長い長い冬休みの中で、二人の子供が人生を満喫する話。

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出典:100万日目の冬休み

◆◆

 

 

──出典:0日目の冬休み──

 

『な、なんで泣いてるんだマユミ!?どこか体が痛いのか!すぐに救急車を──え、違う?じゃあ何故。ど、どこかに行ってしまう?引っ越しか!?ふむ、親の都合でか。じゃあしょうがないな!わあ、泣くな泣くな!』

 

『僕も悲しいが、両親の仕事ならしょうがないさ。それに今の時代、ネットを使えば幾らでも連絡が出来るからな!会いたくなったら休みの日でも会えばいいさ!海外とかだと流石に厳しいけどな!』

 

『うーん、参ったな。マユミってこんなに泣き虫だったのか。あ、じゃあ引っ越し前に最高の思い出を作ろう!ほら、今日から冬休みだろ?』

 

『たった二週間だけど、それだけあればいろんな所に行けるはずだ!二人で旅行に行こう!北海道でも、東京でも、大阪でも京都でも沖縄でも!いろんな場所に行って、二人だけの思い出を作ろうじゃないか!』

 

『無理だと?フフン、任せたまえ!僕が約束を破ったことが無い!マユミに最高の冬休みを、これからの生涯でずっと忘れられないような冬休みを送らせてやろう!』

 

『冬休みは、ずっと一緒だ!指切りげんまん!』

 

 

◇◇

 

 

「マユミ、君さてはヤンデレだな!?」

 

 僕は叫ぶように、僕はついに理解したことを指摘する。

 彼女は一瞬ポカンと口を開け、何がおかしいのか腹を抱えて笑い出す。

 

「ップ、アハハ、今更かぁ。随分遅いね、ユウ君。けど、悪いのはあいつらなんだよ?私の大事なユウ君に色目を使う奴らばっかりだから、私がユウ君の代わりに駆除してあげてるの。だって私は、ユウ君の彼女なんだもん」

 

 彼女は僕の目の前で、見るもおぞましい物を背中のリュックサックから取り出して見せた!この世界の歴史上、最も多くの命を奪い取った忌むべき道具!そう、銃である!(正確にはアサルトライフルというやつだろうか?)

 

 それもただの銃ではない。

 既に何人もの人間を撃ち殺し、ピクリとも身動きできなくさせた人殺しの、正真正銘本物の銃だ!鉛玉も何発も入ってる、悍ましい!

 

「マユミ、僕は君を説得するためについてきているんだ。君はとんでもない罪を犯したけれど、きっとまだやり直せる!だから僕と一緒に警察に行って、皆にごめんなさいしよう!きっと彼らも君を許してくれるよ!」

 

「へー、そっか。凄いね~」

 

「マユミ!」

 

 ああ、なんたることだ。

 彼女はもう人ではない、殺人鬼に成り下がってしまった!

 

「何故そんなに人を殺すための道具を集めるんだ!殺人は殺人罪という刑罰で、日本では禁止されているんだぞ!出典僕のお父さん!さっさとそんなものを捨てなくちゃ、碌な人間にならないぞ!」

 

「……人を殺してる時点で、碌な人間じゃないんじゃないかなぁ?」

 

「いいや、君はきっとまだやり直せる!なぜなら僕の幼馴染だからだ!」

 

「アハハ、ユウ君はバカだなぁ」

 

「なににぃ!?」

 

 くっ、平気でそんな人を傷つける発言をする人間になるなんて!

 幼馴染として共に幼少期を過ごしていながら、なんたる失態!

 彼女を導いてあげなかった僕の罪だ!

 

「あ、いた」

 

「わぁ!?なんてことを!」

 

 パァン、と乾いた音が昼間の電気街に鳴り響いた。

 彼女が手に持った銃口の先には、幼い少女と母親が仲良く歩いていた。

 和やかな挨拶を交わそうとしたその親子を、なんと彼女は挨拶どころか銃で二人の頭を打ち抜くという、手ひどい仕打ちを与えた!

 

 当然脳を撃ち抜かれた親子は即座に死亡し、身体を動かせなくなる。

 なんてことだ、また一人、いや二人も彼女は手にかけてしまったのだ!

 

「挨拶をしようと近づいてきた方々に、君は何という仕打ちをしているんだ!礼儀どころの話ではないぞマユミ!お母さまに挨拶の仕方を教わらなかったのかね!」

 

「はいはい。音聞いた奴らが集まってくるね、逃げよユウ君」

 

「こら、僕の話を聞きなさいマユミ!なんてことだ!幼馴染が人を殺すのを、また止められなかった!僕はなんて罪深い……!」

 

「うーうー言ってないで行くよ。次のデートはどこ行きたい?」

 

「こんな時に何を言っているんだい、君は!なんて異常者だ、殺人犯め!けどそうだなぁ。強いて言うなら京都に行って銀閣寺を見たいかなぁ。修学旅行の時見たあの雅さは素晴らしかったよ」

 

