とある個体の方向転換 作:一方通行に健康な食事を食べさせ隊
それと注釈も多めですが、以前更新した話に戻らなくても今回の内容が分かりやすくしたいだけですので、あまり細かく見る必要はありません。
パシン、と俺の伸ばした右手が
「…はァ?」
…何で俺の伸ばした手が叩かれた?いつものように反射は俺の意識外や無意識下で接触した物理現象を反射するようにしてる。明かに目の前の
…反射しない
それに超能力といえど、どんなもんに
脳が自身の手に対して動く指示を出し、神経がその電気信号を手に伝えることで手が動く。
つまり、脳から神経に対して電気信号を発した時点で、
俺はその電気信号を四肢に伝える神経に干渉すれば、人すら殺せる。
実際似たようなことを以前の実験でやった。じゃあ何なんだ今のは。
超能力じゃねぇにしろ、物理的なもん以外の何だって言うんだ?
超能力者なら能力に伴った現象を引き起こす。
どんだけ弱ぇ能力が発動していたとしても別に目に見えるもんではなかったし、赤外線や紫外線といった不可視光線のように人の
日常的に
反射に
俺が反射を意図的に変えるのはそうそうねぇし、確かに騒音とかの観測したことがねぇもんとかは反射出来ない。
でもやっぱ反射自体の機能は働いてることに変わりはねぇ。俺だって反射を通り抜けた観測外の現象の感知はするし、だから観測外の現象を反射する
反射が機能してれば……いや、待て。
仮に反射の感知機能から逃れられる能力か現象があったら……?
とりあえず
そうなると空間に干渉する類で発動条件がある超能力くらいしか…いや、でも、反射に感知されない要素がねぇ。
それか反射自体が何らかの現象によって阻害された…いや、それだったら俺も反射が阻害されたっつーことが分かる。
「…っ」
……観測外…いや、まさか、そんな、…。
どこ見ても科学で溢れた東京西部にある完全独立教育研究機関。あらゆる教育機関・研究機関の集合体、学生が人口の八割、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街の総本山なんだぞ…!??
そんなとこに魔術側の能力者がいる可能性があんのかよ!!!
瞬間、俺の脳裏に過去の記憶がよぎった。
あぁ、なんで……。
なんでそこまで俺
俺は結果がどうであれ人を
だから
だから
…俺は誰一人も守れないまま、人殺しをした悪党なんだ。
俺の超能力が狙われるなら、俺が最強になって、俺が堕ちるところまで堕ちれば…もう、あんなことは起きないよな?
それに、最初から
過去の記憶と、どう表現したらいいのか分かんねぇ感情が入り混じるように俺の内側で暴れて、目の前の
あの時のように地面を踏み付けて、その衝撃の威力を掛け合わせて放つだけ。
「〜〜〜あああァァ!!!!」
暴れ回りそうな感情に任せた威力のまま、周囲のコンテナを全て壊さない程度の範囲に放たれた衝撃は、目の前のもはや
続けざまに
身体を預けているコンテナに向かって飛び蹴りをかます。
辛うじて俺の飛び蹴りを直撃せずに済んだ
コンテナ程の質量が落下した勢いで、落下したコンテナや俺が飛び蹴りをかましたコンテナの中身が周囲の僅かにある風に巻き込まれながら舞い上がる。追い打ちをかけるように他のコンテナも壊して中身の粉が舞う範囲を広げる。
「中身は小麦粉でしたってなァ」
これで下準備は出来た。勘のいいヤツなら気付かれるが、目の前のボッロボロの
「今日は風もねェし、ひょっとすると危険な状態かも知れねェなァ?」
