盲目の少女 作:torinikuyakiyaki
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ハーマイオニーは頭への痛みを感じて目を覚ました。ぼんやりと周りを見渡すと、激しい閃光と爆発に気づいた。
暗闇の中で魔法がぶつかり合っている。
はじめは、目が暗闇に慣れておらずよく見えなかった。しかし目が慣れるにつれ、よく見ると戦っているのはデルフィーニと、ホグワーツで見たことがない男子生徒だとわかった。
デルフィーニはハーマイオニーとジニーを守るために、二人に背を向けて戦っていた。ハーマイオニーからはデルフィーニの表情は見えない。だが、声からは必死になっているのがわかった。
ハーマイオニーが立ち上がり、デルフィーニを助けに行こうとした時、ジニーが倒れているのが目に入った。
「ジニー!起きて!早く逃げないと……っ!?」
ジニーを起こそうと近づいた時、暗闇に慣れてきた目に映ったのは、雪のように白い、いや雪よりも白い彼女の顔だった。こんな顔色、まるで親戚の葬儀に両親と一緒に参加したときに見た死人の顔色と変わらない色だった。
彼女を起こそうと必死に肩を揺らすが、目は覚めない、いや覚めるはずがない。この状態が、何を意味しているのかなんて、とっくにわかっている。
でも、でも……
このままジニーを起こそうとするか、デルフィーニを助けに行くのか……
どうすればいいの………
その時、目の前で行われている戦闘の最中、デルフィーニによく似た青年がこちらを一瞬見てにやりと笑ったのに気づいた。彼は、デルフィーニの攻撃を捌きつつ、地面に転がっている破片をこちらに飛ばしてきた。
破片はものすごい速さで飛んでくる。杖を構えている時間なんてない。
ハーマイオニーはとっさにジニーに覆いかぶさり、目をぎゅっと閉じて、破片が当たる衝撃と痛みに堪えようとした。
しかし、いくら待っても衝撃は来なかった。
飛んできた破片は、一つもハーマイオニーの体に当たらなかったのだ。
ハーマイオニーが目を開けて体を起こしたときに目に映った光景は、デルフィーニが自分たちの目の前で膝をつき、荒い息をしている光景だった。
デルフィーニは、二人を庇いながら戦っていた。二人を守ろうという思いとともに、あのヴォルデモートを倒したいという気持ちにも駆られていた。
だから、二人を守りたいという思いより、目の前のこの世で最も憎い男を倒すという欲に駆られて、二人のそばから離れ、徐々に前へ出て攻勢を強めた。
デルフィーニは確かに同年代の、いやホグワーツの生徒の中では上位に入るレベルで魔法が使える。だが、実戦経験が乏しく、目にハンデがあるのは事実だった。
攻撃と防御。それを同時にこなしつつ、他人を守り、そして敵を打ち倒すなんて事、普通はかなり経験を積んだ実力者でも難しいのだ。
だから、デルフィーニの戦い方は、攻撃に偏るか、防御に偏るかしかない。まして、相手を倒したいと思っていたら、攻撃一辺倒になるのは必然だろう。
普段は目のハンデを無くすために、聴覚を引き上げる魔法を使って生活している。
だが、戦いの中で、自分、ハーマイオニー、そしてジニーと集中する対象が多くなれば、集中力が切れて魔法の範囲や精密さは失われていく。
普通なら気づくはず。だが、この時のデルフィーニは根拠のない自信に支配されていた。
そして、そんな甘えた考えなど、未来の闇の帝王の前ではお見通しだった。それどころか、その根拠のない自信を逆手に取られて術中に嵌っていたのだ。
