絶対☆領域 【凍結】   作:-Msk-

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はっちゃけた?


四領域目 俺は報酬の分は働く

 少し俯いているソーナ・シトリーに腕を掴まれる俺。その俺と手をつないで、口をぷくーっとさせている結衣さん。なんだこれ。

 

 

「放してくれない? 帰りたいんだけど」

「協力………してくれ―――――」

「ませんけど? 嫌ですけど」

「―――――最後まで言わせてほしいのですが………」

 

 

 今までの流れから分かる。協力? するわけないだろ。なんで奉仕作業しないといけないんだ。俺はそこまで聖人君子じゃない。タダ働きは嫌だ。ボランティアは嫌だ。

 

 

「では依頼します。上級悪魔である、ソーナ・シトリーとして」

「………へぇ? 俺は高いよ?」

「報酬は―――――」

「なん………だと………!?」

 

 

 俺にだけ聞こえるように、報酬を囁いた()()()()()。これはやるしかないな………ま、多少はね。

 

 

「いいよ。受ける」

「ありがとうございます………」

 

 

 ソーナさんの顔が真っ赤だ。でもこれはこれで萌える。くっくっく、楽しみだ。さーて、どうしてやろうかな。

 

 

「よし、さっさと行こう。それで、さっさと終わらせて、さっさと帰ろう」

 

 

 そして報酬を貰おう。

 

 

 

†††

 

 

 

 敵から指定された場所は駒王駅の地下ホーム。地下ホームは無いはずだが、どうやら悪魔限定で解放されているらしい。

 

 悪魔のみんなは、どうして地下ホームに侵入できたのかをぶつぶつ話していた。まぁ俺には関係ないので全て聞き流したけど。

 

 エレベーター前に集合する俺達。ソーナさんが皆を見渡すように言う。

 

 

「この駅周辺を天界、冥界のスタッフが囲んでいます。冥界のグレモリー領にある、列車用の次元の穴も封鎖しました。相手は何を考えているか、未だに真意は判明しませんが………あとは私たちが直接会いに行くだけです」

 

 

 ソーナさんが説明をしている間に、俺は《桃源郷の探索者(エクスプロール・シャングリラ)》を発動させた。俺を中心とした半径5.040m―――――俺の絶対領域の展開も確認した。

 

 俺の準備は万端だ。皆の準備も万端だ。敵はもう袋のネズミだ。逃げ道はもうない。

 

 グレモリー眷属の指揮は、ソーナさんが執るらしい。リアス・グレモリーに一任されたとか。

 

 ソーナさんは、ゼノヴィアにエクスカリバーの七つの能力の使えるものを訊いた。それに対してのゼノヴィアの答えは、『擬態(ミミック)』、『透明(トランスペアンシー)』、『天閃(ラピッドリィ)』は使えるらしい。だが、使いこなせているレベルではないらしい。『夢幻(ナイトメア)』、『祝福(ブレッシング)』はゼノヴィアさんとの相性が悪く、辛いと。『支配(ルーラー)』に関しては論外だそうだ。

 

 それに対するソーナさんの答えは、必要以上の威力は控えるというゼノヴィアさんには不可能に近いものだった。

 

 

「そういえば一くんもエクスカリバーのレプリカを使ってましたよね? 能力は幾つ使えるのでしょうか?」

「全部」

「………はい?」

「だから全部だよ。七つ全部、全て、オール」

「そ、それは心強いですね」

 

 

 ゼノヴィアさんから負のオーラが湧き出ているけど気にしない。気にしたら負けだと思う。

 

 あぁ、そういえばソーナさんは新たに眷属を二人増やしていた。

 

 ルー・ガルーっていう大学生の野郎と、ベンニーアという死神っ娘だ。ルー・ガルー―――――通称ルガールが『戦車(ルーク)』で、ベンニーアが『騎士(ナイト)』だそうだ。なかなか曲者を集めたと思うのは俺だけじゃないと思う。

 

 二人は今回は外でバックアップをしてもらうようだ。理由はソーナさんのみぞ知る。

 

 ここで、問題が一つ。イッセーの《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》が万全に機能しないらしく、使えるのは倍化と譲渡だけらしい。いざって時に役に立たない野郎である。

 

 そんなこんなで地下に来た俺達は、冥界行の列車用に建設さらたらしいホームを進んでいく。

 

 広い空間を抜けて、右に左に通路を進んでいく。そして不穏な気配を察知した。今歩いている通路の先に敵がいるな………

 

 皆がアイコンタクトで何かを確認して、陣形をつくっているのを横目に俺は結衣さんを見ていた。

 

 雰囲気が今までとは違うのだ。普段より研ぎ澄まされていて、とても鋭い。纏っていきが研ぎ澄まされた刀のようなのだ。

 

 皆の準備が終わり、いざ突撃―――――その時だった。

 

