三つの選択肢 作:文才鍛える用
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「そうと決まればまずは恩恵じゃな!おっと、手を洗わねば。私としたことがかなり浮かれとるのぉ!」
あ、そなたは私の寝室で服を脱いでて。
そう言い残し、女神様、改めてラクシュミーは、テンション上げたまま洗面台に向かった。
本人曰く、
「敬語も敬称も不要じゃ!何せ初めての眷属なんじゃからのぉ、堅苦しいのはお互い無しにしようぞ!ガハハハ!」
とのこと。
俺は言われた通り寝室・・・てか、リビングじゃねーか。布団敷いてるだけだろこれ。部屋と呼べねーよラクシュミー。と内心で思いつつ、脱いだ。
「・・・すっごいな」
俺は自分の体を見る。力を入れずとも筋肉が浮いており。ふっ!と腹に力を入れれば見事なシックスパック。前世では全く筋肉無かったからなんか嬉しい。友人に自慢したいし、なんならこれで外に行って見せびらかしたい。もう本当にありがとう、神様」
「? どういたしまして?」
「はぅわ!?」
うっわ、変な声でた。え、独り言呟いてた?
「安心せい。友人に自慢したい、の所からしか聞いておらんわ」
「聞かれたくない所じゃないすか。恥ずかしーなもう!」
ま、まあ前世のことを知られたわけじゃないしぃ?べべべ別にいいよね!
「ところで・・・」
まずい、感づかれたか・・・?
「そなたに友達がいたのか?」
「いたよ!」
三人ほどね!
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恩恵。それは神々から与えられる力であり、その力を使って冒険者はモンスターを倒すのだ。ダンジョンは深く潜るにつれモンスターも強くなる。だから冒険者に恩恵は必須。また、何かしらの方法で経験値を集めることで、冒険者も強くなる。成長には個人差がある。
Lv.1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
"魔法"
"スキル"
【
・会話や文字の自動翻訳
【
・三つの中の一つから獲得
・選んだモノの貯蓄と引出し
・一週間後に再選択
・貯蓄(0)
「これがそなたのステータスじゃよ」
「ありがとうございます・・・あれ?」
スキルがある。それも二つも。俺は羊皮紙に書かれているスキルを見る。
【言語理解】・・・まんまだね。文字も言葉も分かってたからこれはいいや。スキップスキップと。
【三択からどうぞ】・・・知らん。どこに三択あるんだよ。選択肢を見せてよ。名称もルビもいとおかし。
すると
①剣(鉄製)
②篭手(革製)
③タワシ
「いやタワシて!」
「!? ど、どうしたのだ大声出して!それにタワシとはなんじゃ!?」
目の前に三択現れる。念じたからかな?
「タワシとは主に清掃目的で「知っとるわ!」ですよねー」
テンパってて草。
「ごほん。まあよいわ。スキルが二つもあるのは稀じゃからのぉ。内容はともかく、恵まれておるよそなたは」
「そっすかね」
そう言われると嬉しいな。内容はともかく。
「で、何か分かったのか?」
俺は話した。
「なるほど・・・ならば篭手を選べ」
「それはなぜ?」
「武器はギルドから支給されるからじゃ。剣の性能が良すぎると成長に悪い。優先すべきは命を守る装備だと私は思うよ」
なるほど、よく考えてるし一理ある。
「篭手にしようかな」
「うむ」
俺は②の篭手を選び、何もない所から篭手が落ちてきた。なんかシュール。
てか、タワシて(二度目)。モノの範囲広いな。
「あ、俺はどこで寝ればいい?空いてる部屋無いよね」
「? そんなもん、ここでよかろうて」
なにキョトンとしてんの?危機感天界に置いてきたの?
俺は(現実から)逃げるようにギルドに向かった。
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「恩恵授かったので冒険者登録をしにきました」
「え、もうですか?まだ三時間ほどですよ?」
ギルドに到着。受付嬢はさっきのエルフさん。一日も経過してないことに驚いているようだ。そんな貴方も綺麗だな(キモい)
「早くに決まって早くに授かって早くに登録したかったんで」
「はぁ、そうですか・・・」
早くに、と言いすぎてわけわからんくなってる。
「では主神とご自身のお名前をお願いします。それと文字を書けますか?」
「(文字書けないから)代筆で。主神はラクシュミーで、俺は───あれ?」
「?」
俺の名前ってなに?前世の名前?それとも生まれ変わったから違う名前?
