きみにいきていてほしい。あいしているんだバーヴァンシー…」
そう言って情けない声を出す私を彼女は優しく包み込む。
「大丈夫よ、私は貴方を絶対に裏切ったりしないから、
ハッシュヴァルト。貴方の事が大好きよ愛しているわ」
その言葉を聞いて、心の底から安堵してしまっている自分がいる事に何故か納得する。
「…ユーゴー、そう呼んでくれ」
嫌いだった渾名。叔父に呼ばれるたびに心が凍てつき恐怖した。だが、それを好きにさせてくれた親友から貰った大事な名前でもある。
「でも、いいの?貴方の大切な」
あぁ、大切だ、今でも、だが、だからこそ
「いい、いいんだ、君に呼ばれたいんだ。バーヴァンシー」
過去の幻想に取り憑かれ大事なものを取りこぼすところだった。
そして二度と取りこぼさないように彼は彼女を抱きしめる。
「えぇ、そうね貴方がそれを望むなら…」
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「…ふー、そろそろ始めちゃおうかな」
「もう十分いい子に待ったし!そろそろいいよね♡」
あと1回くらいは大丈夫なように最近はずっとハッシュヴァルトの側で回復したし!吸血衝動も抑えられて一日一回にまでなった駒は揃った。
そのために今の今までに我慢してきたのだ。もうこれで大丈夫!これからは何も変わらない日々がずっと続くぅ?
そんなわけないじゃん!!私そこまでいい子じゃないし
これは本番までの、陛下がソウルソサイティに攻め込むまでの下準備。
私が死ねばユーハバッハは余計に焦りソウルソサイティへの侵攻を早める。
「?なんか手、地味に動かしづらいな筋肉痛?」
ま、死ぬんだし関係ないか♡
「そろそろ寝るか〜明日も頑張るゾォ!!」
「それにしても…精々吸血衝動程度のことは言っているとは思ったけど…そこまで陛下が話してるとは……意外に陛下ハッシュヴァルトの事信用してる?」
そう言って笑う女を影から見つめる者がいるとは、今はまだ彼女は知らなかった
キスシーンでの内心
偽バーヴァンシー「(どうする!??これ懐柔のチャンスだけどえ、しなきゃダメ?でもさ…えぇい!!ままよ!!
あ〝ッ〜?!!!!!)」
絶対ハッシュヴァルトバズビーが入隊する時内心ウワァァァァってなってたよね…