2年ぶりに再会した親友が男を辞めてた上になんかおかしい。   作:あっぷる

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新章入りました。章タグは入れませんがここからまひろは2度目の中学校生活に入ります。


葵と夕哉のサプライズ企画

この1ヶ月近く振り返るだけでも色々ありすぎてパンクしそうになる。学校に来なくて引きこもりになった親友。原因の一つが俺であることを知り距離を置くことにした。そして偶然にも思わぬ形で再会したら性別が変わってて・・・

 

それから色んなことがあった。女の子になってもあいつは変わってなくて元気そうで安心して・・・あいつと向き合うためにみはりちゃんの言っていた治験に付き合うことにして。

 

それからやりたいことをやるためとか色々理由はあるけど勉強とバイトばかりしてた生活も変えた。配達のバイトを辞めて今は喫茶店に勤めている。そこで色んな人との繋がりができて俺は少しずつだけど変わってきてるのだろうか?

 

 

それは分からないけどこれも自分で決めたことだから。だから俺は・・・

 

 

 

「お邪魔します」

 

「こんにちは葵さん」

 

「みはりちゃん。ハロウィン以来だね。それで呼ばれてきたけどまひろは?」

 

「お兄ちゃんですか?ああっ、時間的にもうすぐ帰ってくると思いますけど・・・」

 

 

もうすぐ帰ってくる?どこかに出かけてるのだろうか。そんなことを思っていたら事件は起きてしまった。勢いよくドアを開け放ったまひろは女の子がしてはいけない顔をして全速力で走ってきた。

 

 

「もるもるもるもるもるーーーーっ!」

 

「ぐへっ!」

 

 

なお俺は玄関でみはりちゃんと最近のまひろについて立ち話をしていたためまひろを避けることができなかったので思いっきりまひろに突進されるが体幹は俺が圧倒的に強いためまひろを吹っ飛ばしてしまった。

 

 

「いてて・・・」

 

「葵さん、大丈夫ですか!コラッお兄ちゃん!急に飛び出したら危な・・・・」

 

「みはりちゃん、俺は気にしてないから。それより大丈夫か?まひ・・・・ろ」

 

「あ・・・あうっ・・・」

 

 

 

振り向くとそこにはダムが決壊(おもらし)した親友がそこにいた。なんて声をかければいいのか分からずみはりちゃんもこれには反応に困っていた。女の子になった親友がお漏らししたんだけどどうしたらいいか分かりますか?偉い人教えてください。思わず某知恵袋にぶん投げそうになるのをなんとか抑えた。

 

 

そして今、まひろはショックのあまり部屋で寝込んでいる。入るなと張り紙をつけられている。なんというかあの頃に戻ったようだ。

 

 

「実は今日からお兄ちゃん中学デビューで・・・」

 

「デビューというよりかは2度目では?」

 

「女の子として・・・ですよ。けどまさかこんなことになってしまうなんて」

 

 

登校初日でおもらしは流石に反応に困った。慰めは・・・逆効果だろうか。しかし今回に関しては誰も悪くない。ただ全ての間が悪かったとしか言いようがない。中学生でも充分恥ずかしいがまひろの年齢は俺と同じだから受けてるダメージは計りしれない。みはりちゃんもこういう時にどうすればいいかは分からないし俺も兄妹いないから対処法に困る。こういう時は・・・

 

 

 

「「兄妹いる人に頼るしかない」」

 

 

 

俺たちは問答無用で知人に対処法を聞くことにした。おそらくみはりちゃんはかえでさん辺りに電話をかけてるに違いない。なら俺も頼れる人に聞くとしよう。

 

 

「というわけなんだ夕哉。どうしたらいい?」

 

『めちゃくちゃデリケートだなおい。流石の俺もその解答は難しいぞ』

 

「まあ・・・そうだよな」

 

『ただまあお前たち親戚なんだろ?無理に気を使うとかえって逆効果だ。そっとしておいてやれ。そして無かったことにしてやれよ。そもそも俺に相談するな。相手が間違ってる』