「うわ、滅茶苦茶遠いじゃん。こりゃ車調達しなきゃだなぁ。あ、いいところにあった。借りて行こうか、ユウ君」

 

 当たり前のように、駐車場に停まっていた車の窓を叩きわり、中から鍵を開ける。当然ながらこれは他人の車だし、マユミはたしか免許証を持っていない。

 

「君はまた、なんてことをしているんだ!免許証を持っていないだろう、君は!免許条件違反だ!出典僕のお母さん!それに車を動かすなんて危険だ、やめるんだマユミ!」

 

「いいから乗った乗った。何回も運転してるし大丈夫大丈夫!」

 

「毎回車のボンネットをボコボコにしてるじゃないか!こら、僕を無理やり助手席に乗せるんじゃない!それに運転席のシートにはガラスが散らばっている!まずは掃除するんだマユミ!ほら、こうやって!」

 

「あ、ユウ君!素手でやったらダメだってば。私がするから座ってて」

 

 なんと僕は、マユミの素早い手際によって助手席に縛られてしまった。

 ガムテープで手足を縛られ、シートベルトで体を固定されたのだ。

 

「こら!これでは誘拐だ、拉致監禁だ!」

 

「はいはい。それじゃ、京都に向けて出発、進行」

 

「聞いているのマユミ!あ、また通行人を轢き殺してる!なんて奴だ!」

 

 マユミは僕の怒声など気にも留めず、制限速度を大幅に超えて加速する。

 そしてその過程で何人もの人間を轢き殺しても、むしろ楽し気に彼女は笑う。

 

「京都デート、楽しみだね」

 

「なんて女の子だ!見損なったぞマユミ!」

 

 やはり、僕の彼女はヤンデレだ。

 僕に近づく人間をかたっぱしから撃ち殺し、それを気にも留めていない。

 彼女はそんな生活をかれこれ三年間も続けており、僕はずっとそれに付き合っている。なぜなら僕は彼女の恋人だからだ。

 

「マユミ、一緒に罪を償おう。もうこれ以上罪を重ねるべきではない!」

 

「はいはーい」

 

 呆けた彼女の声と共に、僕達を乗せた車は京都に向けて走り出す。

 まったく、盗んだ車でなんてことを!けど京都の抹茶スイーツは楽しみだ、どこかの銀行でお金を降ろして、一杯彼女と一緒に食べよう。

 

 

◆◆

 

 

──出典:冬休みの652日前に放送されたらしいニュース番組より───

 

『次のニュースです。新型の病原菌は世界各地に広がり、重患者を増やしています。狂犬病に類似する点が多いこの病原菌のワクチンは、未だ完成していません。皆さん、くれぐれも外に出ず、家族に症状が出た場合はすぐに救急車及び警察に連絡をお願いします』

 

『いやー、まるでゾンビ映画みたいですよ。病気にかかった人みーんな、目を真っ赤にして涎垂らして襲い掛かってくるんですから!けどまあ、多分すぐに収まるでしょう。ワクチンや治療薬の開発も進んでいるみたいですし、インフルエンザみたいなものですよ』

 

『インフルエンザより感染力が弱くて、現状死亡者はいないんでしょ?なら大丈夫でしょう。適切に対応していけば、すぐに収まりますよ』

 

 実際適切に対応してれば、ただのインフルエンザで終わったと思う。

 そう簡単にいかなかったから、こうなっているわけだけど。

 

 

◇◇

 

 

「おお、見てくれマユミ!海だ!」

 

 暫く走って、海岸沿いの交通道路に出た。

 しょっぱい潮風が彼女の髪と僕の肌を撫でる。

 

「そうだね。けど、目的地はここじゃないから早く行こうか」

 

「そんな!せっかくこんな綺麗な海を前にしてスルーするのかい!?海を見た時は精一杯遊ぶべきだと知るべきだ!出典クラスメイトの加藤君!」

 

「……泳ぎたいの?」

 

「それもだが、何よりマユミの水着が見たい!!」

 

 しまった、つい正直なことを口にしてしまった。

 僕の不埒な思いを聞いて、マユミはハァった溜息を吐き、仕方なさそうに車を止めた。銃器や刃物が入った袋と、少々の食料を手に、マユミは僕の拘束を解く。

 

「ちょっとだけだよ?」

 

「やった!」

 

 マユミは長い白色の髪を靡かせながら、海に向け歩いていく。

 途中で適当な海の家から水着と遊具を盗んで行ったのはいただけないが、何故か店員さんもいなかったし、お金を置いていけばいいだろう。

 

「珍しくあいつらがいないなぁ。潮風の影響かな?」

 

「潮風?何故潮風が人のいない原因になるんだ?」

 

「ん~、そうだな。ある日人類が皆、塩が嫌いになったから?」

 

「マユミ、今日はエイプリルフールじゃないぞ。そんなことあるわけ無いじゃないか!それに、僕は魚の塩焼きが好きだ!」

 

「アハハ、私も。せっかくだし、魚でも釣って食べてみる?」

 

