絶対☆領域 【凍結】   作:-Msk-

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三領域目 俺の予想よりちょっと上かな

『じゃあ小猫ちゃん。魔力を使った攻撃力強化の方法を見せるね』

「………よろしくお願いします」

 

 

課題とそれを克服するための一応の鍛練方法を教えた後、白音に魔力を使った攻撃力強化の方法を教える為に少し開けた場所へ来ていた。

 

正直、俺は魔力がほとんど無い。せいぜい空中に50cm×50cmの足場を数個創れる程度だね。だから戦闘中に魔力を使うことが滅多にない。

 

多分一回見本を見せたら魔力切れるね。まぁ別にいいんだけどさ。気があるから万が一戦闘になっても相手はできるからね。

 

桃源郷の探索者(エクスプロール・ジャングリラ)》を発動させて、俺を中心とした半径5.040m―――――俺の絶対領域に人型の人形を創造する。あくまでも的だから全身真っ白だ。

 

右腕を引いて、一気に真っ直ぐ振り抜く。的に拳が触れた瞬間、全身の魔力を一気に拳から放出する。イメージは斬撃だね。

 

結果、的はまるで剣に斬り裂かれたかのようにズタズタにされていた。

 

 

「………すごいです」

 

 

白音が呟いた。確かに凄いよね。俺も初めてやったときは思ったもん。まさかここまで脳内で考えたことを再現できるとは思いもしてなかったし。

 

 

『まぁこんな感じに()()()()()なったね』

「………あなたの場合はですか?」

『うん。まずはさっきやったことの説明をするね。さっきやったのは、拳が的に触れた瞬間に全身の魔力を一気に拳から解放したんだ。斬撃をイメージしてね』

「………なるほど。結構簡単そうですね」

『言葉で聞く限りではね』

 

 

言葉で聞く限りは簡単そうに聞こえる。実際はすごく難しいらしい。この方法を黒歌に言ったら、「何でそんなに簡単にできるんだにゃ!! 普通はそんなに簡単にできないにゃ!!」って言われちゃったからね。

 

らしい、って言うのは、俺は簡単に―――――一回目で成功させたからだ。だから何が難しいのか全くわからないね。勝手に頭でイメージしたのが魔力を通じて現実になるだけだからさ。………もしかして俺だけ? こんな風になるのって。

 

 

『さて、じゃあ実際にやってみようか』

「………はい」

 

 

的を創造しながら白音に言う。白音はうなずきながら腕を引いて構えた。そして、

 

 

「………ふっ」

 

 

腕を振り抜いた。拳が的に当たる―――――だけど何も起こらなかった。

 

白音は一体何をイメージして魔力を放出させたんだろう。斬撃? 波紋? 衝撃波? 爆発? それとも―――――これ以上は思いつかねぇ………

 

 

『ちなみに今は何をイメージしたの?』

「………爆発です」

『そう。まぁ練習あるのみだからね。的はここに五〇体置いておくから好きに使ってね』

「………わかりました」

『絶対に無理だけはしないでね。逆に成長が遅くなるからね』

 

 

なんか白音が無理をしそうで怖い。魔力がスッカラカンなのにひたすら絞り出して、ヘタしたら生命力からも絞り出しそうだ。

 

さて、次は朱乃さんのところに行ってみるか。

 

 

 

†††

 

 

 

『朱乃さん。調子はどう?』

「あぁ、あなたですか………まぁまぁですわ」

 

 

朱乃さんは俺が来たせいで若干がっかりしたようだ。俺じゃなかったらがっかりしなかったのかな………ちょっとショック。

 

まぁまぁ、っていうことはダメなんだろうね。身に纏ってる空気もどんよりしてるし。

 

 

『まぁまぁ、ね。ホントに?』

「………全然ですわ」

『やっぱりね。そうだね………電気信号の増幅よりも超電磁砲(レールガン)の方が簡単だと思うよ』

「なんでですか?」

『だって金属を音速の三倍以上で放てばいいんだから』

 

