アニメ最終話で、喜多ちゃんがぼっちちゃんのこと抱きしめながら腹話術してる場面あるじゃん?最後後ろからその二人が描かれてるところを見てさぁ 作:明太子美味しい
気付いたら一週間経っていました。
彼女は突然の出来事に目を白黒とさせている。
私の行動があまりにも唐突で、現状をうまく理解出来ていないようだ。
ひとりちゃんが棒付きキャンディ*1を舐めている。
それは――私が先程まで舐めていたものである。
キャンディを口に含む彼女の姿を見て、私の頭が一瞬で茹で上がった。あまりの興奮にお腹の奥がジュンと疼き出す。
全く。ひとりちゃんはなんてえっちなんだ。
たった一つしか無い、それも私が舐めていたコーラ味のキャンディを望むなんて。
ひとりちゃんはえっちで悪い女だわー。
私が自分を正当化していると、ひとりちゃんは顔を真っ赤に染めて唇をワナワナと震わせ始めた。自分が一体何を舐めているのか、漸く理解が追いついたらしい。
「あっ、あにょ! こ、これって――」
――お友達なら普通のことよ!
ひとりちゃんの言葉を キターン! と遮り、私はにっこりと微笑む。
多分、私の顔は彼女と同じくらい真っ赤になっているだろう。それだけ恥ずかしい行為をしたという自覚はある。実のところ結構勇気を出しての行動なのだ。
けれど、その恥ずかしさに見合うだけの収穫はあった。
今、私はキャンディを通してひとりちゃんと交わっている。
その既成事実を作ることが出来たのだ。これだけで今日はもうお腹いっぱいかもしれない。
――おいしい?
「ヒャッ、ヒャイ! お、美味しいです」
あはっ。
ホワホワとした気分のまま尋ねる私に、ひとりちゃんは恥ずかしそうに答えてくれた。
彼女曰く、美味しいらしい。
その返答に自然と頬が緩む。
先程までは羞恥心の方が強かったけれど、今の私は幸せな気持ちでいっぱいだ。
今日も素敵な一日になりそうだ。
目を瞑って空を仰ぎ、幸せをしみじみと噛み締めていると――
ピトッ。
――私の唇に、何かが触れた。
……?
何かしらこれ?
どこか甘くて、少しだけ炭酸を含んだような味がする。
疑問に思った私は、ゆっくりと目を開く。
そこには、何かを持って腕を差し出しているひとりちゃんの姿があった。
……?
疑問を解消するべく、私はゆっくりと目線を下げて彼女の腕を辿る。
ギリギリまで下げて見えたものは、白くて細長い棒状のものだった。
……ま、まさか!
その正体に行きついた私は、頭の中が真っ白になった。
私の唇には――
「お、お友達なら普通……ですよね?」
――先程よりも一回り小さくなった、棒付きキャンディが触れていた。
++++++
練習もアルバイトもお休みのとある日。
お家のお菓子が無くなっていることに気付いた私は、追加で補充するために近所のスーパーに来ていた。
日頃から勉強のお供として。また、ギター練習の気分転換として食べているため、お菓子の減りが以前よりも早い。
だから今回は、飴とかガムといった比較的口に残りやすいものを買おうと思う。
お店の自動ドアをくぐり抜けた私は、一直線にお菓子のコーナーへと向かうのだった。
あれがいい、これがいい。
私は色々とお菓子を物色する。
バイトをしているとはいえ、お金が有り余っているわけでは無いのだ。だから、出来れば一袋に沢山入っているお菓子を手に入れたい。
そんなことを考えながら歩く私の前に、中々に強烈な広告が現れた。
『在庫処理セール! 棒付きキャンディ三十個入り20%OFF!!』
二袋買った。
帰宅後、早速とばかりにキャンディの袋を開封する。棒付きキャンディを食べるなんて小学校のとき以来だ。
懐かしさを覚えながらも私は袋の中身を覗く。
コーラ、ラムネ、メロン、オレンジ。
とりあえず、コーラ味を食べることにしようか。
包装を解いて口に含む。
相変わらず美味しい味に頬が緩んだ。
これは良い買い物をした。
私は暫くの間、キャンディの入った袋を持ち歩くことに決めたのだった。
++++++