やべ、どうしよ平八郎の乱。
「・・・あの?」
「あ、アラン!アラン・スミシーでお願いしやす!」
「は、はい」
アラン・スミシー。確か架空の名前だった気がする。
「以上で登録は完了です。武器はあちらで受け取れます。他に何かお聞きしたいことはありますか?」
「ダンジョンについて詳しく知りたいんですが、大丈夫ですか?」
これは必須だ。既存の知識と擦り合わせ、理解を深める。それは命を守ることに繋がるので学べられるのなら学んでおくべきだ。
・・・なんか周りが目を見開いて驚いてるけど。
「なんなら本か何か貸してくれませんか?自分でやるんで」
「で、では空き部屋へどうぞ。後で私が持ってきますので」
「どうも」
案内された空き部屋で待つと、すぐに沢山の本と紙を用意された。自習してくれだそうだ。俺はお礼をいい、上に積まれた本から読み始めた。
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「ふぃー、疲れた・・・」
勉強が一段落して外を見ると、真っ赤な夕日が差し込んでいた。
以前の俺はここまで頑張れなかっただろう。でも、好きな作品であるダンまちのダンジョン事情を知れるのは楽しい。だから集中できた。
「お疲れ様ですスミシー氏。こんなに読んだんですか?」
「ええ。とは言っても上層だけですよ」
Lv.1ならそれで充分だろうよと、セルフツッコミ。
「スゴいですねぇ、スミシー氏は」
「? ああ、やっぱ冒険者って座学が苦手なんですかね?」
やはり小説を読むと、基本的に座学に弱いイメージがある。ベルもそんな感じだったと・・・いや、エイナさんのスパルタ授業のせいか。
「基本的に苦手と嫌いの両方です」
「最悪じゃないすか」
俺は苦手かな。別に嫌いではないんだよなぁ。
エルフさんは沢山文字が書かれた紙を見ると、
「字は読めませんが、これなら大丈夫そうですね。明日からダンジョンへ?」
字は日本語だし仕方ないね!
「取り敢えず一階層を中心に活動してみます」
「分かりました。それと担当は私が務めさせていただきます、名はソフィと申します」
エルフさん→ソフィさんか。これからよろしくお願いします。
「相談事や階層の更新の際はお申し付けくださ・・・あー、敬語じゃなくていいよね?」
いや、急っすね。
晴れて冒険者になった。
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冒険者になって後日。
俺は朝早くからダンジョンに来ていた。理由はもちろん好奇心から。次いで生活費のため。
ラクシュミーから頑張れと言われ、ソフィさんから油断しないでねと言われた。
だからダンジョンに入って気持ちを切り替える。油断慢心ダメ絶対。ヨシ!
「ほぇー、明るいな・・・」
一階層。
薄暗い感じをイメージしていたのだが、そんなこともなく。鉱石か苔でも光っているのだろうか?別に見えづらいこともなかった。
目指す場所は小さなルーム。休憩に使えるし、沢山産まれても囲まれない限り逃げられる。ここを中心に活動しよう。
「お、あれがゴブリンか」
目の前には一体のゴブリン。緑色の体に尖った耳。そして鋭い目。初見だと少し怖いな。
「だが、ここでビビるようなら・・・」
冒険者に向いていない。
ふぅーと息を吐き出し、俺は一気に駆け出した。
「!?」
「遅い!」
奴がこちらに気付き、振り向くと同時に斬った。支給品の剣は劣悪なものと聞いたのだが、そうでもなかった。頭が体から離れた死体を見て思った。
・・・それよりも。
「やっぱスゴいわ、この体」
恩恵授かる以前も思ったが、この体は運動神経がとても優れてる。下手したらオリンピック選手になれるくらいに。それに恩恵が加わるのだ。もしかしたら五、六階層に通じるレベルかも───
「油断も慢心もダメ絶対って決めたろさっき。しばらくこの階層だ」
うんうん。いきなり破るのはダメだよね。ベル君でももう少し慎みを持ってる・・・よね?
「魔法撃ちまくってたわそう言えば」
俺もそうなるのだろうか?なるんだろうな。日本人たるもの魔法に憧れを抱いて当然だ。夜中にダンジョンに向かわないものの、調子に乗って精神枯渇を起こすと予想できる。
「気を付けないとなぁ・・・」
魔法に思いを馳せつつ、探索に集中した。
アラン・スミシー
ダンまち世界に転生しラクシュミーの眷属に。初めての戦闘で戦えたのはこの体のおかげ。流れに身を任せた。今のところ原作に関わる気はない。
ラクシュミー
アランの主神でインドにおける豊穣の女神。アランが来る前は一人寂しく生活しており、趣味の家庭菜園を生きる理由としていた。眷属ができて内心狂喜乱舞。某女神とキャラが被ってる困ったさん。
スキル
レアルスキルに該当するのでもちろん口止めしてます。
文才を鍛えるために書いてます。飛ばしでいくかも。