トム・リドルはわかっていた。目の前の少女が紛れもなく自分の血を引き、成人すれば、いやきっかけがあれば2、3年で自分を脅かすだろうと。だから、彼女の弱点を使うことにした。わざと追い込まれたふりをして、デルフィーニを人質から引き離し、頃合いを見て、人質に攻撃を仕掛ける。
そうすれば、他人を守ろうする弱い人間なんて簡単に始末できる。
人質を守れなければ心が死ぬ。
人質を守れても、この距離から彼女たちを守りに動けば攻撃を避けられない。
トム・リドルは、地面に転がる破片を宙に浮かべて、弾丸のようにぶつけようとした。
デルフィーニはその攻撃に気づくと、慌ててハーマイオニーたちのもとに戻って、リドルの方を向いて立って盾の呪文を発動させた。しかし、盾の呪文が完全に発動する前に破片が到達した。
何個かは盾の呪文で弾いたが、半分以上の破片はデルフィーニに降り注いだ。不完全とは言え、盾の呪文に当たって威力が弱まった破片は大したことがないが、いくつかもろに当たった破片はデルフィーニに大きなダメージを与えた。
特に頭に当たった破片と左足に当たった破片はデルフィーニを跪かせるのに十分だった。
耳がぼんやりとする。
音がうまく聞こえない。
立ち上がろうとしても、体がうまく上がらない。どっちが上で下なのか。左なのか右なのか。方向がわからない。まるでグルグルと体が回されているような感じがする。
左足が痛くて動かせない。
そもそも、頭がクラクラしているから立てないことには変わりはないけれど。
「やはり君は彼女たちを守りに行くと思ったよ。」
トム・リドルがニヤつきながら近づいてくる。
杖を振り、武装解除の呪文を唱えようとした瞬間、
「デパルソ」
後ろに飛ばされた。杖はかろうじて握りしめていたが、受け身を取れずに床に叩きつけられた。
トム・リドルはゆっくりと近づき、私の右手を踏みつけた。右手から嫌な音が体に響く。
「があっぁぁあああ………!!」
激しい痛みに掠れた声で喘ぐしかない。
トム・リドルは私の手を踏みつけたまま、右手に握っていた杖を抜き取った。
「僕に見た目はよく似ている。でも他人を守ろうとする弱さは誰に似たのかな?」
そう言い終わると、彼は私の杖を真っ二つにして、どこかに放り投げた。
「ジニーはもう死ぬ。君は何一つ守れない。」
トム・リドルの言葉が頭で繰り返される
戦おうにも、杖は無く、杖無し呪文は簡単な浮呪文ですら今まで一度も成功していない。
打つ手がない。
でも、戦わないと2人が殺されてしまう。
トム・リドルに踏みつけられた右手を引き抜こうと躍起になる。
トム・リドルが足をどけた。
そして、何とか立ち上がって殴りかかろうとした私を、杖を振って簡単にハーマイオニーたちの方へ投げ飛ばした。
「慈悲を持って三人一緒にあの世に送ってあげる。あの老いぼれに、いい見せしめにしてやるさ。」
空中に無数の剣が現れ、その切っ先を私たちに向けた。そして一斉に私たちに向かって飛んできた。
その瞬間。
目の前で大きな衝撃音が起こった。
そして、何か生暖かいものが私の目元に飛び散った。目がとてつもなく熱く感じる。
私は目を押さえて蹲った。
必死で目をこすり、顔を上げた。
今まで音で世界を頭の中で描いていた私に、
目に今まで感じたことのない、強い何か映った気がした……。
音は、まだうまく聞こえないから世界を描くことはできていない。頭の中で描いていた景色と違うものを感じた。
これは……目が見えたという現象なのか?
いや、そんなことより、目の前に何かが遮るように立っている。この生暖かい液体は目の前の生き物の体液か?
『あぁ……。我が主よ……。あなたの予言は遂に………。』
バジリスクが私たちを庇ったのか?