棒付きキャンディを買ってから数日後。
私はひとりちゃんとSTARRYに向かっていた。
今日も練習頑張ろうとか、この前の休日は何をしたとか、そんな日常的な会話をしながら並んで歩く。
それからもう少しでSTARRYに着くというところまで来て、ひとりちゃんが思い出したかのように会話を切り出した。
「そ、そういえば、喜多さんって最近飴を舐めていますよね? 私も昔、棒付きのキャンディをよく買って食べてました」
彼女の言葉に私は、そうね! と元気に切り返す。
それから鞄を開き、中から適当なキャンディを取り出して口に含んだ。
この味はコーラ味だろうか。やっぱり美味しい。
謎にハマってしまったかもしれない。
口の中でぺろぺろと味わう私は、ひとりちゃんが羨むような目をしていることに気付いた。
ふむふむ。
私だけ舐めて歩くというのも少し気まずいだろう。
それに、ひとりちゃんが笑顔になってくれるなら何個だってあげちゃう所存だ。
そう思った私は、何味が良いか彼女に尋ねる。
その言葉を聞いて、彼女は顔をパァァァッと明るくさせた。
あはっ。
やはりひとりちゃんはすぐ顔に出る。そんなに喜んでくれると、私まで嬉しくなってしまう。
「じゃ、じゃあ! コーラ味貰っても良いですか?」
――もちろん!
私は早速鞄を開いてキャンディの袋を確認する。幾つか残っているキャンディ達を掻き分けて、私は彼女の望むコーラ味を探した。
ガサゴソ。
あら?
ガサゴソガサゴソ。
……。
――無いわ。
「は、はい?」
――コーラ味はもう無いわ。
どんよりとした雰囲気のまま私はひとりちゃんに告げた。すると彼女も、しょんぼりとした顔で私のことを見つめてきた。
うっ。
ひとりちゃんはすぐに顔に出るから、本気でしょんぼりとしていることが分かってしまう。
……どうしようかしら。
必死に頭を巡らす私は、無意識のうちに歯を噛み合わせた。
カラン、コロン。
どうやら、先程口に含んだキャンディを噛んでしまったみたいだ。少しだけ欠けたキャンディからは、コーラの味が伝わってくる。
……!
こ、これよ!
――コーラ味のキャンディ有ったわよ!
私がそう声を上げると、ひとりちゃんは顔をパァァァと明るくさせた。
あはっ!
その様子に嬉しくなる。
よし。彼女の期待を裏切る訳にはいかないだろう。
ちょっとえっちで恥ずかしいけれど、やるしかない。やるしかないんだ!
さぁ行くぞ喜多郁代。今日もひとりちゃんを喜ばせるぞ!
私はひとりちゃんの正面に立って、口からキャンディを引き抜いた。
そのときにチュパっと小さな音がして、これから自分が何をするのか意識してしまう。少しだけ体温が上がり始めた。
目の前のひとりちゃんはポカンとした様子で私のことを見ている。何をしているのだろうか? なんて思っているのだろう。
私はその可愛らしいお口に――
「ングッ!」
――棒付きキャンディを突っ込んだ。
ひとりちゃんが棒付きキャンディを舐めている。
それは――私が先程まで舐めていたものである。
キャンディを口に含む彼女の姿を見て、私の頭が一瞬で茹で上がった。あまりの興奮にお腹の奥がジュンと疼き出す。
全く。ひとりちゃんはなんてえっちなんだ。
たった一つしか無い、それも私が舐めていたコーラ味のキャンディを望むなんて。
ひとりちゃんはえっちで悪い女だわー。
私が自分を正当化していると、ひとりちゃんは顔を真っ赤に染めて唇をワナワナと震わせ始めた。
「あっ、あにょ! こ、これって――」
――お友達なら普通のことよ!
ひとりちゃんの言葉を キターン! と遮り、私はにっこりと微笑む。
多分、私の顔は彼女と同じくらい真っ赤になっているだろう。それだけ恥ずかしい行為をしたという自覚はある。実のところ結構勇気を出しての行動なのだ。
けれど、その恥ずかしさに見合うだけの収穫はあった。
今、私はキャンディを通してひとりちゃんと交わっている。
その既成事実を作ることが出来たのだ。これだけで今日はもうお腹いっぱいかもしれない。
――おいしい?
