学園祭当日になりました。
今朝は早めに起きて
まぁアレだよ。心境の変化っやつ? いや、違うね。リリンが敵に回るかもしれないっていう危機感からかな? あ、結局心境の変化かな?
黒歌に呼ばれたので、
「やっと来たにゃん」
「ゴメンゴメン。明日から気をつけるよ」
「わかればいいにゃん」
軽口を叩き合いながら料理を食べ進める。メニューはご飯、味噌汁、卵焼き、ほうれん草のおひたし、冷奴です。どれも最高においしいです。
食べ終わったら洗面所に向かって身だしなみを整えます。今日は少し整える程度でいい。学校に行ったらキッチリガッシリやるわけだし。
リビングに戻ってきた。あ、そう言えば………
「黒歌、今日の学園祭さ、見に来るの?」
「当たり前にゃん。
あまり期待されると困るね。これでガッカリされたとなると俺の精神が………
「そっか、わかった。じゃあ俺はもう行くよ。準備もあるし」
「わかったにゃん。いってらっしゃい」
「いってきます」
今日は………荒れるな………
†††
教室に入った俺はすぐに着付けを始める。俺はともかく、女の子の衣装は結構複雑なものが多いからね。なんせ本格派ですから。
基本的には女の子同士で着付けし合ってもらって、どうしてもできないところだけ俺がやるって感じかな。まぁ散々練習してたみたいだから、俺の出番はないだらろうけど。
俺は俺で執事服に着替える。ネクタイ以外全て漆黒の中二仕様なんだよね。カッターシャツ、スラックス、燕尾ジャケット、ウエストコート、革靴が全部漆黒。ネクタイと手袋が白なだけでございます。
着替えを澄ましたら髪型をセットする。髪型をセットしたら待機。ひたすらその時がくるまで待機。だってもうすることがないし。
「どうかな?
そう言いながら近づいてきたのは結衣さんだ。見事なミニスカメイドさんだね。ちなみに結衣さんが着ているメイド服は、マオメイドって種類だ。かなりキュートです。大和撫子系美人の結衣さんとのギャップに全俺が萌えた。そんでもって黒ニーソに包まれた太股の「ぷにっ」っと感がとてもすばらしくて目が離せそうにないよ。
やっぱり絶対領域は最高だね。
「はぁ………他の人も見てるんだよ?
「…………………………………あ、ゴメン」
待っておくれ結衣さん。その言い方なら他の人がいないときならいいってことですか? あとで個人的にお願いしよう。そして撮影会をね、させていただきたいです。
「とても………すばらしいです………」
「そう? ありがとうっ」
「うわっ!? ゆ、結衣さん? 他の人もいるんだよ?」
「関係ないもーん」
関係ないんですか? え? 俺って結衣さんと付き合っている訳じゃないよね? 最近の男女はこれが普通なんだ………俺、男友達いないから知らなかったよ。でもそれにしては野郎からの嫉妬の視線が向けられているのは気のせいだろうか?
どうやら全員着替えが終わったらしく、教室に戻ってきたんだけど………うん、すばらしいね。
ミニスカメイドさんだけじゃなく色々な種類のコスプレがみれる。
ミニ丈の巫女装束に白ニーソ。ミニスカメイドに黒ニーソ。ミニ丈チャイナに白ニーソ。ミニ丈シスターに黒ニーソ。ミニ丈黒ゴスロリに黒ニーソ。ミニ丈白ゴスロリに白ニーソ。みんな違って、みんないい。
そのコスプレを完了した子達はキャッキャするのかなって思ってたんだけど、そうじゃなかった。テキパキとメニューをそろえて、テーブルの上を整えてたりしてた。そんな中でも俺は椅子に座ったままなんだよね。椅子って言うかソファ? なんかマフィアのボスが座ってそうな一人用のソファに座ってます。それも足を組んで。
「
「ご苦労。各自配置についてくれ」
「かしこまりました」
見事な礼をして離れていくクラス長。案外ノリノリでメイドさんをやってます。しかし妙に似合っていますなクラス長。クラス長の口調が本物のメイドさんみたいなせいなのかな………なんか俺の口調もつられて
クラス長は外国の人らしくてね、髪は綺麗な銀髪なんだ。長さはミィディアムで、もみあげのところを三つ編みにして緑色のリボンで結んでいるんだ。
気のせいだろうか、とてもグレイフィアさんに似ている。それと、懐中時計を持つととてもイイ笑顔で微笑むんだよね。背筋が凍りつく程綺麗な笑顔なんだよね。後ナイフ持った時もだね。まぁグレイフィアさんとは全く何も関係ないと思うけど………
学園祭開始まで残り五分になった。教室の前にはこれでもかってくらい人が並んでいる。しかし不思議なことに、野郎よりも女の子のお客さんが多い。しかも全員かわいいし。それにお姉さんから少女までとバラエティ豊かである。
なぜそんな女の子がたくさんいるのにウチのクラスが騒がしくないかと言うと、騒ぐであろう野郎共はすでに校舎の外に出ているからだ。全員が駐輪場にスタンバイしていて、いつでも買い出しに行ける状態にある。完全にハブである。ア、アブナカッター。俺もコスプレしなかったらああなったかもしれないんだよね?