 

ネットで検索をかけて出てきた一番簡単な方法がこれだった。その他は原理を理解できなくはないんだけど、途中で読む気が失せた。長すぎてね………しかも読んでるのが深夜だったからさ、文字がぼやけちゃってね。

 

 

「音速の………三倍以上………」

『うん。まぁ雷より全然遅いから余裕でしょ?』

「それはそうですけど………」

『あれだよ。金属を投げてそこに雷を当てればいいんだよ。ちゃんと向きは考えてだよ? 上から雷を当てても下に落ちるだけだし』

 

 

そうなったらほとんど意味がないね。ただ地形を変えるだけになっちゃう。

 

そういえば金属を飛ばせばいいって言ったけど、朱乃さんの雷に耐えられる金属ってきっと朱乃さんは持ってないよね。しゃーなし。俺が少しだけ創造してあげちゃおう。あくまでも今だけだし。

 

『絶対に壊れない球体の金属』を創造と念じた瞬間、俺の絶対領域内に数個の金属でできた球体が現れた。色は銀色で、いかにも金属っぽい。

 

 

『とりあえずコレを上げるからさ、よかったら練習してみてね』

「ありがとうございます………」

『頑張ってね。あと悩みすぎるのもダメだよ。そのせいでうまくいくこともうまくいかなくなっちゃうからね』

 

 

 

†††

 

 

 

『木場。調子はどう?』

「順調といえば順調でしょうか」

 

 

朱乃さんの次は木場のところに来てみた。だってリアス・グレモリーもイッセーもアーシアさんも俺がアドバイスできることは全部しちゃったからさ、見に行っても邪魔するだけだし。

 

 

『最低でも一〇振りを一秒以内に創造できるようにしないとダメだからね』

「………冗談ですよね?」

『命懸けの戦いの時でも同じことが言える?』

「納得です」

 

 

この世界には一秒以内に一〇回は殺せる者だっている。本当は一〇〇振りは創造出来るようになってもらいたいところなんだよね。そうすれば焼き鳥家の三男の眷属なんて楽勝だからね。一〇振りだと結構時間がかかっちゃうね。きっと。いや、絶対。

 

 

『無理だけはしないでね。療養の時間がもったいないから』

「ははは………理由もあなたらしいですね」

 

 

だってもう終わりかけている今日を合わせて一〇日間しかないんだもん。正直、なんでリアス・グレモリーとその眷属のみんなは焦ってないのか不思議だね。特にリアス・グレモリー。負けたら焼き鳥家の三男と結婚だよ? あれだけ嫌がってたんだからもっと焦ってもいいはずだよね。

 

 

『じゃあ俺はもういくね』

「あ、はい」

 

 

さてさて、結構頑張ってるみたいだから夕食ぐらいは俺がつくろうか。まぁその食事にもいろいろと仕掛けをね。

 

 

 

†††

 

 

 

「ま、負けた………」

 

 

リアス・グレモリーが俺のつくった夕食を口にして言った。うん、バレてないいようだね。みんな夢中になって食べてるし。

 

実は夕食に使った食材は全て俺の絶対領域で創造したものなんだ。自分では食べたことがなかったから味がどうなのかわからなかったら心配だったんだけど………おいしくてよかった。

 

 

『みんな。今日鍛練してみてどうだった?』

「「「「「きつかった!!」」」」」

 

 

みんな同じ感想でつまらないなぁ………まぁ「楽だった」って言われたらそれはそれでちょっと引くけど。

 

 

『そりゃそうだろうね。限界まで魔力と気力と体力を使ってもらう鍛練だからね。まぁ俺の予想通り成長してくれれば焼き鳥家の三男―――――面倒だから焼き鳥ね。焼き鳥の眷属ぐらいなら難なく倒せるはずだよ』

