アニメ最終話で、喜多ちゃんがぼっちちゃんのこと抱きしめながら腹話術してる場面あるじゃん?最後後ろからその二人が描かれてるところを見てさぁ 作:明太子美味しい
いつも感想ありがとうございます。本話は皆様の感想から得たアイデアとなっております。楽しんでいただけたら幸いです。
……まだかしら?
彼女が試着室に入ってから既に十分は経過している。いい加減待ちきれず、体がソワソワとし始めた頃合いだ。
――ひとりちゃん大丈夫? もう着れたかしら?
「は、はい! うっ、うぅぅぅ」
どうやら着れたらしい。それなら、今は恥ずかしくて出てこれない状態なのだろう。
早く見たいなぁ。
どうすれば彼女は出てきてくれるのだろうか。
私は考える。考え続ける。
ふむ。ふむふむ。ふむ?
目の前の試着室を見ていたその時――
……!
閃いたわ!
――私の頭に差し込む、一筋の光。
いける。これならいけるわ!
私は一歩、試着室へと足を踏み出した。
それからゆっくりと腕を持ち上げ、カーテンへと手をかける。
ふふふ。
さぁ、彼女の素敵な姿を拝むとしようか!
私は勢いよく、目の前のカーテンを開いた。
シャァッ!
「ぴぃあ!」
なんとそこには――
「み、見ないでください……!」
――ピンク色で統一された、可愛らしい下着を身に付けるひとりちゃんの姿があった。
ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!!
++++++
ひとりちゃんって柔らかいわよねぇ……。
退屈な授業中、私はそんなことを考えていた。
いや、これはしょうがない。だって退屈なんだもの。
私は悪くない。
誰に聞かれた訳でもないのに言い訳をした私は、脳内ピンク色の妄想を再開する。
彼女のプルプルなお肌。
どこに触れても、ふわふわとした感触を伝えてくれる。
そして何より、あのおもちだ。
なんだあの大きさ。なんだあの柔らかさ。
ここだけの話、どさくさに紛れて何回もあのおもちを味わっている。
その感触は、何度触れても決して飽きることはない。
特に、あのおもちに挟まれたときは最高だった。
水風船のようにもっちりと、そしてマシュマロのようにフワフワとしている。
ジャージ越しに味わっていたが、まるで直に触って――
ちょっと待って。
ひとりちゃんって、下着を付けているわよね?
さ、流石にノーブラじゃないわよね??
不安だ。流石に大丈夫だとは思うが、あの柔らかさは少しだけ不安になる。
それとも、おもちを持つものはアレが普通なのだろうか。
これは確かめる必要があるだろう。
授業が終わると同時に、私はひとりちゃんへとロインを送った。
+++
「そ、それで、話って何でしょうか?」
階段下の謎スペースに呼び出されたひとりちゃんは、頭にハテナを浮かべながら私に問いかける。
どうしよう。
なんて聞けばいいのだろうか?
正直に、ブラジャーしてますか? なんて聞ける訳ない。
そんな変態みたいな真似、とてもじゃないが私には出来ない。
「あ、あの……?」
黙りこくって考える私に不安を覚えたのか、彼女はオドオドとしながら返事を急かしてきた。
ふむ。それならば仕方ない。
少々強引だけれど、直に確かめさせていただこう。
――動かないで。
「ぴぃ!」
鋭く告げたその言葉に、ひとりちゃんはビクリと一度驚いてから固まった。
私はそんな彼女の首元に手を伸ばし、ファスナーのチャックを指先で掴む。
ジジジジ。
ゆっくりと露わになっていく、シャツに包まれた豊かなおもち。あまりの大きさに、チャックを下ろす手がポヨンポヨンとおもちに触れた。
はぁはぁ……。
私自身の、荒くなった呼吸の音が耳に伝わる。
ちょっとだけえっちなことをしている気分になった。
そして、チャックの高さがおもちの頂点に達した、そのとき――
「んっ」
ほわぁ!
私は一瞬で手を離す。
い、今の声、ひとりちゃんよね?
あんな色っぽい声を出せるなんて。
なんていやらしい!
いえ、落ち着くのよ喜多郁代。
本来の目的を忘れてはいけないわ。
なんとか理性を保った私は、気を取り直して再び、ファスナーのチャックへと手を伸ばす。
そして手が触れそうになったそのとき。
「――あ、あの。これは一体、何を?」
流石に不審に思ったのか、彼女は頬を僅かに染めながらも私に尋ねてきた。
……そうね。もう、正直に話すしかないわね。
誤魔化しきれなくなった私は、本日の目的を彼女に告げる。
「えぇっ! さ、流石に下着は着てますよ!」
流石にそうよね。本当に良か――
ちょ、ちょっと待って。
じゃあ、あの異常な程の柔らかさは、ブラジャー越しだったってことなのかしら!
馬鹿な! そんなことはありえない。
直に自分のおもち(?)を触ったときよりも柔らかかったぞ!ウゾダドンドコドーン!