 

「けど兄妹いるやつに相談できるの夕哉くらいしか・・・」

 

『かえでがいるだろ。あいつの方が妹の扱いは長けている。とにかく頼ってくれるのは嬉しいがそういうデリケートなのは答えられないからな。あとあの子のことを思うならもう少し配慮してやれ』

 

「すまない・・・・こういうことが起きたことなかったからつい動揺して・・・」

 

『まあいいさ、これからゆっくり色んなことを経験していけばいい。マスターに呼ばれてるしそろそろ仕事戻るな』

 

「わざわざありがとな」

 

 

そう言って俺は電話を切る。確かに夕哉に話したのはデリカシー・・・配慮に欠けていたのかもしれない。いくら俺がまひろのことを男だと思っても夕哉はその事実を知らない。だからこそ若干の食い違いが生じてしまう。この先も何が起こるかわからないしより一層気をつけないと。

 

 

「それでかえでさんはなんで言ってた?」

 

「無かったことにしてあげなーって言ってた。流石は本職のお姉ちゃんだなって」

 

 

夕哉も同じようなことを言ってたな。なんだかんだでちゃんと兄妹やってるんだなって思う。みはりちゃんによると今日は元々はまひろの中学生活初日を記念してささやかなパーティーをやるらしいけど中止になった。初登校でおもらしとは・・・まひろにとってはほろ苦い思い出になったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜☆〜

 

 

それから数日が経った、みはりちゃんの話によると転入早々休んだら心配されるだろと言ってたらしくなんだかんだで学校には行ってるようである。だけど例の件もあるせいでまひろと会うのはどうも気まずかった。さてとどうしたものか・・・

 

 

「おいおい葵。この前あさひから聞いたぜ。あさひのクラスに転校生が来たらしいから話を聞いたんだけど。その転校生もしかして・・・」

 

「ああっ・・・概ね夕哉の予想通りだと思う」

 

「やっぱりそうか。にしてもあさひから聞いたけどお前の妹さん、病弱で自宅療養してたんだな」

 

 

そう、まひろにもう一度中学生として通わせる上でみはりちゃんが考えた設定だ。病弱で自宅療養していることにしてそれもあって手続きが遅れたと。色々気になることはあるらしいけどみはりちゃん以外にもどうやら協力者がいるらしい。まひろをもう一度中学に通わせるとか何者だよと思う。

 

 

「それで快気祝いとかしたのか?」

 

「それが色々あってな・・・前電話しただろ?あの日にするつもりだったけどタイミングが悪くて・・・」

 

「ああっ・・・そういえばあさひがその話したのも俺がバイト帰った後だったわ」

 

 

今ので全てを察してくれたらしい。忘れないとは思ってるけど早々にあれを記憶に消せる自信はなかった。一応俺もみはりちゃんも触れないようにしようと言ったけど・・・

 

 

「なんというかお前ってあれだよな。色んな意味で不運だな」

 

「悲しいことにな・・・・せっかくお前がハロウィンの日の仕事を代わってまで仲直りできるようにしてくれたというのに」

 

「それだけ中学生ってのは難しい年頃だよな。よしっ・・・というわけだ。話は聞いたよな?マスター」

 

「ふふふ。じゃあまずは日取りを・・・決めようではないか」

 

「日取り?なんの話だよ・・・」

 

「なにってお前の親戚の妹さんの快気祝いだよ。ちゃんとできてないんだろ?このままだとまた気まずくなる。それはそれで問題だ。だからいいよな?マスター」

 

「日は浅いとはいえ葵くんもウチの大切なスタッフだ。そのスタッフがこうして悩みを抱えているんだ。力を貸すのがマスターの務めだろ」

 

「やろうぜ葵。妹さんの快気祝いをここでな」

 

「ここで!いや流石にそれは・・・」

 

