三つの選択肢   作:新人作家

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タイトル思い付かなかったので、適当に置いておきます。


脅迫は不敬?そりゃ失敬

 

 「ほうほうこれが・・・」

 

 例の騒動から帰還してすぐ、椿・コルブランドに捕獲された。

 俺はさりげなぁ~く逃亡を試みたが、首もとをガッシリ捕まれ野営地から遠く離れた岩場に連れ込まれた。無力ながら抵抗はしたが、努力虚しく徒労に終わった。(豊かなお胸を堪能したとかそんなんじゃないよ)

 遠く離れたのはエリスみたいな獣人の索敵を躱すためだろうか。もしくは誰にも聞かれたくないとか?はたまた何も考えてないのか。

 考えても分からないので、俺は要望通り彼女にレイピアと篭手を渡した。バンダナはリーダーが持っている。

 

 「・・・」

 

 「ふむふむ」

 

 「・・・」

 

 「なんとまぁ・・・」

 

 声を掛けようか?でも黙れとか言われたら悲しいしなぁ。無言で待つか。

 

 待つこと三十分。

 

 「これをどこで入手した?」

 

 「ふぇっ!? どこでって言われても・・・」

 

 いきなり声を掛けるなよ、ビビったろうが。スキルで手に入れました!とか馬鹿正直に言うわけにいかんしなぁ。適当に誤魔化すか!

 

 「なんか凄いもんなんすか?」

 

 「凄い、たしかに凄い代物ではある。しかし手前が思うにこれは───

 

 ───()()()()()()()()

 

 決して冗談ではないことを、真剣な眼差しから読み取った。武装する冒険者として、武具を鍛錬する鍛冶士としての言葉。返す言葉が思い付かないけど。

 まあ、話半分に聞いとくか。

 

 「それよりお主」

 

 「?」

 

 「シトリーの装備を使っておるのか?」

 

 レイピアから話しはそちらに移った。

 あの娘の興味を引いた相手。遠征に参加した【ヘファイストス・ファミリア】の間で少しばかり噂になっていたそうな。

 ヴェルフ?シトリーの名前しか知らないんだと。

 

 「それどころか専属契約も結びました。結ばされたの間違いか?」

 

 「ハッハッハ!そうかそうか!あの娘が特定の誰かに造るとはなぁ!で?シトリーは同行しなかったのか?」

 

 「『面倒くs・・・コホン。仕事が立て込んでいるから無理』と言ってましたね」

  

 「本音が漏れておるぞ。全く」

 

 まあ、本来の仕事をするようになったのは良いことかと椿は付け加えた。

 後から聞いた話だと現在は衣服や包丁など、生活に関わる日常品を造っているらしく、武具などはしばらく携わってないらしい。

 

 「それには()が関わっているのだが・・・よそう。機会があれば本人から聞いてみるといい」

 

 「そうします」

 

 「では戻ろう・・・深くは聞かんが、それと似た武具を手に入れたら手前に見せろ」

 

 「こ、断ったら・・・?」

 

 「お主のホームに居座る」

 

 「やめろやめろやめろ!」

 

 冗談じゃとゲラゲラ笑う椿だが、

 

 「・・・冗談に聞こえねぇよ

 

 「? 何か言ったか?」

 

 「戻りましょう。みんな心配してると思います」

 

 俺達は野営地に戻ると、待っていたのはリヴェリアさんによる説教だった。椿さんによる犯行だとすぐ分かったので、解放されるのに時間は掛からなかった。

 

 「なんじゃ逢引(デート)か?隅に置けん奴じゃな」

 

 「へぇ~、いいご身分だねアラン?」

 

 からかう主神と、怒気を滲ませる犬人。今宵の夜は長い。

 

 

 ーーーーーーーーーー

 

 原作開始。

 【ロキ・ファミリア】が地上に向かって出発した後、案の定ヘスティア様が誘拐され、モルド達冒険者にリンチされたベルだったが、流れが変わった。もうすぐ反撃するだろう。

 んで、俺はというと・・・

 

 「君は何者なんだい?」

  