泣きそう。
これが持つものと持たざるものの格差というものか。
く、くそぅ。
一人で勝手に凹み、ずっしりとした雰囲気を醸し出した私は、彼女に向かって恨み言を言う。
――ひとりちゃんは胸がおっきくて良いわよね。
「エッ!」
――すごく、大きいです。
「エェっ!」
そんな私にアタフタとしながら、ひとりちゃんは早口で答える。
「で、でも、大きい方が良いとか、そんなの無いですよ! 重いし、肩凝るし。それにブラだって大変なんです。先週もサイズが合わなくてホックが壊れちゃうし、もう全然下着のストックが――」
はぁ!
まだ大きくなるっていうことかしら!
とんでもない女ね。
ひとりちゃん、恐ろしい子……!
まぁ、この話はもういいわ。虚しいだけだし。
それよりも、先程の会話に気になるところがあった。
――もうブラジャーの予備が無いの?
「は、はい。今着ているやつと、あと1セットしか無いです」
ほほう。
大きいからそんなことになるのだ。
やはり私ぐらいが丁度いい。
あいや、そうじゃない。今はひとりちゃんの話だろう。
胸のことになるとすぐに話が脱線してしまう。私の悪い癖だ。
ひとりちゃんはブラの予備が殆ど無いのか。そっかそっか。
なら、やるべきことは決まった。
――ひとりちゃん!
「は、はいっ!」
――今週末、二人でお買い物に行くわよキターン!
「エェェェェ」
++++++
待ちに待った週末がやってきた。
ひとりちゃんと出かける日である。
あれから渋り続けるひとりちゃんを何度も説得した結果、何とかおっけーの返事を貰うことができた。
その際に顔がドロドロと溶けていたけれど、いつものことだから問題ない。実際すぐに顔が戻っていた。
そんな風に今週の出来事を振り返っていると、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
「お、おはようございます。喜多さん」
――おはようひとりちゃん!
挨拶を返した私は、早速とばかりに彼女の手を引いて、目的地へと歩き出した。
「えっ? えっ? ど、どこに行くんですか?」
ふっ。そんなの決まっているわ。
ひとりちゃんの下着を買いに行くのよ!
ババーン! と告げたその言葉に、彼女はムンクの叫びを連想させる顔になった。
絶望したのか、彼女の体から一気に力が抜ける。
今がチャンスとばかりに、私は彼女を引っ張ってショッピングモールへと駆け出した。
今、私達はランジェリーショップにいる。
まだ入ったばかりだが、既にワクワクが止まらない。
これから私は、ひとりちゃんに似合う最高に可愛らしい下着を選ぶのだ。その事実にジュルリと涎が垂れそうになったが、なんとか理性を奮い立たせる。
既にサイズは測ってもらった。後は本命の下着を買うだけである。
それじゃあ行くわよ! と言って、私はひとりちゃんに笑顔を向けた。
そんな私に、彼女は青ざめた顔で答える。
「あわわわわ! か、帰っていいですか?」
勿論駄目に決まってる。
秒でその提案を却下した私は、下着の山へと飛び込んだ。
これもいいかしら?
それともこっち?
可愛いものからちょっとセクシーなものまで。様々な下着達を前に、中々納得するものが決まらない。
これは私の偏見だけれど、ひとりちゃんには可愛い系の方が似合うだろう。勿論セクシーなものも見てみたいが、彼女の良さを活かすには可愛いもの一択だ。
よし、決めた。
――ひとりちゃん!
「ぴっ! は、はい!」
――これ、試着してみて。
「ひぇぇ……」
渋る彼女に下着を握らせ、私は試着室へと強引に押し込んだのだった。
……まだかしら?
彼女が試着室に入ってから既に十分は経過している。いい加減待ちきれず、体がソワソワとし始めた頃合いだ。
――ひとりちゃん大丈夫? もう着れたかしら?
「は、はい! うっ、うぅぅぅ」
どうやら着れたらしい。
早く見たいなぁ。
そんな思いから、私は一歩、試着室へと足を踏み出した。
それからゆっくりと腕を持ち上げ、カーテンへと手をかける。
ふふふ。
さぁ、彼女の素敵な姿を拝むとしようか!
私は勢いよく、目の前のカーテンを開いた。
シャァッ!
「ぴぃあ!」
なんとそこには――
「み、見ないでください……!」
――ピンク色で統一された、可愛らしい下着を身に付けるひとりちゃんの姿があった。
思考が加速する。
この瞬間を鮮明に記憶しようと、彼女の頭から爪先まで、私の視線が高速で這い回った。
普段はジャージに隠された、真っ白な柔肌。
決して晒されることはない、おもちによる深い谷間。
その全てを私は目に焼き付ける。
その間、約0.1秒。
私は今この一瞬だけ、常人達を凌駕した。
私に誰かを惹きつける才能はないけれど、ひとりちゃんを舐め回すように見る才能はあるみたいだ。
そんな素敵な彼女を凝視していると、ひとりちゃんは恥ずかしそうに訊いてきた。
「ど、どうで――」
――可愛い。
私は食い気味に即答する。
そんな私に顔を赤らめながらも、モニョモニョと嬉しそうな表情をするひとりちゃん。
……良いわよね? もうここで決めて良いわよね!
