2年ぶりに再会した親友が男を辞めてた上になんかおかしい。   作:あっぷる

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3月になりました。それでは聞いてください。今月の残りの休み3日です。

何を言ってるのか分からない・・・


まひろの自宅奮闘記

「寒くなってきたなぁ・・・」

 

 

季節を感じる。一気に低下する気温、それは冬の到来を意味していた。この時期は特にウイルスやらで風邪をひきやすい。用心することに越したことはないな。さてと・・・そろそろ大学に行くか。そんなことを思ってたらスマホから着信音が鳴る。

 

 

「・・・みはりちゃんからか?」

 

 

みはりちゃんとは電話を交換していてまひろの治験に度々付き合っている。今日は講義の後バイトあるからまひろの家に行く予定はないけどなんだろう。そう思って電話を出る。

 

 

「もしもし?みはりちゃんどうかし・・・」

 

『よかった!繋がった。おい葵、オレだ!まひろだ』

 

「ま、まひろ!なんでみはりちゃんの電話から!?」

 

『説明は後だ!いいから早くオレの家に来てくれ』

 

「け、けど・・・講義が」

 

『そんなもん休め!こっちは重要事項なんだ!理由は家に来たら話す!じゃあっ!』

 

 

そう言われて一方的に電話を切られた。今日の講義とゼミは出ておきたかったんだけど仕方ない。俺はメールで夕哉に今日は休むとだけ伝えた。そしてそのまままひろの家に忙ぐ。まひろのあの焦り。そしてまひろの電話で鳴らしたのではなくわざわざみはりちゃんの電話で鳴らしたこと。みはりちゃんに何かあったのか。そんなことを思って全力で飛ばしてまひろの家に着いた。そしてインターホンを鳴らす。すると・・・

 

 

ドドドドドドドド

 

 

「来たか!葵、早く来てくれ!みはりが・・・みはりが!」

 

 

急いでみはりちゃんの部屋に行くとみはりちゃんが顔色悪くしていて寝込んでいた。とりあえず状況かだけ明確にしておきたかったので・・・

 

 

「みはりちゃん・・・ごめんよ」

 

 

そみはりちゃんのおでこに手を当てる。かなりの高熱だ・・・

 

 

「みはりちゃん、大丈夫?声聞こえる?」

 

「はぁはぁ・・・葵さん?」

 

「熱があるみたいだけど薬は飲んだ?」

 

「はいっ・・・寝てれば多分治ると思います。お兄ちゃん・・・そんなに動揺しなくても大丈夫だから・・・けほっけほっ」

 

「みはり!」

 

「とりあえず安静にしておいてあげよう」

 

 

そう言って一度部屋を出てから状況を聞いた。昨日の夜までは元気だったらしいけど今日の朝体調が悪くて熱を測ったら38度を超えてたらしい。この時期のあるあるだ。みはりちゃんのことだからこれ以上の無茶しないとは思うけど・・・

 

 

「おそらく無理をしすぎたのが原因だろうな。まひろを中学校に行かせて自分の時間を確保したからゆとりが持てたと思ってたんだけど・・・」

 

 

それでも家事に洗濯、風呂掃除やらまひろの弁当もみはりちゃんが用意してくれている。それに加えてみはりちゃんは研究のレポートとかで実質俺以上のハードスケジュールだからかなり忙しいはず。いくら飛び級してて頭が良くてもまだ彼女は年齢的には高校生だ。こんなオーバーワーク、いくらみはりちゃんでも耐えられないだろう。

 

 

「オレ・・・みはりにどれだけ頼ってたのか思い知らされた。みはりは全部オレのことを思ってやってくれたのにオレは妹に・・・みはりに何もしてやれてなかった。そんな自分が情けなくて・・・」

 

「まひろ・・・」

 

 

まひろはそう言って泣いていた。まひろが引きこもりになる原因を作ってしまったのは俺たちだ。みはりちゃんはまひろにもっと褒めて欲しくて勉強も運動も頑張った。みはりちゃんはどちらともその才能があった。陸上で記録を残し、飛び級するほどの才女。けどみはりちゃんが努力すればするほどまひろの兄妹という劣等感。そして当時学年主席だった俺の存在がまひろの心を蝕み、それがまひろを引きこもりにする原因になってしまった。

 

 

色々あったけどみはりちゃんの努力もあってまひろはふたたび笑うようになり外に出られるようになり、そしてこの前学校に行くようになってそれが嬉しくて・・・・だからこそまひろは気がついたんだと思う。自分がいかにダメ人間だったかということを。

 

 

