DMC5のクリフォトの樹の実をオイチイオイチイしまくってたら人魔問わず全方位から警戒されまくってて草 作:美味しいパンをクレメンス
『ロイヤルガード』。
DMCシリーズにて『3』以降に登場した、ダンテ専用のバトルスタイル。
それまでのシリーズ、『1』と『2』では敵の攻撃は回避するものというのがゲーム内での常識であり、DMCにはガードが存在しないとされていた。
しかし、『3』にて初実装されたロイヤルガードはこれまでの常識を覆す。ついにダンテが敵の攻撃を回避するだけでなく防ぐようになったのだ。俺はこれを初めて知った時、やっと『鬼武者』みたいにガードができるようになるのか、と思ったものだがその考えはストロベリーサンデーよりも甘いとすぐに思い知らされる。
ガードはガードでも、敵の攻撃に合わせてタイミング良くガード、所謂ジャストガードじゃないとダメージを食らってしまう仕様だった訳で。
通常のガードが『ブロック』と呼ばれ少しダメージを受けてしまうのに加えて『ブロック』では防ぎ切れない攻撃が存在することと比較し、攻撃をギリギリまで引き付けてタイミングを合わせてのガードが『ロイヤルブロック』といってノーダメージかつ全ての攻撃を完全に防ぎ切ることができる、という差があるのだ。
回避と移動に特化したスタイルの『トリックスター』、近接武器による多彩な技を駆使するスタイルの『ソードマスター』、銃器等の遠距離攻撃武器に特化したスタイルの『ガンスリンガー』とは異なり、ロイヤルガードは明らかに玄人向けのスタイルだったのだ。他三つが初心者でも○ボタンをポチポチ押してればそれなりに使いこなせるのに、防御とカウンターが売りのロイヤルガードだけロイヤルブロックに失敗するとダメージ受けるとかそりゃないよ、というのが『3』で初めてロイヤルガードでプレイしてみた時の感想だった。
一応、ジャンプやサイドロールなどの回避行動に存在する無敵時間を利用するとロイヤルブロックになるというテクニックがあったが。
『5』になって仕様が少し変わり、通常のブロックでも魔力ゲージが残ってたら魔力を消費する代わりにダメージを受けずに済む、となったことで敷居が下がりそれ以前のシリーズよりは使い易くなったものの、やはりガチ勢のように使いこなすには、ロイヤルブロックを成功させ続けるには練習、練習、また練習な感じであることには変わりない。
まあ、使いこなすことができれば無茶苦茶強いスタイルではあった。何せ、ロイヤルブロックが成功すれば敵のありとあらゆる攻撃を完全にノーダメージで防ぐことができるし、魔力は回復するし、スタイリッシュランクは上がるし、ガードする際に蓄積されたエネルギー『ロイヤルゲージ』を最大まで溜めてぶっ放すだけでボス敵ですらHPが面白いくらいに溶ける。敵の攻撃を華麗に防いでカウンターでスタイリッシュに決める、他のスタイルにはない魅力があったのだ。
で、ゲーム内のことをつらつら述べた上で現在の俺がどうなってるのかというと──
「ぐっ!」
両腕のガードの隙間から入り込んだミリムの拳が頬に刺さる。鋭い痛みを伴って口の中が切れたのか血の味が広がった。紛うことなきブロック失敗に舌打ちしたい気分になる。
次のボディ狙いのストレートは両腕でがっちり防ぐ。防御成功ということでロイヤルブロックが成立し、体は勿論、パンチを防いだ腕にすら痛みもダメージもない。少しではあるが魔力もしっかり回復した。
更なる追撃にやって来たのはアッパーカット。これは顎と拳の間に片方の掌を割り込ませることはできたものの、完全に防ぎ切ったとは言えず大きく吹き飛び後退してしまう。魔力の消費を代償にダメージ軽減が働き、顎に若干の鈍い痛みが走る。ブロックは成功だがロイヤルブロックにはならず。ブロック失敗よりは遥かにマシな結果なので贅沢は言ってられない。
と、現状はこんな感じである。
簡潔にまとめると、
誰の目から見てもガード失敗
↓
通常通りダメージを負う
一応ガードはできたが完全に防ぎ切れたとは言えない
↓
ブロック成功、魔力を代償にダメージ軽減、ガードしたことで『ロイヤルゲージ』がチャージされる
誰がどう見ても完全に防ぎ切った
↓
ロイヤルブロック成功、完全にノーダメージ、魔力が少し回復、通常のブロックよりも多くの『ロイヤルゲージ』がチャージされる
というような三段階になっていた。
ゲームの仕様をリアルに落とし込んだことを鑑みれば、ロイヤルガードはドッペルゲンガーや幻影剣に比べて使いこなす難易度が高くなったと感じる。
例えばドッペルゲンガーはゲームにおいてあくまでプレイヤーのボタン入力に従っているだけだが、この世界では『もう一人の自分』としてその場の状況に応じて臨機応変に行動してくれたり、細かく指示をしなくても勝手に動いてくれる。しかも感覚も共有してるし遠隔操作も可能。はっきり言って滅茶苦茶使い勝手が良くなっている能力の代表格だ。
幻影剣もゲーム内とは全く異なる動きや操作、運用が可能だから牽制や攻撃としてのバリエーションは豊富だ。瞬間移動の基点としても使えるし、大量の幻影剣で壁を作り盾として防御に使うなんてこともできる。
しかしロイヤルガードはそれらとは違う。ゲーム内ではボタンを押すだけで成立していた事柄だが、ロイヤルガードは