「ヒャッ、ヒャイ! お、美味しいです」
あはっ。
ホワホワとした気分のまま尋ねる私に、ひとりちゃんは恥ずかしそうに答えてくれた。
彼女曰く、美味しいらしい。
その返答に自然と頬が緩む。
先程までは羞恥心の方が強かったけれど、今の私は幸せな気持ちでいっぱいだ。
今日も素敵な一日になりそうだ。
目を瞑って空を仰ぎ、幸せをしみじみと噛み締めていると――
ピトッ。
――私の唇に、何かが触れた。
……?
何かしらこれ?
どこか甘くて、少しだけ炭酸を含んだような味がする。
疑問に思った私は、ゆっくりと目を開く。
そこには、何かを持って腕を差し出しているひとりちゃんの姿があった。
……?
疑問を解消するべく、私はゆっくりと目線を下げて彼女の腕を辿る。
ギリギリまで下げて見えたものは、白くて細長い棒状のものだった。
……ま、まさか!
その正体に行きついた私は、頭の中が真っ白になった。
私の唇には――
「お、お友達なら普通……ですよね?」
――先程よりも一回り小さくなった、棒付きキャンディが触れていた。
唇に触れているものの正体に行きついた私は、無意識のうちに唇を開く。
隙ありと言わんばかりに、彼女は私の口内にキャンディを押し込んだ。それから、恥ずかしそうにしながらも話しかけてくる。
「わ、分けてくださってありがとうございました。お、お友達だから、か、返しますね」
……キ。
キタキタキタキターーーーーーーー!!!
な、なんてえっちなことをするのよひとりちゃん!
もう! ひとりちゃんは本当にもう!
一気に体温が上がる。
あまりの興奮に、気分がふわふわとし始めた。
「お、美味しいですか?」
……狙って言っているのかしら?
態とか天然か、物凄い気になる。けれど、どちらにせよ私の返事は決まっていた。
――お、美味しいわよ。
動揺して少しだけ吃ってしまった。けれど、ひとりちゃんは何も気にしていないみたいで、良かったぁなんて呟いている。
全く、とんでもないことになったわね……。
まさか、ひとりちゃんがカウンターを放ってくるとは思ってもいなかったわ。
自分のことを棚に上げてそんなことを思っていた私だが、キャンディから伝わるコーラの味に一旦思考を止める。
一先ず、今はこの幸せキャンディを味わい尽くすことにしようか。
そう決めた私は、ねちっこく舌を動かし始めた。
+++
もう少しでキャンディが無くなる。
まだ数分しか味わっていないのに、この幸せな時間が終わってしまう。
その悲しみをなんとか堪えるために、私は少しだけ歯に力を入れた。
ガリッ。
あぁ!
やってしまった。またこのキャンディの寿命が縮んでしまった。
いや駄目だ。ネガティブなことを考えるのはもうやめよう。
今みたいに予期せぬ事態だって起こってしまうのだ。それなら、残り僅かな時間を最後まで楽しむ方が有意義だろう。
そんなことを思いながら歩いていると――
「おーい」
後ろから伊地知先輩の声が聞こえた。
私とひとりちゃんはその声に振り返った。どうやら、伊地知先輩は買い出しに行っていたらしい。レジ袋を片手に、私達の方へと歩いてきた。
「あー! チュッパチャップスじゃん!」
目の前に来ると、先輩は私の口元を見て声を上げた。
「いいなぁ。あっ、私も食べたいんだけど、貰えたり……する?」
勿論大丈夫だ。
いいですよと答えた私は、何味が良いか彼女に尋ねる。
「えっとねー。じゃあコーラ!」
……スゥー。
――すいません。コーラ味はもう無いです。
そう答えた私のことを、ひとりちゃんがギョッとした顔で見つめてきた。それから、私の口元を一度確認してから話しかけてくる。
「えっ、で、でも。まだ口の中に残ってますよね? さっきみたいにあげな――」
――わぁぁぁぁそれじゃあSTARRYに行きましょう!
大声でひとりちゃんの言葉を遮った私は、誤魔化すようにSTARRYへと走り出したのだった。
虹夏「喜多ちゃーん? ぼっちちゃんを揶揄うのも程々にしなよ?」アホ毛ブンブン
喜多「エ、エスパー!?」ガクブル