「うん!」

 

 僕の彼女はヤンデレだが、とてもとても美しい。

 他の人より血色が良い白い肌に、モデル顔負けのスタイル、絵画のように整った顔立ち。その全てが、僕には勿体ない程に完成されている。

 

 そんな彼女の水着を見れるなんて、僕はなんて幸せものだ。

 己の幸福をかみしめながら、今さっき焼いた焼き魚にかぶりつく。

 

「あ、待ってユウ君。それまで完成してない」

 

「え?ちゃんと焼いて、塩も振ったじゃないか」

 

「あと一つ、入れなきゃいけないものがあるから」

 

 彼女は自分の掌を、カッターナイフで少しだけ斬って血を垂らす。

 垂らした血は僕が持っていた焼き魚に染みていく。

 なんてことだ、マユミがヤンデレのテンプレ行動をしてしまった!

 

「な、なんてことをしているんだマユミ!」

 

「いいからいいから。ほら、食べよ?」

 

「自分の作った料理に血を混ぜて恋人に食べさせるなんて、ヤンデレだ!ヤンデレだぞマユミ!とても危うい!」

 

「そだね。私はユウ君が大好きだよ。ほら、血が渇いちゃうよ?」

 

「ハッ!?そうだ、前にもこんなことを言った気がするぞ!君、前食べたカレーにも同じように血を入れていたな!リスカなんてすぐにやめるんだマユミ!」

 

「優しいねぇ、ユウ君は。美味しい?」

 

「美味しい!」

 

「それは良かった」

 

 むしゃむしゃと血がしみ込んだ魚を食べながら、マユミ特性のジュースを喉に流し込む。まるで生き返るような心地だ。

 

「ずっと、こうしていたいねぇ」

 

「何を言っているんだ、マユミ!冬休みは1月7日で終わりだぞ!だから、えーと……マユミ、カレンダーあったっけ?」

 

「あるよ。はい、これ」

 

 カレンダーには8月3日と書かれていた。

 

「えーと、冬休みの終わりが1月7日だから、あと……」

 

「冬休みはあと160日くらいだね」

 

「おお。今年の冬休みは随分と長いんだな!」

 

「だね~」

 

 まだまだ休みがあるのなら、暫くはこうしているのも悪くはない。

 冬休みが明け、クラスメイトと顔を合わせる未来を想像して少し笑う。

 この旅行のお土産は、一体何がいいだろうか?

 

 

◆◆

 

 

──出典:冬休み220日前に存在していたらしいインターネット掲示板──

 

『ゾンビウイルスやばくない?うちの親父が訳の分からないこと言って病室で暴れてんだけど。「お前も来い」だとか、「幸せになろう」とか』

 

『気味悪いよなぁ。けど一番怖いの保護団体とかいうアホ共だよ。病人を隔離しようとしたけど、なんか滅茶苦茶反対したりデモ運動したりして遅らせたんだろ?人権がどうとか言ってるけど、俺達にまで被害及ぶのやめてほしいよな』

 

『正式名称長いから、もうみんなゾンビウイルスが定着しちゃってるなww』

 

『患者は発病したら真っ先に自分の家族や恋人を襲うらしい。逆に嫌ってる人には襲わないんだって。なんでだろうな?』

 

『質悪いよなぁ。家族襲うくらいなら、隔離してほしいよ俺』

 

『けどまあ、治療はできてないけど発症率は滅茶苦茶落ちてるんだろ?まだかかってない人はみんな抗体できてるから、空気感染はもうしないってさ。ソースはこれ(URLが張られる)』

 

『治療薬ももうじき出来るって言ってたし、じき終わるだろ。去年も同じこと聞いた気がするけどな!』

 

『バカな奴らが暴れなけりゃ流石に終わるだろ』

 

『てか、なんでこんなウイルスがあるんだ?どっかの国が化学兵器目的で開発したりした?流石に色々と不自然すぎるだろ、これ』

 

『他の掲示板じゃ、宇宙人が持ち込んだ説があるらしいぞ』

 

『宇宙人てw』

 

 数か月後、隔離施設でテロ発生。

 バカな奴らは、どこの世界にでもいるものだ。

 

 

◇◇

 

 

「気狂いめ!来るんじゃねぇ!」

 

 やっぱりこうなってしまったか。

 マユミは食料を補給しようと近くの店に立ち寄ったが、返った来たのは拒絶の言葉だけだ。しかしそれも当然だ、あれほど殺していれば当然、全国で噂も出回っているはずだろう。

 

「……食料と武器を交換しに来ただけです。怖いのなら、近づかなくても構いません。あなた達の拠点と装備じゃ、いずれ奴らに潰されますよ」

 

「黙れ、そんなやつを連れてる女を信用できるかよ!それ以上そいつを近づけるんじゃねぇ、お前ごとぶち殺すぞ!」

 

 彼女は人と話すのが少し苦手だ。だからいつも僕が彼女と友人の間に立ち、色々ととりなしてきた。今回もそれをやるべきなのだろう。

 

「まあまあ、落ち着いてください。確かし彼女は少しところはありますが、実際にはとても優しい子で──」

 

「う、うわぁ!?」

 

 バキューン、煩い音が鳴った。

 

「いっ……つ」

 

「……お、お前!イカレてやがる!」

 

 なんということだ!