ほとんど風の流れがなく、あったとしてもコンテナで遮られるこの場所に広がったのは、本来料理などに使用される小麦粉。まぁ俺に接近されずに攻撃すればどうにかできるってワケだ。そう考えちまえば方法はいくらでもある。俺が能力でイジった衝撃でダメージは通るってことは、フツーに拳銃で数回撃てば簡単に殺せる可能性が高い。
「なンでも空気中に粉末が漂ってて、ソイツに火が付くとさァ…」
つまり、あくまでも
「酸素の燃焼速度が馬鹿みてェに早くなるンだと!!」
ほら、何も分かってねぇ
さぁ、ご丁寧に説明してやんだから足止めて時間を消費しやがれ。
その後に、頭ん中お花畑な
「なァ、オマエ”粉塵爆発”って言葉ぐれェ聞いたことあるよなァ?」
そこまで説明すると、理解出来たらしい
瞬間、周囲に舞った小麦粉に摩擦によって起きた火種が広がる。空気中の酸素が急激な爆発時の炎によって奪われて、酸欠独特の眩暈にクラリと酔う。俺は反射の
「全く…さっき身を持って経験したばっかじゃねェか?」
黒煙を反射の
「酸素を奪われるとこっちも辛いンだっつーの…あァ死ぬかと思った」
…あぁ、そういや”助ける”とか
「喜べ。オマエひょっとして世界初じゃねェのか。この俺を死ぬかもしれねェとこまで追い詰めるだなンてさァ」
空気中の酸素の流れから、目の前でぶっ倒れてる
良かったなぁ、ゴキブリ並みの生存力あって。あの爆発の中で四肢の一部すら欠損してないなんて運に恵まれてるぜ?
「死に物狂いで努力しても一歩も近付けない。かといって、仮に近付いたところでオマエに何が出来るってンだ?」
そもそも近付けねぇと思うがな。
「俺は触れたもの全てのベクトルを操ることが出来る。俺がオマエに触れたら最後、全身の血管と内臓を根こそぎ爆破、ってことなンだけど?そこンとこ正しく理解してたのかァ?」
実際俺の
「つっても…この
物理的に触れないもの、または触ったところで意味がねぇもの以外は俺の支配下だ。それこそ人が自然に行っている、食いもんを食べて消化して、身体を動かす為のエネルギーを得る為に酸素を吸うことすら俺が出来ないようにだって出来る
「だから良い加減、楽になれ!!」
そう言って俺はコンクリートの地面を蹴って向かって行った。目の前の
「っくそぉ!!!!」
顎の下が痛い。なんで。どうして、俺に手が届く。アッパーされた?この俺が?なんだ
「ック…!!面白れェ…畜生…!!イイぜェ、最高にイイねェ。愉快に素敵に決まっちまったぞ」
いや、偶然俺にアッパーが入っただけだ。きっとそうだ。じゃねぇならなんだ。ビギナーズラックってヤツか?
「ッオマエはァ!!!」
とにかくこの状態から離脱することを考えまくって、
「畜生……どォいうことだァ?一体…」
「っは”負けたことがない”、ねぇ?」
俺の耳に届いたその声に、素早く姿勢を低くして警戒体勢をとりながら左足を軸にして背後に振り向いた。背後から聞こえた声の主がコンテナの影から姿を現したのを見て、俺は再度顔を歪めた。
「あらゆる敵を一撃で倒し。どんな攻撃も反射する。そんなヤツが”喧嘩のやり方”なんて知ってる筈がねーよな」
「吠えてンじゃねェぞ、三下がァ!!」
戯言を口にする
「なにっ!!?」
しかし
「アイツらだってな…精一杯生きてきたんだぞ…」
顔を何度も思いっ切り殴られたことで頭ん中の脳みそが直接揺さぶられるような感覚と、向こうの攻撃の度にぶつけたりしていた身体の痛みの中、痛みが増すと分かっていても止められない荒い呼吸を続ける肺と口。
「全力を振り絞って…必死に生きて…精一杯努力してきた人間が…」
そんな割とピンチかもしれねぇ中で俺の耳が聞き取る声は、やっぱ俺が腹立つようなことばっか言ってやがってて、舌打ち出来たんならしたいくらいには俺の中で虫酸が走っていた。
俺が
