一領域目 俺と結衣さんの実践演習
シャルバを消滅させてから数日が経った。ここ数日は
上級悪魔が俺を眷属にしようと、手紙を送ってくるのだ。サーゼクス経由なので、キナ臭いのは全て弾いてあったが、それでもかなりの量だった。もちろん全てポイだ。悪魔になる気は無い。それに悪魔になるとしても『
他には、リアス・グレモリーとその眷属にグチグチ言われた。白音はある程度気づいていたらしく、そこまで大きな反応はしてなかった。あと、強制的にオカルト研究部に入部させられた。結衣さんと一緒に。
結衣さんのことも話したさ。もちろん結衣さんの許可を取った。橘家とリリンの因縁と結衣さんが持っている
今日もいつも通りに学校に来た。いつも通り神話を読み、結衣さんと会話をし、教師がホームルームを始める。ただ、イッセーとその取り巻きがやけにうるさかった。
そして現在―――――放課後である。
俺と結衣さんはオカルト研究部の部室に来ている。俺達の他には、リアス・グレモリーとその眷属。レイヴェルとイリナさんにアザゼルがいる。
ソファに座る俺達を確認したリアス・グレモリーが、ソファから立ち上がって話し始めた。
「さて、皆、今日集まってもらったのは他でもないの。今日から例の件、魔法使いとの契約期間に入っていくわ」
魔法使いは、基本的に自分の魔法研究を障害に渡って磨き続ける『魔』の探究者らしい。
黒、白、召喚、精霊、ルーン文字式、地域ごとの術式、その他にも多くの魔法があり、そのなかから自分なりのテーマを決めて、一生そこを磨く。
魔法使いが悪魔と契約する理由は大きく三つあるらしい。
一つ目は、用心棒としてだ。いざというとき、バックボーンに強力な悪魔がいれば、いざこざに巻きこまれたときに相手先と折り合いがつけられるからだ。
二つ目は、悪魔の技術と知識を得るためだ。もっと深く言うと、冥界の技術形態だ。魔法使いが研究に使うためにそれらが効力を発揮するからだ。
三つ目は、己のステータスにするためだ。協力な悪魔と契約するだけで、それは大きな財産となる。
俺にも契約の持ちかけが結構な量来ているらしい。もちろん全部断った。ポイだ。当たり前だろ。理由からも分かるように、魔法使いの利益が多すぎる。
俺が魔法使いの力を借りる機会はあるのだろうか?
俺がそんなことを考えている間にも、目の前では選考が始まっている。さっきまで知らない声が聞こえたなって思ったらこれだ。ていうか今日ここに来た意味なくないか? 俺も結衣さんも魔法使いとは契約しないんだし。
結局今日は魔法使いの選考は終わらなかった。
†††
俺、黒歌、結衣さん、は、兵藤家に来ている。黒歌が白音とギャスパーに仙術を教えるらしいのだ。それについてきたというわけだ。
ちなみにまだ魔法使いの選考は終わっていないらしい。つくづく、悪魔じゃなくて良かったて思った。
俺と結衣さんは
俺は《
結衣さんは結衣さんで、ブリューナクをブンブン振って―――――待て。待て待て待て。stayだ。
「結衣さん………なんでブリューナクを振り回してるの?」
「だって一くんなら大丈夫でしょ?」
「え………?」
「それにブリューナクで実戦練習ってなかなかできないから」
俺に死ねと? いや、俺の絶対領域があるから死なないが、ノックバックはあるんだぞ。それにトラウマになるわ。
こっちは刃を潰した槍を使うのに対して、結衣さんはブリューナク………勝てる気がしない。
「それじゃあ行くよ!!」
「ま、待って!!」
「ハアァァァァァ!!」
「ア―――――ッ!!」
ふざけてる場合じゃない。本気を出さないと殺られる。唯一の救いは、結衣さんの目からハイライトが消えていないことだ。消えていたら難易度はルナティックどころの話じゃなくなからな。
気で身体強化をする。ついでに槍にも気を流す。これをしなかったら一撃で槍はコナゴナだ。
結衣さんがブリューナクを横なぎに振るう。穂先からレーザーが五つこっちに向かってくる。それを全て弾―――――いてると近づかれて攻撃されるので、全て紙一重で回避する。
俺も負けじと槍を横なぎに振るってそれと同時に気弾を放つ。その瞬間、ノックバックで弾き飛ばされた。背後を見ると、レーザーが四つ。あぁ………追尾式でしたか。
周囲に漂っている陽気をかき集めて、盾の形にとどめる。その盾でレーザーを受け止める。
