三つの選択肢   作:新人作家

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レオン先生の口調が分からんので作者のイメージで補完する。


紳士、獅子、騎士という女ウケ良さげな三ワード

 

 たくさんの人間で賑わいを見せる街を歩く。

 普段より商売人が精を出しているのは、【学区】と呼ばれる施設から生徒が来航しており、その影響かこの時期は金の巡りが良くなるらしい。これを『学区特需』となんて言われている。

 経済の成績はまあまあだった。どうでもいいか。

 

 本拠地(ホーム)にいた俺が散策する理由は単純で、エリス達が買い忘れた物を代わりに買うためだ。

 それは野菜の苗で、この好景気にあやかって都市外からやって来る商人の中には、珍しい物品を持ってくる人が大勢を占める。野菜の苗もその一つで、なんでも辺境の特産品で中々市場に出回らない希少種らしく、家庭菜園が趣味のラクシュミーは昨晩からソワソワしていた。

 

 故に思う。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 「・・・あの神なりの気遣いか?」

 

 暗に羽を伸ばせと言っているのか、

  

 (・・・一人。俺をずっと尾けてる奴がいる)

 

 外で何かあるのか。

 

 最近は尾行されることが増えている。大抵はフィルヴィスに二重尾行させて名前や所属なんかを特定し、次やったら潰すぞ♡なんて脅して(お願いして)なんとかしてもらうのだが、彼女は本拠地にいるため今はここにいない。不在時は俺一人で対処するしかないのだが、相手の気配を感じ取れる俺からすれば、追っ手を撒くことくらい造作もないことだ。なんならそんなまどろっこしいことしなくても全力で走れば撒けられる。

 

 俺は大通りから外れ、素早く裏路地に入る。そこから三つ先の十字路を左に曲がる。

 

 (追っ手は・・・すげぇな、着いてきてる)

 

 それも距離を維持して。これは何度やっても撒けないと判断した俺は、

 

 「あばよ、とっつぁ~ん!!」

 

 「!」

 

 全力で逃亡した!追っ手は一瞬驚いたようだが、すぐさま追いかけてきた。Lv.3以上の上級冒険者だろうか、撒けないくらい足が速い。

 ならば、

 

 「【恩恵共有】──エリス」

 

 スキル【恩恵共有】を使う。これは同じラクシュミーの【恩恵】を授かっている仲間のステータスを、()()()共有できるというもの。

 戦争時のようにフィルヴィスのを使えばいいが、身の丈に合わないステータスだとかなりの負荷が掛かるリスクがあると発覚した。また、自動回復効果を与える【癒光の羽衣】を使えば負担は減ると思うが、()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()。逃げ切れなかった場合、ボロボロの動けない状態でお持ち帰りされるか最悪殺される。

 一通り試した後で、どうにもならない状況と味方が一人もいない状況で使わない。ファミリア内で満場一致で決まった。

 逆に言えば、身の丈に合うステータスなら大丈夫だ。エリスは俺よりアビリティが高いが同じLv.4。魔法を使っても筋肉痛になるだけで済む。

 強いが強くないそんな矛盾を孕んだスキルだと思う。

 

 「【速まれ】─【加速(アクセル)】!」

 

 速度を上げるだけというシンプルな魔法だが、超短文詠唱だけに逃走や距離を詰める、相手の意表を突くという点では優れている。

 

 都市の端まで走って加速魔法と共有スキルを解く。足に痛みがあるが、俺の回復魔法ならばすぐに癒せる。

 ふぅっ、と一息つけたところで気づいた。

 

 「まさかと思っていたが、その回復魔法は無詠唱で発動できるのかい?」

 

 「・・・いつからここに?」

 

 「ついさっきだよ。目を見張る速さだけどそれだけだね。足に力を入れれば、追い抜くのも不可能ではない。・・・屋根を破壊してしまったけどね

 

 つまり、俺を超える速さで走ったと。化物かな?なんか獅子っぽいし(安直)。

 

 「・・・あんた、何者だ?」

 

 「私の名前はレオン。レオン・ヴァーデンベルク。至らない所もあるが【学区】の教師をしつつ日々精進している。都市内外で話題沸騰中の君を一目見ておきたかったのさ、アラン・スミシー君?」

 

 レオンと名乗ったこの人かなりヤバい。尾けていたという点もそうだが、

 

 「レオンさん、()()()()L()v().()7()()()()?」

 

 この雰囲気からして、下手したらあの【猛者】オッタルと同格かそれ以上ということになる。

 

 「よし、手合わせをしよう」

 

 「───は?」

 

 「話をしたところで、未だ精進中の私では相手の人となりしか分からない。私は教師ではあるが、それでも君と同じ戦いに身を置く者でもある。君がどういう戦いをし、どんな経験を積んできたのかを知るならば、剣を交えた方が手っ取り早いと判断したのだが・・・」

 

 ──どうだろうか? 

