「世界は邪竜を忘れ、天災と表したか」
「ジークフリート」
「ジーク、そうだ。俺達の功績はない、だが俺達が戦ったから被害はあれだけですんだんだ」
所々包帯を付けたまま、ジークフリートとジークは会話をしていた。
「ジーク君!ジークフリート!」
「ジャンヌ!」
恋人のように笑い合う二人にジークフリートは微笑ましい物を見た。
そして、ソレを重ねた。自分自身とクリームヒルトに。
今は何処にいるかわからないが、必ず迎えに行くという決意を抱いて。
「はぁ…お熱い事ね、」
「むっ!私もです、そんな言い方はないじゃないですか!」
「あのねぇ……イルカの調教師はわかるわよ?でも、いい加減その殴ります!な精神はやめなさいよ!頭マルタなわけ?」
「だめですよ!マルタさんもそこまで………」
「言い淀むんじゃないわよ」
疲れた物言いのジャンヌオルタ。
その腕にはパソコン等が多くある。
「オルタ、それは」
「あぁ、投稿してる漫画の売上でね。新品に変えたのよ、そこの龍殺しさんが無限にお金稼いでるけど、自分でも稼がなくちゃでしょ?」
「むっ…ソレを言われると」
「ジーク君は大丈夫です!これからはご入学ですから!」
「待ってくれジャンヌ!その話は聞いてない!」
「だってジーク君はお勉強を」
「…ねぇ、アンタはいつ習ったのよ」
「カルデアでマスター君から習いましたよ!アルキメデスさんやケイローンさんもいらして」
「そうね、そうだったわね」
オルタはもう何も言うまいといった表情で古城に戻る。
「私は当分作業するから、何かあったら電話しなさいよ。特に…………ジーク、ジークフリートあんたら二人は色々と面倒に巻き込まれるんだから」
「……前処しよう」
「同じく」
二人がジャンヌ・ダルクオルタに謝罪すると車椅子を押しながらジャックが現れる。
「お母さん、大丈夫?」
「ジャック、もう大丈夫だからね。だから……いい加減降ろして欲しいかなぁ……なんて……」
「駄目!お母さんまだ治ってないもん!!」
「でも、お母さんお呼ばれしてるのよ。どうしようかしら……」
困り顔のレイナーレだが、ジャックを自身の膝の上に乗せるとそのまま黒翼で包む。
しっかりと抱擁する姿はまさに聖母マリアのようだ。
「レイナーレ!遅すぎるわよ!」
「お母さん…アレ、斬り刻んでいい?」
だが、急遽現れたリアス・グレモリー達オカルト研究部に邪魔をされジャックの機嫌が悪くなる。
「わぁ……レイナーレ様お綺麗です!」
「そうかしら、アーシアも来る?」
母親の抱擁、アーシアもジャックと共にレイナーレに抱き着くと笑顔になる。
ソレを兵藤一誠はほほえみながら見ている。
「お父さん」
「な?!」
「お父さんも……一緒」
「……イッセー?」
「不潔です」
「いや、俺のせいじゃないからな!」
等のイッセーはジャックから父親認定されている。まぁ、レイナーレが好いているのだから有り勝ち間違いではないのだ。
「……聖母様のようだな」
「ありがとう、でもね。私は神に興味はないわ。今の私は一人の女であり、ジャックの母親、ね!ジャック」
「うん、お母さん!」
微笑ましい姿だが、リアスも急いでいる。
二人を連れたオカルト研究部のメンバーは消えた。
「出掛けるか」
ジークフリートは静かに屋敷を出たのである。
「……」
ジークフリートが街を歩いていると見慣れないカフェを見つけた。
カフェ〘マハーバーラタ〙
インドの叙事詩だと記憶しているジークフリートは何故かその扉を開いた。
「客か、まだ開店前だ。来週から」
「赤の……ランサー」
「黒の…セイバーだと」
二人はとある因縁があった。
いや、因縁では無いのだが、とある約束があった。ルーマニアで行われた聖杯大戦で二人は、次に相見えた際、本気で戦うと誓った。
「……赤のランサー、決着をつけるぞ」
「……望むところだ、黒のセイバー」