また、ゲーム内ではジャンプやサイドロールといった回避行動に存在していた無敵時間など当然のように無い。無いったら無い。無敵時間なんて甘えだと言わんばかりに存在しない。無敵時間を利用してロイヤルブロックを成功させるテクニックなんて当然ながら成立しない。
そしてジャストガードも意味はない。散々試したが意味はなかった。そもそもアクションゲームや格闘ゲームのジャストガードって現実的に有効か? 棒立ちの状態で攻撃を待って、ギリギリ当たりそうになったら咄嗟にガードしても体勢崩すだけだろ常識的に考えて、と。パリィならそれでいいかもしれないが、ロイヤルガードはガードなのだ。パリィとは違う。
結論。ゲーム内とは違うからガードは余裕を持ってしよう。ちゃんと防げたらロイヤルブロック成功するよ、ということである。
「ふぅ」
疲れたように──いや、実際疲れた──息を吐いてからトリックダウン。後方に向かって大きく距離を離すように瞬間移動し間合いを取る。
......それにしてもガードがムズい。
ミリムは体が小さいことに比例してリーチも短い。その為、懐に入られるとパンチの連打がやたらめったら速い。しかも体格差をものともしないパワーがある。一発一発がめっさ重いのにそれらがオラオララッシュで飛んでくるから、どうしても防ぎ切れないのが出てきてしまう。
ギィが誰か連れて来てくれるまで持てばいいけど。
間合いが離れたことでミリムが大きく仰け反りながら息を吸う。
「『アルティメット』」
片手を前面に翳し白く淡く光る魔法陣を張る。見た目は防御魔法っぽいが魔法ではない。これもロイヤルガードの技の一つ。『3』のみに実装されていた『アルティメット』という技で、両腕を用いて行うブロックとは異なり魔法陣で防御する技。前方からの敵の攻撃を防ぐと同時に、防いだ攻撃のエネルギーを少しだけ体力回復に還元できる優れもの。残念なことに実装されたのは『3』のみでそれ以降のシリーズでは使えない。
山すら軽く消し飛ぶ威力の破壊光線をアルティメットで受け、体力を回復しつつ次の準備をしておく。
破壊光線が終わったらすかさず次の技を発動。
「『ドレッドノート』」
ロイヤルゲージを全て注いで魔力の鎧を生成、全身に纏う。見た目は完全に敵役や悪役な感じの、
『ドレッドノート』は『4』にのみ実装されたロイヤルガードの技の一つ。敵の攻撃を無効化する鎧を一定時間纏う技である。
が、ロイヤルゲージを消費して展開するにしては効果時間が短い、鎧を纏うまで隙だらけ、鎧を展開中は走れないので移動に制限がかかる、そもそもロイヤルゲージは『リリース』に使う、でも見た目は少しカッコいい、ということでシリーズファンからは全く使われないネタ技扱いされていた。
しかし今の俺にとっては違う。そもそも反撃しないのでロイヤルゲージを使わない。つまり『リリース』や『リヴェンジ』などのロイヤルゲージを消費して放つカウンター攻撃は封印。ロイヤルゲージをドレッドノートに回せば、効果時間が多少短くても俺にとっては戦闘中でありながら一息つくことが可能になる。そしてミリムの攻撃を受け止め続ける為、必要以上にその場から動かない。
要するにかつて散々ネタ技扱いされていたドレッドノートが今、日の目を見ているのだ。
「ウウウガアアアアアアアアアア!!!」
ドレッドノート越しにミリムが乱打してくるが、痛くも痒くもない。効果時間が切れるまでの間、目を閉じて首や肩を回したり体を伸ばしてストレッチをするなどのリラックスを図る。
効果が切れた瞬間にミリムの攻撃をガード。ロイヤルブロックを狙う。
ロイヤルゲージが溜まるまでガードし続けて、溜まったらトリックダウンで後退、距離を開けて遠距離攻撃を誘う。ミリムが即行動しない場合は、「遊んでやろう」と指先で小さな幻影剣を生成しくるくる回してから握り砕く挑発をして煽る。
そしてまた攻撃を防ぎつつロイヤルゲージを溜める。
パターンができあがってきた。
あとはギィがミリムの暴走を鎮められる人物を連れて来てくれるのを待つだけ。
一日が終わった。ギィはまだ来ない。
途中で、ロイヤルブロックを成功させれば魔力は回復するんだから、
この状態なら、完全なる悪魔の肉体を維持するなら人間状態の生理現象とは切り離される為、空腹や睡眠欲、尿意や便意を気にする必要がなくなる。
早くギィ来ないかな、と親友に思いを馳せつつロイヤルブロックを成功させる。
二日が経過。ギィはまだ来ない。
ドレッドノートを展開している間、魔力の鎧が剥がれるまでの僅かな時間に
たまに眠り続けてしまったせいで文字通り殴り起こされることもあるが、即
ギィよ早く来てくれと願いながら、ドレッドノートを発動させて寝る。
三日が経過。ギィはまだ来ない。
そしてミリムの暴走に収まる兆しもなければスタミナ切れを起こす様子もない。相変わらず狂ったように咆哮しながら殴りかかってくるのは最初から変わらない。
ギィはいつになったら戻ってくるのだろうかと考えつつ、
四日が経過。ギィはまだ来ない。
この時点で意識しなくても体が勝手に動いてロイヤルブロックを成功させてくれる。
......なんだか、極致に辿り着いた気がする。
これが、ロイヤルガードを極めた者が見る風景!
己の成長に感動しながら、ミリムの攻撃をロイヤルブロックする。
五日が経過。ギィはまだ来ない。
やはりそんな都合のいい
もし見つからなかったらどうすればいいのだろうか?
