創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第三十話 愚かな小物の末路

 

ようやく、邪魔者はいなくなった

……と思ったら、今度は檜山達が騒ぎ出す。曰く、香織の抜ける穴が大きすぎる。今回の事もあるし、香織が抜けたら今度こそ死人が出るかもしれない。だから、どうか残ってくれと説得を繰り返す。特に、檜山の異議訴えが激しい。まるで、長年望んでいたものがもう直ぐ手に入るという段階で手の中からこぼれ落ちることに焦っているような……そんな様子だ

檜山達四人は、香織の決意が固く説得が困難だと知ると、今度は、ハジメや光輝を残留させようと説得をし始めた。過去の事は謝るので、これからは仲良くしよう等とふざけたことを平気でぬかす。 そんなこと微塵も思っていないだろうに、馴れ馴れしく笑みを浮かべながらハジメの機嫌を覗う彼等に、ハジメや光輝だけでなく、雫達も不愉快そうな表情をしている。そんな中、ハジメは、再会してから初めて檜山の眼を至近距離から見た。その眼は、香織が出て行くことも影響してか、狂的な光を放ち始めているようにハジメには思えた。

 

ハジメ「……そう言えば俺……やらなきゃいけないことがあったな」

 

そういうと檜山に近づき胸ぐらを掴む

 

ハジメ「お前、よくも俺達を転落させてくれやがったな」

 

そのハジメの発言に一同は驚き、檜山は焦りながらも反論する

 

檜山「な、何を言ってるんだ南雲?た、確かに俺がトラップをき、起動させたせいで、べ、ベヒモスと戦う羽目になったが、お、お前と天之河がお、落ちたのは俺のせいじゃないだろ!」

 

ハジメ「……何か勘違いしているようだが…俺が言っている『転落させたな』はそういう意味で言ったんじゃねえ……あの時、周りが一心不乱に放った魔法弾の中に、お前の魔法弾も含まれていて、それが俺と天之河にあたり、落ちる原因を作ったんだよ……しかもお前の放ったそれは事故ではなく故意にやった物だ」

 

檜山「ち、違う!!アレはわざとじゃない!!間違えてやった物だ!!」

 

ハジメ「…ほう?そうか…そうだったのか…そいつは悪かったな……所で八重樫…俺達が転落した後、こいつはみんなの前で謝罪とかしていたか?」

 

雫「!え、ええ…自分がトラップに引っかかったせいで皆を危険な目に合わせたって……!!でもその後清水君と遠藤君のふたりが責めたてて『実はあのときの魔法弾撃ったのはお前なんじゃないか?』って言ったら檜山は『ふざけるな!!そんなわけあるか!!』って反論していたわ」

 

ハジメ「そうか…つまり檜山…お前は故意ではないとはいえ自分が俺達を落とした事を自覚しておきながら…その事を言わず自分は落としていないと嘘をついたってことか?」

 

檜山「は!?」

 

香織「嘘…」

 

檜山のついた嘘に香織を初めとした多くの者が驚きの声を上げた

 

そして何名かは『確かに言っていたな』と、檜山の発言を思い出していた

 

ハジメ「これってさ…普通に殺人未遂だよな?…たとえ故意ではなくとも……しかもお前はそれを黙っていた…」

 

その言葉に檜山は冷や汗を流しながらも弁解しようとした

 

ハジメ「まあ、俺はお前が事故ではなくワザとやったと思うんだがなあ……なんせ…お前ならいつかはやりかねねえとは思っていたがな…お前地球にいた頃から俺に対して散々負の感情を向けていたからな…」

 

檜山「ふざけるな!!確かに俺は周りから責められたくなくて黙っていたが故意にやったわけじゃねえ!!お前や天之河の事は気に入らなかったのは事実だがそれだけの理由で俺がお前らを転落させる動機になるか!!大体俺が意図的にお前らを転落させようとした証拠はあんのか!?」

 

檜山が声を荒らげながら強く反論する

 

確かにそれだけじゃ殺人を犯そうとした証拠としては不十分

 

そこでハジメは光輝の方を見てある方法で無理やり証拠を出させようとした

 

それは写輪眼で幻術にハメて直接自供させるという方法

光輝もそれを察したのか、檜山に幻術をかけようとした

 

