少し文章が堅くなる程度ですけどね。そっちの方が個人的には読みやすいと思うんですよね………なんで柔らかくしちゃってたんだろう………
アザゼルからイッセー達が受けた中級悪魔の昇格試験のお疲れ会に参加しろと言われた。正直、面倒だから断った。でも、オーフィスが会話を聞いていたのか、行きたそうなオーラをだしてたので、行くことにした。
黒歌だけお留守番―――――いつもならそうだった。でも今日は連れて行くことにした。いい加減白音と仲直りしてもらいたいからアクションを起こすことにした。そうしないといつまで経っても仲直りしてくれなさそうだし。いや、できないのか。
俺は狐のお面に軍服みたいな外套を纏った
アザゼル達は先にホテルで酒を飲んでいるらしい。だから簡易転移魔法陣が描かれた木札を渡された。黒歌がいるから必要ないんだけどね。
木札を使う前に、《
『それじゃあ行こうか』
「わかったにゃん」
「わかった」
木札に気を流し込む。すると、俺、黒歌、オーフィスの足下に漆黒の魔法陣が一つ展開された。どことなく黒歌が俺にくれた簡易転移魔法陣が描かれた御札に似てる。
一瞬で景色が変わった。
「おう、やっときたか」
アザゼルが言った。どうやら無事に転移できたようだ。
部屋を見回してみると、グレモリー眷属がギャスパーとロスヴァイセさん以外揃っていた。あとはイリナさんか。
「どうして………どうして姉様がここにいるんですか!!」
白音が叫んだ。そりゃそうだろう。今まで一切会わなかった、しかもはぐれ認定を
黒歌は俺の外套の裾をつまんでいる。………もどかしいな。しょうがない、ここはアザゼルにも一役かってもらうか。
『アザゼル、説明できるだろ? サーゼクスから話聞いてるんだから。してくれない?』
「えぇっ!? まさかの俺任せかよ………」
アザゼルは嫌そうに言った。
「しょうがねぇ………いいか小猫? 黒歌は―――――」
「待つにゃんアザゼル。やっぱり自分で言うにゃん」
黒歌は少し震えながら言った。そりゃあ、わかるさ。声音が少し震えてるもん。拒絶されたらどうしようとかいろいろ考えるさ。
「―――――白音」
「………なんですか姉様」
「アイツは最低の主だったにゃん。アイツは―――――」
†††
うまくいったようである。さっきまであったリアス・グレモリーの警戒心が収まってるからね。あの理由を聞いたらほとんどに人が納得するだろう。俺はそんなの関係なく黒歌を助けたけど。ていうか知らなかったら。
黒歌と白音は今まで時間を取り戻すようかのように二人で会話をしている。とても微笑ましいよ。
そして俺はというと………
『はい、あーん』
「もきゅ、もきゅ………美味」
『おー、よしよし』
「んんっ」
オーフィスで和んでる。萌えてる。至高の時を、過ごしてる。ただオーフィスにあーんして食べさせてるだけなんだけどね。それがまた和むんだよ。それだけで十分だろ? 言わせんな。
オーフィスにあーんしながら周りの会話が聞こえてきたんだけど、新たに
発見された
《
アザゼルの話では
これで悪魔陣営に
俺はここまで聞いて意識をオーフィスに戻した。オーフィスがじーっと俺のことを見てたからだ。心ここに非ずっていうのがバレたのかな?