他の対策を考えるが良策は浮かばない。それでも思考を止める訳にはいかない。
悶々と思考に耽りながら、指先で小さな幻影剣をくるくる回してミリムを挑発する。
六日が経過。
ついにギィがきtらああああああああ!!!
彼の隣には、金髪の見知らぬ女が一人。
誰よその女!?
後で聞いた話によると、精霊女王のラミリスとかいうらしい。
その後、ラミリスの活躍により、暴走状態に陥っていたミリムは力尽きたように動かなくなり、寝入ってしまった。
「......やっと終わったか」
眠るミリムを横抱きにする俺は、
「待たせちまったな、ユリゼン」
「ああ......疲れた」
「だろうな」
ギィが苦笑する。
「帰ろうぜ」
「ああ」
彼の労うような口調で言われた提案に断る理由はなかった。
「今後のミリムについてだが......余は、ユリゼンに託したいと思う」
「奇遇だな。俺もそう思ってたところだ」
「きっとミリムには、人と竜種の間に生まれたあの子には、ユリゼンのような先達が必要なのだ」
「何の因果か、あいつも
「ユリゼンなら何も違えることなくあの子を導いてくれるはず。力の使い方も、人としての生き方も、人ならざる者としての生き方も」
「
「少なくとも余の庇護下にいるよりは遥かにいい」
「......あまり自分を責めるなよ」
「無茶を言うな。余は、
「何もしなかったのは俺達も同じだ。大なり小なりユリゼンのように、いつか二人を守れなかったことを責められるのが怖くて、そばにいなかった」
「それでも俺は、もっと何かするべきだったんだ! 血の繋がった姪なんだぞ!? 家族なんだぞ!!」
「お前のそばにいると二人みたいになるかもしれないから、あえて遠くに、離れた場所に置いたんだろうが!!」
「それがこの結果だ! この様だ! あの子から両親だけでなく、友すら奪ってしまった!!」
「......」
「......」
「......」
「......取り乱した......すまない」
「謝るなよ」
「ユリゼンには、負担をかけてしまってすまない、姪を頼むと伝えておいてくれ」
「もう帰るのか? せめてユリゼンが起きるまでいろよ。たぶん、もうすぐ起きてくる。数年振りだろ」
「やめておく」
「なんで?」
「あいつが寝ているのはレインのアトリエだろう? そこに行ったら思い出してしまうからな」
「......」
「二人が生きていた、楽しかったあの日々を」
「.................................そう、か」
「さらばだ。次会う時は、
「抜かせ、勝つのは俺だ......あばよ」
目が覚めると、視界いっぱいに逆さまのレインの顔があった。
「......なんだか知らんが、近い」
「失礼しました」
澄まし顔でレインはそう言うと、吐息がかかりそうな距離にあった顔が離れていく。
そこで漸く気づいた。
「何故俺に膝枕?」
「頑張ったご褒美です」
しれっと宣うレインの言葉がどういう意味なのか考えながら、状況把握と寝る直前の状態を思い出すことに努める。
確か、眠ったミリムを抱えて白氷宮に帰ってきて、ミリムをミザリーとレインに預けてから風呂に入って飯食って、いつもの寝床であるレインのアトリエで寝袋に潜り込んで寝たんだっけ。
それはそれでいいとして、じゃあなんで寝ていた俺にレインは膝枕してんの?
メイド服のままペタンと女の子座りし、その太ももの上に俺の後頭部が載っけられていた。
伝わってくる体温と柔らかい太ももの感触が心地いいし、なんか良い匂いもする。幸せな気分になってきた。ずっとこのままでいたい。許されるならこの状況下でもう一眠りしたいとう欲望に駆られる。
そんな心境などが悟られないように努めて表情を変化させずに冷静を装って問う。
「俺が寝ていた間に何がどうなったのか教えてくれ」
「畏まりました」
コクリと頷きレインは語り出す。
レインが言うには、俺は丸々二日間も眠っていたとか。
その間の出来事としてまず挙げられるのが、俺が寝てから一日経過したタイミングでミリムが意識を取り戻す。
目を覚ました彼女は、自身を取り囲む見慣れぬ面々に警戒しつつ、ペットの
それまでドラゴンゾンビと化した
で、
ミリムの呼び声にもろくに反応を示さない。ただひたすら目の前に映るものに攻撃を加える破壊の権化となったまま。なお数日間でいつの間にか
何をしてもダメだと、もう友はいないという残酷な事実を突きつけられたミリムは、涙ながらに
そして封印が終わって帰ってきたのが昨晩だとか。
「それで、ミリムは?」
「昨晩戻ってきて以降、客室にいます。今は一人にして欲しい、と」
一晩中泣いていたのだろうか。
「......」
レインの膝枕の時間が終わってしまうのは非常に残念だが......いや、ホント、マジでこんな心地よくて幸せなポジションから移動しなければいけないなんて悲しいにも程があるしとてつもなく名残惜しいが、今はミリムの所に行かなければならない気がした。
「ミリムがいる部屋まで案内してくれ」
「畏まりました」
「......」
「......」
「......」
「......あの、ユリゼン様?」
「どうした?」
「どいていただかないと、その、ご案内が......」
「!?」
う......動けんッ! ば......バカな、ま......全く体が動かん!?
新手のスタンド使いから未知のスタンド攻撃を受けているのか!?
