2年ぶりに再会した親友が男を辞めてた上になんかおかしい。   作:あっぷる

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2話視聴で魂が昇天しかけました。

今回の話は1話のまひろsideとその続きです。


葵とまひろ 2年越しの仲直り

「自由だーーーっ!」

 

 

今日はリビングも使いたい放題思う存分だらけるぞ!オレの名前は緒山 真尋、エロゲを愛する孤高の自宅警備員!ひょんなことから妹の実験で女の子の身体にされてしまってから随分と経つ。そんな妹は今日は研究が山場らしく帰ってこないらしい。

 

とりあえずメシは出前取ればいいよな。最近はウーバーなんとかってやつですぐ届くし。それは夕方に回すとしてまずは楽な格好になるか!

 

とりあえずオレは久しぶりに自分のTシャツを来てみる。うんっこの感じ懐かしいな。

 

 

 

「袖が余る〜なんちゃって」

 

 

って何喜んでるんだ・・・・とりあえずゲームでもしよう。リビングで最新のゲームを繋げて遊ぶがなんか乗らない。というよりあまり楽しくない。そういえばこの身体になってからみはりがなんだかんだで側にいたんだっけ?

 

それに学校通ってた頃は・・・

 

 

「葵・・・・」

 

 

オレには1人の親友と言える奴がいた。親友だからってそいつはエロゲとか・・・そもそもゲームすらあまりやらない奴だったな。趣味もたまに本読むくらいとか言ってたし。思えば趣味も違えば好きな食べ物も違うしお互いの性格も近いというわけでもない。でもあいつとの距離感はすごく心地よかった。どうしてあんなに優秀な奴がオレとつるんでくれてたのかは今もよく分からない。

 

 

それにもう2年も会ってないしな。2年前、心配になった葵はオレのことをお見舞いに来てくれた。けどオレはそんな葵を拒絶してしまった。辛く当たってしまった。親友に慰められることがあのときのオレにとっては自分がすごく惨めな思いをするだけだった。

 

 

そしてあれ以来、葵はオレの家に来ることもなくなり、連絡もなくなった。そして妹のみはりもオレと少し距離を置くようになった。あとでみはりが言ったがどうやら距離を置くことにしたのは葵の案らしい。拒絶したのに葵はオレのことを気遣ってくれた。そしてあれから少ししてみはりは葵について教えてくれた。

 

 

葵自身、あまり裕福な生活を送っていなかったらしい。特待生なのも学年主席だったのも奨学金をもらうためだったり、趣味があまりなかったのもそれに回すだけのお金がなかったからなんだと思う。ゲームを全くやらないのも変な話だったが今思えば葵自身の使えるお金が限られていたから。オレは葵と高校生活で誰よりも近くにいたのに何も葵のことを知らなかった。葵の事情も葵の努力も・・・

 

 

そしてそれを知ったオレはただひたすら泣いた。葵のこと何も知らずに葵を拒絶したこと。謝りたいと何度も思った。そして会いたいとも思った。でも葵はオレと距離を置くことを決めてからはずっと連絡をしてきてない。オレも今更こんな姿で葵に連絡する勇気もない。オレは本当に情けない奴だと思った。どうしようにもないこの行き場をオレはひたすら部屋に引きこもってエロゲにぶつけていた。

 

そしてそれを見かねた妹がオレに薬を盛って今に至ってる。懐かしいな、葵は今、元気にやってるのだろうか。そういえばそろそろ頼んでいたピザが来る頃だな。

 

 

ピンポーン

 

 

「おっ、来た来た!待ってました!冷蔵庫のコーラよしっ!」

 

 

俺は勢いよく扉を開ける、そこには背の高い男の人が立っていた。大学生くらい・・・

 

 

「・・・っっっ!!!」

 

「注文していたピザを届けに来たんですけど・・・」

 

 

2年ぶりに聞く声、そして久しぶりに見たそいつの背は少しだけ伸びててもう引き離されたとかそういう次元じゃないけど間違いない。葵だ、どういうわけかピザを頼んだら宅配に来たのが葵だった。でも葵はオレのことを気がついていない。というより今、葵は配達の仕事してるんだ。ってそうじゃなくて!