しかし、そこへ待ったを掛けた人物がいた

 

カズマ「いやハジメ、光輝。その必要はない……お前らが確かめなくともとっくに裏は取れてる……こいつはお前らをワザと転落させた。動機は自分が惚れた女である白崎がお前に好意を抱いていることへの嫉妬心やお前への苛立ちだ。だから目障りだったお前をあの土壇場で特定されないために魔法の雨の中から狙ったんだ…んで光輝に関してはただ巻き込まれただけ…だが、お前のこともこいつは妬ましく思っていたようだ……しかもこいつ、自分がやったことに罪悪感をまったくと言っていいほど持ってねえ上に保身に走りやがった」

 

カズマはそうハジメ達に檜山のやったことは事故ではなく故意にやったことだと主張した

 

檜山「な、なにを言っている!お、お前まで俺がワザとやったって言うのか!?南雲にも言ったが俺には故意にやった証拠がねえ!!だから俺がワザとやったっていうのはお前らの思い込みだ!!」

 

カズマ「へえ…つまり檜山、証拠さえ出せばお前がワザとやったと認めるのか?そこまで言うなら……証拠、見せてやろうじゃないか……いいぞ」

 

カズマがそう言うとクラスメイト達の方から何かが飛んできてそれをキャッチする

 

それは、この世界には存在しないはずの、地球の文明の利器『スマホ』だった

 

カズマはそれをいじるとスマホからある男の声が流れ出した

 

檜山『ヒ、ヒヒヒ。ア、アイツが悪いんだ。キモオタのくせに……ちょ、調子に乗るから……て、天罰だ。……俺は間違ってない……白崎のためだ……あんなキモオタに……もうかかわらなくていい…天之河だってそうだ!…あのキモオタのそばにいたアイツが悪いんだ!…俺は間違ってない……ヒ、ヒヒ』

 

それは…檜山の声だった

 

これにはクラスメイト達はもちろん、檜山は驚きの声を漏らした

 

更に

 

『へぇ~、やっぱり君だったんだ。異世界最初の殺人がクラスメイトか……中々やるね?』

 

檜山『ッ!? だ、誰だ!……お、お前、なんでここに……』

 

『そんなことはどうでもいいよ。それより……人殺しさん? 今どんな気持ち? 恋敵をどさくさに紛れて殺すのってどんな気持ち?』

 

檜山『……それが、お前の本性なのか』

 

『本性? そんな大層なものじゃないよ。誰だって猫の一匹や二匹被っているのが普通だよ。そんなことよりさ……このこと、皆に言いふらしたらどうなるかな? 特に……あの子が聞いたら…』

 

檜山『 ッ!? そ、そんなこと……信じるわけ……証拠も……』

 

『ないって? でも、僕が話したら信じるんじゃないかな? あの窮地を招いた君の言葉には、既に力はないと思うけど?……でもまあそうだね…君が僕の手足となって従ってくれるなら見返りとして黙っておいてあげるよ……それともう一つ』

 

檜山『そ、そんなの……』

 

『白崎香織、欲しくない?』

 

檜山『ッ!? な、何を言って……』

 

『僕に従うなら……いずれ彼女が手に入るよ。本当はこの手の話は南雲にしようと思っていたのだけど……君が殺しちゃうから。まぁ、彼より君の方が適任だとは思うし結果オーライかな?』

 

檜山『……何が目的なんだ。お前は何がしたいんだ!』

 

『ふふ、君には関係のないことだよ。まぁ、強いて言うなら欲しいモノいや、欲しい人がいるとだけ言っておくよ……それで? 』

 

檜山『……従う』

 

『アハハハハハ、それはよかった! 僕もクラスメイトを告発するのは心苦しかったからね! まぁ、仲良くやろうよ、人殺しさん? アハハハハハ』

 

檜山『ちくしょう……』

 

その檜山の嘆きを最後に音声は終了した

 

カズマ「……以上で…檜山大介の行為が事故ではなく明確な殺意の元行われた殺人未遂行為だということが立証された……」

 

証拠である音声を聞いた多くのクラスメイト達は皆檜山に対し侮蔑や明確な批難のこもった眼差しを向けた

 

その檜山はというとさっきまでの青ざめた表情から一変し、絶望に染まった…完璧に追い込まれた者の表情へと変わっていた

 