誤魔化すように頭をなでると、オーフィスは気持ちよさそうに目を細めた。萌えるねぇ………
そしてその時だった。全身をぬるりとした嫌な感覚に包み込まれた。この場が一瞬で変化した。同じ風景なのにまるで違う場所に瞬時に転移したかのような錯覚。
間違いない。《
†††
ホテル内のレストランを飛び出していく。メンバーはレストランにいた者全員。
全員が全員全力疾走している中、オーフィスは俺の背中にくっついていた。所詮、おんぶってやつだ。重くないからいいんだけどね。
建物内から人の気配が一切消えているところから考えるに、ホテルのレストランにいる者だけが転移させられたらしい。
イッセー達の後を追いかけていくと、広いロビーに到着した。その近くに備えられた黒いソファーには、堂々と座る二人の野郎の姿がある。そしてそれを確認した瞬間だった。
俺達の元に球状の火炎が飛んできた。位置的に狙いはアーシアさんとイリナさんだ。陰気で火炎を霧散させようと思ったけど、オーフィスが俺の背中から離れて二人の壁になった。さすが無限の龍神だ。
「あ、ありがとうございます」
「………………」
アーシアさんの礼にオーフィスは無反応。アーシアさんが少しかわいそうである。
視線をソファにすわる野郎共に戻す。
曹操と………誰だっけ? 名乗られてないからわからない。いや、名乗られたとしても印象が薄そうだから覚えていないだけかもしれない。
曹操がイッセー達に話かけているうちに俺はある刀を俺の絶対領域内に創造する。創造した刀―――――いや、妖刀は村雨だ。
村雨は、、江戸時代後期の読本『南総里見八犬伝』に登場する架空の刀とされている。抜けば刀のつけ根から露を発生させ、寒気を呼び起こす奇瑞がある。使い手の殺気が高ぶれば水気を増し、人を斬るときに勢いよく流れ刃の鮮血を洗い落とす。
村雨の発する寒気は、陰気をとても相性がいい。寒気と陰気を融合させると結構な破壊力になる。
曹操の視線がオーフィスを捉えた。そして何かを言っている。それにいろいろと付け足すルフェイさん。話を聞いておけばよかったな………全く何の話をしているかわからない。
「曹操、我を狙う?」
首を傾げてそう訊くオーフィス。この動作一つでもかなり萌える。
「あぁ、オーフィス。俺達はオーフィスが必要だが、今のあなたは必要ではないと判断した」
「わからない。けど、我、曹操に負けない」
「そうだろうな。あなたはあまりに強すぎる。正直、正面からやったらどうなるか。―――――でも、ちょっとやってみるか」
曹操はソファから立ち上がると、《
瞬間、曹操の姿が消えた。予備動作なくこの速度を出せるのはすごいと思うね。そして曹操はその聖槍でオーフィスの腹を貫いた。貫通しているね。
「―――――輝け、神を滅ぼす槍よっ!!」
その言葉と同時に膨大な閃光が溢れだした。狐のお面を着けてなかったら目が焼かれてたかもしれない。それほどの光量だ。
でもこれはさすがにマズイ。黒歌は悪魔だから影響を受ける。それも悪い方向で。幸いなことに、オーフィスは俺の絶対領域内に侵入している。勿論、オーフィスを聖槍で貫いている曹操もだ。
『すこしはしゃぎ過ぎだよ―――――「光よ止め」』
聖槍の光は止んだ。だが、オーフィスの腹には槍が貫通したままだ。でもオーフィスは一切表情を変えなかった。血すら流していない。
曹操はゆっくりと聖槍を引き抜いた。だが、オーフィスの腹にはぽっかりと穴が空いただけで、やはり血は流れなかった。そして何事もなかったかのようにふさがっていった。
なるほど、これが無限ってことか。無限は削れないってことか。
曹操がベラベラと何かを話しているようだが一切無視だ。曹操はオーフィスを狙っているのだ、この程度想定内だろう。ということは、違う方法を考えていて、それを実行に移すはずだ。
そんなことを考えていると、フェンリルもどきの気配が無くなった。その代わり、俺が磔にしていじめた、懐かしき白龍皇の気配を感じとった。どうやらフェンリルと白龍皇を相互転移したようだ。
白龍皇の登場に曹操は苦笑した。白龍皇は曹操と会話を始める。そしてその会話が終わった時だった。
ゲオルグと呼ばれた野郎が、広いロビー全体に巨大な魔法陣を出現させた。
―――――ズォォォォォオオオオオオッ!!