彼女のあまりの可愛さに我慢できなくなった私は、試着室の中に飛び込んでカーテンを閉める。
「ひぇ! な、何を?」
――静かに。
「ぴ!」
動揺するひとりちゃんを制して、私は彼女を抱きしめる。
下着だけだからか、彼女の柔らかさが直に私へと伝わってきた。
あー、いけませんよひとりちゃん。これはいけません。
私が我慢できなくなってしまいますわ。
腰に回した手をゆっくりと上に持ち上げていく。それから、彼女の柔らかな背中を指先でツーっとなぞり始めた。
「ひゃ!」
あぁ、気持ちいい。
これが本物のひとりちゃんか。
ふわふわだぁ!
既に大満足ではあるが、最後のお楽しみがまだ残っている。
多分、そろそろの筈だ、ほら。
背中をなぞっていた指先が、ブラジャーのホックに引っかかった。
私はそれを両手で掴み、外そうと試みた。
「ちょ、ちょっと! さ、流石にまだ駄目です!」
えぇ、いいじゃない。
先っぽだけ!
「ど、どういう意味ですかぁ!?」
必死に抵抗するひとりちゃん。
けれど悲しいかな、彼女の体力では私に勝つことはできない。
この戦い、時間は私の味方である。
私はそんな確信の下、彼女と戦い続けた。
ひとりちゃんの限界はすぐに訪れた。
もう無理、といった感じで力の抜けた彼女の腕をどかし、私はブラのホックへと手をかける。
いよいよだ。いよいよ本物のおもち様が目の前に現れる。
ひとりちゃん、早く私に見せておくれ。
さぁ、さぁさぁさぁ!
私はホックを両手で持ち、外そうと――
「――お客様。そういうのは他所でやってください」
……。
はぁ。
一つため息を吐いた私は、ひとりちゃんから体を離す。
あとちょっとだったのに、なんて視線を店員さんに向けるが、凄い目で私のことを睨んできたので逸らしてしまった。
……ここまでね。
まぁ、本来の目的は達成したから良しとしましょうか。
そう考えた私は、着替えるように彼女へと伝えて、レジの方に向かうのだった。
+++
ひとりちゃんと帰り道を歩く。
私達の間には、微妙に気まずい空気が流れていた。
原因はやはり、先程の試着室での一件だろう。
例の下着は奢ってあげたが、お礼を言われただけでこの気まずさは解消されなかった。
そんな空気を入れ替えようと、先程から何か話題を探しているが、一向に見つかる気配はない。
もしかして、このままずっと気まずいままだったり……?
嫌だ。そんなのは嫌だ!
その想いを原動力に、私はぶるりと奮い立つ。
私達の幸せな未来のためには、こんなところで立ち止まる訳にはいかないのだ。
気合をいれろ喜多郁代。
さぁいく――
「 ――き、喜多さん!」
あら!?
一瞬早く、彼女が大きな声を上げた。
私は驚いた後、彼女の言葉に耳を傾ける。
「先程は、その。外だし、人前だし、あんまりえっちなのは駄目です!」
……仰る通りです。
ぐうの音も出ない正論に口をつぐむ。
あれは明らかに私が悪かった。
――ごめんなさい。
彼女に向かって頭を下げる。
そんな私を前に、彼女は何も答えない。
……。
だめ、かしら?
「わ、分かりました。許します!」
ひとりちゃん!
はしゃぎ回る私に向かって彼女は、でも! と大きな声で言葉を続けた。
「こ、今度からは、人前でえっちなことはしないでください」
はい、猛省します。
数秒の沈黙。
未だにしょんぼりと俯いて落ち込む私は、ポツリと彼女が発した言葉に耳を疑った。
「――二人だけなら、その、べ、別に大丈夫ですから」
……!
衝撃的な発言に、ガバリと勢いよく顔を隣に向ける。
ひとりちゃんは恥ずかしそうに、反対側へと顔を逸らしていた。
――い、今、なんて?
「な、何でもないです!」
彼女はそう告げ、体を蒸発させて私の前から消え去った。
……それ、任意で出来るのね。
いつも通りのひとりちゃんに、肩の力が抜ける。
今日は色々とあったけれど、最後には丸く収まって良かった。
彼女の体を味わって、許されて、意味深な言葉も聞けた。
大収穫だ。
今日は誘って良かった。
また、二人でお出かけしたいな。
一人だけになった帰り道、私はそんなことを考えながらゆっくりと歩くのだった。
後日、喜多郁代はぼっちとお揃いの下着(数サイズダウン)を買いに行った。