「そこまで成長できるの………?」

『あくまでも俺の予想だから。実際にどうなるはきみ達次第だよ』

 

 

予想を超えて焼き鳥諸共倒せるかもしれないし、予想に届かなくて眷属にも手こずるかもしれない。まぁ俺が出るからできる限りのフォローはするし、どちらにせよ無様な結果にはならないだろうけど。

 

 

「食事を終えたらお風呂に入りましょうか。ここは温泉だから素敵なのよ」

 

 

夕食もデザートを残すのみとなった時にリアス・グレモリーが言った。そのせいでイッセーがはしゃぎだした。

 

 

「僕は覗かないよ、イッセーくん」

 

 

流石木場だ。心までイケメンだね。

 

 

「バッカ!! お、おまえな!!」

「あら、イッセー。私たちの入浴を覗きたいの?」

 

 

リアス・グレモリーの言葉に、俺以外の全員の視線がイッセーに向けられる。

 

 

『女風呂を覗く元気があるんなら鍛練メニューを増やしてもいいよね?』

「覗かない。俺は絶対に覗かないからな」

 

 

イッセーが物わかり良くてよかったよ。

 

ちなみに結局イッセーは女風呂を覗こうとしてた。狐のお面をつけたまま一緒に入ってた俺に腹パンされて沈んだけどね。

 

 

 

†††

 

 

 

今日が鍛練ができる最後の日だ。やっとだ………やっとここまできた。いい加減黒歌に会いたくて発狂しそうになってきた。なんだかんだ言って黒歌と一緒にいると安心するからね。

 

ここまで結構なハプニングがあった。

 

イッセーが筋肉痛でのた打ち回ったり、木場の創造した剣が山のように詰まれていて、休憩中のイッセーがそのうちの一振りを取ろうとして山が崩れかけたり、白音の一撃で地形が変わったり、朱乃さんが黒い笑みを浮かべながら雷を発生させたり、リアス・グレモリーがハイライトがない瞳でぶつぶつ何かを呟いていたり、アーシアさんが気絶するほどイッセーの傷を治してたり。

 

結構シュールだね………振り返ってみて改めて思ったよ。

 

現在、全員がすでにある程度開けた場所に集合している。鍛練の成果を見せてもらうためだ。

 

 

 

『今日が最終日なので、それぞれの成果を見せてもらうね。まずは木場から』

「はい」

『あ、あとイッセーは神器発動させて倍化させておいてね』

「う、うす」

 

 

イッセーが《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》を発動させた。イッセーはこの倍化を含めた総合で見ないと力にならないのは分りきっているからね。

 

視線をイッセーから木場に移す。

 

返事をして一歩前に出た瞬間、木場の周りに結構な数の剣が現れた。一つ一つ数えてみると、合計で二五振りあった。

 

 

『へぇ………いい感じに俺の予想を裏切ったね。合格。次、小猫ちゃんね』

「………はい」

 

 

桃源郷の探索者(エクスプロール・ジャングリラ)》を発動させて、俺の絶対領域内に人型の的を創造する。

 

的をみんなから離れた場所に置く。俺がみんなの場所に戻った瞬間、白音が的に拳を振り抜いた。的に白音の拳が触れた瞬間、的が爆発を起こした。それもかなり大きい。爆風でイッセーが倒れたもん。

 

すごいな………まさかここまでとは………。さすが黒歌の妹だね

 

 

『予想以上だよ。合格だね。次は朱乃さん』

「はい」

 

 

朱乃さんは俺が鍛練用に渡した金属弾を数個投げた。そしてそこを目がけて極小の雷を放った。

 

雷にぶつかった全ての金属弾はオレンジ色に輝きながら真っ直ぐ飛んでいき、木に当たった。木は爆散して、その根元には黒い焦げ跡が残っていた。

 

いいねぇ………でもコレは予想通りだね。

 