ホテル全体を激しい揺れが襲った。だが流石は高級ホテルだ。全く倒壊する気配がない。
しかし何だこのドス黒くて禍々しいオーラは。初めての感覚だ。
禍々しいオーラを発している魔法陣は巨大なソレが徐々に姿を現していった。
ソレは十字架に磔になっていた。身体はこれでもかって具合に締め上げている拘束具。それが身体中にがんじがらめにつけられていて、その拘束具にも不気味な文字が浮かんでいた。目にも拘束具がつけられているが、隙間から血涙が流れていた。
魔法陣から全身が現れた瞬間、俺は息を呑んだ。
下半身は蛇。いや、鱗だな。東洋のドラゴンのように長細い姿。上半身は堕天使で下半身がドラゴン。この時点でもう予想は出来る。その他にも、両手、尾、全身のありとあらゆるところに無数の太い釘が撃ち込まれていた。
「オオオオオオオオオオォォォォォォォオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォオ………」
ソレから発せられた不気味な声は、ロビー一体に響き渡った。牙むき出しの口からは血と共に唾液が吐き出された。とても気持ち悪い光景である。生理的に無理だわ。
「曰く、『神の毒』。曰く、『神の悪意』。エデンにいた者に知恵の実を食わせた禁忌の存在。今は亡き聖書の神の呪いがいまだに渦巻く原初の罪。『
やはりサマエルか………厄介なものが出てきてしまったな。赤龍帝に白龍皇、それにオーフィスとドラゴンづくしのパーティーなんだぜ? 相性が悪いにも程がある。
アザゼルはハーデスが何とかと言っているがそれどころじゃない。
このままでは萌えの権化であるオーフィスが危ない!!
黒歌とも仲良くなり始めたんだ。こんなところで失ってたまるか!! まだまだしてもらいたいコスプレがある。まだまだ観測していない絶対領域がある。まだまだあの太ももを味わいたい!!
「―――――喰らえ」
凄まじい速さで何かが俺の隣りを通り、バグン!! という何かを飲み込んだような音が聞こえてきた。隣りを見なくても俺の絶対領域内にいるから分かる。
オーフィスがサマエルに捕食された。
それを確認した瞬間、俺は『疑似オーフィス』と念じ、サマエルの捕食体に直接創造する。それと同時に『オーフィスを俺の絶対領域内に強制転移』と念じる。それと同時に、『オーフィスに完全無欠のステレスを』と念じる。
何が起こったかと言うと、俺が創造した疑似オーフィスが本物のオーフィスの代わりにサマエルに捕食されている。そしてオーフィスは俺の背後に周りから全く感知されずに存在している。と、いうことだ。
俺の絶対領域内にオーフィスが侵入しているから情報が流れてきたけど………ギリギリで無限のままでいる。本当にギリギリだ。あと0.00000000001秒でも遅れたアウトだったな。
危なかった………オーフィスが無限じゃなくなるといろいろと面倒なことになるだろうし。世界のバランスが乱れるよね。
オーフィスの無事を確認したので、辺りを見回して現状を把握する。………なんか曹操が神々しくなってる。すごく光ってる。
「これが俺の《
「―――――ッ!! 亜種か!! 《
「俺の場合は転輪聖王の『転』をあえて『天』として発現させた。そっちのほうがカッコイイだろう?」
「気をつけろよ、あの
白龍皇が言った。七つの能力があると。ただその能力がどのようなものかはわからないらしい。
だが関係ない!! 俺は萌えの権化であるオーフィスのために一肌脱ぐぞ!! まだ見ぬ絶対領域を観測するために………曹操!! お前を討つ!!
《
前の話と比べるとかなり文章が堅くなったと思いますが、これが本来の書き方です。
現在一くん、オーフィスに甘々です。
原作を知っている人は知っているでしょうが、この後黒歌が、ね? 結構重要なアクションです。
2014/11/07 「―――――輝け、髪を滅ぼす槍よっ!!」→「―――――輝け、神を滅ぼす槍よっ!!」に変更。