「───チィッ!!」
回復魔法を妨害された!
【
使用回数があるのにも関わらず、魔剣による攻撃が絶え間無く行われる今、勇ましい雄叫びが次々と悲鳴に変わっていく。
・・・意味が分からない。
魔剣が折れないのは魔法かスキル?それとも
「今だお主ら、進軍するぞッ!」
「アタイらもやるよ!遅れるんじゃないよォ!!」
「よぉし、それじゃあ俺達は【
「・・・ッ!」
不味い、不味い、不味いそんなこと考えるな集中しろ!敵が攻めてくる!【
・・・でも問題ない。幹部陣は健在でヘディン様が指示を出さないのは想定の範囲内だからだろう。そしてそれだけではない。オッタル様がお戻りなられたら全て無に帰す。彼らの足取りもそこで潰えて後は花を散らすだけ。
ならば一旦落ち着いて指揮を取る。自分のやるべきことをやれヘイズ・ベルベット!
ヘイズはゆっくり深呼吸をして、声を出した。
「【
ヘイズ含め元々【
派閥連合には
ヘイズの指揮は完璧だった。
「始めなさい!これ以上、女神の威光を汚さないために!!
───・・・は?」
ヘイズの指揮は完璧だった。
「・・・どうして!?
指揮だけは。
ヘイズは自分以外倒れているこの現状に戸惑いを隠せない。焦りつつも味方の側に寄ろうとして──
「──ッ!そこォ!!」
「うわわ、っと」
何もないところに杖を振る。空を切るが、戦場に相応しくない呑気な声が響いた。
そこに立っていたのは、
「────こ」
ここ最近ベル・クラネルと同じ速度で成長する話題の犬人。【ラクシュミー・ファミリア】にして、
「えへへ、来ちゃった、」
我々の回復魔法を妨害したアラン・スミシーの恋人。
「この雌犬風情がァァァァ!!」
エリス・キャルロである。
「ひっどーい、私はエリスって名前があるのに!」
「黙りなさい、男に尻尾を振る雌犬が!貴方のことは知ってます」
「?」
「【ソーマ・ファミリア】で虐げられていたのでしょう?飢える男共から辱しめられていたのでしょう?そしてその次は別の男?見てられないですね。取り入れられようと必死に媚びる貴方も、顔だけの女に靡くあの男も」
「ねぇ」
「?なんですか?図星を言われt──」
「女神から愛されない貴方より、恋人から愛されてる私の方がずっと上よね」
「───」
虐げられていたのは事実だが、辱しめられた事実は存在しない。だってアイツら性欲を神酒に塗り潰された酒カスだし。団長やってた眼鏡は金が命の守銭奴だし。
何より一夜を共にしたアランが身を持って証人となっている。
ちなみにヘイズは無言となっている。が、誰がどう見ても怒りに取り憑かれているのが分かる。
もう一言二言煽ろうとしたエリスだったが、沸点低すぎるヘイズに若干引いた。
「───、──」
「・・・なんて?」
「くたばれ、雌犬ぅうううううううう!!!!」
「え、ええええええ!?!?なんで急に声荒らげるの!?」
エリスVSヘイズ、開幕ッッ!!
作戦が嵌まった!
回復魔法が止まり、敵の数が減少しつつある。それも一重に、
「煌月ィィィィィ!!」
ヴェルフの魔剣攻撃である。
彼の炎が敵を呑み込んでいる。味方は活気づいて進撃する。
順調だ。このまま行け──
「煌づ、ぐぅぅぅぅ──!?」
「っ!ヴェルフ!」
戦車の槍がヴェルフを貫いた。俺の魔法ならすぐ癒やすことができるが、
精神力を消耗しながら戦う余裕はどこにもないからだ。
「よお、三下ァ。分不相応に、えらく調子に乗ってんじゃねぇか」
昔ラクシュミーから聞いた噂を俺は思い出していた。それは万を超える兵士を、たった
オラリオの冒険者でも流石に、と思うと同時に
『ぐわああああああ!!?』
『うわああああああ!!?』
『きゃああああああ!!?』
通信用魔道具から響く悲鳴の数々。次々減っていく派閥連合の冒険者達。
この殲滅力からして噂は多分、真実だ。
俺の目の前に立つのは【女神の戦車】アレン・フローメル。
「・・・っ、 再放送かよ、ちくしょー・・・」
砂漠の蹂躙劇が再び幕を開ける!
エリス
実はキレてた。自分がどうのこうのより、アランの悪口に対して。煽ってみた。
ヘイズ
ブチギレ。魔法を封じられるわ、仲間達が倒れるわ、挙げ句の果てには惚気ワンコが現れるわで怒り感情が大忙し。キレてるから煽ったけど、煽り返されて更にキレた。何がしたいねん。
幹部陣
彼らが前線に現れたことで優勢から傾きつつある。
現在
椿(その他)VSヘグニ
命、アイシャ、ナァーザ、その他VSガリバー四兄弟
アランVSアレン
ベルVSオッタル
エリスVSヘイズ