 彼女は突然僕を突き飛ばし、それに驚いた男が拳銃の引き金を引いてしまった!

 ドクドクと、彼女の右肩から血が流れる。僕は急いで止血しようと包帯を探すが、なんということだろうか、手持ちには包帯が無い。

 

「なんで()()()()庇ってるんだ!?」

 

「……狂人などと言われることも、銃口を向けられるのも。私に向けてなら、私はあなた達を許しましょう。その行為に大した意味はありませんから」

 

 仕方ないので自分の服を包帯にしようとして、自分の服が随分と汚れていることに気づいた。そういえば、何日前に服を着替えたのか覚えていない。

 これでは、傷口にばい菌が入ってしまう。

 

「けど、次その銃口を彼に向けたなら。次の銃声はあなたの死を意味します。私という狂人が、ここまで生きていた理由はあなた達が良く知っているはず」

 

 救急箱はあるだろうか、とトランクの中を漁っている内に、マユミは凄い早業で男の銃を取り上げ、銃口を男の頭部に突き付け拘束してしまった。

 そういえば、マユミは柔道も習っていたんだっけか。

 流石はマユミだなぁ。

 

「ひぃっ!?」

 

「慰謝料代わりに、これは貰っていきます。もうここに戻ってくることも無いでしょう。お忙しい中、失礼しました」

 

 マユミは流れ出る血を気にもせず、男を離して車の方に戻ってくる。

 救急箱は見つからないし、包帯代わりになるようなものも無い。

 せめて彼らから何か貰えばいいのに、と思いながらも特に何も言わなかった。

 僕が喋ろうとする度に、彼らはとても怯えてしまうのだ。

 

「ん。……アハハ、嬉しいけどくすぐったいよ」

 

 だから、母さんから聞いた『唾を付けとけば治る』を実践してみることにした。

 カプリと傷口に甘噛みして、血を吸い上げて傷を塞ごうとしてみる。

 あれ、けど他人の唾はダメなんだっけ?バイ菌が移るんだっけ?

 不安になったのでマユミの目を見てみれば、彼女はとても優しい顔で俺の頭を撫でていた。マユミがいいなら、多分これで合ってるのだろう。

 

「……別に、牙を突き立てたっていいのにね」

 

 それではもっと血が出てしまうではないか。

 そう反論しようとして、血を止めなければいけないので何も言わなかった。

 エンジンをかけ、その場から離れ去ろうとする車を茫然と見る男は、怯えるような、小さい声で呟いた。

 

「どうかしてる」

 

 失礼な人だ。

 マユミはともかく、俺はとても常識人だ。出典:僕。

 何せ僕ことユウ君は、約束を破ったことが無いらしいのだから。

 出典:まゆみ。

 

 

◆◆

 

 

──出典:1日目の冬休み──

 

『人類が次のステップに移行する時が来ました。皆さん、我々の仲間になりましょう!半永久的な寿命、病気に侵されぬ身体、争いを起こさぬ賢明な思想を手に入れられます!愚かな争いと歪な発展を続ける人類の歴史の変換点を、共に作り上げましょう!』

 

 自称新人類代表、最初の感染者なんちゃらかんちゃらより。

 多分海外の人だと思うけど、無駄に長いので覚えてない。

 何にせよ、その日から旧人類は新人類とやらに蹂躙された。

 心底どうでもいいくだらない歴史の一幕で、私達の日常は崩壊した。

 

 

◇◇

 

 

「おお!懐かしき銀閣寺!」

 

「はしゃがないはしゃがない。八つ橋食べる?」

 

「食べる!」

 

 マユミが作ってくれた赤い生八つ橋を頬張りつつ、雅に佇む銀閣寺を見上げる。

 壮観だ、実に美しく雅である。来れてよかった銀閣寺。

 

「素晴らしい。金閣寺もいいが、やはり銀閣寺は僕の好みドンピシャだ……!」

 

「そんなに好きなの?地味だと思うよ、銀閣寺」

 

「フフッ、地味に見えてもよくよく見れば匠の技が隠れている。そういう分かりにくい魅力こそが、銀閣寺の良さなのさ!派手なものだけが優れている、と思うのは早計だよマユミ!」

 

「そういうもんなんだね。あ、敵だ」

 

「ぎゃああああああ!?マユミ、なんてことを!」

 

 世界遺産の前で何人もの観光客をことも無さげに殺してしまった!

 彼らは実に快く『こっちおいでよ』と誘ってくれただけなのに!

 悲しきかな、彼女にとって善意に返すべきは弾丸なのだ!