そして二人は駒王学園に向かった。
「……巫山戯ないでください!死合うから良い場所を教えてくれなど……そんなのこの駒王にありません!というより、何故ジークフリートとカルナが知り合いなのですか!」
まず、二人が急に駒王学園に現れた際に荒れた。
俗に言うイケメン、しかも神話の時代の神と、龍殺しの大英雄だ。知らなくとも、それに見合う美貌を兼ね備えた二人が急に現れた事に騒がない人間はいない。
「……会長、腹が……腹が痛いです」
そして更に悩んでいるのは匙だ、英雄と何故か関わり過ぎている。
時にアストルフォに呼ばれ、時に、同じクラスのモードレッドと馬鹿な男子を止めるために疾走し、群がる女子生徒から二人を救出。
「匙、休みますか?」
ソーナとは違うベクトルで匙の心は剥げていた。
「……有るにはあります。なので……お願いします。地上で争わないでください」
「…何を言っている。俺達はかつての誓を守れるのなら構わない」
「あぁ、だが俺は死ねない。妻を…クリームヒルトの下に行くまでは」
「ならば、俺を倒せ。龍殺し」
「良いだろう、神の子」
「会長……怖いです!相変わらずジークフリートさんが……!!!」
「匙、大丈夫です。彼は現代に蘇った真の邪竜をただこの前討伐しただけです、ほぼ一人で」
「俺のセイクリッドギアも龍なんですけどぉぉぉ!!!!」
ソーナは疲れ果て怯えた匙の頭をゆっくりと撫でるのだった。
―――
翌日、ソーナは燃え尽きた匙を連れオカルト研究部に来ていた。
「よぉ!生徒会長!!あっ、赤いの!これ返すわ!」
「…へ?」
「………一成く…ん生きるんだ」
「うぉぉ……イッセーか」
「えっと……ローラン、モードレッド?やりすぎじゃないか?」
「あはは!いや、俺と同じデュランダルを持ってるんだ!鍛えがいがあってさ!」
「けっ…何か聖魔剣だよ、簡単に折れやがって。もっと強くなるんだな」
リアス配下の二人はモードレッドとローランに鍛えられていた。デュランダルを持つものつながりでゼノヴィアはローランが。
モードレッドは弟子の木場をそれぞれがスパルタ以上で鍛え上げていたのだ。
「……悪い!俺の部下が!」
「いっいえ…シャルル先生は……はい」
シャルルマーニュはというと体育教師として駒王学園旧校舎で生活している。彼も何故か呼び出された口であり、家がないのだ。
「俺と住めば良いのに」
「……つかれたんだよ!」
「シャルルマーニュ様、書類終わりましたけど……」
そこにブラダマンテが入ってくる。
彼女は事務員で駒王学園で生活し、その容姿で既にファンも多い。
「……この状態で切り出すのですか」
ソーナは頭痛を抑える。
考えたらリアスと匙に任せっきりであった英雄案件、偶には自分が泥をかぶるのも良いだろう。
「リアス、あの」
「嫌よ!聞きたくないわ!!」
リアスはシャルルに帝王学を教えてもらいながら、現在の領地経営を見直している最中だった。
カール大帝から直接教えてもらい、自分の未熟さを痛感しているところなのだ。
そこに〘あからさまな英雄二人を連れたソーナ〙が来た。きちんと勉強したいときに邪魔されるのは冗談ではない。
「……此方も困ります。リアス、二人いえジークフリートさんとカルナ様は死合いがしたいと。
サーゼクス様に掛け合って頂けますか」
「……ふふっ……ソーナ。貴女、セラフォルー様に掛け合いたくなくて私に来たわね……良いわよ。私から伝えるわ、セラフォル様にソーナからのお願いを」
「そうですか、ではお兄ちゃんと言っていた頃のリアスの動画。私経由で送らせていただきます」
それは何方も肉親に会いたくないからだ。
下手にお願いしたら面倒事につながる、英雄で泥を被るというソーナの言葉は間違っていないが、姉の事となると別だ。
「………ソーナ、二人で頼まない?」
「………良いでしょう、妥協点です」
翌日、二人の魔王が頭を悩ます事態に陥る。