大切なものを失って初めてそのありがたみというものが分かるとはよく言ったものだ。まひろの両親はずっと海外で仕事をしている。俺も会ったことはないからどういう人物かは知らんけどとにかくこの状況で頼れるのは俺以外にいない。そう判断したのだろう。

 

 

「まひろ・・・とりあえず学校は休むというのは連絡したか?」

 

「いやっ・・・まだだけど」

 

「なら今すぐ連絡しろ。先生も流石に無断欠席は心配するだろ。姉が風邪ひいたから看病するとでも言っておけ」

 

「・・・分かった」

 

 

みはりちゃんは・・・問題ないだろう。あの子はしっかりしてるから自分のことは同期に連絡してもう手は打ってるはずだ。とりあえずやることを片付けていかないと。

 

 

「・・・葵、ごめんな。わざわざ来てもらって。休んもらって・・・けどオレ1人じゃあどうしたらいいか分からなくて」

 

「気にするな・・・大学の講義は基本2/3以上出席してたら問題ないから」

 

 

上手い人は適度にサボったりして調整しながら単位取るやつもいるくらいだ。夕哉はその辺が結構上手かったりする。元々頭のいいやつだし。だから真っ先に俺を頼ったのはまひろにしてはいい判断だったと思う。幸い俺は全部講義には全部出席してるし、今日はゼミ以外は特に重要な授業もないし小テストもない。問題はないだろう。

 

 

 

「さてと俺も講義は休んだ以上協力はする」

 

「いいのか、葵?」

 

「当たり前だろ?友達が困ってるのを見過ごすほど薄情な人間じゃない。それにみはりちゃんにも色々世話になってるしな。協力させてくれ」

 

「葵・・・頼むっ!」

 

 

「まずは買い出しだな。冷蔵庫の中身は・・・ある程度食材は揃ってあるな」

 

 

となるとまずはスポーツドリンクだな。それとのど飴や熱冷ましシート。近くの薬局に揃ってるけど・・・俺が行ってくるか。

 

 

「葵、オレはどうすればいい?」

 

「お前はみはりちゃんを見ててやれ。汗を拭いてあげてから定期的に冷たいタオルを入れ替えて枕がわりにする。できるな」

 

「・・・任せろ、オレはあいつの兄だからな」

 

 

家事の経験がないまひろに洗濯とか任せるのは危険だ。ならまずはみはりちゃんを見てあげる。まひろに看病して貰えばみはりちゃんも元気になるだろう。

 

 

買い出しを済ませてからみはりちゃんの様子を伺う。今は薬が効いてるのかぐっすり寝ている。今のうちだな。

 

 

「まひろ、俺は洗濯や風呂掃除をやるからお前はリビングの掃除をやってくれ。分からなかったら聞いてくれ」

 

「助かったよ、お前が来てくれて。葵は生活力めちゃくちゃ高いしなんとかしてくれると思ってたから・・・」

 

「いずれはお前もできるようにならないとダメだからな。最低限はだけど」

 

「うっ・・・努力するよ」

 

 

そう言ってまひろと分担して掃除を片付ける。まひろに洗濯について説明したけどあれはきっと理解してない顔だな。みはりちゃんが回復したら色々教えてもらうといいよ。

 

 

「さてと次はみはりちゃんの料理だな」

 

「料理か・・・難しそうだな」

 

「大丈夫、今回作るのはおかゆだ。シンプルで作りやすいし栄養価も高い。まひろ、作ってみるか?」

 

「・・・オレにできるかな?」

 

「心配するなって。綺麗な卵焼き作るよりはずっと簡単だぞ。まずはそうだな・・・」

 

 

卵を割ってかき混ぜる。そして鍋に入れた水とうす口しょうゆ、みりん、白だしを入れて弱火で沸騰、そしたらごはんを入れて加熱。

 

ごはんが柔らかくなったら中火にして卵を流してからまわしを入れて全体を混ぜる。そして卵が固まってきたら火を止めて皿に移す。そして移した皿に最後にネギを散らして・・・

 

 

「できたーーーー!なんだ、案外簡単じゃん。オレ、料理の才能あるかも」

 

 

みはりちゃんも言ってたけどまひろは妙に器用だったりこだわったりすることがあるらしいが・・・・

  

 

「今は冬だからいいが夏に風邪ひいたりバテたりすると食欲がかなり落ちる場合がある。そういう時はキールとか冷やし茶漬けとかがいいぞ」

 

「冷やし茶漬けとかは分かるけどキールってなんだ?」

 