 

「うう、世界遺産の前で血を流すなんて……!」

 

「血は流れないでしょ」

 

「あれ?本当だ、流れてないね。けどそれはそれとして、世界遺産の前で人を殺すとは何事だいマユミ!酷いことだぞ!」

 

「はいはい。初めて見たけど、そんなにいいものなんだね、これ」

 

「初めて?何を言っているんだマユミ。修学旅行の時、君も一緒に来ただろう」

 

 ピタッ、とマユミの動きが止まる。なんだか心なしか顔が青い。

 たしかに僕は彼女といっしょに修学旅行に行き、銀閣寺を見たはず。

 その時は彼女も僕と同じく、銀閣寺の雅さに感心して──あれ?

 

「マユミ、前は『派手じゃない方がいい』って言ってなかったかい?」

 

「え、あ、えっと」

 

「まさか、マユミ──!」

 

 気づかなかった彼女の明確なる異変に、ついに気づいてしまった!

 ああ、なんたることだろうか……彼女は、マユミは実は!

 

「……騙してて、ごめ」

 

「冬休みの宿題、やっていないな!?」

 

「うん?」

 

 まったく、長期休みの終わりが近づくとまゆみはいつもこうである!

 どこか上の空になり、『お空綺麗』などと言いながら項垂れ、最終的に白紙の宿題を僕に見せ『手伝ってください!』なんて言う奴なのだまゆみは。

 この様子からして、今回も冬休みの宿題をやっていないな!

 

「……そ、そうそう。実は全然進んでなくてね?」

 

「まったく、言っただろうマユミ!宿題はちゃんと少しずつ進めなければならない、と!今回も僕が教えてあげるから、ちゃんと自分で解くんだよ!写させたりはしないからな?」

 

「フフッ、いーじゃんケチ~」

 

「ケチじゃない!ほら、どこか適当な場所で宿題をしに行こう!」

 

 まったく、しょうがない奴だマユミは!

 

「冬休みが終わるまでに終わらせるぞ、マユミ!あと何日だっけ?」

 

「今が10月17日だから、後75日かな」

 

「なんと!?今年の冬休みは随分と長いんだな!」

 

「……だね~」

 

 まだまだ休みがあるのなら、暫くはこうしているのも悪くはない。

 冬休みが明け、家族と顔を合わせる未来を想像して少し笑う。

 この旅行の土産話は、一体何から話そうか?

 

 

◆◆

 

──出典:2日目の冬休み──

 

『あ、マユミかい?ごめん、嚙まれてしまった!もうじき僕も新人類とやらになるらしいから、速く逃げるんだ!血が全部抜け落ちて、他の人達みたいに肌が白くなって、別人みたいなことを言っちゃうらしいんだ!だから、速く逃げるといい!』

 

『え、思ったより元気って?ハハハ、正直言うと泣きそうだ!父さんも母さんもあいつらの仲間になって、僕にずっと一緒においでって言ってくれるんだ!僕もうあっち行った方がいいかな?全部血が抜けて、仲間になった方がいいかな?なんで僕は、まだ君と話が出来るんだろう』

 

『思い出した!そうだ、マユミが泣いてたから、約束したんだ!ああなっちゃったら約束を忘れちゃうから、きっと僕はまだ新人類とやらになってないんだな!納得した!それじゃあ行こう!え、どこにって?旅行だよ旅行!』

 

『冬休みの間、ずっと一緒にいるって約束したろう?出典昨日の僕!……ん、出典の使い方が違う?まゆみがなんか賢そう、って言ったからずっと使ってるんだぞ!フフン、どうだい?賢そうに見えるかい、マユミ!』

 

『……むぅ、見えないか。けどずっと見ればいつかそう思えるはず!え、すぐに血を失って新人類になっちゃうから無理だって?行ける行ける、なんとかなるさ!だって僕は、絶対に約束を守る奴なのだから!出典:まゆみ!』

 

 その日から、私達は旅行に出かけた。

 沢山の荷物をキャリーケースに詰め込んで。

 今にも見失いそうな、白くて愛しき男と手を繋いで。

 

 

◇◇

 

 

「寒い!」

 

「冬だからね」

 

「何故か最近寒くなかったから忘れていた!そうだ、冬は寒いんだ!」

 

「多分0℃に近いかな?」

 

「寒いわけだ!マユミ、防寒具を買いに行こう!風邪をひいてしまう!」

 

「はいはい」

 

 こうも寒いと、吐く息まで白くなってしまう!

 何故か僕の息は出ないが、マユミから出る吐息は白色だ。

 しかし今日はクリスマス、どこかに閉じ籠るなんて勿体ない!

