古来より世は無常なり


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2分で思いついたものを30分かけて文字に起こしたやァつ


快速列車∧特急電車

夜10時過ぎ

 

やっと会社から脱出し、今から帰る。

 

急げば間に合う。

 

あの列車に。

 

 

 

鳥栖駅ーー。

 

 

急いだら間に合った、というか、余裕で間に合った。

 

列車が来るまであと7分ある。

 

 

2番のりばーー。

 

 

階段を登ったすぐのところの乗車位置に立つ。

 

数人の利用客がその列車を待つ。

 

同じ列車に乗る人なんだろうな。

 

スマホを見る気力もなく、立ち尽くす。

 

 

"まもなく 2番のりばに 22時34分発 快速 門司港行きの 到着です"

 

 

来た。

 

私の乗る列車。

 

昔、鉄道ファンだった。

 

だからこの列車がどんな列車か、人より少しだけ詳しい。

 

 

ガタンゴトンーー。

 

 

目の前を通り過ぎる。

 

415系のFM6編成。

 

4両の停車位置を見事に通り過ぎ、乗り場の奥の方まで行ってしまう。

 

通り過ぎた電車は9両の停車位置で止まる。

 

何も問題はない。

 

近くに立っていた数人の他の客は少し首を傾げながら乗り場の奥まで歩いていく。

 

 

私は動かない。

 

 

たまに見る、仕事終わりさながらの人も動かない。

 

 

"まもなく 2番乗り場に 列車が入ります"

 

 

来た。

 

私の乗る列車。

 

 

ガタンゴトンーー。

 

 

さっきのよりは低速で入ってくる。

 

真っ赤な電車。

 

485系DT4編成+DmT6ユニット。

 

そして、私の前に1号車のドアが止まる。

 

しかし開かない。

 

何も問題はない。

 

数十秒後に再び動き出す。

 

 

ガシャンーー。

 

 

夜の乗り場に響く鉄と鉄の当たる音。

 

 

そしてドアが開く。

 

降りる人はない。

 

乗り込む。

 

明る過ぎない室内。

 

進行方向を向く座席。

 

それに座る。

 

 

"ご乗車ありがとうございます この列車は 快速 門司港行きです"

 

 

私は少しだけ詳しい。

 

この快速列車は特急電車だ。

 

快速電車じゃない快速列車。

 

明日のダイヤ改正で無くなる。

 

私は明日からここにはいない。

 

 

「色々と助かったよ。」

 

 

ゴンウーーーーンーー。

 

 

動き出す快速列車。

 

走り出す特急電車。

 

 

 

 

はやい電車だった。

 

便利な列車だった。

 

 

「また、走ってくれ。」

 

 

そう言って、私は電車を降り、赤いライトを見送った。

 

 

 

 

 

信じたくはなかった。

 

帰れたのに帰らなかった。

 

午後10時過ぎ

 

案内表示に文字はない。

 

同じ時間に音はない。

 

その場所に電車はない。

 

 

"1番乗り場に 快速 門司港行きの 到着です"

 

 

ガタンゴトンーー。

 

 

希望を持った。

 

振り返った。

 

希望を落とした。

 

明るい室内が、窓に沿ったシートが私を待っている。

 

どこにも悪気はない。

 

どこにも問題はない。

 

なにもおかしくない。

 

普通に戻るのがつらい。

 

 

これは私のワガママだ。

 

 

わかってる。

 

 

だけど少しだけ、快速電車の車内が明るすぎたような気がした。

 

 

 

 

 

 




考えるな、感じろ(暴論)

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