「インドとかで良く食べられる牛乳がゆのこと。温めても冷たくしても美味しくて病人食というよりかはスイーツ感覚で現地では食べられてるらしいぞ」

 

 

栄養価も高いから夏バテ回復にもなって非常に重宝するレシピの一つだ。簡単に作れるのも特徴の一つだし。

 

 

「とりあえず持っていってやりなよ」

 

「お前は来ないの?」

 

「たまには兄らしいことの一つや二つしてあげな。みはりちゃんもきっとそう望んでる。だから俺はここで待ってるよ」

 

「・・・分かった」

 

 

きっとまひろが作ったった知ったらみはりちゃんは大喜びすると思う。それに俺は卵は割ってやったがそのあとはただまひろに指示しただけだから作ったのはあいつだ。

 

 

さてと随分時間経ってしまったけど・・・どうするかな。そういえばみはりちゃんはご飯食べたけど俺らはまだだったな。よしっ、まひろも今回はよく頑張ってくれたし俺が用意してやるか。それから数十分後・・・

 

 

「戻ったぞ、葵」

 

「おかえり、それでみはりちゃんは?」

 

「オレがお粥作ったって言ったなら急に泣きだしてな。宥めるの大変だった」

 

「ああ・・・なるほど」

 

 

泣くほど嬉しかったんだろうな。よかったなまひろ。

 

 

「まああれだ。少しはみはりちゃんを労ってやれよ。せめてトイレ掃除でもなんでもいい。簡単なことからちょっとずつあの子の力になることをしていけばいい」

 

「そうだな・・・」

 

「さてと俺らも飯にするか。今日はオムライスにしたぞ。安直だけど材料揃って手軽に作れるしな」

 

「なるほど、オムライスか。オレも作れるようになるかな」

 

「・・・まずは綺麗に卵を割れるよつになってからだな」

 

 

そんなに難しくはないと思うんだけどまひろはどうも卵を割るのが苦手らしい。明らかに力入れすぎが原因だけど・・・まあ最初はそんなもの・・・なのか?あと料理初心者にオムライスはちょっと難しいかもしれない。

 

 

「ふわとろ〜やっぱり葵の料理は最高だよなー」

 

「みはりちゃんとどっちが美味い?」

 

「お前!その質問はズルいぞ」

 

「冗談だ冗談。もしここでお前がみはりちゃんを選ばずに俺の料理が美味いって言ってたら問答無用でお前をぶん殴ってたかもしれない」

 

「・・・おい、それも冗談だよな」

 

「まあ今のお前には流石にそんなことできないけどな」

 

 

元々のお前だったら今の俺ならそれくらいはやったのかもしれない。けど一度引きこもった親友とこうしてまた飯を食って笑い合えてる。そうしてくれた1番の功労者は間違いなく彼女だ。本当に感謝してるよみはりちゃん。

 

 

 

ピンポーン

 

 

「インターホンがなってる。誰だろ?」

 

「・・・出てみたら?」

 

「なんでオレが・・・」

 

「俺は本来部外者だからな。お前が出るのが筋だろ」

 

「・・・それもそうだな。ちょっと行ってくる」

 

 

 

みはりちゃん、姿形はどうであれまひろの更生は進んでるよ。もちろん無理して体調を崩したみはりちゃんには反省してもらわないといけないけどでもその状況がまひろを動かしたのは事実。少しずつだけど一歩ずつ前に進めてるよ。

 

 

「ハカセが風邪ひいたけど大丈夫!」

 

「ハカセなのに風邪引くんだな」

 

 

白衣着てるから勘違いされてるけど彼女は治療に関してはからっきしだと思う。知ってたら風邪引くまで無茶はしないだろうし・・・

 

 

「おっ、アニキも来てたのか」

 

「まっ、妹が心配だったしな。それにまひろだけだとみはりちゃ・・・みはりが不安がるだろうし」

 

「お前なぁ・・・」

 

「まあとにかくお見舞いに来てくれたのは嬉しいけど今はみはりもぐっすり寝てるだろうしそっとしておいてあげて」

 

「・・・まあ葵さんがそう言うなら。まひろちゃん、心配したんだからね。突然学校なんて休むから。連絡も遅かったし」

 

「それは本当ごめん!みはり・・・お姉ちゃんが心配だったから」

 

「まあそうよね。まひろちゃん、お疲れ様」

 

「ありがとう、みよちゃん」

 

「今日は退散するか。じゃあまひろん!明日また学校でな」

 

「・・・うんっ!」

 

「ばいばいまひろちゃん。葵さんも・・・」

 

 

 