疑問が頭に浮かぶ。
だが、その疑問をかき消すように、
「バジリスクよ!真の継承者の私を裏切り、その出来損ないを守るというのか!?ならばお前もここで死ね!!!」
トム・リドルが怒りに任せて呪文を闇雲に放った。しかし、バジリスクはその全ての攻撃から私たちを守るように立ちはだかった。
疑問が冷静さを私に戻してくれた。
そして、その何度も唱える魔法と、戦っていたときの魔法、そして戦う前のトム・リドルの言葉を思い出した。
そして一つの推測に至った。
彼はまだ完全に復活できていない。
さっきから彼が使っていた魔法は、私でも使えるレベルの魔法しかなかった。
死の呪いも使えないのだ。
だから私と互角に戦うしかなく、そして私たちを殺そうとするときも、バジリスクを殺そうとするときも死の呪いを使っていない。
まだジニーは死んでいない。
それどころか、かなりの時間が経過しても、ジニーを殺すことすらできていない。
そうか。トム・リドルを、人間を打ち負かすように倒さなくてもいいのだ。
ジニーから日記を通して、命を奪っている。
「あいつの、ジニーが持ってた日記は…どこ?」
ハーマイオニーに聞いた。
ハーマイオニーは死への恐怖から声を出せなくなっていたが、デルフィーニの自分への問いかける声に、何とか声を絞り出した。
「ジニーが抱えているわ。」
ハーマイオニーはジニーの腕から日記を取ると、デルフィーニに渡そうとした。
しかしデルフィーニは首を振ると、
「日記を壊すには強い魔法を当てないと……でもこんな距離で強い魔法を使ったら私たちも巻き込まれてしまう。私の右手の骨があいつに折られてしまった。だから、ハーマイオニーが日記をできるだけ遠くに投げて。」
「でも、あなたの杖腕は右でしょ?それに杖もさっき折られて……。」
デルフィーニはハーマイオニーの言葉を遮るように、右足の杖ホルダーから杖を取り出した。
オリバンダーが恐れていた杖。
デルフィーニはその杖を左手で握った。
初めてこの杖に触れた時には感じなかった心の奥にどす黒く濁った感情が渦巻いた。
『あぁ……憎い憎い憎い……。』
『なぜ苦しまなければならない……。』
『すべてを焼き尽くしたい……。』
自分以外の誰かの感情が一気に流れ込んでくる。オリバンダーが言ってた意味が分かった。この杖は主人がいてはならない杖だ。
だが強い力を感じる。
憎しみと同時に強い力がある。
この力、この憎しみが心地よい……。
杖の持つ憎しみに意識が奪われかけた時、ズシンという衝撃で正気に戻った。
自分たちを庇って守っていたバジリスクが力尽きたのだ。
「ハーマイオニー!!早く日記を投げて!!!」
ハーマイオニーは、日記を思いっきり遠くに投げた。自分たちからもトム・リドルからも遠い、後方にあったサラザール・スリザリンの顔を模した石像に向かって投げた。
何かが宙を飛ぶのが見える。
トム・リドルの日記を燃やすくらい強い魔法。
杖の中の亡者が語りかけてくる。
本物の悪霊の火を……
小娘が作った小手先のまやかしではなく、本当の力を教えてやる………
頭の中で男とも女ともつかない声が響いた。
「ペスティス インセンディウム!!!」
杖の先から、吠えメールを燃やしたときとは比べ物にならない力が放たれた。
あの時、悪霊の火を使いこなせなかったから、呪文を変えて弱い魔法に作り変えていたが、今自分は本物の悪霊の火を生み出すことができた。
杖先から巨大な炎が日記めがけて迸る。
ハーマイオニーの目には、その炎の姿が、日記に群がり食らい尽くそうとする亡者の群れに見えた。
ふとデルフィーニに目をやった。
デルフィーニの赤い目は、今までに見たことのないくらいに赤く輝いていた。嫌な笑みは浮かべてないものの、前に見た時より赤く見えた。
そして、普段なら目が見えていない彼女の視線が何かを追いかけることはないが、今回はあの禍々しい炎を目で追っていたように見えた。
『ギャァアアアアアアアアア!!!』
突然、後ろでとてつもない叫び声が上がった。
ハーマイオニーが振り返ると、デルフィーニによく似た青年の体から炎が上がり、青年は絶叫しながら火を消そうと暴れ回っていた。
そして、こちらを睨みつけて、
「この裏切り者と出来損ないどもがあああああああああ!!!」
と叫びながらこちらに迫ってきたが、まるで炎が亡者のごとく彼の体にすがりつき、あの世へ引きずり込むかのように地面に引き倒した瞬間、彼の体は完全に炎に飲まれ、そして塵となって消えた。
デルフィーニは至る所に傷を負い、かなり危険な状態だった。ハーマイオニーはすぐに地上に戻ろうと立ち上がろうとした。