合格を言い渡そうとした瞬間だった。俺の絶対領域内に誰かが侵入した。すぐにそちらに目を向けると、そこには身体に稲妻を纏っている朱乃さんが、こちらに向かって雷の薙刀を向けていた。

 

 

『なるほど………そうやって電気信号の増加をしたのか。これまた予想以上だ。合格』

「うふふ。ありがとうございます」

 

 

あ、危なかった………いきなりすぎて『塵になれ』って念じるところだった。急に背後に回るのはやめてほしいな………

 

 

『そろそろイッセーの倍化も十分かな? イッセー、向こうの山に向かって魔力弾を放ってみて。もちろん今までの倍化したのを全て回して』

「う、うす!! いくぞ、ブーステッド・ギア!!」

 

『Explosion!!』

 

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》から音声が鳴り響き、イッセーの魔力が一気に上がった。さすが神滅具(ロンギヌス)だね。イッセーのゴミみたいな魔力量も一気に上級悪魔の下位程度の魔力量まで増やしたよ。

 

 

「いきます!!」

 

 

イッセーが叫ぶのと同時に、イッセーの手の平に米粒ぐらいの魔力弾が現れた。それを山に向かって放り出した瞬間だった。一気に魔力弾は大きくなって、山を全て消滅させた。《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》すげぇ………

 

 

『Reset』

 

 

ここで《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》の力がリセットされたらしく、イッセーがぶっ倒れた。ちなみに気絶はしてないよ。

 

「予想以上ね………」

『俺からしてみればちょうどいいくらいだね。ほら、イッセーを見てみなよ。疲れてぶっ倒れてるでしょ。ということはここまでの倍化はゲーム中は使えないってことになるよね』

「確かにそうね………」

 

 

ここまで倍化をして解放したらイッセーは使い物にならなくなる。という事はもう一回二回倍化をしない状態で戦うしかない。………心配だなぁ。ここまで倍化しえようやく上級悪魔の下位程度の一撃だ。ここまで倍化しなかったせいぜい中級悪魔程度でしょ? 焼き鳥の眷属を倒しきれるかなぁ………まぁ他の眷属もいるからどうにかなるだろうけどさ。まぁ焼き鳥を倒すことはまず無理だろうね。

 

 

『まぁイッセーもギリギリ合格だね』

「ギリギリ………今ので………」

『そうだよ。あとはアーシアさんとリアス・グレモリーだね。アーシアさんは明らかに魔力量が増えてるから合格ね。リアス・グレモリーは―――――』

「これでどうかしら?」

 

 

そう言いながら、リアス・グレモリーはノートを五〇冊ぐらい渡してきた。って持ち切れないだろ!! もちろんノートは地面に置かせてもらいました。

 

ノートを一冊手に取って中を確認する。すごいね、びっしり書いてあるよ。パラパラめくっていってわかったことが一つ。大体一ゲームにつき、一〇ページぐらい書かれていた。それだけ一ゲームから学ぶことがあったってことだろうね。

 

 

『うん、合格』

「そう………はぁ………疲れたわ」

 

 

そうだろうね。ゲームを二つ同時に二倍速で見れば疲れるよね。だんだん目も痛くなってきそうだし。

 

 

『みんな頑張ったみたいだね。それぞれのノルマはクリアしてるしね。あと残すのは焼き鳥とのゲームだ。手加減はいらないし、思う存分に戦ってね』

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

手加減しないで思う存分に戦ってもきっと焼き鳥には勝てないだろうけどね。まぁ焼き鳥は俺にまかせてもらいたいね。俺のことを人間ってだけでバカにしてきたんだからさ。焼き鳥は俺が塵にする。

 

………そう言えばリアス・グレモリーとその眷属のみんなの俺への態度が少し柔らかくなってない? ある程度は信頼されたってことかな?

 

 




レールガンの原理は、『とある魔術の禁書目録』の『御坂美琴』の言葉からいただきました。

2014/07/27 誤字修正
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