 

 

「えっと、お姉ちゃんかお兄ちゃんはいる?料金もらいたいんだけど・・・」

 

「・・・あっ、ハイッ」

 

 

オレは思わず持っていたお金を葵に渡した。おそらくみはりかオレのことを聞いたのだろう。妹と面識はあるらしいがこの姿のオレのことは多分葵は知らない。どうする、せっかく2年ぶりに会えたのに。言いたいことがたくさんある、でも葵はどうなんだろう?葵が何を考えてるのか分からない。

 

 

だったらいっそ葵にオレだということを言ってしまうべきか。いやでも今更女の子になったって言っても葵を困らせるだけだ。それにこんなこと言っても葵は信じないだろう。

 

 

「それじゃあ、おつりね」

 

 

おい、なんで何も聞かないんだ。葵にとって今のオレからしたら赤の他人だけどでも2年も経ったんだ。今オレが何をしてるのか気にならないのか。

 

 

いやっ葵は優しすぎるんだ。葵は思いやりもできて気配りもできる。優しいやつで女子からモテて男子も仲良くて・・・妹とは別のベクトルで限りなく完璧超人だった。今の葵はきっとオレとまだ距離を置くだろう。けどオレはもう我慢の限界だ。

 

 

オレは気がついたんだ。お前に追い詰められてたのと同時にお前の存在にどれだけ救われていたのかを。葵がいなかったらきっとオレは今よりももっとダメ人間になってただろう。けど葵の存在と葵の気遣いがあったから今のオレが・・・

 

 

 

「じゃあこれで・・・」

 

「おいっ!」

 

 

つい葵を引き止めてしまった。葵は困惑しながら「えっと・・・どうかした?」と聞いてくる。そりゃ知らない子においっ!って言われたら普通困惑するよな。もうオレは目の前にいるのが葵なのは確信している。確信しているけど一応確認は必要だった。

 

 

「そのっ・・・葵だよな?」

 

「・・・は?」

 

 

その疑問は何言ってるんだこいつ?ではなくなんで俺の名前を知っているんだという反応だった。しばらく待つが人違いですとは言わない。やっぱり葵で間違いない。

 

 

 

 

「えっと・・・なんで?」

 

「・・・オレの勘違いじゃないよな。いやっ、勘違いであって欲しかったけど。まさかこんな形でお前にまた会うなんてな」

 

 

本当にこんな形になるとは思わなかった。まさか女の子になった状態で親友のお前に再会するなんてな。そして向こうも確信した表情になる。やっと気がついたか。

 

 

「まさかお前・・・」

 

 

「そうだよっ、オレだよオレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緒山 真尋だ」

 

 

こうしてオレこと緒山 真尋は高校時代の親友の相原 葵と再会した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜☆〜

 

 

ピザを宅配したら親友が女になってました。どうしてこうなってしまったのか。目の前にいるのが本当に高校時代の親友なのか。分からない、俺には何も分からない。

 

 

「真尋・・・なんだよな?本当に」

 

「残念なことにな」

 

「そうか・・・・」

 

 

本当に真尋かテストしてみたけど通ってる学校にクラス、担任の先生や数学や体育、生活指導の先生の名前、全ての質問をちゃんと当てていた。そういえばそんな先生いたな〜とか言ってる辺り本当に俺の知ってる真尋で間違いないのだろう。

 

色々聞きたいこと、話したいこと、今どうしてるかとか聞きたいことがたくさんあったけど・・・とりあえず真尋にはこれだけ言っておきたかった。

 

 

「真尋、一言だけ言わせてくれ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだその格好は」

 

 

 

 

 

すごく今更だが真尋の格好はTシャツ一枚だけだった。そういえば家ではラフな格好して過ごしてると言ってたな。男の感性ならそれでいいんだけど今の見た目とも相まって犯罪臭しかしない。

 

 

「きゃっ!お、お前!えっちだぞ!あんまりこっちみるな!すけべ!」

 

 

理不尽とはこのことである。だいたいその格好で出てきたのお前だろ!宅配をしたのが俺だったからいいがこれがもし・・・いやっ、よそうそういうの考えるのは。

 

 

「とりあえず着替えてくるから待ってろ!いいか帰るなよ!絶対に帰るなよ!」

 

 

そう言って真尋は2階に上がって行った。おそらく自分の部屋に戻ったのだろう。まさか親友にすけべって言われるとは思ってもみなかった。いやっ、そもそも久しぶりに会った親友が女の子になってる時点で色々と終わっているんだが・・・

 

 