しかし、デルフィーニは彼女を止めて、
「バジリスクが死んだか、私が確認するまでここから動かないで。ジニーが目覚めた時に、バジリスクの目を見るのは避けないと。」
と言って、這いつくばりながらバジリスクの方に体を進めた。ハーマイオニーは目を伏せて、ジニーの様子を見た。ジニーの顔色はだんだんと、元の血色の良い肌色へと変わっていった。
『おい。バジリスク。死んだのか?』
デルフィーニは軽く突っつきながら声を掛けた。
バジリスクはピクリと動いたが体を起こさなかった。あれだけの攻撃を受けてまだ生きているようだ。
『なぜ、私を庇ったのだ?』
バジリスクはこちらを見ずに、私たちを襲撃した時とは別人のような夢を見ているような声で話し始めた。
『昔…私が最も尊敬している主が言っていた。「遠い未来、魔法界の歴史を変え、新しい未来を創る者が現れる。その者は、私がお前に与えた使命を終わらせてくれる。」と…。』
「それが私だと言うのか?なぜそう思ったのだ?」
バジリスクは口から何かを吐き出した。吐き出したものをつまみ上げると、それはトム・リドルに折られてしまった私の杖だった。
「その杖の芯材は私から取られたもの……。我が主がこの学校から去る前に、私の体から抜き取り、この芯材を杖に持つことがその証だと言っていた……。」
魔法界の歴史を変える?
私の存在は千年前以上から予言されていた?
馬鹿馬鹿しい。
予言なんて、そんな下らないもの……。
だが、目の前の怪物はその予言を信じて今まで生きながらえていた。
私が、たまたまあの杖を持っていただけの存在だとしても、この怪物の使命とやらを終わらせられるのでは?
『どうすればお前の使命とやらを終わらせられるのだ?』
バジリスクはゆっくりと首を上げ、
『私に与えられた使命は終わったと、私に告げてください。それだけで、私はあの方の下へ行くことを許される。ただ……。』
『ただ、どうしたのだ?』
『一つだけお願いがあります。あの男は信用ならなかったから、この場所の奥、我が主の像の口に私の卵を隠しています。あの子に、広い世界を、新しい魔法界を見せてください。過ぎた願いなのはわかっています……しかし…!』
あの男とはトム・リドルのことだろう。
子供の行く末が心配なのは、どの種族であろうと同じなのだな。お母様も同じことを考えて、あの男を裏切ったのだろう。
デルフィーニはふと、母であるベラトリックスのことを思い浮かべた。自分のそばに生き物がいても責任は取れないと今まで思っていたが、バジリスクのことを思うと断ることはできなかった。
『分かった。お前の子供もお前の使命を終わらせることも全て引き受けよう。』
私はバジリスクの正面に回り、彼女の額に手をかざした。まるで、そうすることを知っていたかのように、自然に体が動いた。
『お前の使命はこの時をもって終わった。自由になるが良い。』
そう告げると、バジリスクは目を伏せたまま、涙を流し、
『あぁ……。ようやく終わったのだ………。主よ……今お側に参ります………。』
床に体を横たえて、息を引き取った。
人間の寿命をはるかに超えて、主の言いつけを愚直に信じてきた巨大な蛇は、ここでやっと眠りにつくことができたのだ。
デルフィーニは、緊張が解けてきて痛みだした体を何とか引きずってハーマイオニーたちの方へ向かった。
バジリスクの卵を持って地上に戻りたいが、ハーマイオニーに見つかったら確実に止められるだろう。卵の回収は、ほとぼりが冷めてからでも大丈夫。
目覚めたジニーは、ひたすらにハーマイオニーへと謝罪していた。
「ごめんなさい…本当にごめんなさい…。傷つけようと思っていたわけじゃないの。ただ、デルフィーニさんのそばにいる人が、うらやましくてうらやましくて……。」
ハーマイオニーはジニーの背中を撫でながら、大丈夫、大丈夫だから…と繰り返していた。
何があったか、ハーマイオニーは、あの時に呪文をかけて気絶させて、ここに運んだのがジニーだということが理解できていたが、彼女を責める気になれなかったのだろう。
私だってジニーの気持ちも、わからないわけじゃない。ハーマイオニーがあのクソ自惚れ野郎に熱を入れていたときに、トム・リドルにそそのかされたら何をするかわからない。
とはいえ、ジニーが(無意識とはいえ)行なった傷害行為は裁かれる必要はある。裁くのは私たちではなく、パンジー達だ。だから、早くここから出ないと…
早くここから出ようと言いながら、左手を伸ばしたときに、ハーマイオニーとジニーが悲鳴をあげた。
「デルフィーニ!手が……!?」
「デルフィーニさんの手が……。」
手がどうしたんだろう……?
