朝ごはんを食べ終わって少し休憩したあと、俺と結衣さんは着替えて外に出て来ていた。
俺は半袖短パンのジャージです。結衣さんは半袖シャツにミニスカート、そして黒ニーソ。はいここで疑問が。なぜにミニスカ? 普通はジャージとかじゃないの?
「結衣さん………なんでミニスカニーソ?」
「え? こっちの方が動きやすくない?」
「さいですか………」
まぁうれしいですけどね。目が釘付けですけどね。絶対領域に。太股の「ぷにっ」と感がすばらしいですよ、本当に。チラチラなんてまどろっこしい………ののしられても構わない。俺はじーっと見つめるぞぉぉぉぉぉ!!
「一くん………じーっと見てることに関しては何も言わないであげる。だからはやくやろ?」
「………………………………あ、うん」
何も言われないっていうのもさ、結構キツイよね。
俺と結衣さんは隠蔽結界の外に出る。これから向かうのは森です。なんか魔力が結構感じられたからね。多分魔物だと思うんだよね。
「じゃあ出発しようか」
「うん」
「あ、一応ブリューナクでいいから出現させておいてね」
「りょーかい!!」
結衣さんが目をつぶって深呼吸した。そして目を見開くのと同時に、
「―――――ブリューナク!!」
そう叫んだ。すると結衣さんの右手に蒼く輝く槍が収まっていた。
うーん………目をつぶって深呼吸しないといけないのが少しもったいないね。目をつぶって深呼吸しているときに攻撃されたら………oh………まぁ今はいいや。俺がいるし。
「間違っても俺に突き刺さないでね」
「もぅ!! あたりまえでしょ!!」
まだ試したことがないからどの程度の力があるじかわかっていないから余計怖い。
とりあえず俺も《
俺が前を歩いて結衣さんがその後ろをついてくる。しばらく歩くと、一体の魔物に出会った。狼型………かな? うん、狼型だね。
「結衣さん。早速だけど―――――」
「やあぁぁぁぁぁ!!」
アレを倒してみて。って言おうとしたんだけど………俺が言う前に気合入れながら相手し始めちゃったよ………
狼型の魔物も結衣さんに気づいたのか、ぐるるってうなって威嚇してる。ていうか襲い掛かってる。結衣さんは狼型の魔物の攻撃をかわして槍を狼型の魔物に突き刺した。結衣さんの手にしている槍はブリューナクだ。一突きするだけでそこらへんにいる野良魔物なんて―――――あれ?
「嘘ッ!?」
結衣さんも驚いてる。俺も驚いてるもん。え? ブリューナクだよね確か。貧弱すぎない? なんかぜんぜん攻撃が通ってないような………ってそれどころじゃない!! 結衣さんを助けないと!!
気で身体強化して狼型の魔物に向かって駆ける。距離はおよそ5m。こんな距離、一瞬で詰められる!!
「オラァァァァァ!!」
勢いを利用したローリングソバットを狼型の魔物にプレゼント。狼型の魔物は吹っ飛んで行った。だけどこれで終わりだと思うなよっ!!
吹っ飛んで行った狼型の魔物の元に一瞬で回り込む。そして俺の絶対領域内に狼型の魔物が侵入した瞬間、『塵になれ』と念じる。するといつも通り狼型の魔物は叫ぶ暇もなく塵になった。
結衣さんの元に戻ると、ブリューナクを見つめて首を傾げていた。やっぱり結衣さんもブリューナクの性能に疑問を持ったんだね。
「―――――結衣さん」
「あ、一くん………」
「とりあえずさ、コテージに戻ろうよ。ここじゃあ原因探っているうちに襲われるかもしれないし」
「そうだね………」
†††
「とりあえず原因を調べてみるね」
「うん………よろしくね」
コテージに戻ってきた俺は、結衣さんとソファでお茶を呑みながら原因を探ろうとしていた。
《
能力:伝説上の槍を創造。能力などの再現。再現度などは練度と想いに比例する。
この前より
「結衣さん………なんであんなに威力がなかったのかわかったよ」
「本当!?」
「うん。槍の能力を発揮させるにはね、練度と想いが必要なんだって」
「練度と想いかぁ………」
想いっていうのはわかる。
しっかし新たにわかった能力は結構不便だね。練度をどれだけ上げればどれだけ再現度が上がるのかがわからないからね。想いに関しても同じ。
「まぁとりあえずこの夏の目標はブリューナクの能力を完全扱えるようにすることだね」
「うん!! 頑張るね!!」
いやね、正直ブリューナクもかなりのチートだと思うんだよね。
ブリューナクとは『貫くもの』の意味であり、トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の太陽神ルーが所持するとされている。 穂が五本に分かれており、五つの切っ先から放たれた光は一度に五人の敵を倒したと言われているらしい。ここまではあくまでも伝承ね。
能力は『必ず勝利をもたらす』だとか『投げると稲妻となって敵を死に至らしめる灼熱の槍』などと言われてて、生きていて意思を持っていて、自動的に敵に向かって飛んでいくとも言われてるんだってよ?