 

「ゲイ―――――」

 

 

 結衣さんの声だ。手には紅い槍を持って半身を引いている姿がそこにはあった。

 

 これはもしかしなくてもゲイ・ボルグを投擲する気だ。

 

 

「―――――ボルグ」

 

 

 結衣さんの手から離れたゲイ・ボルグは、三〇の鏃となって敵へ飛んで行った。それを呆然と見ているのは、俺以外の全員。丁寧に口まで開けている。

 

 そういえば結衣さんの神器(セイクリッド・ギア)の能力も誰も知らないんだよな。なら当たり前の反応か。

 

 敵はまだまだ残っている。俺も報酬分はキッチリ働かせてもらおう。

 

 アザゼルからもらった簡易転送魔法陣がかかれた御札を取り出し、気を流し込む。魔法陣が展開され、そこから対戦車仕様のフルオートライフル―――――メタルイーターM5が出現した。

 

 メタルイーターM5は、湾岸戦争では2000メートル先の戦車を爆破した伝説を持つ対戦車ライフル、バレットM82A1に無理矢理連射機能を追加したものだ。その全長は184cm、銃弾には徹甲弾を使用。水冷式冷却装置が装備されているので、フルオートでぶっ放し続けても大丈夫だ。限度? そんなものアザゼルマジックで全て解決だ。威力が強すぎ、ヘルメット程度であれば発射時の反動で粉砕してしまう程。そして、あまりに反動が大きいので大人でも扱うのは難しい。

 

 銃弾に関しては、マガジン内にかいてある転移魔法陣が常にグリゴリの弾薬庫から補給してくれるから撃ちっぱなしにしても問題なし。

 

 

「ソーナさん、絶対に俺より前に出ないでね。蜂の巣になるから」

「わ、分かりました。他の皆にも伝えます」

 

 

 顔を引き攣らせながら言うソーナさん。多分メタルイーターM5が原因だろう。いくら悪魔でも、こんなものはそうそう見ないからね。人外共はこういう科学技術を進化させて力を得るんじゃなくて、もともとある血筋の力を高めていくからね。

 

 

「レッツパーリィー」

 

 

 ―――――ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

 

 トリガーを引きっぱなしの撃ちっぱなし。ひたすら(まと)目がけて撃つ。それに対して、敵は防御魔法陣で防御をしているが―――――

 

 

「無駄無駄無駄ァ!!」

 

 

 防御魔法陣を撃ち砕いて、奥にいる敵を撃ち抜いていく銃弾。鮮血が舞い、床が赤く染まっていく。少し気持ち悪いな………

 

 まだまだ残っているので、トリガーを引いて撃ちまくる。段々と、敵だけではなく床や壁に着弾していき、大きな穴が空いてきた。

 

 

「一くん!! もう大丈夫です!! 撃つのをやめてください!!」

 

 

 ソーナさんが俺の耳元で叫ぶ。射撃の音がうるさくて聞こえにくかったが、どうやらやめてもらいたいようだ。

 

 トリガーから指を離す。そして立ち上がり、ソーナさんの方を向く。

 

 

「これでいいの?」

「はい………見てください。誰一人残っていません」

 

 

 真っ赤に染まった床や壁を指さしながら言うソーナさん。かなりスプラッタなことになってるね………自分でやっておいて何だけど、すごく………気持ち悪いです………

 

 

 

†††

 

 

 

 新たに出現した魔法陣を通って転移をしてきたのはだだっ広い白い空間だ。ここに転移して来たのは全員ではない。俺、結衣さん、グレモリー眷属、イリナさん、ソーナさん、匙だ。敵から要望があったらしい。

 

 残った生徒会のメンバーは捕えた魔法使い達を、上で待機している三大勢力のスタッフの人達と冥界に転送するらしい。

 

 そうそう、上でもスタッフと魔法使いの戦闘があったらしい。なんでも、魔女がそとで転移魔法陣を使って意志と土製のゴーレムと召喚した魔物を地下に転送していたようだ。

 

 報酬分は働いたという満足感を感じながら、俺たちはリーダーと呼ばれている者の元に向かっている。

 

 

「ここは次元の狭間に作った工場なのですよ。悪魔がレーティングゲームに使うフィールドの技術の応用です」

 

 

 声のする方を向くと、さっきまでいなかった人影がそこにはあった。

 

 俺達から結構距離がある。装飾がゴタゴタついている銀色のオーブを纏っている誰か。声は若い野郎だ。しかしあんなに装飾が付いていて動きにくくないのだろうか。あぁ、そうか。魔法使いは基本的に動かないもんね。

 

 それからソーナさんと青年の質疑応答が始まった。

 

 どうやら、今回の騒動は『禍の団(カオス・ブリゲード)』が原因らしい。襲ってきた理由はいくつかあるらしく、駒王学園に襲撃をかけて俺の日常を壊したお馬鹿さんは、好奇心に負けて襲撃してきたらしい。

