《ハジメ視点》
ハジメ「な!なんでこうなってるんだ!?」
俺事南雲ハジメは現在の状況に驚きを感じざるを得なかった
まず見知らぬ部屋のベットに居て、なぜか裸になっていて極めつけはユエが寝ていたしかもなぜかカッターシャツ一枚だけしか着ていなかった
ハジメ「ま、まさか…俺が眠っている間に俺のことを喰った(性的な意味)のか!?」
俺は自身が眠っている間に大人の階段に登ったのかと疑い焦っていた
思わず下半身の方も確認しようとしたら
光輝「……」
ハジメ「あ…」
部屋の扉が開き、天之河が入ろうとしていた
アイツは俺の事…更には近くで寝ているユエを見て
光輝「………ハァ…」
そうため息をつくとすぐに扉を閉めた
ハジメ「おい待て天之河!!テメェ今のため息はなんなんだ!!おいユエ起きろ!起きやがれ!!」
閉められた後俺は急いでユエを起こそうとした
ちなみにこの時の光輝のため息には『また面倒なことを…香織が見たら発狂モノだな』と言う意味が込められていた
光輝「随分と遅かったな……目覚めの一発でもやっていたか?」
ハジメ「うるせえ!そんなんじゃねえ!!つうかお前そんなこと言うキャラだったか!?」
あのあとユエを起こし着替え軽く探索をしているととある部屋に入るとそこで天之河が俺達を待っていた
ユエ「……あの…骨は…?」
そう、俺も気になっていた
部屋に直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。しかしそれよりも気になっていたものがあった
その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている
ハジメ「あれが反逆者とやらの成れの果てか?」
俺はそう思いつつ、魔法陣に触れようとした
光輝「先に言っておくが……それに触れてしまえば後悔するかもしれない……それでも触るか?」
恐らく先に触っていたであろう天之河にそう言われた
が、それに臆するつもりはなく俺は無言で魔法陣に触れた
ハジメ「……マジか…」
魔法陣に触れた瞬間、頭に映像が流れ込んだ
その映像ではとある人物が俺に多くのことを語っていた
その人物、オスカー・オルクスは語った
かつて神代の少し後の時代、世界は争いで満たされており、人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた
様々な理由で争っていたが一番の理由は神敵だから
今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っており、その神からの神託で人々は争い続けていた
だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れ、それが解放者呼ばれた集団だった
彼らには共通する繋がりがあり、それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったことだ
そのため解放者のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった
何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促しており、解放者のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集め、神域と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止め、メンバーの中でも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に神々に戦いを挑んだ
だが神は人々を巧みに操り、解放者達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである
守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした反逆者のレッテルを貼られ解放者達は討たれていった。
最後まで残ったのは中心の七人だけであり、世界を敵に回し、もはや自分達では神を討つことはできないと判断しバラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにし、試練を用意してそれを突破した者に力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って待ち続けた
オスカーの最後は最後に言った
神殺しを強要するつもりはないが悪しきことに使わないで欲しい、そして自分達がなんのために戦ったのかを知って欲しかった
それが彼の願い……ってことなんだろうな
光輝「……中々濃い内容だっただろ」
ハジメ「ああ……ひでぇ内容だ……元々俺達を誘拐同然に異世界転移させた神だからろくなもんじゃないとは思っていたがここまでとはな」
光輝「……それで、神代魔法とやらは手に入ったか?」
ハジメ「まあな……そういうお前は」
光輝「手に入ったが………適性がないのか使える気がしない」
ちなみに手に入れた神代魔法は『生成魔法』と呼ばれる物でこれは魔法を鉱物に付加して、特殊な性質を持った鉱物を生成出来る魔法
つまりはアーティファクトを自らの手で生み出すことも可能だ
俺の天職『創者』はいわば生み出す職業であるためまさに俺のためにあると言っても過言ではないな
……そうなると天之河が使うことができなかったのはあいつの天職が『破者』だからか?
あの天職…結局何なのか今でも分からないが恐らく戦闘向け……『破』が付いているから壊すことに特化しているのか?