結局、俺はレインの膝枕からどくのに三十分を要した。
「ひっく、ひっく......」
レインに案内された部屋のドアにノックをしたが反応がないので、ゆっくりドアを開けてみれば女の子の啜り泣く声が聞こえてくる。
一瞬怯んだものの、ドアの前で彫像になってても意味がないと自身を奮い立て部屋に踏み込む。
室内はギィが来客用にと配下に用意させただけあって高級というか豪奢な作りになっており、何から何まで高級感が凄い。初めて見せてもらった時も思ったけど相変わらず何処ぞの王族の部屋みたいである。
根っこの部分が庶民な俺としては正直落ち着かない。家具や調度品を何かの拍子に壊しそうで怖い。やはり白氷宮で寝泊まりさせてもらうならレインのアトリエの床に寝袋を敷く、これ一択だな。昔はよくこういう客室を使わせてもらってたが、比較するとレインのアトリエの方がよく眠れたと思う。城主のギィには本当に申し訳ないことではあるのだが。
「うう、うぅぅぅ」
広い部屋の奥に設置された天蓋付きベッドに、うつ伏せで枕に顔を埋めて呻き続ける少女が一人。
ミリム・ナーヴァ。友の大切な一人娘。
緊張しながら近づき、彼女に背を向けるようにしてベッドに腰掛ける。
俺の存在に気づいているようだが無視しているかのように反応なし。しくしく泣くのが止まらない。
参ったな。どう声をかけるべきなのか。
早くも八方塞がりになって困ったその時、かつての友の言葉が脳裏に甦る。
『この子の名前はミリム。ミリム・ナーヴァ。よろしく頼むよ、ユリゼン』
あれはミリムが生まれてすぐの頃だったな。当時のヴェルダナーヴァとルシアの幸せそうな表情を思い出して、覚悟が決まった。
「俺はユリゼンだ。よろしくな、ミリム」
あの時と同じように自己紹介。反応はないが気にせず続ける。
「お前の両親が死んだ時、俺も今のお前と同じように部屋に引きこもって毎日泣いていた」
ピクリとミリムが反応したが気がつかない振りをした。
「大切な友人だった。一緒にバカ騒ぎするのが楽しかった。死んでしまうなんて思ってもなかったから、この先ずっと一緒だと、ずっと楽しい日々が続くと思っていた」
昔を思い出しながら語る。
「だから、二人が死んでしまったことがあんまりにもショックで、数年間部屋から出ずに引きこもっていた......つい最近までな」
「知っている」
返答があるとは予想していなかったので驚き肩越しに振り返れば、顔を上げ目元を赤く腫らしたミリムが言う。
「昨日ギィから聞いたのだ。私の両親が死んでからずっと部屋に閉じこもってたユリゼンが、私が行方不明と聞いて飛び出したと」
あいつ、余計なこと言わんでいいのに。
「それから、ユリゼンが暴走していた私を止めてくれたというのも」
「少し違うな。俺はギィがラミリスという精霊女王を連れて来るまでミリムを押さえていただけで、実際にミリムを止めたのはラミリスだ」
「それでも私がユリゼンに迷惑をかけたことには変わらぬし、感謝するべきだということを分かっているのだ」
うつ伏せから起きてベッドの上に女の子座りになると、ミリムはペコリと頭を下げた。
「すまなかった。そして、ありがとうなのだ」
俺は自身の目が大きく見開くのを自覚する。
幼い見た目に反して、恐ろしいくらいに理知的で聡明な子だ。
「謝るな......お前が謝る必要は、ないんだ」
声の震えを抑えることができただろうか。
謝るのは俺だ、俺達の方だ。ヴェルダナーヴァが力を失うと分かっていたのに、守れたはずなのに二人を死なせてしまった。何故両親を守ってくれなかったのかと責められてもおかしくないはずなのに。
真剣な眼差しでこちらを見つめるミリムに、ヴェルダナーヴァとルシアの面影を見た。
涙が溢れるのを止められない。
「ユリゼン!? 急にどうしたのだ!? お腹が痛いのか? それともお腹が空いたのか?」
俺が突然泣き出したのでミリムが慌てふためく。バタバタと両腕を上下に振りオロオロする。
そんな彼女に対し、俺は泣きながら「すまない、すまない」と謝ることしかできなかった。
その後、ある程度落ち着いてから語る。
自分のこと、自分は一体誰で、どういう存在なのか。
ミリムの両親であるヴェルダナーヴァとルシアとは友人関係であったこと。
なお、二人が死んでしまった件について改めて謝罪したのだが、ミリムはあまり気にした感じはなくこう言った。
「両親のことは別に気にするな。物心ついた頃には
そう言われてしまえば俺はそれ以上の謝罪はやめることにし、冒険者としての生活から始まり、ギィやヴェルダナーヴァとの出会い、彼らとの交流、ルドラという勇者の誕生、ヴェルダナーヴァとルシアの恋の話などを話す。
ベッドの上で向かい合って座り、時間を忘れて語り合う。
ミリムが笑ってくれるのが嬉しくて、俺も語りに熱が入る。
そしていつの間にか、俺は心から笑えていたことに気づく。
それは二人が死んで以来、初めてのものだった。
「私も冒険者になるのだ!!」
客室から玉座の間に移動したかと思えばこう宣言するミリムを見て、ギィはニヤリと笑う。
「いいんじゃねーか。元々ミリムはユリゼンに託すつもりだったし。反対する奴なんていねーよ。ミリムの好きにしろ」
ギィの言葉にレインやミザリーは当然として、ヴェルザードまでが同意するようにコクコク頷いた。