「ハァハァ・・・待たせたな葵!これが普段着だ」

 

 

そう言って真尋はひらひらしたワンピースを着替えていた。真尋のやつ・・・心まで女の子に染まってしまったのか。親友のこんな姿見たくなかった。

 

 

「とりあえずさっきのTシャツ一枚よりはマシになったと思う」

 

「お前!それが女の子にいう感想か!女心というものが分かってないな!」

 

「待てそもそもお前は女ではないだろ。いやっ見た目は立派な女の子だけれどもそれでいいのかお前は!」

 

「・・・お、オレは一体何を」

 

 

そう言って真尋は膝から崩れ落ちた。「葵相手に何やってんだオレはー」と可愛い声で叫んでいた。心まで女の子に染まってないよな?大丈夫だよな?と心配になる。

 

 

 

「すまん、葵。今のは忘れてくれ」

 

「あはは・・・でもまあそのなんだ。いうタイミングが遅くなっちまったけど真尋、久しぶりだな。元気そうでよかったよ」

 

「葵・・・・」

 

 

 

親友と喧嘩別れの状態になってからもう2年の月日が流れる。真尋に拒絶されたあの日、追い詰めてたのが自分自身だったこと。何かしてやりたいのに何もしてやれないのがもどかしくて・・・・

 

 

「本当にすまなかった。お前の悩みにすら気が付かなかったなんて俺は友達失格だな」

 

「・・・葵、そんなこと言わないでくれ。オレもずっと後悔していたんだ。高校での唯一の友達だったお前に辛く当たってしまった」

 

「お前の妹さんからだいたいの話は聞いたよ、知らないうちに俺がお前を追い詰めてたなんてな。そんなこと思ってもみなかった」

 

「ちが・・・わないけど違うんだ!聞いてくれ葵!オレはお前に追い詰められてたのも事実だけどそれ以上にお前の存在に救われてたのも確かなんだ。だから・・・オレは・・・オレは・・・・」

 

「真尋・・・おまえ・・・」

 

 

気がついたら真尋は大粒の涙を流していた。感情のコントロールの効かない子どものように泣きじゃくっていた。いやっ見た目的にはそうなんだけど・・・じゃなくてどうすればいいんだ。こういう時は確か・・・

 

 

「なんで・・・なんでこんなに涙がでるんだよ!嬉しいのに、お前にまた会えて嬉しいのに・・・こうして話もできてすごく・・・すごく嬉しいのに。もういろいろとぐちゃぐちゃだよ」

 

 

昔、生きていたおばあちゃんによくやってもらってたっけ?こういう時は確かゆっくりと優しく・・・

 

 

「へっ?」

 

「大丈夫だ真尋、大丈夫・・・」

 

 

 

こうして撫でてやればよかったんだっけ?幼いときの俺も確かこれで泣き止んでた気がするし・・・

 

 

「なんで・・・なんで撫でてるんだよ!」

 

 

ペチンと手をはたかれてしまった。しまった、もしかして今のは悪手だったか。

 

 

「なでなでされて慰められる歳じゃないぞ。オレはお前と同い年だ」

 

「いやっ、そうなんだけど・・・」

 

 

 

側から見ればそう見えないというかなんというか・・・・まあでもこの感じなんか久しぶりだな。高校生に戻ったみたいだ。

 

 

「そういえば・・・グスン。随分話してしまったけどバイトは大丈夫なのか?葵」

 

「ああっ、それは大丈夫。今日はここで最後だったし」

 

「そっか・・・なら葵、このままウチに上がっていけよ。1人じゃその・・・・」

 

「ん?」

 

「とにかくアレだ。久しぶりに遊ぼうぜ!親友!」

 

「・・・そうだな」

 

 

時間も遅いし明日も朝から講義はあるけどまあ大丈夫だろう。少しくらいなら羽目を外しても・・・

 

 

「ほらっ、頼んだピザも食え食えっ!」

 

「お前の不健康な食生活は相変わらずだな」

 

「失敬な!最近は妹がご飯作ってくれるから一緒に食べてるぞ」

 

「どの立場で言ってるんだか・・・」

 

 

まあでも改めて言おう。姿どころか性別すら変わったけど元気そうなお前を見れて安心した。あのときのことをまだ引きずってるのかそれを断ち切れたのかは分からないけどでも現実に真尋は元気そうにしている。それが分かっただけでもここへ来てよかったと思う。

