三つの選択肢   作:新人作家

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高評価&感想ありがとうございます!それと誤字脱字も助かってます!これからよろしくお願いします。


お酒の恐怖 ※神酒ではない

 

 エリスが無事脱退したので、我ら【ラクシュミー・ファミリア】に入団させるためホームに連れてきた。ウチは少しボロいけど大丈夫か?と聞いたら、ソーマよりマシだと笑顔で言ってくれた。

 家主であり主神であるラクシュミーが帰ってくるまで待つこと数時間。ようやく帰ってきたと思ったら・・・。

 

 「ほ~う?私が留守にしている間に女を連れてくるとはのぉ?お楽しみか?お楽しみなんじゃろこれから」

 

 「いや違いますよ」

 

 「何が違うのじゃ?言うてみろ」

 

 ほら早く、とせかすラクシュミーから、若干の苛立ちが感じられる。まあ、同じ立場なら俺も腹立つが。

 取り敢えず誤解を解くことから始めないと。

 

 「あ、あの!」

 

 「?」

 

 このギスギスした空気の中、隣にいたエリスが口を開く。

 

 「私はエリス・キャルロと言います!【ソーマ・ファミリア】から解放してくれたアランのためなら何でもやります!だから私を【ラクシュミー・ファミリア】に入団させてください!」

 

 勇気を振り絞ったエリスは、最後にお願いします!と言い頭を下げた。これにはラクシュミーも驚くが、

 

 「・・・ふむ。エリスと言ったか?お主の覚悟は充分過ぎるほど伝わった。入団を許可してもよい」

 

 「な、なら!」

 

 ラクシュミーはエリスを認めたようだ。暗かった顔がパアッと明るくなる。

 

 しかーし!

 

 「ただし条件がある」

 

 「じょ、条件・・・?」

 

 「おいおい、俺の時は条件なんて「シャラァァップ」ええ・・・」

 

 「ゴホン。ああ、これを聞き届けてくれるのなら正式に許可するのじゃ!」

 

 ビシィ!という効果音を叩き付ける。それにエリスは唾を飲み込んだ。

 

 「その条件とは──」

 

 

 

 

 「それでなそれでな!アランのやつ、私の留守の間に畑の雑草を取り除いてくれるのじゃ!アイツは知らん顔しとったがバレバレなんじゃよ、誰が土いじりしとると思っとるんじゃ全くぅ!」

 

 「アランやさし~い、でもでもまだありますよ!アランは探索帰りにお腹空いたらジャガ丸くん奢ってくれるんれすよぉ~?私は毎回断るんれすけど、間違えて多くかったから貰ってくれ(キラーン☆)って言うんれすよ~!」

 

 「アランカッコい~い!」

 

 「優しくてカッコいいのが、アランなんれすよ~~?」

 

 「「アハハハハハハハッ!!」」

 

 「なんじゃこりゃ」

 

 ラクシュミーが出した条件とは、俺のことを喋れというもの。必要最低限のことしか報告しない俺について、探索中どんなことしているのかとかを知りたいのだとか。それを肴に、同郷であるガネーシャから強奪・・・譲り受けたお酒を飲みながら喋ってたら二人ともこうなった。

 俺?この二人のテンションに引いてる。てか恥ずかしいし、キラーン☆とか言ってねぇわ!

 

 「おいアラン!酒が足らんぞぉ、もっともってこぉ~い」

 

 「もうないよ」

 

 「なら買ってくるのじゃ!ほらお駄賃上げるから!余ったお釣りはくれてやるのじゃ!」

 

 「子供か俺は!それにこんな夜更けに店は空いてないぞ」

 

 「あ、それなら私が行きますよぉ?子供時代はよくパシられてましたから、足の速さには自信ありますのです!」

 

 「行くな行くな酔っ払い!てか反応しづらいな!」

 

 コイツらは本当に・・・!