―――――キーンコーンカーンコーン
こ、この音………これは―――――
「戦が………始まりますね」
そうつぶやいたのはクラス長。そこまで本気ですか。営業を戦と言いますか。学園祭の出し物を戦と申しますか。………さすがクラス長ですね。
よし、それじゃあ俺も働きますか。
俺のする仕事は基本的には二つ。案内と配膳だ。
「おかえりなさいませ、お嬢様方。さぁ、こちらへどうぞ」
「「は、はい………」」
案内はこんな感じです。案内した女の子二人の顔が若干赤くなったんだけど俺は知らない。案内を終えたら教室内を見渡す。
「す、すいません………」
ちょうど、恐る恐るといった様子で手を挙げる女の子を見つけた。多分同世代だと思う。
「あ、あの………注文、いいですか?」
「何でもお申しつけくださいませ、お嬢様」
「じゃ、じゃあ………ペペロンチーノとダージリンのストレートで」
「かしこまりましたお嬢様。少々おまちください」
「は、はい!!」
俺は調理エリアに向かって歩く。途中で写真一緒にって子が何人かいたから一緒に撮ってあげる。ふっ、この程度なら何の問題もないのだよ。ただ結衣さんからの視線がとても痛かったよ。
調理エリアに着いた俺は、料理をしている女の子に取った注文を伝える。するとすぐにできたてホヤホヤのペペロンチーノがで渡された。手際がすばらしくいいですね。
紅茶に関しては自分で淹れないといけないんだったね。
まずは水道の蛇口から勢いよく出した
「お待たせいたしましたお嬢様。ペペロンチーノでございます」
「わぁぁぁ………」
喜んでくれているようで何よりです。
「ダージリンのストレートでございます」
「いい香り………あ、おいしい………」
「ありがとうございます。それではごゆっくりお過ごしくださいませ」
つ、疲れた………慣れない言葉を使うとすごく疲れる。どこか変なところなかったかな? あったら恥ずかしいな………
†††
とうとう………とうとう着てしまったか―――――黒歌よ。
「おかえりなさいませお嬢様」
「にゃん。ただいま帰ったにゃん」
時刻は午後三時ジャスト。おやつの時間である。多分午前中は白音がいるオカルト研究部の出し物を見てたんだろうね。それで小腹がすいたのと同時に俺の働きぶりを見に来たと………なんてこった。
「メニューはこちらです。お決まりになったら―――――」
「じゃあこの執事のご褒美フルコースで」
「「「「「―――――ッ!?」」」」」
周りのお客さんが息を呑んだのがわかった。
ていうかメニュー決めるの早くない? 全部見たの? 見てないよね絶対。まぁそれは別にいいんだけど………正気なのかな? だって執事のフルコースは五桁だぜ? 諭吉さん一人とサヨナラしないといけないんだよ? 普通の神経をしていれば学園祭の出し物一つで諭吉とサヨナラしようだなんて誰も思わないよね?
