三つの選択肢   作:新人作家

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一ヶ月前に書いて放ったらかしにしてたやつです。編集とか当然してないです。

編集しました。


IF 工場見学

 

 アストレア様による事情聴取から一週間が経過した。

 男と暮らすことに当然反対はあったが、アストレア様、アリーゼ、それと以外にもリューさんが賛成したことで、彼女達との共同生活を実現できた。

 

 『まずはパトロールから始めましょ。私とリオンのチームに入って!』

 

 アリーゼの言う通り、一週間の仕事は街中を見て回るパトロールだった。未来とは違い、闇派閥による襲撃が頻繁に起こる。敵は······弱かったと言っておこう。恐らくLv.1~2が中心で、戦力を温存したいけどそれでもオラリオを攻撃したい、敵の目論見はそんなところだろうか?

 俺からしたら有象無象だとしても、市民にとっては命に関わるほどの脅威だ。決して油断はしない。

 これは余談だが、俺のスキル【気配察知】。なんと敵の判別ができるようになったのだ! 

 ······判別とはいっても、特定の個人を追跡できるとか破格(チート)な性能でなく、気配の種類を探れるだけ。ランクアップによって感覚が強化されたためだと思われる。

 悪意ギンギンの冒険者を尾行したら、実は闇派閥でしたー、なんて笑えないオチを見せられた。

 

 そして現在、

 

 「前から三人!左右に二人づつ隠れてる!奇襲だ!」

 

 「それなら前方は私がやるわ!」

 

 「ならば左は私達が請け負おう!右はお前(アラン)に任せる!」

 

 「了解!」

 

 魔石工場を襲撃していた闇派閥を叩いていた。

 【気配察知】のスキルが奴らの居場所を暴く。だから奇襲される前に攻勢に出れている。

 

 「アリーゼ、三番倉庫押さえた!アランの言う通りの数だったぜ!」

 

 「そのまま四番まで制圧!イスカとマリューに指示!ライラは先の区画も押さえて!!」

 

 「数は九人だ!頑張って!」

 

 「おう!」

 

 次々と制圧していった。

 

 「私、索敵担当の獣人なのに···」

 

 「アランを見てると自信を失くすわ···」

 

 ごめんっ!

   

 「くっ、なぜバレた!?」

 

 「気配も臭いだって消したはずだッ!」

 

 「俺のスキルが以下略」

 

 「「な、なんだそれ···ぎゃああああああ!?」」

 

 ふぅーっ、制圧完了。

 アリーゼ達も奇襲される前に制圧し、合流した······お?

 

 「お、おのr」

 

 「せい☆」

 

 「ぐぶぅう!?」

 

 伏兵の存在に気付いたので、現れると同時に顔面グーパンチ。壁までぶっ飛んだ。手に持っていた武器に視線を落として冷や汗が出た。

 炎の魔剣じゃねーか。工場で爆撃とか危ないからやめろよな。

 

 『──言うじゃないかぁ、糞雑魚妖精ぇ~~~!』

 

 『──くそざこなどと呼ぶなぁぁ!』

 

 「お、またやってら」

 

 手足を縛ってると、ゴジョウノ・輝夜とリュー・リオンの口喧嘩が聴こえてきた。恐らくランクアップしてない以前の自分でも聴こえるような、そんなバカデカイ声で。

 一週間過ごしてきて最初こそ驚いたものの(輝夜をおとなしい人、リューさんは未来と変わらない人だと思ってた)、今ではすっかり慣れた。だって毎日(いつも)やってるんだもん。あの二人。

 まあ、リューさんが言い合いであんなに声を荒げるのは珍しいと思うし、何より······いや、いいや。俺が言えた義理じゃないし。

 他の仲間達はそれを見てるだけだった。···苦笑いで。

 

 あっ、やべ。この気配は!

 

 遅れてやってきた【ガネーシャ・ファミリア】に身柄を引き渡し、俺達はホームに帰っ──

 

 「アリーゼ。私を見るや否やこそこそ帰ろうとするアランを借りてもいいか?」

 

 「え、そんなの

 

 『ここんとこ働き詰めなんです、過労でぶっ倒れますのでご容赦を!』

 

 と、懇願する視線をアリーゼに向ける。アリーゼは俺の気持ちが通じたのかニコッと微笑み、

 

 ───いいわよ!」

 

 アリーゼさぁぁぁん!!わざとですか、俺のこと嫌いなんですか!?

 

 「よし。アーディ、連れていけ」

 

 「はいは~い、さあ行こっかアラン。平和のために身を削ろう(頑張ろう)!」

 

 「なんかおかしくなかったか、そのセリフ!?てか、引っ張るな!サービス残業で労基に訴えてやるぅ!」

 

 「さーびすざんぎょう?ろーき?なにそれ?ささっ、行こうアラン」

 

 連れ去られるアランを見送り、後にうわああああああん、という断末魔(泣き声)が反響する。残された者達は彼に同情した。

 

 「しっかり働いてくるのよ、アラン!」

 

 アリーゼには鬼かコイツ、という視線を送った。

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 工場からパトロールに連れていかれ、その帰り道。

 エレンを名乗る男神に絡まれていた。

 

 「問おう、若き英雄候補。正義とはなんだ?」

 

 「······ベル?」

 

 「ん?べ、ベル?あ、おい、ちょっ──···行ったか。ふーむ、ベルって言ったよな?何かのキーワード···いや名前か?それも、あの男の根幹にある大切な者の?少し調べてみる必要があるか」

 

 背後からブツブツ独り言が聴こえたが無視した。眠たいので。

 

 「······」

 

 そんなおかしなやり取りを、屋根から見下ろす影が一つ。

 

 「······ヨビダシテソウソウ(呼び出して早々)アレコレタノンデオイテワスレテナイカ(あれこれ頼んでおいて忘れてないか)ワタシノコト(私のこと)···?」

 

 仮面の下にある顔は、果たしてどんな顔をしているのだろうか?予想はできるが、きっと本人にしか分からない。

 

 




アストレア、アリーゼ、リューのお陰で何とか住まわせてもらえました。ステータスを公開しました。

 ①コカ・コーラ(缶)
 ②扇風機
 ③米

 コーラにしました。徹夜明けのコーラは最高に美味しくて、日本を思い出して感動しました。by.アラン

 闇派閥を特定できる→ふむ、地上に居る闇派閥を一掃できるかもな、と目を付けられる→パトロール&パトロール。帰りは深夜を過ぎることも→見逃すことなく成果を挙げるのでさらに目を付けられる。

 アランは短時間だけ寝れる。エインさん、寝れない。地上と地下を行ったり来たりの繰り返し。


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