その反応を見て小さくガッツポーズをして「やった!」と喜ぶミリムの横で、俺は首を傾げる。
「元々俺に託すつもりだったのか?」
「ユリゼンが起きてくる少し前までルドラと話してな。俺もあいつもハーフのお前に同じハーフのミリムを任せた方が色々と上手くいくんじゃねーか、って考えてたんだ」
ルドラが? あいつ、来てたなら顔見せればいいのに。
「ルドラからの伝言だぜ。『負担をかけてしまってすまない、姪を頼む』ってな」
「......そうか」
あいつも以前の俺と同じようにきっとミリムに会うのが気まずいのかもしれない。
「ユリゼン、早く行って冒険者登録とやらをするのだ!!」
どうやらミリムはせっかちのようだ。辛抱堪らん早く早くとこちらを急かす。子どもらしいと言えばらしいが、恐らくは今後のことについて前向きに生きようとしているに違いない。
もしくは、
どちらにせよ、俺にできることをできる範囲でやろう。
と、その時である。闖入者が現れたのは。
「話は聞かせてもらったわ! 面白そうなことしようとしてるじゃない! アタシも混ぜなさいよ!!」
その人物は、俺とミリムの
「......あの様子なら大丈夫そうだな。ミリムも、ユリゼンも」
肩の荷が下りたと言わんばかりに安堵の溜め息を吐くギィ。
「悲しい事件が起きてしまいましたが、最後にお二人の笑顔が見れて本当に良かったです」
ギィの背後に控えるミザリーが優しく微笑む。
そのそばで唇を尖らせ少し寂しげに文句を垂れるのはレインだ。
「まだユリゼン様から対価をいただいていないのに行っちゃいました」
「そうね。レインはまだまだユリゼン様のお世話がしたかったのよね」
「んなっ!? ちが、違いますぅぅ! まだお礼とか報酬とかユリゼン様から色々ともらうべきものがあるんですぅぅ!!」
「それで? 眠れる王子様にお目覚めのキスはしたの?」
「ファァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
ミザリーからの指摘を受けて激しく動揺するレインは、ヴェルザードから更なる追撃が入り絶叫する。
(したのか?)
(したのかしら?)
(したのよね?)
ギィ、ヴェルザード、ミザリーが生温かい視線を送るものの、彼女は一切白状しようとしない。
真実を知るのは、当のレインだけである。
ミリムを引き取って、数年の月日が流れ──
「今日は焼き肉、の前に! ゴミ掃除なのだ!!」
今回の討伐対象となる盗賊団を前にしてミリムは獰猛な笑みを浮かべると、背負っていた大剣『レッドクイーン』を手にして切っ先を地面に突き立て、そのまま握った柄を
捻る度に
そんな様子のミリムを見て、盗賊団は見ていて可哀想になるくらいに動揺する。
「ピ、ピンク髪のガキ、異音を放って火を吹く剣......こいつ、『
「冒険者パーティーの中でも最凶最悪の、その名の通り悪魔も泣き出す処刑人で有名な、あの!?」
「ほお? 無辜の民から略奪するしか能がない掃き溜めのクズ共が私と私のパーティーのことを知ってるとは随分有名になったのだ、な!」
言い終わるや否や爆速で踏み込んだミリムが横に回転しつつ、火炎を撒き散らしながら剣を振り回す。
先頭に立っていた三人の盗賊は一切反応できずその首を飛ばされる。
噴水のような出血はない、血の雨は降らない。切断面が真っ黒に炭化しているからだ。
「クソ、怯むな相手は一人でしかもガキだ!!」
「そそそそうだ! パーティーリーダーの『首狩り剣士』はいねぇ!!」
「囲んでボコれ!」
ヤケクソになったとしか思えない連中が各々の武器を手にして吶喊してくるが、ミリムは不敵に笑い応戦。
火を吹く剣で相手の武器ごと、防具ごと力任せに叩き斬る。一振りで三人から四人を纏めて吹き飛ばす。子どものような見た目からは想像がつかぬ豪腕を披露する彼女に、盗賊達は悪夢を見ているような気分になった。
「ひぃぃぃ!?」
「ダメだ逃げろ!!」
「逃がさん」
こちらに無防備な背中を晒し逃走を図る盗賊達に対し、腰のホルスターから抜いた大口径の銃──二つの銃砲身を持つリボルバー『ブルーローズ』で狙いを付け、容赦なく引き金を引く。
「残っているのはお前だけ......筋肉モリモリマッチョマンのハゲた髭、
レッドクイーンを一振りして炎を消してから背に戻し、ブルーローズを排莢してからくるくる回してホルスターにインしつつギロリと睨む視線の先では、完全に戦意喪失して泣きべそをかく筋肉モリモリマッチョマンのハゲた髭が尻餅をついていた。
「......ゆ、許し、許して、命だけは、お助けを、──」
「許しを乞うなら、あの世でお前達が殺した人達にするのだ!!」
ミリムの背中に魔力で構成された一対の
「
男の背後から両腕を回して腰をクラッチし、そのまま後方へと反り投げ地面に叩きつける──ジャーマンスープレックスが綺麗に決まり、男は永遠に沈黙はした。
「......悪は滅びた」
フッ、と最後にカッコつけた感じで戦いの余韻に浸っていると上空から一羽の猛禽が下りてきて話しかけてくる。
「おいおいミリムの嬢ちゃんよぉ、悪を滅ぼすのはいいことだけどな、照合に必要な盗賊団のリーダーの頭をジャムにしちまったら後でウチの保護者がうっせぇぞ。どうすんだこれ?」
「げっ!? しまったのだ!!」
喋る鳥──『グリフォン』に指摘されて初めてミリムは慌て始めた。