「んで日付はいつにするマスター?」

 

「そうだね、平日だけどこの日がいいんじゃないかな?」

 

 

聞いてないし・・・結論から言うとこの店でまひろの快気祝いをすることになった。そう言う設定で中学に行かせた以上下手な言い訳はできない。と言うよりそのために貸し切りにするということになるのか?一応ここの喫茶店は貸し切りにすることもできるが喫茶店のためなかなか貸切にして利用するお客さんはいないらしい。年に数回とか。例えば文化祭の打ち上げとか色々あるけど確かに新年会や忘年会をする大学生や大人が喫茶店を貸し切るのはまずないだろう。ここは特にそうだ。お酒を基本提供してないし・・・

 

 

そういう意味で今回はまひろの快気祝いという理由でパーティをすることになった。もちろんまひろやみはりちゃんがいいと言うならだけどみはりちゃんはあっさりOKした。と言うよりめちゃくちゃ感謝された。例の件で結局その計画が有耶無耶になってしまったからだ。まひろには驚かせたいからサプライズにしておくらしい。まひろは基本こう言うところ苦手だから話すと行かない可能性が出てくる。まあつい最近まで引きこもってたもんな。本当は些細なパーティーだったけどまひろに元気になってもらうにはちょっとばかし賑やかになってもいいよな?

 

 

「オッケーみたいだな。サプライズ?いいねぇそういうの。ならその事をあさひやじろうに伝えてその日の学校終わりにここへ連れてきてもらう。もみじとじろうは俺から伝えておくよ」

 

「あのっ・・・こう言ってはなんですが本当にいいんですか?マスター」

 

「構わないよ。君はここに入って1ヶ月も経ってないのにハロウィン企画でこの店過去最高の売り上げを叩き出したりお客さんの意見を聞いて色々改善と大きく貢献してくれてるからね」

 

 

 

と言っているが本来貸し切りは規定人数を超えないといけないため少人数による依頼は不可能だ。30人以上を想定した団体客じゃないと受け入れないらしい。もちろん今回は30人なんて超えてないしなんなら少人数だけどマスターは今回はそこを許可してくれた。料金とかに関しては諸々話し合ってちゃんと決めた。10月分はハロウィン企画のおかげでだいぶ黒字らしいけど俺のせいでその黒字の部分潰したくないのでそこはちゃんと話し合ってる。むしろ少人数負担してもお釣りが返ってくるらしいがこちらとしては病弱設定ででっち上げてるのでそうもいかなかった。

 

 

「なんか悪いな夕哉。こんなことになって」

 

「気にすんなって。俺とマスターが勝手にやってることだから。それに・・・大学生になってそこそこ告白されるけど全員断ってるお前をタジタジにさせる親戚の妹が気になるのも事実だしな」

 

「お前なぁ・・・」

 

「なーに心配すんなって。俺は年下には興味ねーからよ」

 

「いやそう言う心配してるわけでも・・・」

 

 

夕哉に関してはそこは心配していない。好みのタイプは胸が大きくて包容力のある年上らしいから。年下がタイプじゃないのはおそらくあさひちゃんやかえでさんと過ごしてきたからなのだろう。

 

 

「当日はお前も前半はこっち側でいいか?料理さえ作れば後半はお前も自由にしてていいってマスター言ってたぞ」

 

「なんか悪いな本当・・・」

 

「気にすんなよ。貸し一つだ、合コンのときは頼むぜ」

 

「・・・ったく。分かったよ」

 

 

ここまでしてもらったんだ。合コンはあまり乗り気ではないがまひろのためにここまでしてくれてるんだ。その時が来たら俺も可能な限り夕哉の力になってやろう。

 

 

 

そしてまひろのサプライズ快気祝いに向けての準備を進めるのだった。




せっかくハロウィンで仲直りしたことにしたのに今回、開幕おもらしさせて気まずくなるの最高に運のない主人公。というわけでまずはメンタルケアから始めましょう。
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