思えばこいつの技能は色々おかしい
写輪眼のような魔眼やあの紫色の骸骨の腕…それと瞳の変化に消えない黒炎
俺から見てもかなり異質だ
ユエ「ハジメ……光輝……これからどうする?……」
ハジメ「やることはこれまで通りだ……元の世界へ帰る……だが神代魔法を集めれば恐らく元の世界へ帰れるかもしれない……だから地上を出たあと他の迷宮探索をするつもりだ…」
ユエ「そう……なら光輝は…?」
光輝「俺はこの世界に残る……そして神を討つ」
ハジメ「は?」
ユエ「え?」
天之河のその言葉に俺達は驚いた
ハジメ「なんのつもりだ?お前はこの世界の連中がどうなろうと知ったことないんじゃなかったのか?」
光輝「勘違いするな…別に世界の為、人々の為に神を潰すんじゃない………単純にあの神の存在そのものが気に食わないだけだ」
そう返された
ハジメ「……なら、お前もこの旅に同行するって事で」
光輝「……ああ…」
ハジメ「決まりだな……ひとまずは2ヶ月くらいはここでアーティファクトの作成……更にステータスを上げるための鍛錬期間にするか」
ユエ「ん…なら私もする」
俺達が意気込んでいると
光輝「………」
一人部屋から出ていこうとしている天之河
光輝「俺はこの瞳の事をもう少し調べる」
と、俺達に六芒星の瞳を見せてきた
ハジメ「……結局の所、何だったんだそれは…」
光輝「さあな…だが…完璧に物にすれば最強の武器になる……そう確信している」
そう言うと天之河は出ていった
ユエ「……光輝……私達と距離を置くつもりね…」
ハジメ「ほっておけ……いないならいないでどうにでもなる」
こうして俺達は2ヶ月ほど鍛錬をすることにしたのだった
《オマケ》
その日の晩
ハジメは風呂に浸かりながら全身を弛緩させてぼんやりと眺めていた
奈落に落ちてから、ここまで緩んだのは初めてである
ハジメ「はふぅ~、最高だぁ~」
今のハジメからは考えられないほど気の抜けた声が風呂場に響く。全身をだらんとさせたままボーとしている
が、向かい側には
光輝「……」
呆然と風呂に浸かっている光輝がいた
ハジメとは対象的にほぼ喋らず目を瞑っている
と、突如ヒタヒタと足音が聞こえ始めた
完全に油断していたハジメは戦慄する
タプンと音を立てて湯船に入ってきたのはもちろん
ユエ「んっ……気持ちいい……」
一糸まとわぬ姿でハジメのすぐ隣に腰を下ろすユエである
ハジメ「……ユエさんや、男だけで入るって言ったよな?」
ユエ「……だが断る」
ハジメ「ちょっと待て! 何でそのネタ知ってる!」
ユエ「……」
ハジメ「……せめて前を隠せ。タオル沢山あったろ」
ユエ「むしろ見て」
ハジメ「いやマジでやめろ、天之河だっているんだぞ」
ユエ「ん…大丈夫…光輝目を瞑っているから問題ない……そうでしょ光輝?」
光輝「うるさいのが入ってきたな……風呂くらい静かに入らねえか」
ユエ「………入ってくる事自体には咎めないんだ」
ハジメ「な、なあ?あいつもああ言ってるんだし入ってくることに文句言わないからもうちょっと大人しくだな」
ユエ「……えい」
ハジメ「……あ、当たってるんだが?」
ユエ「当ててんのよ」
ハジメ「だから何でそのネタを知ってんだ! ええい、俺は上がるからな!」
ユエ「逃がさない!」
ハジメ「あ、あのユエさんやめてもらえないですか!?あ、ちょ!誰か助けて!!カズマ!アクア!幸利!浩介!!恵里!この際天之河でもいいから助けてくれ!!」
光輝「ハァ……また騒がしい…香織が見たら発狂者だな」
ハジメ「な!?お、お前まさか」
光輝「あれだけお前にベタベタしてお前への好意に気づかないのはあのクソ勇者か脳筋くらいだ」
ハジメ「バ、バカ!こんな時に白崎の事を」
ユエ「ねえハジメ……白崎って誰?」
ハジメ「ちょ、まて、ユエさん!?あっ、アッーーーーー!!!」
その後、何があったのかはご想像にお任せする。