そう言って彼女たちはみはりちゃんに気を使って帰ってくれた。にしても高校時代つまらなそうにしてたあのまひろがこんな顔をするなんてな・・・

 

それすら当時の俺はできていなかったんだな。あの時の俺にできたかと聞かれたら多分無理だったんだと思うけど・・・

 

 

 

「まひろ、学校は楽しいか?」

 

「なんだよいきなり。そうだな・・・いきなり女子として中学校に行かされるし男子の目線が気になるし体育で運動も疲れるし授業は聞かないといけないし!まあでも・・・少なくとも今は嫌ではないかな」

 

 

まひろにとっては授業は大嫌いで成績も気にしていて学力の伸び悩み色々あったけどまひろは今の自分が身の丈に合ってると言っていた。俺には兄弟がいないから分からないけどきっと他者から出来を比べられて育ってきたまひろにはかなり負担があったはずだ。

 

これでよかったかなんて俺もまひろも分からない。けどまひろは今の生活に嫌がりを見せてない。きっとそれが今の答えなんだろう。俺からするとすごく複雑なところはあるけど・・・

 

 

「それはよかったな」

 

「・・・まあでも女の子相手だと趣味が合わなくて悲しい。男子とは気楽に話せるけど向こうはそうじゃないだろうし」

 

 

そりゃそうだろ。もともと中性的な顔立ちだったお前が女の子になればそりゃ男子は気になるよな。そしてふと俺は気になったことがある。高校時代、俺はたまに告白されたことがある。それをまひろはリア充滅びろとか言ってたけど今のまひろはどうだろう。正直今のまひろはすごくモテる顔立ちだと思う。

 

俺は正体知ってるからなんともないが他の人からしたら溜まったものではないと思う。一応デリケートなところはあるが聞いてみよう。

 

 

「気になってたんだがまひろ。お前その姿になってから告白されたことあるか?」

 

「・・・は?」

 

「・・・やっぱり忘れてくれ。今のは」

 

「おいなんだよそれ!つまりオレが男に告白されたことがあるかってことだよな!あるわけないだろ!だいたいオレ中身男だろ!男と付き合えるわけがないだろう」

 

「そりゃそうだよな。けどこの先あり得なくはないぞ。男に告白されるという状況が。お前は耐えられるのか?男に告白されると言うことが・・・」

 

「・・・・おぇぇええええ」

 

 

清々しいほどの拒否反応だな。どうやら身体は正直らしい。とにかくそう言うことがこの先起こりうることもまひろは知らなくてはいい。元々男の時からフィジカル弱いから心配な部分はあるし。

 

 

「そうか・・・これからは少し気をつけないとな。自分の行動に・・・」

 

「そうしてくれ本当に。とりあえず大学はサボってしまったけどバイトはそう言うわけにはいかないからな。てなわけでオレも長居は出来ないしそろそろ行くよ」

 

「今日はありがとな。また何かあったら連絡する。だから・・・教えろよ。お前の電話番号とアドレス」

 

 

思えば俺とまひろって連絡先交換してなかったんだ。出会ってから3年以上経つけどそういえばしてなかった。だからみはりちゃんの携帯からわざわざかけたのか。まひろの電話には俺の連絡先が入ってなかったから。

 

 

「にしてもアレだな。なんというか意外だったな、電話番号交換してなかったのは」

 

「オレも葵も休日外に出て誰かと遊ぶタイプじゃなかったからな」

 

 

まひろはそもそも俺以外の友達作ろうとしなかったし俺も基本アルバイトばっかりだったから基本学校以外で会うことなかったしな。けど今回みたいなことが起こると電話番号が分からないのは確かに不便だよな。

 

 

「また何かあったら連絡するよ」

 

「じゃあ後は頼む。俺はバイトに行ってくるから」

 

 

そう言って俺はまひろの家を後にしてバイト先に向かった。後日、みはりちゃんは完全復活したらしい。少しずつお兄ちゃんが真人間になっていってて嬉しい。そうメールに文が綴られていた。

 

 

 

 




と言うわけで原作1巻終盤ににある特別自宅警備をアレンジした話でした。2章の話の方向性は決めてますが前書きで言った通り今月は全部で今日含んで4回しか仕事の休みないので非常に投稿難しいです。短編でいいなら投稿できるかもしれませんが本編は基本的にこれくらいの字数(5000〜7000字)なので非常に時間かかります。ご了承ください。2章は多少シリアスもありますが基本ギャグメインでいきます。よろしくお願いします。

3月は1月2月レベルの投稿数はむずかしいかも。
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