 

 

「対戦ゲームしようぜ!」

 

「思えばお前とこうしてゲームをするなんて初めてだな」

 

「言われてみればそうだな」

 

 

趣味が合わなかったから今まで触れてこなかったもんな。単純に俺がゲーム機持ってないってのもあったけど・・・

 

 

「ちょっ、真尋!少しは手加減しろって!大人気ないぞ!」

 

「なんとでも言うがいい!今のオレは中学生くらいの美少女だ。なーっはっはっは!」

 

 

操作方法が複雑すぎて分からない。ゲームっていうのは難しいものだな。まあでも真尋はすごく楽しそうだしいっか。

 

 

 

「ふー遊んだ遊んだ。やっぱり誰かと遊ぶのって楽しいもんだな」

 

「なら在学中に友達作りゃよかっただろうに」

 

「オレはいいんだよ。たくさんの友達を作るより1人の親友・・・お前がいてくれればな。なっ、葵」

 

「そっか・・・」

 

 

結局のところたくさん友達がいても親友と呼べる友達は少ない。真尋にとっての親友が俺のように俺にとっての親友もお前だけだ。そんなことを思いながら2時間くらい真尋とゲームをして遊んだ。

 

 

「そろそろ帰るよ」

 

「なんだもう帰るのか?」

 

「ああっ、夏休みとはいえ色々やることあってな」

 

「そっか・・・」

 

「悪かったな。夕飯ご馳走になって」

 

「いいって、よく考えたら今のオレじゃあ食べきれなかっただろうし。それより今日の夜雨降るって言ってたけど傘とか持ってるよな?」

 

「一応鞄の中に折り畳みあるけど・・・」

 

「けどお前の体格だと折り畳みだったら気休めにしかならなくないか?オレの家にある傘持っていけよ」

 

「いいのか?」

 

「おうっ、適当に持っていってくれ」

 

 

これはありがたい。俺の体格だと真尋の言う通り気休め程度にしかならない。雨がっぱは持ってないしな。自転車は押しながら帰ればいいか。そんなことを思いながら俺は外を出ると・・・・

 

 

ザザザザーッ

 

 

今の時期って天気変わりやすいもんな。梅雨の時期も雨が変わりやすいって言うけれど9月も大概だと思う。特に台風とか8〜9月が1番多いと聞くし。

 

 

「にしても強い雨だな。こりゃ服濡れるのは確定だな。はぁ・・・気が滅入りそう」

 

「・・・じゃあさ葵。この強い雨だし今日はウチに泊まっていくか?」

 

「・・・・は?」

 

「ほらっ、これだけ雨が強いし。風もなんか強いし、怪我してから遅いとも言うし・・・」

 

「いやっ・・・けどな」

 

「オレは葵に怪我してほしくないんだよ。このまま帰るのも危ないし葵が良ければウチに泊まっていってくれ」

 

「・・・・・・」

 

 

申し出はありがたいんだけどそのっ・・・いろんな意味で大丈夫なのだろうか。まあ見た目は女の子でも精神的な意味では男だもんな。問題・・・ないか。うーん・・・問題ないよな?

 

 

「よしっ、それじゃあお言葉に甘えるとするかな。今日はよろしくな。真尋」

 

「おうっ」

 

 

 

まあ中身男だし大丈夫だろうという俺の考えはミルクチョコレートより甘かった。相手の中身が同性でも身体が異性の時点で問題しかなかったことを。そしてこのお泊まりで問題しか起こらないことも。




相原 葵

名前は男でも女でもいそうな名前だけど見た目は完全に男。勉強や運動、人間性は完璧だが家があまり裕福ではない。努力して状況を変える必要があったがそれが結果的に真尋を追い詰めてしまった。よくも悪くも純粋な性格をしている。女性にモテるが自覚はない。


緒山 まひろ
原作主人公にしてメインヒロイン(オレは認めないからな!)

お前のせいでタグにボーイズラブやガールズラブなどをつけないといけなくなった。責任取れ。


次回はお泊まりの話を書きます。異性同士のお泊まりだぞ何も起こらないわけないだろ。起きたら二重の意味で大問題だけど。そのうちこの2人の出会いや親友になるまでエピソードもぼちぼち書く予定です。



時系列言い忘れてました。原作2巻12話から本編スタートしてます。時期的には秋くらいです。
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