「………本当によろしいのですね?」
「にゃん。楽しみだにゃん」
この執事のフルコースを提供できるのは俺一人。察しておくれ。黒歌は完全に俺を狙いに来ていると。まぁ満更じゃないんだけどね。
執事のご褒美フルコースはあーん、ポッキーゲーム、マッサージ、二人っきりで談笑、好きなポーズでの写真撮影の五つのプログラムで構成されているんだ。もちろん奥にある個室を使うよ。そうしないとパニック起きない?
「こちらですお嬢様」
「さすが駒王学園って言ったほうがいいにゃん?」
黒歌もこの通り驚いております。当たり前でしょ。教室の中にこれだけの設備をつくれるなんて世界中探してもここだけかもしれないし。まず日本ではないだろうね。
「
「えぇっ!? リアス・グレモリー達にバレないの!?」
「そこは腕の見せ所にゃん。あんな小娘達にバレるほど腕は悪くないにゃん」
「それならいいけど………」
こんなことでリアス・グレモリー達に嗅ぎ回られたらたまったもんじゃないし。
「さ、早くやるにゃん」
「わ、わかったよ………あーん」
「あーん………んん、おいしいにゃん」
黒歌にあーんする俺。食べさせたのはパフェです。なんかセッティングされてました。
「はい
「あ、あーん………うん、おいしい」
あーんする側なのにされちゃっていいのかな? まぁ黒歌がよければいいんだろうけど。
よし、一つ目のプログラムをクリア。残りは四つ。どれも際どいものばっかりだ。次に行こうとポッキーを探した時だった。
「ふぁじめ、ふぁやくするにゃぁ」
既にスタンバイ完了している黒歌が目の前にいた。お早いようでなによりです。
俺も黙ってポッキーを口にくわえる。そしてポッキーゲームが始まった。カリカリカリカリとポッキーを食べ進めていく。黒歌の吐息が顔に当たって妙にドキドキする。心なしか黒歌の顔が赤い。
そしてその時が来た。
「むぅ!? むぐぅぅぅ!?」
黒歌の舌が俺の口のなからに来店しなすった!? ちょ、ちょっと待って!! いくら防音の結界を張っているからってそれは………ていうかその前にポッキーゲームじゃないよこれ!! ただのディープなキスでしょ!!
「んぐっ………はぁ、はぁ………黒歌………」
「んにゃっ………気持ちよかったにゃぁ」
だろうね。好き勝手に出来たんだもんね。………気持ちよかったですよ。さすが黒歌、テクニシャン。
これで二つ目のプログラムをクリア。残りは三つ。次はマッサージかぁ………
「じゃあ黒歌、そこのベットに横になって」
「了解にゃん」
「ちょっと待とうか………」
「どうしたにゃん?」
「なんで服を脱いでるの?」
マッサージって言ったけどそこまで本格的なのはここではできないでしょ。家でやってるようなマッサージ無理だと思うし………夜のマッサージなんてなおさらだよ。
上の服だけ脱いでるってことは家でやってるようなマッサージだよね。夜の方は下も脱ぐし………って何言ってんだ俺………冷静になれ、落ち着け。
「頼むにゃん」
「わかったよ………」
うつ伏せになっている黒歌の腰に跨る。陽気を纏わせた手で腰から親指でグイグイ押してく。そんなに強いちからじゃないからね。
俺のするマッサージは陽気を使って気の巡りを良くしたり血流を良くするだけなんだよね。これをするだけでかなり身体がスッキリする。俺も黒歌にやってもらったんだけどさ、すごく気持ちよかったもん。
「んんぅ………気持ちいいにゃぁぁぁ………」
ご覧の通り黒歌もだらーん、としております。いや、ふにゃんって方が正しいかな? どちらにせよまどろんでいるのには変わりないんだけどね。
マッサージが終わったから残りは二つだね。談笑と好きなポーズでの写真撮影。ちなみに俺と黒歌はベットからソファに移動しています。
「ねぇ黒歌。まだ白音とは会ってないの?」
「………うん。きっかけがさ、ないんだ。甘えかもしれないんだけどね」
「そっか………」