「なんだっててめーみたいな人間の食い物にされなくちゃなんねーんだよ…!?」
「”精一杯生きてきた”?”全力を振り絞って生きてきた”ァ?」
あぁ、確かに人道的には正しいことだろうなぁ。
「…なンだよそりゃあ?」
そんなんじゃ、
大きく口で息を吸う。目の前の
「くか…くかき、くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか――――――!!」
俺が吸おうとした空気の
低気圧自体が上空に上がって高気圧に変わる時点で、ある程度の圧縮はされている。ただそれだけじゃ人一人ぶっ飛ばす威力も出ねぇ。簡単に言っても台風が出来る原理と大して差がある訳でもねぇんだ。海水温が高く日差しが強い熱帯の海上などで発生した水蒸気は上空に上昇し、そん時に出来る上昇気流が上空で冷やされることによって多くの雲を形成する。
形成された雲は次第に渦を作り出し、出来た渦の中心付近の気圧が下がる。そっから先は渦自体がでっかく発達して風速が一定を超えれば”台風”に、台風に定義されるまでの大きさを保てないまま大気に消える時もある。
んで俺が利用したいのはそれに近い作用だ。あくまでも擬似再現だから台風が出来る訳じゃねぇが、無理矢理
「殺せ」
いい感じに圧縮の調整が整った空気の塊を、目の前に突っ立ってる
「なンだ?なンだよ?なンですかァその様は?」
容易に吹き飛ばされていったその姿を馬鹿にしたように笑ってやる。
実際先程まで俺を殴りまくって追い詰めたとは思えない情けなさに、内心で呆れと落胆に近い何かが出てきたのを押さえ付ける。
「結局デカい口叩くだけで大したことねェなァ。おら、もォ一発かましてやるから、カッコよく敗者復活してみろっての!!」
足元のレールに仰向けで倒れ込んだまま起き上がらない
「圧縮…圧縮、空気を圧縮」
順調に俺の頭上に圧縮と収縮を繰り返している空気の塊の調整を絶えず続ける。やはり圧縮し過ぎていることで高気圧になっている塊が多い。別に俺としてはこのままかましたっていいんだが、少し勿体無い気がして考える。
「圧縮……イイぜ、愉快なこと思い出したァ!」
俺の脳裏によぎったのはいつもこの実験場で
「おら、さっきまでの威勢の良さはどォしたンだ!!?オマエにはまだまだ付き合って貰わなきゃ割に合わねェンだっつーの!!」
頭上で計算上に組み込まれた圧縮を繰り返された空気の塊同士を近付けて、粘性摩擦*2を起こさせてプラズマ*3が出来る温度までその作業を繰り返して熱エネルギーを増やす。最低でも蛍光灯の中で起こっているプラズマ状態と同じ10,000度は届かないといけねぇな。
「
そんなことを考えていると、俺の
「……動かないで」
「……めろ」
微かに起き上がり始めた
「やめろ…御坂…」
「ごめん…アンタは何一つ失うことなく、みんなで笑って、みんなで帰ることを願ってた。…だけどそれは無理」
一体何があって
「だから……ごめん」
だからと言って俺が見逃す訳でも、逃してやる訳でもないがな。
「何だかね、勝手なことかもしれないけどさ…それでも…それでも、私はきっとアンタに生きて欲しいんだと思う」
「やめろ!!!」
「…プラ、ズマ?」
俺の頭上に出来上がりかけている現象の名前を
「風の向きを操り、一箇所に集めて、プラズマを形成するなんて…!?」
その驚く声に入り混じる恐怖に近い感情に俺はつい、笑いが込み上げてきた。
今回の話の為に前回の話の一週間前くらいから話の構成を考えて、作中での
つまり難産でした。
13577号は魔術サイドに関わって欲しいですか?
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