 「知るか。ダンジョンでいうイレギュラーなんじゃないか?」

 

 リンチを仕掛けた主犯の後ろを取った。隣には【万能者】がどう動くか決めかねているようで、その気になれば無力化されるだろうから一気に決める。

 

 「神殺しをすれば・・・なんて、つまらない脅し文句が通じる相手ではなさそうだ」

 

 「人殺しは出来そうにないが、あんたは送還されるだけだ。殺したわけじゃない」

 

 「んー・・・。じゃあこれはどうだい?神殺しをすればダンジョンが気付いて「モンスターが生まれる」知っているのか」

 

 驚く素振りを見せるだけでヘルメスの表情は曇らない。お気に入り(ベル・クラネル)を曇らせるぞオラ。

 

 「こちらの要求を呑んでもらおうか」

 

 「その脅しが通じるとでも?」

 

 「レベルを詐称しているよね」

 

 「・・・何か証拠でも?」

 

 「【泥犬(マドル)】が言ってた」

 

 「・・・嘘じゃないな」

 

 「ルルネェ・・・!」

 

 外伝で言ってたよ(ニッコリ

 

 俺の提示した内容は、ヘスティア及びラクシュミーの派閥が負うペナルティの肩代わり。それと()()()()()。覗きに使わないよ決して。

 当然交渉に持ってこようとしたのだが、

 

 「これからもベルを巻き込むんだろ?それならこれくらい何とかしろよ」

 

 強引に黙らせた。【万能者】の答えは主神に払わせますだってさ。流石に顔色が蒼白になってた。ヘルメスざまぁ。

 

 「「!?」」

 

 「あちゃー・・・神威を発動させたかヘスティア」

 

 ヘスティアパワーがここまで飛んできたぞ。神の存在感マジヤバいな。

 そしてダンジョンが揺れて───

 

 「漆黒のゴライアス・・・!?」

 

 「恨んでいるのさ神を。あれは俺達を抹殺するために送られた使徒。アスフィ、アラン君頼んでいいかい?」

 

 「~~~っ!!行きますよ!」

 

 「言われなくても。どうせベル達も行くしな」

 

 俺はお姫様抱っこで運ばれた。大勢の冒険者に目撃された時は恥ずかしかった。

 そして戦闘が始まり、

 

 「アスフィさん!」

 

 「何ですか!?後にしてください!」

 

 「本当は【泥犬】から聞いてないよ!騙してごめんね!」

 

 「はぁ!?ちょ危なっっ!!」

 

 さて、モンスター退治に励もうか。ゴライアス?取り敢えず放置。前半はベル達が頑張るから大丈夫でしょ。ピンチの時にでしゃばろう。そうしよう。

 

 「す、すまねぇ」

 

 「態勢を整えたらモンスターを頼む。俺はなるべく数を減らす!」

 

 「了解だ!仲間を呼んで来るまで持ち応えてくれ!」

 

 アヒャヒャヒャ!経験値置いてけモンスターども!Lv.2やぞこっちは!

 

 「よっと【癒光の羽衣】!」

 

 「こ、これは傷が治ってるのか・・・?」

 

 「まさかあいつがやったのか・・・?」

 

 ついでに負傷した冒険者を治療しとこ。恩を感じてくれよ?この借りはいつか返してもらうからな冒険者ども。

 

 「アラン発見!目を離したらすーぐ居なくなるんだから!」

 

 「あ、エリス」

 

 「ラクシュミー様は避難させたから大丈夫だよ。私はモンスター倒してるけど・・・」

 

 「全然大丈夫だよ。俺もそうしてるから」

 

 「よかった。アランのことだからゴライアスに立ち向かうのかと思ってた」

 

 そう言って胸を撫で下ろし安堵するエリスに、俺は戦闘狂かと心の中で呟いた。まあ、否定出来ないけどさ。

 

 あ、魔導士部隊が一斉に放って、ベルの魔法が頭を貫いた。




ゴライアス戦は略しながら書くかも。特にイレギュラーとか起きんし。

時間が許す限り毒にやられた【ロキ・ファミリア】を治療しました。まあ、特効薬のが速かったね。

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