とある個体の方向転換   作:一方通行に健康な食事を食べさせ隊

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垣根帝督(かきねていとく)のセリフで好きなのは、「俺の底までつかみ取るつもりか!!?」です。


方向転換したら未元物質と街角衝突

八月十七日のあの日、窓のないビルで語られたのはこのようなものでした。

 

 

「いいかい、君には明日から特例の暗部隊員として活動してもらう。基本的な支援は木原一族がするから、そこは気にしないでいい」

 

13577号(自分)が理由を聞くことは可能でしょうかと、ミサカ(自分)は質問をします」

 

「簡潔にまとめるのであれば、我々研究者から見ても13577号…君の戦闘能力は未知の領域に近しい。それに君自身が何せ前例がなく、後天的な例を生み出そうとも出来ない存在になってしまったからね。こちらとしても君のデータが欲しい」

 

 

13577号(自分)は突然変異*1を起こした妹達(シスターズ)の個体、つまり他の妹達(シスターズ)と身体的データも精神的データも別物に近しいものです。そんな当たり前のことが頭から抜け落ちていたことに危機感を抱き、一方通行(アクセラレータ)との接触でぬるま湯に浸かっていた幼い感情らしきものを立て直しました。

 

13577号(自分)一方通行(アクセラレータ)と会話を交わす度に、まるで本当に13577号(自分)が人権を持った人間のように感じて、本来の目的では必要としない行動を取るほどになっていました。だから13577号(自分)が人間のように生きたいと思うようになり、本来の目的を忘れかけているのでしょう。

 

 

「それに君が先程病理に言ったことが確かなのであれば、他の妹達(シスターズ)にも君と同じような扱いをした際に、似たような変化をもたらすかもしれな」

 

「これ以上侮辱を重ねるのであれば、こちらも相応の対応をしなくてはならないのですが、それでも以上の発言を続けますかと、ミサカ(自分)は目の前の研究者を威圧します」

 

 

目の前の”先生”と呼ばれていたゴールデンレトリバーの発言に、再度怒りの火が灯ります。

恐らく先程の言葉に続く発言は、”他の妹達(シスターズ)に悪意をぶつける実験”といったような言葉でしょう。少なくともそれに該当する発言をしかけていたのは事実だったので、少し大きめの声で発言を遮りました。

 

 

「おいジジイ、そいつ造られただけの存在だってのにマジのガチで怒ってやがるぜ。コイツの手首に付けた簡易脈拍計測器の数値が上昇してるからなあ」

 

 

バチバチと、視界の端でとても小さな電撃が発生しては床に向かって消えています。珍しく一つに纏めていた黒く長い髪は電磁波によってふわふわと広がっていて、まるで逆立っているようでした。

 

 

「……造りものの分際で…!!!!」

 

 

怒りの火種に薪を焚べられて、次第に静電気程度だった小さな電撃が木原数多の持っていた謎の機器に向かって飛び、機器を無惨に破壊しました。

 

 

「先生、いいんですか放っておいても。13577号、またも周囲に電気を振り撒き始めてますよ」

 

「すまない、このような言い方は君の気分を損ねるようだ」

 

「………木原病理といい、先程の発言といい…三度目はありませんと、ミサカ(自分)はなんとか怒りを押し堪えます」

 

「一応言っておくが、この提案は君のデータをこちらが得る代わりに、他の妹達(シスターズ)に君のような存在を生み出す為の実験を行わない契約を結ぶためのものだ。基本的に一定の指示に従ってくれれば文句は言わない。扱い上は木原数多の直接的な部下のような立場になる、それでも構わないならば八月十八日の夕方に指定した場所まで来てくれ」

 

 

そう、ここまでが八月十七日に窓のないビルで伝えられた事です。そして13577号(自分)は以上の提案を了承し、契約を結んだので八月十八日の夕方…つまり現在進行形で目的地に移動中でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、こンな治安の悪りぃとこにガキ一人で何のようだ?」

 

 

向かっている最中で垣根帝督(かきねていとく)、学園都市に存在する超能力者達のランキングで二位という驚異的の高さに立ち続けている存在に出会ってしまわなければ、指定された時間前に目的地に辿り着けていたでしょう。本当になんでこんなところに居たんですか…。

 

 

「……こん、にちわ」

 

「呑気に挨拶する余裕があンならとっとと家に帰れ、ここはガキが一人で来ていいとこじゃねぇからな」

 

 

まさか出会うとは想定していなかった相手と出会ったこともあり、13577号(自分)は事前に送られてきていた変声機(ボイスチェンジャー)が稼働しているか確認し、咄嗟に挨拶を述べると、13577号(自分)が想定していたよりも常識的な言葉が返ってきました。

 

そのランキングで一位を保っている存在の性格が荒々しかったことと、超能力者は自分だけの現実(パーソナルリアリティ)が強固であればある程に強者なので、やはり捻くれた性格なのかと予想していました。

しかし13577号(自分)を子供だと認識しているからとはいえ、まさか一人行動の注意喚起と帰宅を進められるとは思っていませんでした。

 

 

「…あなたは、かえらないんですか?」

 

「お前が帰った後に帰ンだよ」

 

 

…思った以上に帰らせようとしてきていたので、170はあるかもしれない垣根帝督の身長を利用して素早く横を通り抜け、垣根帝督が進ませないようにしていた路地裏の先へ走りました。

当然背後からは垣根帝督の声が聞こえましたが、時間は原則守るようにすると学習装置(テスタメント)から教わっているので、仕方ありませんよね。

 

御坂美琴(オリジナル)と同じ運動神経を駆使して路地裏までの道にある障害物に登り、そのまま目的地に近い別の障害物の上へ飛び乗り、何度も何度も障害物を猫のように乗り継ぎながら移動しました。

念には念を入れていつもと違う装いであるせいか、所々で服の端を引っ掛けたりしながら垣根帝督から距離を取りました。

 

脇腹までの黒いローブフードの下に若干灰色っぽい黒のノースリーブワンピースを着て、靴下は白の膝上までのニーハイに黒の厚底お嬢様系ロリータ靴が映えますが、とてつもなく走りづらいので今度はガッツリ運動靴を履こうと思います。

 

そして最後にローブフードの下、つまり顔に黒猫のマスカレードマスクを付けているので、この姿で一方通行(アクセラレータ)や上条当麻のような知り合いに出会ったとしても、きっとバレることはありません。…青髪ピアスには見られただけでバレる気がしますが、まあ大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…随分遅いと思ったらよお、なーんで垣根帝督(第二位)を連れてやがるんだ?」

 

「…せつめい、めんどくさ、いので、いいたく、ないです」

 

「あーそ、まあ垣根も呼んだの俺だから、結局お前は遅刻しただけだがな」

 

「やはり、きはら、いちぞくは、きらいです」

 

 

先に目的地に到着していた木原数多から、垣根帝督に米俵のように担がれて到着したことをしばらく指摘されたので、腹いせに近くにあった金属製の物を投擲してやったのは我ながらよかったと思っています。

*1
生物やウイルスがもつ遺伝物質の質的・量的変化




垣根帝督(かきねていとく)を略して”帝督くん”とか誰が考えたんですか最高すぎません?
だがしかし、二次創作であったとしても垣根×一方は苦手でした。

13577号は魔術サイドに関わって欲しいですか?

  • 関わって欲しい
  • 関わらないで欲しい
  • 13577号に選択権がない
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