投石器もしくは投石器から発射される弾(タスラム)だったという説もあって、ルー自身の祖父である『魔眼のバロール』の目を貫いて倒したのもこのブリューナクであるとする解釈もあるんだって。
ロンギヌスが使えなくてもブリューナクで十分だよね。いや、十分すぎるでしょ。正直、ブリューナクがあれば逃げる隙くらいはつくれそうだよね。まぁ逃げれるかは別としてね。
†††
昼ごはんを食べ終わった後、俺と結衣さんはそれぞれ修行をしていた。結衣さんはブリューナクを使っての槍術の確認っていうかおさらいっていうか………まぁなんかやってる。そして俺は実験をしようといていた。
実験の内容は《
《
今まで宝玉をはめたまま使ったことがないからどうなるかわからない。だからちょっと試してみようと思ってね。ちなみに宝玉は数は六個ある。
まぁとりあえずやってみますか。結衣さんには結界から出ないように言ってあるからとりあえずは大丈夫だろうから、心置きなく魔物で実験をできる。
ナイフに宝玉をはめて森に向かう。しばらく歩くとすぐに魔物に出会った。虎………だね。虎型だね。
ナイフを右手で逆手に持ち直す。気で身体強化をするのと同時に駆け出す。虎もさすがに俺に気づいて、前足を振り上げて攻撃を仕掛けてきた。その時俺は思った。さすがネコ科だってね。
前足での攻撃をスライディングで避ける。俺のスライディングナメんなよ!! ずるずる滑って行って虎型の魔物の背後に回る。そして背後からナイフで一刺し。「ぷすっ」じゃないからね。「ブスッ」って感じで。そして引き抜く。ブシャーって血が噴き出しそうだったからすぐに飛び退く。
『Divide』
おぉっ!? 今の音声って………やっぱりアレだよね。魔力感知があまり得意じゃない俺でもわかる程に虎型魔物の魔力が減っているんだもん。
鳴り響いた音声と魔力の半減。これから思い浮かべるのは白龍皇だ。
確かこんな感じだったよね。力―――――今回でいう魔力が自分のものになった感じはない。たぶんキャパオーバーだったんだろうね。魔力全然使ってなかったし。
しっかしまぁすごいね。宝玉一つはめ込んだだけで白龍皇の半減が使えるようになったんだよ? まぁとりあえず実験は成功したってことでね。宝玉をはずしますか。
宝玉をナイフから取り出した。それと同時に宝玉が―――――
「砕け散った………えぇ!?」
確かこの宝玉には俺の絶対領域内で『消滅しない』って念じたはずなんだけど。消滅しないはずなんだけど。あれですか? 砕け散るのは別ってことですか? 砕け散ったらそこまでなんだけど………あ、そうだ。
「『元に戻れ』ってね」
砕け散ったなら元に戻せばいいじゃない♪ そう思って『元に戻れ』って念じてみたけど………
「戻らねぇ………」
俺の絶対領域の能力でも元に戻らない………まぁ『消滅しない』ようにしたのも《
宝玉はあと五個ある。ということは最低でもあと五回は白龍皇の能力が使えるってことでしょ?十分です。白龍皇をボコったおまけにしては十分すぎますよ。
実験も終わったし、コテージに戻りますか。
†††
「ただいま結衣さん」
「あ、おかえりー」
「シャワー浴びるね」
「いいよー」
ソファで本を読んでいる結衣さんに一声かけてシャワーを浴びる。さすがに汗だらけですよ。なんていったって今の季節は夏ですからね。もう暑くてさ、汗かきまくったよ。
結衣さんは既にシャワーを浴びたんだろうね。服装が半袖シャツ、ミニスカ、黒ニーソから変わってる。今はキャミソールにドロワーズってやつかな? それを着ていた。なんか新鮮でいいね。クラスメイトの女の子のこんな無防備な姿は普通じゃ見れないからね。
シャワーを浴びた後はソファに座って牛乳飲む。やっぱりこれはやっておかないとね。
「今日の修行はどうだった?」
「うーん………とりあえずブリューナクの扱いが結構難しいってことがわかったよ」
確かに穂先が五本もある槍なんて普通は使わないからね。
「能力の方はどう?」
「まだまだ全然」
「そっかー………」
逆にたった一日で使えるようになったら驚くね。練度の尺、短ッ!! って。
「まぁ今夏以内に使えるようになってくれればいいしさ、まだまだこれからだよ」
「うん!! そういえば一くんは森でなにやってたの?」
「えっとね、新しい力の実験」
「新しい力?」
「うん」
その新しい力っていうかおまけの力は使いどころが難しいけどね。
白龍皇の鎧には宝玉があった。ということは、赤龍帝の鎧にも宝玉はあるはず。ていうか、生物の魂を封じ込めた
「結衣さんは今夏でブリューナクが使いこなせればいいんだからね? ダメだよ? 俺が新しい力に手を出したからって無茶したら」
「わ、わかってるよ!!」
「………ダメだからね」
「わかってるって!!」
無茶して倒れたりしたら大変だもん。無理無茶はしてはいけませんっ。
そういえば黒歌は何してるかなぁ………。ここ一日二日は連絡を取ってないからなぁ。明日にでも電話してみようかな?