堕天使コカビエル。旧約聖書偽典『エノク書1』にあらわれる天使の一人で、堕天使となりグリゴリと呼ばれる一団に属する。シェミハザら二〇〇人の天使と人間の女性と交わる誓いを立てた(6章)。コカビエルは人間に天体の
旧約聖書偽典『エノク書1』を呼んで短くまとめてみたんだけど………結構やんちゃな堕天使なんだね。
グリゴリって『
と、ここまででもわかるように堕天使は面倒なのです。なので絶対に関わりたくない。関わりたくないんだけどなぁ………しょうがないよね? だって俺と黒歌の静かで平和で安全な生活の為だもん。
まずはコカビエルがどこにいるかなんだけど………これは俺が探さなくてもいいよね? コカビエルを排除しよう排除しようと考えていたせいで依頼の内容を忘れるところだったけど、ミカエルから俺が依頼されたのはあくまでも教会から派遣された二人の
というわけで、俺は連絡があるまでのんびりするということで。
「それじゃあ今日も学校休むね。最近寝てないせいで眠くてね」
「わかったにゃ。にゃ」
「どうしたの黒歌? 自分の膝をぽんぽん叩いて」
「膝枕にゃ」
膝枕………だと………!?
黒歌は今、ミニスカメイドさん状態である。もちろん、黒ニーソを履いていて、理想的な絶対領域も存在している。ソファに座っているもんだからもろに見えている。
膝枕をするという事は、その絶対領域に俺の頭が触れるわけであって………
「よろしくお願いします」
俺は腰を直角に折ってお辞儀をした。
「にゃ。早くするにゃ」
「うん♪ 失礼しまーす」
黒歌の膝枕………最高だ………
目が覚めたのは夜中だった。外は真っ暗で、黒歌も下を向きながら寝ていた。首が痛そうだ………これもこんな時間まで俺が寝ていたせいか………ごめんね。
黒歌の膝からもったいないけど、起き上がる。
「黒歌、黒歌起きて」
「にゃぁぁぁ………」
ゆさゆさ揺さぶると、甘い声を出しながら起きてくれた。目を擦ってる姿になんか萌えるね。うん。
「もう夜中だからベットで寝よう」
「一………連れてって」
そう言いながら黒歌が両手を開いて抱っこして、みたいな感じで見てくる。
「しょうがないなぁ………」
背中に右腕を回して、左腕を膝の後ろに回す。お姫様抱っこだね。
そのまま黒歌を黒歌の部屋のベットに下ろす。よし、俺は自分の部屋で寝よう。そう思って、黒歌の部屋を出て行こうとした時だった。
服の裾を黒歌に掴まれた。
「一緒に………寝るにゃ………」
「う、うん………」
黒歌がそう言ってくれるなら俺はそれに甘えますよもちろん。断る理由がないもん。
†††
『リアス・グレモリーの眷属三人と他の悪魔の眷属一人が協力したいと言ったので了承した』
翌日になり、朝一でゼノヴィアから電話があった。
『はぁ!? マジかよ………そいつら絶対に「
『多分そうだろうな。もし仮に許可を出したとした「
ゼノヴィアさんって、意外に頭いい? 俺はてっきり戦いしかできな脳筋かと思ってたんだけど………
『コカビエルは見つかったの?』
『………まだだ。まだ見つかっていない』
まだ見つかってないのかぁ………。まぁ昨日の今日で見つけられるわけもないか。
『わかった。それじゃあまた何かあったときか、助けが必要なときには電話してね』
『了解した』
ここでゼノヴィアとの通話を終えた。
グレモリー眷属が協力ねぇ………。あ、そういえば昨日オカルト研究部の部室に行ったときに木場が結構な殺気を出してたような気がする。
多分木場は教会関係者になんか恨みでもあるんだろうね。それを察した、もしくは知ったイッセーが木場以外のグレモリー眷属―――――朱乃さんはまず動かないだろうから、白音あたりに協力してもらったんだろう。
他にもう一人いるって言ってたけど………誰だ? まったく見当がつかない。まぁいいか。勝手に面倒な事に頭突っ込んできただけなんだし。
「―――――黒歌」
「なんだにゃ?」
「確か探知結界を駒王全体に張ってたよね? なんか反応なかった?」
黒歌にそう訊くと、ニヤっと笑って黒歌が笑った。おぉ………結構悪い顔だね。
「あったにゃ。大きい魔力だにゃ。多分コカビエルにゃ」
「今どこにいるかわかる?」
「わからないにゃ。コカビエルが何かしたにゃ」
コカビエルが黒歌の張った探知結界気づいちゃったか………
あれ? これ、まずくないか? だって結界には黒歌の魔力が使われていたわけで、その結界の存在をコカビエルが知ったわけで………結界の主を潰しに来るってことは………魔力をたどって………
「く、黒歌!! け、結界がコカビエルにバレちゃって大丈夫なの!? 黒歌がコカビエルに襲われるってことは………」
「大丈夫だにゃ。たとえ結界に使った魔力を探られても、仙術でそれをごまかしてるからにゃ」
おぉ、さすが黒歌。
そういえば仙術って何だろう? 初めて聞いたんだけど。でも今まで俺に言わなかったんだから深くは訊かないほうがいいよね? きっと。
†††
「おはよう一くん。昨日はどうしたの?」
教室に入って結衣さんがニコニコしながら訊いてきた。なんだろう、少し怖いんだけど………
「昨日はすごく頭が痛くてさ。立ち上がるのも辛くてさ、だから学校には来れなかったんだよ」
「そうだったの!? だ、大丈夫だった?」
「うん。一日中寝てたら治ったよ」
「そ、そう………よかった………」
頭が痛かったのは本当だよ。寝不足でね。
自分の席に座ってバックを机の横に下ろす。そのままバックから本を取り出して読む。
「今日はどんな本読んでるの?」
「旧約聖書偽典『エノク書1』だよ」
「きゅ、旧約聖書!? よ、よくそんなの読めるね………」
命かかってるからね。読んだことはあるけどさ、忘れているところもあるからね。
しばらくすると、教師がやってきて朝のホームルームが始まった。もちろん全部聞き流して本を読み続ける。少しでも弱点的なものを見つけねば!!