談笑―――――とは言えないかもしれないけどさ、面と向かって話すなんてあまりないからこういう真面目な話をしようと思ってね。
「少し俺の方からもアプローチかけてみるよ。いつまでもこういうギスギスした関係じゃしょうがないしね」
「ありがとうね………」
そう言いながらもたれかかってくる黒歌。俺は黙って受け入れる。受け入れたんだけど―――――
「じゃあ残りの撮影するにゃん」
すぐに立ち上がって写真撮影をするためにクラスの子を呼びに行っちゃったよ。ムードを自分から壊していく黒歌さんマジ小悪魔。小悪魔っていうか本当の悪魔だったね。
黒歌が連れてきたのはクラス長でした。納得と言えば納得だね。クラスで一番しっかりしてるからね。多分他の子だとキャーキャー言って騒がしくなるうえになかなか撮ってくれないだろうし。
「それでは準備を」
クラス長がそう言った。すぐに黒歌が抱き着いてきた。そして一言。
「何枚までOKにゃん?」
「三枚までです」
「じゃあ一枚目はこれでお願いするにゃん」
「かしこまりました」
一枚目のポーズは、黒歌が俺に抱き着いた状態のものだ。黒歌の両腕が俺の首に回されて、その、ね………胸で俺の腕を挟み込んでる。
二枚目のポーズは、黒歌が両腕を上げて俺の首の後ろでクロスさせて、俺は片腕で黒歌を抱いた。どっかのプロモーションビデオにありそうなポーズだね。
三枚目のポーズは、お姫様抱っこだ。王道ですね。
「楽しかったにゃん」
「よかった………これでつまらなかったって言われたらどうしようかと思ったよ」
「ふふふ………
それだけ言って黒歌は帰ってしまった。さ、最後にそんなことを言うのは卑怯だと思うんだよなぁ………
†††
学園祭も終盤だ。校庭でキャンプファイヤーして、その周囲でオクラホマミキサーをやってる。ちなみに俺もやってる。ペアは結衣さんだ。結衣さんの方から組もうって言ってくれた。
「ねぇ
「何? 結衣さん」
「この前さ、おじいちゃんと
「………盗み聞きしてたの?」
「ごめんね。でもさ、私に関係あることなんでしょ?」
そこまでわかってるのか。じゃあ話してもいいのかな? 結衣さん自身に関係することだし、最終的にはかかわることなんだもん。でも結衣さんのおじいちゃんが話してないってことはまだ早いってことなのかな?
「おじいちゃんには訊かなかったの?」
「訊けないよ………だって私のことを思って黙ってるんでしょ?」
そりゃそうだろうね。結衣さんみたいにかわいくて美人さんな孫を大切に思わないはずがないからね。
「俺の口から言えるのは、リリンは旧ルシファーってだけ」
「ルシファーって………魔王?」
「そうだね」
しかもサーゼクスやアジュカと同じ超越者。俺の
「それが橘家の敵?」
「そうなるね。先祖代々の」
「そっか………」
「今戦っても絶対に勝てないから相手しちゃダメだよ」
そう言うと結衣さんは身体をビクッとさせた。さては探し出して相手しようとしてたね。
「そんなに強いの?」
「文字通り次元が違うね。多分今の結衣さんが戦ったら三秒で死ぬ」
「そんなに!?」
「そうだよ。俺だって逃げ切れるかわからないし」
サーゼクスを相手にしてるようなもんだよ? アジュカを相手にしているようなもんだよ? あいつら相手にするのと変わらないのに逃げ切れるとでも? まぁサーゼクスとアジュカからはどうにかして逃げ切れたけど。
「結衣さん、今はそれより楽しもうよ」
「そうだね………うん!!」
そう言ったのが間違いだったのかな………俺がオクラホマミキサーを終えたのは学園祭が終わったのと同時だった。
クラス長………完全で
原作10巻が終わりました。次は11巻ですね。
オーフィスちゃんの出番です。
そして黒歌さんの………
11巻分はいろいろありそうですね。
この『絶対☆領域』の番外編みたいな感じの『絶対☆領域~もしもの御話集~』っていうのも投稿しました。よかったら読んでください。