三つの選択肢   作:新人作家

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少ないかもです


少年は悩む

 

 リリルカが【ヘスティア・ファミリア】に入団して数日後。ベルがボロボロになって現れるようになった。リリルカが理由を聞いてもはぐらかす一方で、

 

 「(修行が始まったな・・・)」

 

 俺は原作を思い出す。この時期ベルがボロボロになる理由は、【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインとの修行以外他にない。

 ということは、もうすぐミノタウロスと戦闘が始まり、ランクアップを果たすということだ。俺は追い抜かされた時のことを思い、少しばかり焦燥心に駆られる。

 俺もランクアップしてぇなぁ!!

 

 アラン・スミシー(16) Lv.1

 力:D611→D634

 耐久:D601→D622

 器用:E503→E540

 敏捷:D610→D630

 魔力:I0

 

 “魔法”

 “スキル”

 【言語理解】

 ・会話や文字の自動翻訳

 

 【三択からどうぞ】

 ・三つの中から一つ獲得

 ・選んだモノの貯蓄と引出し

 ・一週間後に再選択

 ・貯蓄(1.篭手2.レイピア3.【刀剣乱舞】4.湿布5.バンダナ)

 

 エリス・キャルロ(16) Lv.1

 力:B781→B786

 耐久:B739→B742

 器用:A830→A836

 敏捷:A865→A870

 魔力:C677→C680

 

 “魔法”

 “速度増加”【加速】

 

 “スキル”

 【犬人咆哮】

 ・獣化

 ・全能力値に高補正

 

 相変わらずの伸び率だ。きっかけさえあれば半年以内にランクアップできるんじゃないかな。ベルと組んだら向こうからトラブル来るし。まあ、下手したら死にかけるんですが。

 エリスの場合は伸びにくくなった。理由としてはここらが打ち止め、つまり成長限界だとラクシュミーが言っていたのだ。その事にショックを受けていたようだが、ランクアップが近付いている励まされ、むしろモチベーションが向上した。

 エリスがランクアップしたら、原作で見せたあの地獄のような中層探索も楽になるのではないかと思う。まあ、分断されたら終わりなのだが。

 

 「アランー出発するよー!」

 

 「え、ああ分かった!今行くよ」

 

 おっといけね。考えすぎてた。取り敢えず今日を生き抜くことに集中しないと。俺は仲間のもとへ向かった。

 

 

 

 ───だんだんと、その日が訪れようとしていた。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 【豊穣の女主人】にて。

 

 「なんで皿洗いさせられてるんですか!?」

 

 「あーあ、まんまと引っ掛かったなぁ」

 

 「ごめんなさーい、私の仕事を手伝わせちゃって!」

 

 街中で偶然?出会ったシル・フローヴァに、俺とベルは仲良く皿洗いをさせられていた。助けてくださいって言葉にベルが釣られた形で。

 ・・・なんで俺まで?別に用事なんてなかったけどさ。

 

 「おら、とっとと働くニャ白髪頭、茶髪頭」

 

 「少年達はシルに売られたニャ、観念するニャ」

 

 アニャクロコンビにちょっかい出されつつも、仕事をテキパキこなす。こちとらホームで皿洗い担当なんだよ!WEB予告の出番盗むぞオラ!

 

 「二人とはいえ、この量は凶悪だ。私も手伝います」

 

 「どうもありがとう。え~と?」

 

 知っているが知らないふりを決め込む。そういえばベルは初対面なのかな?ナイフ盗まれてないし。てことは、リリルカはシルから脅されてないのか。

 

 「リュー・リオンといいます。うちのシルが申し訳ありません」

 

 「俺はアラン・スミシー。困った時はお互い様ってことで」

 

 「ありがとうございます」

 

 リューが加わり三人による皿洗いが始まった。俺とリューが洗って、ベルが水気を拭き取って片付ける。二人で行うより効率的だった。

 そんな折り、

 

 「クラネルさん、悩み事ですか?私でよければ聞きますよ」

 

 「え?」

 

 「この際だから喋っておけよ。この先ズルズルと引きずるよりはマシだろ」

 

 そうは言うが、理由は恐らく・・・

 

 「ランクアップって、どうやったら出来るんですか?」

 

 「・・・偉業を成し遂げればいい。人も神々さえも讃える功績の達成を」

 

 ベルの質問にリューが答える。こんなことを聞いた理由はただ一つ。【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインがLv.6に到達したからだ。憧憬に追い付けない焦りから、ランクアップの方法を知りたがっていたのだろう。

 

 「己自身より強大な相手の打破し、上位の経験値を獲得する。これがランクアップの条件です」

 

 ランクアップとは心身の強化で器の昇華と等しく、神々の恩恵は難関な試練を乗り越えた者にしか資格を与えられない。

 

 「でも、強敵と戦ったら普通は負けちゃうんじゃ・・・」

  

 「それを埋め合わせるのが技と駆け引きです。また、パーティを組んで自分達を補完します」

 

 もちろん時間は掛かる。パーティ戦の場合、経験値は分散される。一人で得られたはずの経験値が、人数によって半分、また半分と減っていく。

 

 「貴方が本当に強くなろうとしているのなら、今のパーティを大事になさい」

 

 「はい」

 

 リューは老婆心ですがと付け加え、

 

 「貴方は冒険者だ。貴方が望むものは恐らくその先でしか手に入らないと思います」   

 

 「は、はぁ・・・」

 

 「あまり気にしないでください。私の勘はよく外れる」

 

 そのセリフを最後に、俺達は黙々と作業に取り掛かった。そして、

 

 「ベルさんは冒険しなくていいんじゃないでしょうか。無理はなさらないでください。それだけは伝えたくて」

 

 「・・・」

 

 「すみません。今さら怖気付いちゃって」

 

 『貴方は冒険者だ』『冒険者は冒険しちゃいけない』それはきっと、矛盾の意味を持っている。二人の店員の言葉はしっかりと、ベルの心に刻まれたのだった。

 

 

 

 

 ──以上、途中から蚊帳の外だったアラン・スミシーがお送りしました。

 




次回、シン・ヒロイン
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