 

「今年はイルミネーションが無いんだな、残念だ!」

 

「それやるくらいの知能がまだないからね。あと3年もすれば、クリスマスの概念を理解する個体が現れるんじゃないかな?多分だけど」

 

「マユミは時々訳の分からないことを言うな!」

 

「そうかな?ん~、そうかもね」

 

 二人で東京の夜道を歩くが、目当てのイルミネーションは残念ながらやっていないようだった。綺麗な飾りつけを期待していただけに残念だ。

 

『皆さん!よく聞いてください!』

 

「ん」

 

「おお!」

 

 ふと、選挙カーのようなものが道路を歩いているのを見かけた。

 我らの代表者、なんとかかんとかさんだ。名前は覚えきれてない。

 

『我々は大いなる宇宙の意思により授けられたこの力で、地球をよくしなければなりません!そのためにも、地球に住まう人々は一致団結せねばならぬのです!どうか、旧人類の身体などというお粗末なものは捨て、我々と共に新人類……否、真なる人類へと生まれ変わりましょう!寿命が、病気が、死が無い種族へと!』

 

 なんてすばらしい演説だろうか……!

 初めて新人類へと至ったお方、なんとかかんとかさんはやはり素晴らしいお方だ!

 

「またやってるよ、あいつ」

 

「こら、あの人はとても偉い人なんだぞ!そんな言い方はダメだ!」

 

「たまたま一番最初に病気にかかってイキってる奴の、どこが偉いのかなぁ。映像技術も、あいつの言う旧人類が発展させたものだろうに」

 

「こら!僕の父さんと母さんも、あのお方に救われたんだぞ!悪く言ったら二人から怒られてしまうぞ、マユミ!」

 

「はいはい。……実際に目の前にいたなら、今すぐにでも殺してやるのに」

 

「コラー!」

 

 なんて好戦的で残虐な思想をするんだ、僕の彼女は!

 

「まあ見逃してあげよう。旅行中だしね」

 

「まったくもう!そうだ、近くに美味しいレストランがあると聞いたな!マユミも行こう、とても美味しいはずだ!」

 

「ん、行こっか。何が食べたい?」

 

「スパゲティ!イカ墨スパゲティというのが食べたい!」

 

「イカ墨かぁ。近くにイカ、いるかな?」

 

「冬休みが終わるまで楽しもう、マユミ!あと何日だっけ?」

 

「……あと二週間かなぁ」

 

「おお!?今日は冬休みの初日だったのか!」

 

 

◆◆ 

 

 

──出典:マユミの誕生日──

 

『え、宇宙人?ほんとにいるのそんなの、マジか。けど危ないよ、今の私に近づいたら。なんかゾンビになる病気にかかった親に噛まれて死にかけてるし、多分私も病気にかかって……え、それあなた達がばら撒いたの?マジで?侵略者?侵略のためにこればら撒いたの?やっば』

 

 ケラケラと、ふざけたように笑う少女の命は風前の灯火だった。

 彼女はどうやら、我々のばら撒いたウイルスにより変異した両親に襲われ、それを手に持った刃物で撃退したようだった。原始的な武器だ、蔑んだ目で見ても、彼女は大して気にも留めず、アルミの容器に入った有害飲料を飲み干した。

 

『それで、その侵略者が何の用~?んえ、自由研究!?学校の!?宇宙人にもそんなのあるんだ!へ~、私達宇宙的には滅茶苦茶下等な生き物なんだなぁ。初めて知った。それで、もうすぐ人類滅ぶから、せっかくだし自由研究のテーマにしたいのかぁ。すげぇ壮大!』

 

 何が面白いのかと、下品に笑う女に首を傾げる。

 我々にとって、感情などという不要な要素を持ち、何の意味も無く宇宙にゴミをばら撒く恐れがある地球の知的生命体は有害な存在でしかなかった。

 故に彼らは下劣な生物だが、彼らの無意味さに私は少しの興味を持った。

 

『体が欲しいの?私の?いるかなぁ、こんな身体。貧相だし、ガリガリだし、抱き心地も悪いぜ?もしかしてロリコン?あ、女なんだ。顔真っ赤にして怒ってら!おもしれー!……感情について研究したいんだ。へー。じゃあ、一つだけ約束してよ、約束』

 

 約束という単語を知らなかった私は、とりあえず頷いた。

 後で知ったが、我々で言うところの契約(この世界において一番近しい言葉に言い換えておく)を、幼い地球人が理解できる用に変換したのがその単語の意味らしい。この世界の言語は不合理的だ。

 

『まず、私の彼氏──ユウって奴は、殺さないでね。仲良くするフリだけでも、してあげて。他は別に殺してヨシ!え?無いよ他の奴らに仲間意識なんて。あいつほど優しくないし、あいつみたいに私に優しくしてくれる奴いなかったもん。だから、別に人類が滅びても気にしなーい』

 

 やはり人類は愚かな種族だな、そう言うと彼女は笑った。

 

『そりゃそうだ。私は何度も滅べ~滅べ~!って願ってるもんね!けど多分滅びないんだろうなぁ。しぶといもん、ゴキブリ以上!』

 

 楽観的なことをほざく異星人に、私は呆れ果てた。

 ブラックホール一つで滅びる星に住まう種族など、簡単に滅びるだろうに。

 

『滅びたら滅びたでヨシ!地獄でユウとイチャイチャするもんね!』

 

 死後の世界を妄想するのも、実に下級生物らしい考えだ。

 