 酔っ払い共のダル絡みは、およそ二時間後に寝落ちするまで続いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 そして翌朝。

 

 エリス・キャルロ(16)

 力:E→B766

 耐久:E→B720

 器用:C→A801

 敏捷:C→A847  

 魔力:E→C642

 

 “魔法”

 "速度増加(速まれ)"【加速(アクセル)

 

 “スキル”

 【犬人咆哮】

 ・獣化

 ・全能力値に高補正

 

 「これで契約完了じゃ。存分に励むがよい」

 

 「ありがとうございます!」

 

 エリスはラクシュミーに礼を述べた。彼女は獣人特有のスキルである獣化に加え、超短文詠唱で速度を上げる魔法を所有していた。正直羨ましいが、

 

 「それにしても凄い伸びだな。どれだけ更新してなかったんだ?」

 

 俺は気になったことを尋ねる。上がり幅が凄いので誰でも気になるだろう。

 エリスはスッと指で数字を表す。指は2本・・・2!?

 

 「お前2年も上げてなかったのか!?」

 

 「う、だって更新にはお金が掛かるから・・・。それに更新しに行ってもコイツは金を持ってるってカモだと思われるし・・・」

 

 「「うわぁ・・・」」

 

 改めて【ソーマ・ファミリア】の闇を垣間見た。味方から狙われるとかどんだけだよ。俺もラクシュミーも実情にドン引きである。

 

 「まあなんじゃ。これからはどんどん更新してやるし、アビリティも充分高い。それならば、もうすぐ()()()()()()するのではないか?」 

 

 「ですかね・・・」

 

 ランクアップとは、神々が認める偉業を成し遂げることで恩恵を更なる高みに昇華させること。数値は一旦リセットされるが、積み重ねたものは器に貯金される。その他の条件としてアビリティのどれかがD評価以上である必要がある。

 確かこんな感じだった。エリスはどれもD評価を超えている。ならば可能性は大いにある。

 

 「Lv.2になればもっと先の階層に行けるから、俺も頑張らなきゃな」

 

 アラン・スミシー(16)

 

 力:E530

 耐久:E512

 器用:F420

 敏捷:E501

 魔力:I0

 

 “魔法”

 “スキル”

 【言語理解(コミュニケーション)

 ・会話や文字の自動翻訳

 

 【三択からどうぞ(サード・ワン)

 ・三つの中から一つ獲得

 ・選んだモノの貯蓄と引出し

 ・一週間後に再選択

 ・貯蓄(1.篭手2.レイピア3.【刀剣乱舞】)

 

 (【刀剣乱舞(ソード・ダンス)】)

 ・剣での戦闘時、必要なアビリティに補正

 ・剣術の最適化

 

 そう、俺だって伸び率は(異常なくらい)速いのだ。今はエリスの後ろを着いていく形になるが、それでももっと成長できるはずだ。目指せ半年ランクアップ!

 

 「それより気になったんじゃが・・・」

 

 「え?」

  

 「なんで顔に手形があるのじゃ?」

 

 「ああこれ?」

 

 酔い潰れたラクシュミーとエリスを、適当に寝かせて俺も寝ようとしたら、

 

 『えへへ~、あらんもいっしょに寝よ~』

 

 『え、あ、ちょっ』

 

 エリスに引っ張られて寝かされたのだ。離れようとしても、コイツの力が強すぎて離れられずそのままダウンした。そいでエリスが朝起きた時に、

 

 「叩かれましたね。正直首が捥げるかと思った」

 

 「~~~~~っ!!」

 

 未だヒリヒリする俺の頬、羞恥でカッと赤くなるエリスの顔。面白いもの見たと綻ぶラクシュミーの口元。

 

 「本当にお楽しみじゃったわけか」

 

 「どこがよ」

 

 あ、でも抱き着かれた時はスゲェいい匂いがして何がとは言わないけど柔ら・・・とイカンイカン。

 

 「じゃあダンジョンに行ってくるよ」

  

 「あ、待って。私も行くよ!」

 

 「ああ、気を付けるようにな」

  

 気持ちを切り替えてホームを出た。仲間がいるってのはいいものだ。テンションが上がるわ。

 




祭りはスキップしようかな。
 ベル>>>アラン>>>>>その他。美の女神にとってアランとは、万が一の保険程度にしか考えてない。だから視線は飛ばすが介入はしてこないと思う。

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