カズマ「さて…なにか言うことはあるか檜山?」

 

カズマの問いに震える声で檜山は聞いた

 

檜山「な、なぜ…なぜお前があの会話を!」

 

カズマ「ん?……単純な理由だよ……」

 

カズマはそう言うと持っていたスマホをクラスメイト達の方へと投げた

 

するとクラスメイト達の中からスマホをキャッチした手が出てきた

 

クラスメイト達「「「「!!」」」」

 

そしてクラスメイト達の輪から出てきたのは、檜山と話していた共謀者であり、スマホの持ち主である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恵里「僕ってさ、携帯は普段手元に置いておく派なんだよね」

 

中村恵理その人だった

 

谷口「エ、エリリン!?」

 

雫「嘘…」

 

檜山「お、お前…裏切ったのか!?」

 

恵里「裏切った?…フフッ、随分人聞きが悪いこと言うね…元々僕は君の味方になったつもりはないよ………種明かしすると、君がハジメ達を明らかにワザと狙って落とした事を目撃した僕はカズマにそのことを話したんだ…そしたらカズマから君の口から明確な殺意の元おこなったと証言を得るために僕に君の協力者を装いながら証拠の音声を取るようお願いされてね…結果君は無警戒にも色々話しちゃった上こうして証拠まで取られちゃったってワケ……」

 

檜山「ぐっ!」

 

恵里「本当はさ、証拠取ったらすぐにでも大勢の前に晒しておきたかったんだけどカズマが」

 

カズマ「お前のせいで転落したあいつらの前でお前を裁きたかったから…今まで黙っていた……さてと、後はハジメと光輝……お前らに任す。こいつを煮るなり焼くなり…好きにしな……」

 

檜山「!?」

 

その言葉を聞いた檜山は狼狽えながら周りに助けをこうが、檜山のやったことがやったことなので誰も助けようとしない…ましてや嘘をつき嫉妬や妬みでクラスメイトを殺すような男を誰が庇うか

 

ハジメ「檜山…俺はお前に対しての慈悲の心は持っちゃいねえし、可哀想だとも思ってない………だが、特別に選ばせてやる。俺に銃で射たれてあっさりと処されるのと、天之河に幻術を掛けられてジワジワと処される…どっちがいいか?あ、何だったら天之河のは生き延びるチャンスがあるぞ」

 

檜山「な!?」

 

光輝「……俺の幻術を受けて、決められた時間まで精神が保ってられたなら特別に生かしてやろう」

 

その言葉に檜山の表情が明るくなった

生き延びるチャンスを得られ、これで助かると意気込んだんだろう

 

檜山「わ、わかった……天之河の幻術って奴を受けるぜ……」

 

そしてニヤつく

よほど生き延びられる自信があるのか

はたまたたいしたことないと思っているのかは分からないが、光輝は一度目を瞑ると両眼を万華鏡写輪眼にした

 

その瞬間

檜山は地面に倒れた

 

突然倒れた檜山に驚きつつも皆がそれを見守っていた

 

そしてそれからわずか数秒後

 

檜山「ぎゃあああああああああああ!!!!」

 

檜山が突如発狂し、絶叫の声を漏らした

 

そして起き上がると両手で身体を掻きむしりながら周りが見えていないのかクラスメイト達にぶつかりそうになり最後は壁に激突した

 

それにより檜山は気絶した

 

光輝「……やはり…駄目だったか…」

 

ハジメ「お前……今度は月読使いやがったな……」

 

雫「月尊?」

 

カズマ「光輝のあの両眼、万華鏡写輪眼の持つ能力で、その効果は眼を見た対象を術者の精神世界に引きずり込み幻覚を見せる。ま、ここまでなら普通の幻術と同じなんだが光輝の月読はそれを遥かに凌駕する物だ。それは、時間を含むありとあらゆる法則・理論が術者の思い通りに構築されるもの…通常の幻術は現実の時間と体感時間は同じなのに対しこちらでは現実での数秒を精神世界では何時間、何日、何年といった具合に時間の流れすら変えられる……しかも通常の幻術と違って月読は対象者の意識と繋がっている為、精神世界内で攻撃を受けると対象者にその痛みが体感される……要するにやろうと思えばたった数秒で相手を廃人になるまで無限地獄を味合わせることができる」

