《ハジメ視点》
翌日、等々訪れたオルクス大迷宮にて、それぞれが魔物相手に実践訓練を行っている
そして僕はというと
ハジメ「『錬成』」
まず向かってきた魔物の足元を錬成で落とし穴を出現させそのまま落とし、そこへ
ハジメ「『投影』」
魔力で構築した剣や鑓、斧などを落とし穴の真上に生み出しそのまま落とした
魔物はなすすべなく僕に命を刈り取られた
メルド「お、おお…まさか錬成をそんなふうに使うとはな…それは本来錬成師が武器や物を作るためのスキルなんだがな…」
カズマ「メルド団長、どんなスキルだって使い方によっては最強の刃物に成り代わりますよ。こんなふうに」
そう言うとカズマが丁度向かってきた魔物に
カズマ「『クリエイトアース』、『ウィンドブレス』!」
手に少量の土を生成させ、そこから風を発生させ魔物に向かって土の目潰しをした
それを受けた魔物はのたうちまわった
メルド「な、なるほど…僅かな量の土でも武器になり得るのだな…」
幸利「お、カズマ。こいつ俺のスキルの実験台にしていいか?」
今声を掛けたのは僕とカズマの友人であるクラスメイトの
天職は闇術師とかいうまさに中二心くすぐるものでその最大の強みは相手の精神に干渉し支配することができるというものだ
とどのつまりやろうと思えば魔物を自身の配下にして戦力を増やすことだって可能だ
元々彼はクラスでもあまり目立たない影のある生徒だった
けどある日、彼が本屋でラノベを買っている姿を僕とカズマが見て声を掛け、気がつけば話しが盛り上がり、現在ではオタク仲間となりクラスでもよく話す間柄になった
幸利君自身かなり暗かったけど僕達と関わるようになってから明るくなったと思う
浩介「すげぇな幸利!マジもんの魔物使いになってるじゃねえか!!」
カズマ/幸利「「あ、いたんだ浩介」」
浩介「いやお前ら酷くね!?」
そして今出てきた影のうす…失礼、生徒はカズマ、幸利君に続く僕の友人の
ちょっと影の薄いところはある(毎日学校に来たのに先生に気づいてもらえなかったり、自動ドアに3回中2回反応されない)が中々話せる奴で、時々みんなと一緒に遊びに行く仲だ
ちなみに天職は暗殺者で持ち前の影の薄……気配を感知できない為にとても向いていると思う
とまあ、みんな順調そうだ
っとそう思っていると八重樫さんに向かって奇襲して来た魔物を八重樫さんが持っている剣で斬った
が、完全に仕留めきれてなかったのか起き上がり八重樫さんを襲う
雫「きゃあ!!」
それに思わず生徒達が助けるために駆け出そうとしたが
魔物「グギャア!!」
すると後方から石が飛んできてそれが魔物の顔にめり込む
あまりの威力に魔物の顔面から血が流れ出し、魔物も瀕死と化す
生徒たちが石の飛んできた方を見るとそこには
光輝「……」
足を蹴りのフォームにしていた天之河がいた
恐らく今石を蹴り飛ばしたのは彼だろう
雫「こ、光輝」
光輝「油断するな、倒したかどうかの確認を怠るな」
雫「ご、ごめん」
そして彼は瀕死の魔物に近づくと
光輝「……」
持っていた剣に雷を纏わしてそのままとどめを刺した
……数名除いて周りは大なり小なり魔物殺ることに抵抗がある感じだったが、あいつは全くそんなことないか
そして迷宮の下へ下へ階層を降りていると
アクア「あれ?」
カズマ「どうしたアクア?」
アクア「さ、さっきまで持っていたポーションバックが無くなってる!!」
カズマ「おま!置いてきたのか上の階に」
アクア「う、うう…ごめん」
カズマ「……はぁ…仕方ねえな、ハジメ、幸利、浩介、俺達ちょっと上の階層まで忘れ物取ってくるよ。なに、そんなに時間は掛からねえよ、悪いけどこのことメルド団長に伝えといてくれないか?」
浩介「いや今から取りに行くのか?…面倒じゃないか?」
幸利「まあ、ふたりともステータスはこのクラスでも比較的高いから大丈夫だと思うけど」
ハジメ「なるべく早く帰ってきてよ」
カズマ「分かってるって…ほら、さっさと行くぞアクア」
アクア「は、はーい」
そう言うとカズマとアクアさんは上の階まで急ぎ足で上がっていった
次に彼らに会うときには…僕の一人称も姿も変わることになってたなんて、このときの僕は思わなかった
やってくれたな檜山のクソ野郎!!
