三つの選択肢   作:新人作家

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 時系列は祭りの前。


金ならある!装備を新調しようぜ!(尚、仲間のお金)

 

 「私の装備を新調するついでに、アランも装備を新調しない?」

 

 エリスの恩恵を刻み終え、ラクシュミー見送りのもとホームを出た後にエリスが提案した。なんでも、脱退のために用意していたお金が余り余ってるそうだ。

 俺は当然断った。同じ派閥の一員とはいえ、エリスの私財を使うのは気が引けるから。

 その旨を説明しても、頑なに首を縦に振らない。

 

 「だって私のアビリティなら、今より深く潜れるんでしょ?私がメインで戦うとしても、今の装備でアランは大丈夫なの?」

 

 そう言われて改めて装備を確認する。スキルで獲得したレイピアと篭手。さらに支給品でギルドから貰った壊れかけの剣と胸当て。

 心もとないばかりか、今までよく無事だったな俺は。

 

 「それにさ、アランにはずっと元気でいてほしいんだ。このまま遠慮されて大怪我でもされたら、嫌だよ私・・・」

  

 「エリス・・・分かった、それならお言葉に甘えるよ」

  

 俯くエリスを見て決心を固める。俺には危機感というものが欠如していた。そうだよな。エリスやラクシュミーのことを考えてなかった。

 “ダンまち”の世界は過酷で、特に冒険者という職業は群を抜いて危険だ。今のままではいつか必ず死ぬか、仲間を失うだろう。

 しっかりしろ、アラン・スミシー!一人の時間が多かった前世とは違うんだぞ!

 

 「本当に?」

 

 「おう!オススメはやっぱり【ヘファイストス・ファミリア】か?」

 

 「! うん!バベルには掘り出し物がたくさんあるからそこに行こう!ピッタリのものがきっと見つかるよ!」

 

 「よし、決まりだな。案内頼むよ」

 

 明るく前を歩くエリスの背を追い掛けた。いい防具があるといいなと思いながら。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 「ほえ~、色々あるんだなぁ・・・」

 

 「でしょう?私は自分の選ぶから、アランも選んでおいてね!金銭的なことは気にしなくていいから!」

 

 お姉さんに任せなさい!と胸を張るエリスに自然と笑みが溢れる。姉弟よりも幼馴染くらいが合ってるのかな?・・・そんなものと縁がなかったけど。

 待ち合わせの時間を決めて、別行動となった。俺はまず防具から揃えようと防具のコーナーへと足を運んだ。

 

 「鉄製の鎧」

 

 これは重そうだなぁ。俺の戦闘スタイルと合ってない・・・って、これドワーフ用じゃねぇか。別のものを見ても似たようなものだった。ヴェル吉のがあったけど、ピンとこなかったのでパス。

 

 「盾」

 

 これは普通に有りだ。だが、不意打ちに対応出来なかった場合危ない。頑丈そうな物がそれなりにあるので、一応候補として考えておこう。

 

 「革製の鎧」

 

 先程より軽く、着ている服の上から装備できる。戦闘衣などと組み合わせることで、防御力の底上げが可能・・・これじゃね?

 

 「決まったな」

 

 俺は革製の鎧をメインに探す。俺のサイズと合ってるのはどれだろ。これはデカイ。これは小さい。うーん、中途半端。あれも違う、これも違う。どこだどこだ~と・・・おや?

 

 「これかな?」

 

 俺は箱の中に置いてあった防具に手を伸ばした。実際にサイズを確認してみると、存外悪くなかった。

 

 「これを作成した素晴らしい鍛冶士の名前はなんだろな・・・」

 

 シトリー・ハンナ。近くにいた店員に詳しく聞けば、最近Lv.2になった女性冒険者で、ランクアップ前に鍛えた最後の防具なのだとか。機会があれば会ってみるのもいいだろう。

 よしよし、防具は決定だね。次は武器だ。これは支給品の剣を代えよう。レイピアはまだ使えるし、なんなら刃こぼれしてない。不思議だね。

 

 「ここだな」

 

 武器専門コーナーに辿り着いた。遠くでエリスが集中して吟味していた。後で声掛けよ。

 

 性能重視。オークみたいなデカイ敵と戦うのだ。防御は最低限にして、ズバッと斬れるのがいいよね。

 防具みたいに合うものを探し、

 

 「・・・これがいいかな」

 

 サーベル状の剣。切れ味も良さそうで耐久面も申し分ない。鍛冶士も案の定シトリー・ハンナ。もはや運命だろ。

 全部決まったので、エリスのもとへ向かった。彼女も丁度終わったらしく、一緒に会計へと進んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 十階層。

 そこは霧が立ち込めるエリアであり、そのせいか常時視界不良に陥る。加えてオークという大型モンスターも新たに出現し、この階層に来た冒険者は苦労を強いられる。

 

 「アラン前方に二体!」

 

 「了解!一体任せる!」

 

 だがしかし、俺にはエリスという獣人の仲間がいる。彼女の聴覚嗅覚ならば即座に発見できるのだ。例え迷子になってもエリスがいれば安心だ。頼りきりにするのは心苦しいが、慣れるまでの辛抱だ。

 

 「よし、倒した!」

 

 「こっちもだよ!」

 

 先程購入した剣で戦ったが、充分過ぎるほど通じた。防具だって動きを阻害されることなく効果を発揮している。エリスの言う通り、買ってよかった。

 彼女も新調しており、年季が入ったボロボロだった服から新品に取っ替え、簡単に胸当てを装備している。武器も中層にも通じる短剣にしているのだとか。以前と同じく敏捷重視の装備。

 

 「じゃあ今日は撤退しようか。目的は様子見だし」

 

 「そうだね。私も充分確かめられたし満足だよ」

 

 俺達は十階層を後にする。オークもシルバーバックもインプも倒した。一日の稼ぎとしてはこれでいい。

 

 「私は換金してくるね」

 

 「ん。ありがとな」

 

 ギルドに入っていったエリスを見送った俺は、近くの椅子に腰掛ける。バベルではギルド職員が忙しそうに動き回っていた。その中にはソフィさんの姿もあったので挨拶をと思ったのだが、そんな空気じゃなかったので断念する。籠があったので祭りが近いのだろう。ならば忙しくて仕方ない。

 時刻は夕方。俺達と同じように帰宅する冒険者でいっぱいだ・・・時折女性冒険者から視線が飛んでくるが気のせいだろう。俺がモテるわけない。

 

 「お兄さん、お兄さん。イケメンのお兄さん」

 

 「えあ?」

 

 いきなり声を掛けられたことにより、間抜けな声が出る。待った、イケメンのお兄さんと言ったか?ヤベェ、反応しちまった。

 

 「貴方で合ってますよ、お兄さん」

 

 俺の視線は斜め下。目の前には俺に声を掛けたであろう女の子が。てか、お兄さん連呼すな。

 ・・・じゃなくて。アニメを見た俺なら分かる。この服装でこの声の主は絶対。

 

 「はじめまして!私は()()()()()()()()と申します!お兄さん、サポーターをお探しではないですか?」

 

 「ぐはぁっ!?」

 

 「お、お兄さん!?」

 

 俺は吐血する。このままだと原作ががががが。とりあえず仲間と相談して決めたいと答えておいた。

 




オリ主イケメン。
 リリルカはどうしようか?アンケートは二日ぐらい様子を見ます。
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