「どどどどうすればいい!? グリフォンが上から落として殺したことにしていいか?」
「お前さんが見事なプロレス技かまして首から上をミンチにしたんだろうが!! 見ろよこの首無し死体を、頭部が消し飛んでるから修復もできやしねぇ。死体処理班も真っ青な惨劇生み出しといて何いきなり責任押し付けてんだふざけんな!!」
「だってこれ私のやらかしだとギルバにバレたら今日のオヤツが無しになるのは確定なのだぁ~」
「そもそもなんで最後に残したリーダーにジャーマンスープレックス決めたんだよ、やるなら他のモブでいいだろ。よりにもよって一番首が必要な奴の首紛失して、首要らねぇ雑魚はみんな揃いも揃って首揃ってやがる事態に俺様ビックリだぜ」
死屍累々の惨憺たる有り様の中、少女と鳥が喧しく喚き合う。
「もうこの際だから適当な髭生えてる奴の頭を丸ハゲにしてお茶濁せばいいんじゃね?」
「そんなことしていいのか?」
「ミリムの嬢ちゃんよぉ、こんな言葉を知ってるか? バレなきゃ犯罪じゃねーんだよ」
「まるで契約を迫る悪魔の台詞みたいな危険な誘惑に満ちた言葉なのだ」
「だろう? 悪魔だからな! じゃ、ちゃっちゃと替え玉作戦いくか♪ 別行動中のあいつらが戻って来る前にやっちまえ。猫ちゃんはこういうの黙っててくれるがラミリスのちんちくりんはすぐ食い物に釣られてゲロるから信用なんねぇし。ギルバに見つかって大目玉食らいたくなけりゃ急げよ」
「分かったのだグリフォン、早速リーダーみたいな汚い髭面探すのだ」
「ところでどうやってハゲにする? 時間かかるが普通にナイフで剃る? それとも俺が頭バーベキューにして毛ぇ全部チリチリにするか?」
「お前がやると首が黒焦げに炭化したゴミになるから却下なのだ。面倒だが私がナイフで剃る」
「そうなると問題は時間だな。お前さんだと力加減間違えて猟奇殺人事件の惨殺死体になる可能性が高いし。ジャガ芋の皮剥きが失敗した時みてぇに凸凹し過ぎて元が人間の頭部だとは思えない、とかならないように気をつけろよ」
「つべこべ言わずにまずは髭生やした首を探すのだ! 早くしないとギルバが戻って──」
「俺が何だって?」
「「あ゛......」」
予想よりも早いギルバの登場に、ミリムとグリフォンはまるで時間が止まったように動かなくなる。
今回の盗賊団の討伐は二手に分かれて行う予定だった。
ミリムは盗賊団が襲撃予定の村近辺で索敵と迎撃、俺は盗賊団のアジトの捜索し見つけ次第突入。
盗賊団は総数の内七割が村への襲撃に参加、残りの三割がアジトで留守番という感じであり、リーダーは村襲撃に参加していた。
盗賊団は一人の漏れなく冒険者パーティー『
「やらかしてしまったことには何も言わん。誰だってミスをするし、俺だって完璧ではない。だが、やらかしてしまったことを誤魔化そうとするな、正直に言え、そして謝ってくれればいい」
「......分かったのだ、すまなかった」
「そんな怒んなよギルバちゃんよぉ、ミリムの嬢ちゃんだって精一杯やったんだから」
「そもそもお前がミリムを唆したんだろうがこの鳥頭! 余計なことをミリムに吹き込むな、フライドチキンにされたいのか!? いいかミリム、こいつの言うことは話し半分に聞いておけ」
「世の中には抜け道があるってのを知っておくべきだと思ってよ、へへへ、ワリーワリー」
完全なる不正だろうが。信用問題に関わるようなリスクある行為はマジでやめて欲しい。
殊勝な態度で反省の色が見えるミリムとは対照的に、鳥頭の方は全く悪びれた風もなく笑うのみ......うーん、カリッとした香ばしいフライドチキンにしてやりたい。
『グリフォン』。俺の
元々はDMCの『1』にて敵として初登場、『5』で味方として再登場を果たしたキャラクターだ。『2』? あれは体の一部がアルゴサクスの一部として登場しただけだし。
『1』では巨大な猛禽類の体に大小様々な大きさの鳥の頭を持つ、雷を操る悪魔。魔帝ムンドゥスの腹心という立場でダンテと敵対していた為威厳溢れる口調と性格でいかにも長い年月を生きた悪魔って感じだったが、『5』で再登場した際はサイズダウンし実在する大きめの猛禽類くらいのサイズで、何より性格と口調が激変しておりやたらとテンション高めのおしゃべり野郎になっていた。しかもなんか妙にフレンドリーというか馴れ馴れしい。シリーズファンからは、『1』の時の性格はあくまで仕事上及び立場上的なもので、『5』の性格が実は素なのでは? と言われてたり。
で、こいつを召喚した理由は、
ちなみに普段は『5』の姿、つまり普通の猛禽類サイズだが本気を出す時は『1』の巨大な姿にもなれる。
「ねーギルバー、これで今日のお仕事終了でしょ? それならご飯食べに行こうよー、アタシお腹ペコペコなのよさ!」
「グルルル」
俺がお説教をしていると後ろから声をかけてきたのは、元精霊女王で今は掌の上に乗る大きさの妖精となったラミリスと、そんな彼女を頭の上に乗せた黒い豹。
ラミリスはあの一件の後、なんか面白そうという理由で俺とミリムにくっ付いてきた。実は妖精に零落する前の精霊女王時代から人間の文化や生活に興味があったらしい。しかしその立場上気軽に人間社会に飛び込むことができなかった為、これ幸いと同行を申し出てきたのである。俺としては断る理由はないし、ミリムの話相手や同性の友達は必要だと思っていたのでむしろありがたかった。妖精の身になってしまったので戦闘能力には期待していない、冒険者パーティーのマスコット的な存在だ。