『じゃあよろしくね、マユミ。ああ、これ私の名前!人類に擬態して人類を観察したいなら、使っておいてよ。私もうすぐ死ぬから、後はよろしく!』

 

 人類の滅びが始まるまで、1年程しかない。その期間でどれだけ人類を観察できるかは知らないが、まあ問題はないと高をくくっていた。何せ私の長期休みは、人類の時間単位に換算してあと100年程あった。

 

 ほんの余興。

 ほんの暇つぶし。

 理解できないならできないで、他を題材にすればいい。

 幼い私がなんとなくで選択した、特に期待もしてない研究対象。

 

『ああ、けど一応警告しておこう』

 

 聞いてもいないのに、その女はにやりと笑ってバカをほざいた。

 

『私の彼氏は宇宙一かっこいいぞ。うっかり惚れるなよ?』

 

 あまりにも愚かな発言に、私は呆れ果てるあまり大笑いした。

 私が彼に恋をした、多分100日程前の出来事である。

 

 

◇◇

 

 

「ついに冬休みが終わってしまうな!」

 

「だね~」

 

 1月7日、冬休みの終わりの日。

 僕達は学校裏にある山のてっぺんで、星空を見上げていた。

 

「楽しかったな!マユミはどうだった?」

 

「楽しかったよ。とっても、と~~~っても楽しかった。今までの人生の中で一番楽しい冬休みだよ」

 

「ならよかった!明日から始業式だな!宿題は終わっているかい?」

 

「……自由研究だけまだかな」

 

「なんだと!?」

 

「あと絵日記が何ページも余っていてですね」

 

「なんということだ!?ちゃんと毎日欠かさずやらなきゃダメだろう!」

 

「アハハ、ちゃんとやったのになぜか滅茶苦茶ページが余ってるんだよね~?」

 

「ならしょうがないか!一緒に先生に謝ろう!」

 

「……そだね」

 

 最後の最後で衝撃のアクシデントが発生したが、まあしょうがない!

 絵日記と自由研究くらいなら、きっと先生も許してくれるだろう!

 きっと彼女にとっても、忘れられない思い出になったはずだ!

 

「ユウ君は、私にどっちに行ってほしい?」

 

「ん?」

 

 突然、マユミはそんなことを口にした。

 その瞳はどこか憂い気だ。

 

「あのゾンビ達のことが好きなんだよな、ユウ君は」

 

「ゾンビじゃないよマユミ!彼らは新人類だ!この星を新たに支配する、素晴らしい種族だぞ!ゾンビなんて言い方はしちゃダメだ!」

 

「アハハ、ごめんごめん。……じゃあ、旧人類は嫌い?」

 

「自主性は尊重すべきだが、いつまでも型落ちの身体を使うのはあまりよくないな!いつかは寿命が来て死んでしまう!体が老いさらばえてしまう前に、新人類に生まれ変わった方がいいだろうな!」

 

「じゃあやっぱり、私もあなたと同じの方がいい?」

 

「ん?ん~……」

 

 マユミが、僕らと同じように。

 

「別にいいかな」

 

「なんで?そうすれば、私はもうあいつらを殺さないよ」

 

「うん。たしかにそっちの方がいいけど、だけど」

 

 まあ、別に彼らが何人死のうが。

 

まゆみ(マユミ)が幸せなら、別にいいかなぁ」

 

 そう呟いた僕を、マユミはいつもより大きな声で笑った。

 

「アッハハハハ!うん、やっぱりユウキ君は変な男の子だ」

 

「失礼な!僕はまゆみよりは常識人だよ!」

 

「どっちもどっちだよ。……ユウ君、私は少し眠くなってきた」

 

「ん」

 

 ピカッ、と急に辺りが明るくなった。

 光り輝く幾つかの球体が、僕らのすぐ頭上で光り輝いて回っていた。

 なんだろうと疑問に思う前に、マユミの頭が僕の肩に寄りかかった。

 

「明日になったら起きるから。その時まで、一緒にいてくれる?」

 

「勿論だとも!任せてくれ、マユミ!」

 

 寝息を立てるマユミは、やっぱりいつ見てもかわいいものだ。

 光に釣られてか、僕達の他にも沢山の人が山を登ってくる。

 彼らは優しいから、マユミにも『一緒においでよ』と誘いの言葉を投げかける。

 僕はそんな彼らに笑顔で手を振って、『今日は帰って』と返事をする。

 

 彼らは『何故?彼女も仲間に入れてあげなければ可哀想だ』と困惑して。

 僕は『彼女はこのままでもいいんだ。だから、また今度』と返して。

 理解できぬまま、彼らは自分の善意を押し付けようと彼女の周りに集まり、マユミを仲間に引き入れようとするのだ。

 

 だから僕はそんな彼らに申し訳なく思いつつ、彼らの頭蓋を叩き割る。

 訳が分からないと怒る彼らに、僕は笑顔で返すのだ。

 

『ごめんなさい。冬休みの間は、彼女は僕とだけ一緒にいるっていう約束なんだ。もし仲間にするなら、僕がするって約束なんだ。だから、好意は嬉しいけれど』

 