朝のホームルームが終わると、一時限目の準備をする。今日は久しぶりに授業を受けようと思ってる。さすがにこれ以上休むとさ、赤表をもらいそうなんだよね。出席日数的なことで。
昼休みになり、クラスのみんなは次々にお弁当を取り出して昼食を食べようとしてる。
俺も例外じゃない。バックからお弁当を取り出して机に置く。包みをとって御開帳。
今日の昼ごはんはのり弁だ。ふっくら炊き上げたごはんの上に、おかか昆布とのりをしいて、ちくわの天ぷらと、白身フライをのせた。あときんぴらごぼうもね。
「いただき―――――」
「一くん、一緒に食べてもいい?」
いただきますをしようとしたタイミングで結衣さんが話しかけてきた。手にはかわいらしいお弁当を包んであるであろう巾着がある。
「いいけど………どうした? いつも一緒に食べてる子たちはいいの?」
「その子たち、今日は部活の大会だよ? テニス部とバレー部の子たちだから」
全く知らなかった………
「そっか………じゃあ―――――」
「「いただきます」」
結衣さんと二人でお弁当を食べるのは初めてだなぁ………。やっぱり周りからの視線が痛いや。
まぁ気にしないで食べるけどね。
「一くんのお弁当って誰かにつくってもらってるの?」
「いや、自分でつくってるよ」
黒歌には朝食と夕食を任せてるからね。昼食ぐらいは自分でつくらないとね。
結衣さんとの昼食は何か得体のしれない緊張感があったよ………
†††
『すまない!! 助太刀に来てくれ!! 場所は公園だ!!』
夕方になり、家でくつろいでいた俺にゼノヴェアさんから電話がきた。かなり切羽が詰まっているようだ。でも電話をする余裕はあるんだね。
どうしようか………正直、かなり面倒だ。しかも眠いし。でもいかないとしょうないよね? 手伝いが俺の仕事だし。
「ちょっと公園までいってくる」
「いってらっしゃいにゃ。気をつけるにゃ」
準備万端、いきますか。
家からでると、魔力が集まっている場所があるのがわかった。それも公園の方向だ。多分戦闘になってるね、これ。
いつも通り屋根の上に跳んで、そのまま屋根を足場にして公園に向かう。
公園では結構派手な戦闘が行われていた。………絶対に突入したくない。でも突入しないと………依頼だし。
俺を中心とした半径5.040m―――――俺の絶対領域内にナイフを一〇本創造する。そしてそれを投擲する。投擲した瞬間、投擲をした場所とは逆方向に素早く移動し、そのまま敵にドロップキックをプレゼン―――――
「いってー!?」
――――トしたんだけど、どうやらプレゼントを贈る相手を間違えちゃったらしい。
「くそっ!! 後ろから―――――って
『あ、ゴメン』
プレゼントを贈った相手はイッセーだったみたい。ナイフの方は全て白音が叩き落としてたよ。まったく、教会の人間みたいな格好をしていたから間違っちゃったよ。
まぁ生きていたしいいよね? 敵は誰なんだろう? コカビエルではないと思うんだけど。
イッセーから視線を外して、辺りを見回す。すると、敵らしき人間と戦っているイリナさんとゼノヴィアさんを見つけた。戦っている相手は―――――嘘だろ………
『なんでアンタが生きてんだよ………キモ神父』
「おんやぁ? そこにいるのは俺の腹を斬ってくれたクソ野郎じゃぁありませんか!!」
イリナさんとゼノヴィアさんを蹴り飛ばして、こっちに突っ込んできたキモ神父。もちろん俺は回れ右して逃走開始だ。
後ろからキモ神父が叫びながら追いかけてくるけど関係ない!! 俺はキモ神父を生理的に受け付けないんだ!! ていうか死んだんじゃねぇのかよ!? こいつ不死身かよ!?
気弾を九つ背後に浮かべる。そしてそのまま気弾をキモ神父に向けて放つ。
「うおっ!? なんだこれ、うっとおしいなぁ!!」
これで足止めしているうちに俺は家に帰る!!
†††
「黒歌ぁ………」
「ど、どうしたにゃ!?」
無事に家に帰ることができた俺は黒歌に泣きついていた。
「キモ神父が………キモ神父が生きてた………」
「そうかにゃ………」
黒歌が優しく頭を撫でてくれた。癒される………
「一、今日も背中流すにゃ」
「うん………」
「一、今日も一緒に寝るにゃ」
「うん………」
はぁ………今からでもこの依頼やめようかなぁ………
2014/08/02