 

香織「!!」

 

クラスメイト達「「「「!!」」」」

 

雫「じ、じゃあ…檜山は…」

 

ハジメ「ああ……もうそいつは駄目だ……完全に心を壊された……二度とまともに生きていくことができねえ……まあ、命を落とす事と比べたらよっぽどマシだと思うがな……もっとも、自分の意思を完全に無くしてしまったなら死んでるのと大差はないが………」

 

ユエ「……ちなみに光輝…そいつに掛けた月読の時間と内容は?」

 

光輝「……貼り付けにされたまま複数人の俺に刀で一秒ごとに身体を刺され続ける……これを72時間継続」

 

シア「はわわ…な、なんて酷い拷問なんですか!!」

 

光輝「それから、幻術内で複数人の香織から呪詛を吐き続けられ、極めつけは目の前で檜山が忌み嫌う南雲が香織とイチャコラして圧倒的な差を見せつける……これが決めてとなり、あいつは精神を崩壊した……ちなみに時間にしてたったの2時間少し……精神力の強いやつなら耐えきれる物だ……もっとも…こいつは耐えきれなかったようだがな……小物のこいつらしい……惨めな結果だ…」

 

ハジメ「……お前、端からこいつに達成させるつもりなかっただろ…」

 

光輝「耐えきれたなら、俺は見逃してやろうとは思っていた……ただ、仮にこの場で見逃されたとしても……残りの奴の人生は他人から白い目で見られ続けるものだろうな……まあ、軟弱すぎるこいつに耐えきれるとは期待はしてなかったが…」

 

カズマ「……ま、それはともかくとしてだ……みんな今回の事で最初のベヒモス戦以上に色々と感じたことはあるだろうが、それは夜にでも話し合おうぜ……今日はゆっくりと休みな……俺達は明日にはここを立つつもりだが、俺は定期的に戻ってくるつもりだから…今後の事……どうするかは俺も交えて決めてこうか…」

 

カズマがそう言いながら皆をまとめ上げた

 

その時のカズマを見た一部のクラスメイト達は『佐藤の姿がまるでリーダーみたいだった』『天之河兄よりも頼りになりそう』だと思ったそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその日の夜

 

ホルアドの宿で、皆がそれぞれ思い思いに疲れを癒やしていた

 

町の外では光輝とカズマがやり合っていた

 

光輝は前回の反省も踏まえて、眼に頼りすぎない戦法を使いながらも、写輪眼と千鳥を併用した一発一発の攻撃に重きを置いていた

 

それがしばらく続くも、やがて魔力と体力の消耗により生まれた隙をカズマに狙われ敗北した

 

カズマ「ふう……いい運動になった…やっぱお前とハジメは伸びしろいいな…マジで追いつかれるのも時間の問題かもしれん」

 

光輝「よく言う…結局今回も貴様に一撃も当てられなかったと言うのに」

 

カズマ「ま、それはそれはそうだろ。戦いの年季が違うんだよ……と、それはそうとして……そろそろ出てきてくれないか?」

 

近くに生えている木の陰に向かってカズマが声を掛けた

 

すると木の陰から、雫が出てきた

 

雫「凄い戦い…佐藤君があんなに強かったなんて、知らなかったわ…」

 

カズマ「それはどうも……でも、ここへ来たのは俺達の戦いを見る為じゃないんだろ?」

 

カズマがそう言うと雫は頷いた

 

雫「光輝、佐藤君………お願いがあるの……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を…この旅に連れて行って」

 

カズマ「それはもちろ(光輝)『断る』…」

 

雫の連れて行ってという願いにカズマは承認しようとしたが、光輝は拒否した

 

雫「ど、どうして…」

 

光輝「どうしてもこうしてもない……お前が旅に同行しようとする理由はよく分かっている……心の拠り所である香織が同行すること……だが一番の理由は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に付いて来るつもりなのだろ…地球に居た時のように」

 

雫「!!」

 

その光輝の眼は共に写輪眼を出し、雫に威嚇していた





以上を持ちまして檜山大介は脱落しました

まあ原作と違って死んでないぶんマシだよね?

第30.5話

https://syosetu.org/novel/307613/56.html
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