 言葉を交わす間に、標的を僕に変えた彼らが襲い掛かってくる。

 おかしいなぁ、なんで僕らは分かり合えないんだろうか。

 完璧で、戦争なんて起きない、分かり合える種族のはずなのに。

 

『あなた達を全員殺してでも、僕は彼女といっしょにいます』

 

 それじゃあ、約束を果たそう。

 まだ冬休みは続いている。

 

 

◆◆

 

 

──出典:3回目くらいの大人達との精神通話──

 

『人類の精神構造は非常に複雑怪奇であり、研究には膨大な時間が必要であると推察。訪問予定期間の延期を要請。研究成果は以下の通り』

 

『……自由研究にしては研究量が膨大過ぎるし事細かい?別に構わないじゃないですか。私は天才なのでそれくらい簡単に書けてしまうんですよ。人類から洗脳を?まさか、そんなへまをするわけ無いじゃないですか』

 

『大丈夫。他の宿題は終わってますよ。身体も休められています。次の登校までに疲れを遺すことは無いですって。え?あと何日間居るつもりなのか教えてって?……心配性だなぁ、母さんは』

 

『それじゃあ、研究レポートの最後の方に、しめくくりだけ記載しておきますね。まだもう少し地球にいるけど、帰る時間が分かれば安心でしょ?大丈夫だよ、案外こういうのも楽しいから。うん、また地球時間365日後に連絡してきて』

 

『アハハ、ありがと。それじゃ、またね』

 

 

◇◇

 

 

「起きろ~、ユウくーん」

 

「おはよう!!」

 

 しまった、寝ていたようだ。

 周囲には大量の死体が転がり、その中心で僕はマユミに膝枕されていた。

 とても柔らかくすべすべだ。このままでは二度寝してしまうので起き上がる。

 

「さあ!冬休みは終わりだぞ!新学期、学校に登校だ!」

 

「あ、それなんだけどさ」

 

「うん?」

 

 マユミは携帯を見せ、今日の日付を見せてくれる。

 そこに書かれている数字は──1月8日!?

 

「いやー、私日数計算間違っちゃってたや。あと364日、冬休みはあるみたい」

 

「なんと!?それじゃあここに来るのはまだ早かったのかい!?」

 

「うん、そうなるね。それじゃあ、またどっか行こうか。どこ行きたい?」

 

「次はハワイとやらに行きたい!まだ行った事が無いんだ!」

 

「ハワイねー。飛行機に乗らなきゃね~」

 

 まだまだ休みがあることに少し得した気分になりながら、僕はマユミから伸ばされた手を握り、彼女の手を引いて山を下りていく。

 

「さーマユミ!忘れられないような、素晴らしい冬休みを送りに行こう!」

 

「はいはい」

 

 さあ、次はどんな楽しい思い出が作れるだろうか。

 

 

◆◆

 

 

──出典:100万日目の冬休み──

 

『最高に楽しい、人生最高の冬休みだった。以上、恋する宇宙人の自由研究レポートでした』

 




『ユウ』
自分を真面目な常識人だと思ってるバカ。
語り部。既にゾンビみたいになってる。
彼女大好き。ヤンデレはてめぇだ。
マユミが大好き。まゆみが大好き。
冬休みがやけに長いな~と思ってるけどあんまり気にしていない。

『マユミ』
宇宙人。最後の場面では定期連絡的なことをしてた。
まゆみの身体を乗っ取って地球で冬休みを満喫してる。
ほんとならすぐ帰るはずだったけどユウにどっかで惚れて長居することになった。
とりあえず100万日は帰らない予定。親は泡拭いて倒れた。

『まゆみ』
マユミの寄生先。少し胸が貧相な普通の美少女。
親とかに虐待されてたらしい。ユウが大好き。
ゾンビになりかけて絶望してやけっぱちになりかけた所にマユミが来て、せっかくだしと身体明け渡してユウのことを任せることにしたノリと勢いの女。

『宇宙人』
元凶。地球人が有害生物か無害生物か調べるために遠い星からやってきた。
知性があれば対処できるウイルスをばら撒いて様子を見ていたが、途中までは良かったのに最後の方でなんかアホやらかして全滅寸前になったので呆れている。一応旧人類にならない限りは見逃す方針。
子供が一人野蛮な惑星に行ったので少し心配。

『なんとかんとかさん』
元凶その2。宇宙人からもたらされたウイルスの最初の感染者。
自分が選ばれたんだとか勘違いして人類全員同類にすべく動き出したやべぇ奴。
ウイルスに感染した奴は、こいつの思想に汚染されるので非常に厄介。
こいつさえ殺せばなんとかなるかもしれないが、短編なのでなんとかかんとかさん。

『人間の男』
狂人と噂されてる少女が来たので滅茶苦茶ビビってた男。
実際ゾンビ連れてる狂人なので思わず引き金を引いてしまった。
数か月後くらいに多分ゾンビになった。

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