 

 今回の襲撃者達は、『禍の団(カオス・ブリゲード)』に元々所属していた奴と、はぐれ悪魔使いの集団らしい。手を組んでいたというわけだ。

 

 これをソーナさんは予想していた。三大勢力の和平会談を邪魔してきた、魔法使いが使っていた魔法陣の模様が今回の襲撃者が使っている魔法陣と似ているのに気づいたようだ。

 

 結論。今回の襲撃は、若手悪魔の評価が気になって仕掛けてきたもの。

 

 青年の言い訳としては、「若い魔法使いが多いため、自制が効きにくいところがあった」だってよ。少しムッとした俺は普通だと思う。普通に相づちをうって話を進めているソーナさんがおかしいんだ。

 

 さらに上の方々も、『とりあえず、好きにやらせてみろ』という意向らしい。

 

 ここまでが一番目の理由らしい。

 

 二番目のは、培養器の中にあった。培養器の中には、フェニックスのクローンがいたのだ。これにはフェニックスの涙がかかわってくる。

 

 フェニックスの涙の製造方法は、純潔のフェニックス家の者が、特殊な儀式を済ませた魔法陣のなかで、同じく特殊儀礼済みの杯を用意して、その廃に満ちた水に向けて、自らの涙を落とす。涙の落ちた杯の水がフェニックスの涙になる。ただ、落とす涙は心を無にして流さなければいけないらしい。

 

 フェニックスの涙を簡単に製造するために、培養器の中にいるクローンを使っているようだ。

 

 クローンの精度を上げるために、駒王学園を襲撃してレイヴェルを攫おうとしたらしい。

 

 そして最後は―――――

 

 

「あなた達のような強者と戦いたいと願う者がいるので、お相手をしてもらえませんか? 実は私にとって今回の襲撃はそれが主目的でした。魔法使い達の要望を叶えたのは、あくまでも()()()でして」

 

 

 そう言うと、男は俺達との間に巨大な魔法陣が展開されていく。それと同時に、俺の面倒事センサーがビンビン反応している。

 

 展開されている魔法陣………どこかで見たような気がする。あれは確か………そう、ロキと殺りあったときだ。

 

 

「―――――龍門(ドラゴン・ゲート)?」

 

 

 何それ俺知らない。でも名前から想像するに、龍でも呼び出すのか? それならご遠慮したい。

 

 

「………えーっと、緑? 緑を司るドラゴンは確か五大龍王の一角、玉龍(ウーロン)!! どうして、玉龍(ウーロン)がここに!?」

 

 

 玉龍(ウーロン)………知らんがな。五大龍王ってことは、少なくともタンニーンと同じくらいの実力はあるはずだ。だがどうしてだ? 魔法陣から感じる龍の覇気は、タンニーンのソレを超えてるぞ?

 

 

「………いえ、あの色は緑ではありません………さらに深い………緑色………」

 

 

 ソーナさんが首を横に振りながら言う。確かに緑というよりも、深緑か………

 

 

「深緑を司るドラゴンっていたっけ………?」

 

 

 イリナさんがぼそりと呟いた。

 

 

「―――――いたのですよ。過去に深緑を司るドラゴンがね」

 

 

 銀色のローブの男がそう言い放ち、龍門(ドラゴン・ゲート)の魔法陣が輝きを深くし―――――弾けた。

 

 ―――――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

 

 どうやら俺のセンサーは素晴らしい感知性能らしい………

 

 眼前に出現したのは、浅黒い鱗をした二本足で立つ巨大な龍。太い手足に、鋭い爪と牙と角。かなり大きい両翼を広げ、長くて大きい尾。

 

 これは―――――さっさとサヨナラしてもらいましょう。

 

 

禁手化(バランス・ブレイカー)!!」

 

 

 叫ぶのと同時に、俺の服装が変わる。黒いチノパンはホットパンツに、靴下は黒ニーソに。

 

 すぐにアザゼルからもらっていた魔獣封印用の宝玉を懐から取り出す。

 

 

「グハハハハハハハ。久しぶりに―――――」

「出てきたところ悪いけど―――――『封印』」

 

 

 言葉を遮って、『宝玉に封印』と念じる。現れた龍は、霧状になったと思ったらし、宝玉に集まっていって吸収された。 

 

 

「え? 何か悪いことした?」

 

 

 みんなの目が点になっている上に、口をポカーンと開けている。

 

 俺は正しいことをしたつもりです!!

 




最近寒くなってきましたね。皆さんも体調管理はしっかりしてください。
自分はもうインフルの予防接種をしましたよ。
今年のは去年のよりも若干痛かったのは自分の気のせいかな?

2014/11/21 大量の誤字を修正。
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