黒い豹は『シャドウ』。グリフォンと同じで
こいつもDMCではグリフォン同様『1』では敵として、『5』では味方として登場するキャラクター。勿論、グリフォンと同じようにミリムの為を思って召喚、そばにいさせている。
だが、上級悪魔──ボス敵を務めたグリフォンと違いシャドウは中ボス的な扱いの雑魚敵だったので、最初から名持ちで唯一の個体であるグリフォンとは悪魔としての格が違う。明確な差が出てしまう。その為、召喚時は通常よりも多くのレッドオーブを注ぎ込み──それこそボス敵を召喚するレベル──その甲斐あって通常種を遥かに上回る特殊個体として顕現し、更に俺が『シャドウ』と名付けをしたことで漸くグリフォンと同格となる。種族名をそのまま固有の名前にする、『猫』に『猫』って名前を付けるネーミングセンスの欠片もない所業であったが、当の本人(悪魔)は喜んでるし『シャドウ』はやはり『シャドウ』と呼ぶべきだと考えるので、これでいいのだ!(グリフォンもシャドウのことを『猫ちゃん』って呼ぶし)
ちなみに放っておくとペチャクチャ喋りまくり喧しいことこの上ないグリフォンとは反対に、シャドウは全く喋らない。低く唸ったり、たまに吠える程度。意思がない訳ではなく、単にそんなもんなだけである。なのでグリフォンが通訳してくれる。
体を好きな形状に変化させる能力を活かし、人間の『手』を模した触手を生やして道具等を使いこなせるのが特技で自慢らしい。実際、炊事や洗濯、掃除等の家事は俺よりもできる。たまに力加減を間違えて物を壊すミリム、お人形サイズで自分だけでは何をするにも困ってしまうラミリス、鳥のグリフォンという面子のお世話をするにはなくてはならないオカン的な存在だ。黒豹形態時は肌触りのいいモフモフなので癒し担当でもある。
「まあいい。事後処理とギルドでの手続きを終えたら飯にする」
パンッ、と手を叩いてお説教を終わりにする。
「盗賊団のリーダーの首が無いのだがどうするのだ?」
「リーダーの首無し死体とそれ以外の連中の首を全部ギルドの玄関前に飾った上で俺がギルドマスターに話をつける。これで文句は出ないだろう」
「アンタその発想で文句出ないとか頭おかしいんじゃないの?」
「イーッヒッヒッヒ! 何処の蛮族だよ!!」
「グルル」
ミリムの疑問に答えたら、ラミリスが苦言を呈しグリフォンがケタケタ笑いシャドウが呆れたように唸る。
「もう! いつもグリフォンを反面教師にしろって言ってるギルバが一番反面教師なのだ!!」
何気に傷つく一言を......!!
しかし、ミリムは今の生活が楽しいとばかりに輝くような笑みを見せてくれている。
あの日から、笑顔の絶えない日々が続いていた。
彼女の笑顔を守り続けるのが今の自身の使命なのだ。
もう誰も死なせない、失わない。今度こそ守ってみせると心に誓う。
亡き友の為に、彼女の為に、そして何より自分自身の為に。
・ミリム
主人公に引き取られたことで冒険者となる。が、魔王になっていない訳ではない。主人公が冒険者ギルバとクリフォトの主ユリゼンという二つの顔を持つように、ミリムも冒険者ミリムと魔王『
なお、ミリムが自ら冒険者ミリムは魔王ミリム・ナーヴァと同一人物だと周囲に暴露しても誰も信じてくれないので、それならそれでいいやと思ってる。
主人公から与えられたレッドクイーンとブルーローズは冒険者として戦う時のものであり、魔王として戦う時は使用しない。
そもそも上記二点が与えられた理由は、強大過ぎるミリムの力を抑制する為のもの。周囲に被害を出すことなく、必要最低限の力でターゲットのみをいかにスタイリッシュに殲滅することができるか、ということにミリムの意識を向けさせているアイテム。あくまでも「これを装備するならこういう戦い方をするんだよ」と主人公が懇切丁寧に根気よく教え込みミリムの意識に働きかけているだけなので、装備時に彼女の力を封印している訳ではない。
大抵は右手でレッドクイーン、左手でブルーローズを扱うが、逆にしても問題なく扱える。
・レッドクイーン
DMCでは『4』から登場した新主人公の『ネロ』の専用近接武器。ダンテやバージルが持つ魔具と違い、人間の技術によって発明された機械の剣。元々、主人公がコレクション目的でレッドオーブを時空神像に捧げて入手したものをミリムに与えた。
柄部分をバイクのスロットルのように捻ることで推進剤が作動、レバーを引いて推進剤を噴射し斬撃を加速、強化させる『イクシード』という機構が搭載されている。その際に推進剤噴射機構から火炎が吹くのが名前の由来。
主人公がミリムにどんな武器を与えればいいか悩んでいた時、レッドクイーンの『柄を捻る動作』により『エンジンを吹かすような大きい音』が発生し『斬撃が強化されて火を吹く』という厨二心をくすぐるイクシードのシステムにミリムが惚れ込みレッドクイーンに決まった。
ちなみに他に候補に挙がっていたのは魔剣スパーダ。剣、槍、鎌と変形する機構に心惹かれていたが、レッドクイーンに軍配が上がった。
次がアグニ&ルドラ。二刀流、炎と風の二属性、双剣を合体させて薙刀に、という点がポイント高かったのだがアグニとルドラがミリムをそっちのけで喋り続けるので「うるさいしムカつく」ということで候補から外れた。