あれから少し経った現在
僕達のクラスは最大のピンチを迎えていた
というのも僕達はあれから更に下の階層を進んでいると檜山の馬鹿がトラップ作動させて更に下の階層にテレポートする羽目になり、更にそこにはかつてこの世界で最強だった冒険者達が倒せなかった現在判明している魔物の中でも最強格である『ベヒモス』
その周りには骨格だけの体に剣を携えた魔物『トラウムソルジャー』が湧いて出てくる
また橋の上という足元の悪い場での戦闘を余儀なくされた
予期せぬ自体にパニックになっている現状を尻目に、僕はやれることをやる
しかし、一応このクラスのリーダー格である天之河兄はリーダーとして周りに指揮することを放棄して、間違いなく今の自分の実力でも倒せないベヒモスと戦っている
正直言って合理的じゃない
倒せないなら倒せないなりに足止めをするとかやればいいのに無策に真正面から立ち向かっている
これじゃあ魔力や体力の無駄遣いだ
……仕方ない…
あいつをベヒモスから引き剥がし、この状況を立て直す
そしてあいつは……ベヒモスは
僕らで倒す
けどまずは
ハジメ「『投影』!」
クラスメイト達を取り囲むトラウムソルジャーの頭上から剣や斧、槍に矢を構築し放つ
それによって周りのトラウムソルジャーの何体かは倒し、残りは警戒のため後退した
ハジメ「聞けー!!クラスメイト達!!」
クラスメイト達「「「「!!」」」」
ハジメ「これが戦いだ!これが命のやり取りだ!今まで争いとは無縁だった日本で学生をしていた僕達が今こうして戦っている!怖いのはわかる!武器を持つのが嫌なのはわかる!でも忘れるなー!!僕たちが戦う訳を!!」
クラスメイト達「「「「……」」」」
ハジメ「この世界の人々を救うため?世界を平和にするため?色々あるだろうけど僕達の共通の願いは唯一、
地球へ、僕達の故郷に帰るためだ!!家族とまた会う為、将来やりたいことをやるために…大好きだった事をするために、食べたかったものをまた食べるためにも、僕たちはこんなところで死ぬわけにはいかないんだー!!もし、故郷へ帰りたい…生き残る意志があるやつは武器を持て!覚悟を決めろ!!故郷へ……僕たち自身のために、
戦えー!!」
クラスメイト達「「「「うおおおおおおお!!」」」」
僕の言葉にクラスの活力を底上げすることができた
中には僕が構築した武器を両手に持って戦う者もいた
よし、とりあえず持ち直した
さて、次は
勇輝「な、何をする光輝!!あいつを倒さなければならないのに邪魔をするな!」
光輝「お前、この状況でよく指揮放棄なんてできるな?」
勇輝「え?」
光輝「このクラスでまとめ役を担うお前がそんなんじゃ、このクラスはここで壊滅する……もっと周りをよく見ろ!」
その言葉に天之河兄はハッとして周りをよく見る
雫「勇輝、光輝の言う通りよ、今私達がするべきなのはこいつを倒すことじゃなくて、クラスの基盤を立て直すことよ!!」
そこへ八重樫さんの言葉を聞き、天之河兄は考え直し、クラスメイト達の下へ助太刀しに行った
ハジメ「随分と気が利くことするね」
光輝「フン、あいつが居たら邪魔だったからどかしてやっただけだ」
ハジメ「あっそ、んじゃあとりあえず」
ハジメ/光輝「「こいつを倒すか」」
そこからは早かった
僕が構築した武器を大量に額に向かって発射し、その間天之河は雷を纏わせた剣で両足を攻撃していった
ベヒモスは前へ行こうとしたが僕たちの連続攻撃に怯み進むことができないでいた
やがて何百もの武器を額に発射し続けた結果額に徐々にヒビが入り始めた
ハジメ「はあ、はあ、やっとか…トドメ譲ってあげるから、さっさと決めちゃいなよ!」
光輝「言われなくとも、そのつもりだ!!」
そして天之河は右手に雷を纏わせた手刀を繰り出した
光輝「『
千鳥と呼ばれたそれはベヒモスの額に突き刺すと全身を稲妻で覆いかぶさり、やがて焦げた
ハジメ「……チドリのさえずりのようにチリチリなるから千鳥なんて…実に安直」
光輝「黙れ、俺は気に入っている」
が、そこへ黒焦げになったベヒモスがまた起き上がろうとした
しかし、流石に受けたダメージがでかすぎたのか立つのもやっとなほど弱り切っていた
ハジメ「チッ、しぶといな……まあ後は他の奴らに任せるか」
そう思っていると
クラスメイト達がそれぞれおのおのの使える魔法を使いベヒモスに攻撃した
あまりの数に僕達は当たらないように場所移動をしようとした
その瞬間突如僕と天之河のいた場所に火球弾が飛んできて予期せぬダメージを負った
更に最悪なタイミングでベヒモスが最後の力を振り絞り橋に力を込めた結果、橋が崩壊した
皆は橋の向こう側にいたことで落ちることはなかった
僕と天之河以外は
そして僕らが最後に見た光景は
飛び出そうとした白崎さんと八重樫さんを天之河兄と坂上君が羽交い締めにされ…他のクラスメイトは青褪めたり、目や口元を手で覆ったりし、メルド達騎士団が悔しそうな表情を浮かべ
ある生徒が悪意のこもった笑みを浮かべていた
ごめん…白崎さん…カズマ、アクアさん