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アストレア様による事情聴取から一週間が経過した。
男と暮らすことに当然反対はあったが、アストレア様、アリーゼ、それと以外にもリューさんが賛成したことで、彼女達との共同生活を実現できた。
『まずはパトロールから始めましょ。私とリオンのチームに入って!』
アリーゼの言う通り、一週間の仕事は街中を見て回るパトロールだった。未来とは違い、闇派閥による襲撃が頻繁に起こる。敵は······弱かったと言っておこう。恐らくLv.1~2が中心で、戦力を温存したいけどそれでもオラリオを攻撃したい、敵の目論見はそんなところだろうか?
俺からしたら有象無象だとしても、市民にとっては命に関わるほどの脅威だ。決して油断はしない。
これは余談だが、俺のスキル【気配察知】。なんと敵の判別ができるようになったのだ!
······判別とはいっても、特定の個人を追跡できるとか
悪意ギンギンの冒険者を尾行したら、実は闇派閥でしたー、なんて笑えないオチを見せられた。
そして現在、
「前から三人!左右に二人づつ隠れてる!奇襲だ!」
「それなら前方は私がやるわ!」
「ならば左は私達が請け負おう!右は
「了解!」
魔石工場を襲撃していた闇派閥を叩いていた。
【気配察知】のスキルが奴らの居場所を暴く。だから奇襲される前に攻勢に出れている。
「アリーゼ、三番倉庫押さえた!アランの言う通りの数だったぜ!」
「そのまま四番まで制圧!イスカとマリューに指示!ライラは先の区画も押さえて!!」
「数は九人だ!頑張って!」
「おう!」
次々と制圧していった。
「私、索敵担当の獣人なのに···」
「アランを見てると自信を失くすわ···」
ごめんっ!
「くっ、なぜバレた!?」
「気配も臭いだって消したはずだッ!」
「俺のスキルが以下略」
「「な、なんだそれ···ぎゃああああああ!?」」
ふぅーっ、制圧完了。
アリーゼ達も奇襲される前に制圧し、合流した······お?
「お、おのr」
「せい☆」
「ぐぶぅう!?」
伏兵の存在に気付いたので、現れると同時に顔面グーパンチ。壁までぶっ飛んだ。手に持っていた武器に視線を落として冷や汗が出た。
炎の魔剣じゃねーか。工場で爆撃とか危ないからやめろよな。
『──言うじゃないかぁ、糞雑魚妖精ぇ~~~!』
『──くそざこなどと呼ぶなぁぁ!』
「お、またやってら」
手足を縛ってると、ゴジョウノ・輝夜とリュー・リオンの口喧嘩が聴こえてきた。恐らくランクアップしてない以前の自分でも聴こえるような、そんなバカデカイ声で。
一週間過ごしてきて最初こそ驚いたものの(輝夜をおとなしい人、リューさんは未来と変わらない人だと思ってた)、今ではすっかり慣れた。だって
まあ、リューさんが言い合いであんなに声を荒げるのは珍しいと思うし、何より······いや、いいや。俺が言えた義理じゃないし。
他の仲間達はそれを見てるだけだった。···苦笑いで。
あっ、やべ。この気配は!
遅れてやってきた【ガネーシャ・ファミリア】に身柄を引き渡し、俺達はホームに帰っ──
「アリーゼ。私を見るや否やこそこそ帰ろうとするアランを借りてもいいか?」
「え、そんなの
『ここんとこ働き詰めなんです、過労でぶっ倒れますのでご容赦を!』
と、懇願する視線をアリーゼに向ける。アリーゼは俺の気持ちが通じたのかニコッと微笑み、
───いいわよ!」
アリーゼさぁぁぁん!!わざとですか、俺のこと嫌いなんですか!?
「よし。アーディ、連れていけ」
「はいは~い、さあ行こっかアラン。平和のために
「なんかおかしくなかったか、そのセリフ!?てか、引っ張るな!サービス残業で労基に訴えてやるぅ!」
「さーびすざんぎょう?ろーき?なにそれ?ささっ、行こうアラン」
連れ去られるアランを見送り、後にうわああああああん、という
「しっかり働いてくるのよ、アラン!」
アリーゼには鬼かコイツ、という視線を送った。
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工場からパトロールに連れていかれ、その帰り道。
エレンを名乗る男神に絡まれていた。
「問おう、若き英雄候補。正義とはなんだ?」
「······ベル?」
「ん?べ、ベル?あ、おい、ちょっ──···行ったか。ふーむ、ベルって言ったよな?何かのキーワード···いや名前か?それも、あの男の根幹にある大切な者の?少し調べてみる必要があるか」
背後からブツブツ独り言が聴こえたが無視した。眠たいので。
「······」
そんなおかしなやり取りを、屋根から見下ろす影が一つ。
「······
仮面の下にある顔は、果たしてどんな顔をしているのだろうか?予想はできるが、きっと本人にしか分からない。
アストレア、アリーゼ、リューのお陰で何とか住まわせてもらえました。ステータスを公開しました。
①コカ・コーラ(缶)
②扇風機
③米
コーラにしました。徹夜明けのコーラは最高に美味しくて、日本を思い出して感動しました。by.アラン
闇派閥を特定できる→ふむ、地上に居る闇派閥を一掃できるかもな、と目を付けられる→パトロール&パトロール。帰りは深夜を過ぎることも→見逃すことなく成果を挙げるのでさらに目を付けられる。
アランは短時間だけ寝れる。エインさん、寝れない。地上と地下を行ったり来たりの繰り返し。