・ブルーローズ
DMCではレッドクイーン同様に『ネロ』が持つ遠距離武器。リボルバーなのに銃身が二つあって発射の際に弾丸が二発飛び出る変態銃。名前の由来は銃があり得ない構造をしているので、あり得ないものの象徴である青い薔薇から。主人公がコレクションとして持っていたものをミリムに与えたのはレッドクイーンと同じ。
威力は最低でも人の体に握り拳大の穴が空く。原典と同じでチャージショット可能だが、ミリムが魔力を込め過ぎると山が消し飛ぶ。故にチャージショットは禁止。
リボルバーであること、1トリガーで2ショット、といった点に厨二心を刺激されて使うようになる。
魔力で弾丸を生成しているので弾込めと排莢は不要。魔力が続く限り撃ちまくれる。だが、戦闘の最後に排莢だけは格好良いのでよくやる。
また、ミリムは手持ち無沙汰になるとガンプレイをし始める。
・デビルブリンガー(ミリムの場合は擬き)
これもDMCにおけるネロ専用スキル。『4』ではゲーム開始時から使用できるが、『5』では諸事情により失ってしまいラスボス戦で漸く解禁される。
『4』では異形化した右腕(通称悪魔の右腕)で、『5』では背中に魔力によって構成された翼腕(両腕)が発生しそれで行う。
基本的な動作は以下の二点。
バスター:至近距離の相手を掴んでぶん投げる。ゲームでは相手によってモーションが変わり、掴んで地面に叩きつけるから始まり、殴りまくる蹴りまくる、プロレス技をかます、剣をぶっ刺してグリグリしながらイクシードを発動させて内側から焼くなど、豪快かつ爽快なアクション。興味があったら『デビルメイクライ ネロ バスター』で検索してください。
スナッチ:離れた相手に腕を伸ばして掴んで引き寄せる。引き寄せられない敵や物の場合はそこまで移動する。
ミリムが主人公の話を聞き、バスターやスナッチができるようにと自身の魔力でデビルブリンガーを再現した(DMC5仕様)。一対の翼腕がミリムの意思に従い伸びたり縮んだり大きさを変えたりして敵を掴んでぶん投げる。
パワフルな戦法でミリム的にスカッとするのに周囲に被害が出にくい(山が消し飛んだり辺り一面火の海になったり街や国が蒸発したりしない)という利点がある。
そして何より、作者がミリムにバスターを使わせたかったので彼女の冒険者としての戦い方がネロになった。
・ミリムの服装
原作やアニメのような下は半ケツ丸出しのパンツ一丁なんてもの主人公が許してないので、ホットパンツを履いてる。
冒険者としている時は上にジャケットを着用。魔王としている時はそれがマントに変わる。
背中にレッドクイーンを背負い、腰に装着したホルスターにブルーローズが納まってるが、それらは魔王として活動する際に外される。
・グリフォン
ミリムの戦闘力的に護衛は不要だが、情操教育的な意味で話相手や友人が必要と思い主人公が召喚した悪魔。
実は、DMCに登場する純粋な悪魔としてはかなりまともな人格。間違いなくトップクラスで良い奴。特に『5』のスピンオフ作品『Vision of V』ではVの相棒としての彼の活躍を見れる。
なので人選を誤った訳ではないのだが、そこは悪魔だからか悪知恵を働かせミリムに変なことやズル賢いことを吹き込むのが主人公の悩みの種。
ミリム的には悪友ポジション。
ちなみに、グリフォンは自分がパーティー内で一番常識的で俺がいないとこいつらはダメだと思ってる。
・シャドウ
グリフォンと同じ理由で主人公により召喚された影の悪魔。黒豹なのにグリフォンからは『猫ちゃん』呼び。
最初は癒し枠だったが、ミリムとラミリスがお子ちゃまなのでそのお世話をするオカンになる。
性格は世話焼き。人間の手を模した触手でお子ちゃま達の生活面をサポート。家事全般が得意なのが自慢。
臭覚が鋭敏、影の悪魔なので隠密行動が得意、という点でも非常に優秀。
パーティー内で一番常識的で、自分が皆のお世話をしなきゃと思ってる。
気に入った相手の顔をベロベロ舐めるという癖がある、黒豹なのにワンコ。
・ラミリス
妖精に零落し、なんか面白そうということで主人公達にくっ付いてきた。
ミリムの情操教育的には一緒にいてくれてありがたいと主人公は思っている。
妖精という掌サイズである為、自身の世話を焼いてくれるシャドウとは特に仲良し。黒豹形態のシャドウの頭の上が定位置。
お喋りなグリフォンとはよく下らないことで口喧嘩や言い争いをするが、喧嘩するほど仲が良い関係。
・主人公ユリゼン及びギルバ
冒険者として活動中はギルバ、ギィ達のような正体を知っている者達だけの場ではユリゼンと呼ぶよう皆に徹底させている。
グリフォンとシャドウを召喚したんだからナイトメアも、と最初は思ったが生物兵器であるナイトメアには感情がないのでミリムの情操教育には役に立たず、加えてこれ以上は過剰戦力であること、その大きさの問題で人間の街などを連れ歩くのは無理、ということでやめた。
今までソロの冒険者だったが、ミリムと組むということでパーティー名を考えることとなり、そういうことならということで『Devil May Cry』に決定。
なお後でギィ達からパーティー名のことで、「実は俺達のこと嫌いだったのか!?」と顰蹙を買ってしまい、違う誤解だとご機嫌取りする破目になる。