手を握ったり開いたりしてみた時、右手は何の異常もなくできたが、左手を開こうとしたとき、手を開くことができなかった。まるで、あの杖に手がくっついているようだった。無理やり開こうとすると、手のひらが燃えるように熱くなり、思わず呻いた。
そこでようやく、左手がどうなっているのか分かり始めた。
「私の左手どうなっているの……?」
デルフィーニが震える声でハーマイオニーに聞いた。ハーマイオニーは、
「デルフィーニ、とにかく落ち着いて……。あなたの左手には、変な黒い影が巻きついているの。だから、変なことはしないですぐに先生に見てもらうべきよ。だから、暴れちゃだめよ!!」
そんなことを聞いたデルフィーニは、落ち着いていられなかった。
普段なら、ハーマイオニーの言う通りに落ち着いて対処できたが、トム・リドルやジニーのこと、バジリスクのことなどで疲労が、感情を抑制できなくしていた。
追い打ちをかけるように、杖を握ったときに聞こえた声が、今は何重にも重なり、より大きく聞こえていた。
『……せ。…ろせ。殺せ。殺せ!!!』
デルフィーニは杖に自分が乗っ取られると直感した。
デルフィーニは、半狂乱になりながら、右手で杖を握り、無理やり左手から引き剥がした。
ベリベリと嫌な音をたてながら、杖が左手から離れた。同時に、左手の手のひらだけに感じていた熱さが、左腕全体を覆い、激しい痛みが襲った。
デルフィーニは痛みに耐えきれず、地面に転がった。絶叫する声が空間に響き渡る。
「ギャアアアアアアアア!!!」
剥がされた杖は、杖ホルダーにひとりでに戻った。デルフィーニの左腕には、炎の中に手を突っ込んでいたのかと思うぐらいのやけどが、黒い影が覆っていた部分にできた。
ハーマイオニーは、傷を治そうと呪文をかけようとするが、何の呪文も効かない。
このままだとデルフィーニが死んでしまう。
ハーマイオニーとジニーはどうすることもできず、その場で動けなくなってしまった時、遠くから、
『ブラック!どこにいる!』
『デルフィーニ!いたら返事して!!』
複数の人物の声と足音が聞こえてきた。
ハーマイオニーとジニーは、今まで出したことがないくらい大きな声で、
『ここです!!ここにいます!!助けて!!』
と叫んだ。
デルフィーニは、意識が薄くなっていく中で足音の人物たちがこっちに向かってくる音と、彼らの影が“見えた”。
実際にはっきりと見えたかは、見えるということ自体がわからないデルフィーニには難しかったが、目に何かが映るという感覚とはこれのことかと感じた。
そして、デルフィーニは目を閉じ、眠りに落ちる感覚と似たものに身を委ねた。
あの杖は、何なのか。
バジリスクとスリザリンの関係などなど色々ありますが、
次回それが少しずつ明らかになります。
それでは次回もよろしくお願いいたします。