どうにか受け切ったと思ったら、結衣さん自身が出て来た。結衣さんの瞳からハイライトが消えているのは気のせいだと思いたい。
左右左右と連続で刺突してくるので、槍をクルクルと回して防ぐ。そしてそのままブリューナクの柄を穂先で刈り取るようにして弾く。
そのまま結衣さんの首元に穂先を向けてフィニッ―――――
「テヤッ!!」
「ぐふっ………」
―――――シュ。とはいかなかった。水月に綺麗に掌底をいれられた。ノックバックだけで済んだのが不幸中の幸いだ。
ゴロゴロ転がるのを無理やり止めて立ち上がる。すると今度は三〇の鏃が降りかかってきた。どうやら結衣さんはゲイ・ボルグを創造して投擲してきたようだ。
さすがにただの槍じゃあ対処できない。すぐに『エクスカリバー』と念じて、創造する。俺に右手にエクスカリバーが収まったのを確認して、すぐに『
これには結衣さんも驚いたようで、一瞬だけ動きが止まった。そしてその一瞬を見逃さない俺ではない。
気弾を結衣さんの足元目がけて放ち、駆け出す。走っている間に『
この双剣はただの双剣じゃない。柄頭から鎖が伸びていて、互いに繋がっているのだ。しかもこの鎖は伸縮可能だ。
左手に握っている剣を結衣さんの足元目がけて投げる。それに反応した結衣さんがブリューナクを創造して弾いた。
だが、無駄だ。
右腕を思いっきり左に振り、飛んで行った剣を操作する。剣は鎖に引っ張られ、結衣さんの右足に絡まる。
思いっきり右腕を上に振り上げる。すると結衣さんが上に浮かび上がる。結衣さんが鎖を切ろうとブリューナクを叩きつけるが、力がうまく伝わらないのか鎖は切れない。
右腕を思いっきり振り下ろすのと同時に結衣さんに向かって走る出す。
「はい、俺の勝ちね」
「う、うん………」
さすがに地面に叩きつけるわけにはいかないので、『衝撃の無効化』と念じながら結衣さんをキャッチした。現在進行で結衣さんをお姫様抱っこ中である。
結衣さんを下ろしながら、エクスカリバーを霧散させる。
「はぁ………結衣さん強すぎ。エクスカリバーの能力が無かったら勝てなかったよ」
「逆に言えばエクスカリバーの能力があれば私に勝てるんでしょ?」
結衣さんが拗ねたように言う。
「いやいや、次やったらどうなるかわからないけどね」
「どうして?」
「いや、結衣さんの動きが戦ってる最中に良くなってきたからさ」
「そう?」
「驚くくらいに」
本当に驚いた。だってエクスカリバーを使わないといけなくなったんだぞ? 最初はただの槍だったのに。これだけでもかなり大きな進歩だろ?
水分補給をしたら、少し休憩してすぐに次の修行に入る。
結衣さんは立華流の確認。俺は
この先もしも、もしもの話だけど、
今までは周囲に満ちている陽気と陰気のみを混ぜたものだった。今回はそこにじぶんの気を混ぜてみようと思う。
まずは周囲に満ちている陽気と陰気を集める。
右手には
そしてそれを融合させる。
陽気と陰気が融合したソレは、
徐々に自分の気をソレに流し込んでいく。
―――――ジリッ!! ジリジリッ!!
純白になったソレは、空間を軋ませ始めたのだ。それを確認した俺は瞬時に霧散させた。それが間違いだった。
―――――ドオォォォォォォォォォンッ!!」
ソレは爆発したのだ。爆発に巻き込まれた俺は、瞬時に『消えろ』と念じて爆発を消滅させる。多分あのままだったら、結衣さんも巻き込んでたと思う。ギリギリセーフだ。
「貴方は一体に何をしていたのかしら?」
声がする方を向くと、そこにはリアス・グレモリーがいた。………すごく怒っているようだ。
「それは教えられない」
「どうしてかしら?」
「俺の奥の手だから」
「そう………」
案外簡単に引いたな。もっとしつこく聞いてくると思ったのだが………まぁそれならそれでありがたい。
リアス・グレモリーはどうやら俺をまだ信用しきっている訳ではなさそうだ。それは黒歌、結衣さんも同様。まぁ俺達もそこまで信用はしていないんだけど。
しかし難しい。自分の気を混ぜるだけなのに、あそこまで難しいとは思わなかった。要練習だ。ひたすら練習して慣れるしかない。
アレを完全に制御すれば、かなりの武器になるんじゃないか? ていうか、アレを対象にぶつけたらどうなるんだろう? 塵も残さず消し飛ぶのかな? なかなか試す機会がないからな………
課題が山積みだな………
2014/11/16 『バックボーンに協力な悪魔がいれば』→『バックボーンに強力な悪魔がいれば』に修正。