 どうだろうか、じゃねぇ。色々考えていた俺が馬鹿みたいじゃないか。

 

 「あんた、さては脳筋だな?」

  

 目の前の獅子を思わせる騎士風の男はきっと、いや間違いなく冒険者をしてきた人間だ。オラリオ色に染まってやがる。

 するとレオンは困ったような笑みを浮かべて言う。

 

 「(アレ)と一緒にしないでくれ。我ながら悪くないと思ったのだが・・・ははは、困ったな」

 

 この男、すごく絵になるな。男前(イケメン)具合ではオラリオでもトップクラスではなかろうか。そのうち小鳥が飛んできそう。

 

 でも手合わせか。

 

 「悪くないな」

 

 「!」

 

 人間の格上と戦う機会なんて稀だし、なにかいい刺激になるかもしれない。

 

 「いいですね、やりましょうか」

 

 「!!流石オラリオの冒険者だ!よし、そうこなくては!」

 

 なんかすっごい喜ばれてるんだけど。

  

 「私が勝てば君は【学区】の生徒になってもらおう!」

 

 「・・・えっ、ちょ待っ──」

 

 

 

 

 レフィーヤ・ウィリディス。

 美神(フレイヤ)が敗れ派閥が解散したことで、オラリオ最強最大派閥に君臨した【ロキ・ファミリア】所属のLv.4。魔法種族(エルフ)にして同胞の魔法のみという条件付きだとしても千の魔法を扱うことができる規格外の魔導師。

 

 そんな彼女が指導員として【学区】に来訪し、生徒の前に立ったことで色めきだす。

 憧れ、畏怖、羨望、興奮、緊張、嫌悪など。生徒の多くは彼女に対して好印象を抱くが、それでも快く思ってない生徒も居る。

 都市外におけるモンスター被害を真剣に考える生徒は特に。

 

 それでも向けられる質問を、彼女は丁寧に答えた。もちろん派閥内の情報は言わないし、とある白兎の質問については適当になったが。それでもダンジョンという現場の声、真摯に答える姿は好評だ。

 

 時間が限られているのでこれで質問を切り上げよう。教師に目配せで伝えたレフィーヤは、

 

 「はい!レフィーヤ先生!」

 

 大きな声を出した生徒に最後の質問権を与えた。女の子なのに関心関心。

 

 「では最後の質問は貴方にしま───は?」

 

 素っ頓狂な声を出しても仕方がない。

 

 肩まである黒髪をツーサイドアップに纏め、【学区】の制服を着こなしているが筋肉質でごつい。更にはサイズが合ってないのかミチミチッ♡と悩ましい擬音がついている。時折スカートから覗く膝が逞しい。顔はボーイッシュ系てかまんま男のソレ。

 

 つまり女の子ではない。・・・ないのだが周りは誰も違和感を抱いていない。種族はヒューマン。絶対にドワーフじゃない。断言できるのは知り合いだからだ。

 

 「最近コソコソと後を尾けてくるストーカーが増えています!どうすればいいですか!」

 

 「帰れ」

 




アスフィ作、女生徒なりきりセット。
カツラ、チョーカー型変声機、認識阻害の魔道具。
特に認識阻害はLv.1~Lv.3までなら完璧に誤魔化せるが、魔力に秀でたLv.4の魔導師なら即座に見破れる。ゴリゴリのLv.4前衛だと疑問に思う程度。Lv.5以上なら絶対に看破できる。
某兎の変装よりこだわった一品。アスフィは過労で倒れた。
 
ラクシュミーが誘導した。ヘルメスがラクシュミーに頼み込んだため。流石に女生徒になるのは知らない。

シリアスとか重っ苦しいのはレフィーヤ担当。アランの役目はベルと同じ。だから変装。
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