創造のハジメと破壊の光輝   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第六話 吸血鬼の娘

 

《ハジメ視点》

 

「私は、裏切られただけ!」

 

もう僅かしか開いていない扉。

しかし、女の子の叫びに、閉じられていく扉は止まった。ほんの僅かな光だけが細く暗い部屋に差し込む。 十秒、二十秒と過ぎ、やがて扉は再び開けた

 

天之河と共にオルクス大迷宮を進んでどれだけだったか分からなかったが、あれから魔物を殺して喰らうを繰り返し、俺も天之河も強くなった

 

その過程で天之河の姿もかなり変わった

 

髪色は俺と同じ白髪に、背も伸びている

地球に居たことはアイツのほうが高かったが、今では同等といったところ

 

やがて俺達は大きな扉の前まで到達し入ろうとしたが、某RPGゲーよろしくサイクロプスが2体出てきた

 

まあすぐに始末したが

そして扉を開け中を見ると

 

……なんか金髪の少女が立方体状のに上半身より後ろが埋め込まれている姿があった

 

どう見ても罠か何かだと思った俺と天之河はスルーすることにしたが

 

その少女の言葉につい足を止めてしまった

 

そして俺は彼女と話をした

 

後ろの方で天之河は興味なさげにしているが

 

曰く彼女は吸血鬼族の王族でそれも先祖返りらしくうちに秘めた力が大きく、叔父がそんな自身を恐れ封印したようだった

その力は凄まじくどれだけ怪我しても直ぐ治り、首を落とされてたとしても再生する不死性らしい

 

しかもそれだけでなく魔法の力も尋常じゃないほど高く、詠唱も陣もいらないようだ

 

話を聞く限りだと勇者以上のスペックを持った怪物だな

 

「助けて…」

 

ハジメ「……はぁ…」

 

気がつけば俺は彼女を出すために行動していた

 

そして天之河はそんな俺達の姿を眺めているだけだった

 

てめぇも手伝いやがれ!!

 

やがて彼女を閉じ込めていた正方形状の入れ物を破壊することに成功した

 

「ありがとう…」

 

よく見ればこの娘服着てねえな

 

俺はとりあえず魔物の毛皮で作ったコートを被せた

 

「エッチ…」

 

ハジメ「解せねぇ…」

 

そう言っていると頭上から大きな魔力の反応を感じ吸血鬼娘を掴んで離れた 

 

それは体長五メートル程、四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、八本の足をわしゃわしゃと動かしている。そして二本の尻尾の先端には鋭い針がついていた

 

サソリモドキ…俺はそう呼ぶがそれが2体もいる

 

さっきまで全く気づけなかったのは恐らくこいつを閉じ込めている封印を解いたときのトラップだったのだと推測する

 

ハジメ「チッ…こっちは結構魔力使ってるっていうのに容赦なく出てきやがって…」

 

俺はドンナーを取り出し相手をしようとした

 

光輝「待て南雲…こいつらは俺が相手する」

 

ハジメ「゛アァ゛?テメェ、散々見てた癖に獲物の横取りするのか?」

 

光輝「なにか勘違いしているようだから言っておくが、そいつを勝手に助けたのはお前だ…俺は助けるつもりなんざ端からなかった。その事に文句をつけられても困るな……それと、必要以上の消耗は避けたかったってのもある……お陰で、こいつらを相手にする分の体力と魔力も余っている……ついでに実験と行くか」

 

天之河はそう言うと2体のサソリモドキの前に立ち

 

光輝「……!!」

 

その瞬間、天之河の写輪眼が開眼した

 

すると目の前にいたサソリモドキ達の瞳に変化が…

 

そう、天之河の写輪眼の瞳と同じようになった

 

やがてこの2体はなぜか互いに攻撃しあった

 

ハジメ「な、何が起きている!?」

 

「……幻術」

 

ハジメ「え?」

 

「彼……あの魔物達に幻術を掛けた……幻術を掛けられた者は術者か他者が解除するか自力で解かない限り幻術から抜けられない……それもあのレベルの魔物に掛けるなんて…」

 

幻術……あいつ、見ただけで相手を操ったっていうのか……マジの魔眼じゃねえかよ!!なんであいつが持ってんだよ俺だって欲しいわ!!

 

……いっそ奪って移植するか←サイコパス

 

光輝「南雲、この2体お前に差し向けてやろうか?」

 

チッ、勘付かれたか

 

光輝「この目にも慣れてきた……この目でできることはだいたい理解できた」

 

そうあいつは涼しそうに言うが俺は知っている

 

あの目、写輪眼は確かに強力だ

ぶっちゃけ開眼状態のあいつは俺より強いだろうが、あの目にはデメリットがある……それは開眼できる持続時間に制限があり、更にその間の魔力消費も馬鹿にならない

それとああいう魔眼にありがちな視力低下もあり得るな

 

俺の見立てじゃ今のあいつは魔力全快状態なら5分って所か

 

「ねえ、あなたの名前は?」

 

そこへずっと黙っていた吸血鬼娘が名前を聞いてきた

 

ハジメ「こんな状態で聞くべきじゃねえと思うけどな……ハジメ、南雲ハジメだ」

 

吸血鬼娘は「ハジメ、ハジメ」と、さも大事なものを内に刻み込むように繰り返し呟いた

 

そして

 

「ハジメ、私を信じて」

 

そう言うと彼女は俺の首にキス…ではなく噛み付いた

 

首筋にチクリと痛みを感じ、やがて体から力が抜き取られているような違和感を覚えた

咄嗟に振りほどこうとしたが、自分は吸血鬼だと名乗っていたことを思い出し、吸血されているのだと理解する

 

「……ごちそうさま」

 

そう言うと、おもむろに立ち上がりサソリモドキに向けて片手を掲げた

同時に、その華奢な身からは想像もできない莫大な魔力が噴き上がり、彼女の魔力光なのだろう――黄金色が暗闇を薙ぎ払った。 そして、神秘に彩られた彼女は、魔力色と同じ黄金の髪をゆらりゆらゆらとなびかせながら、一言、呟いた。

 

「『蒼天』!」

 

その瞬間、サソリモドキの頭上に直径六、七メートルはありそうな青白い炎の球体が出来上がる。 直撃したわけでもないのに余程熱いのか悲鳴を上げて離脱しようとするサソリモドキ。 だが、奈落の底の吸血姫がそれを許さない。ピンっと伸ばされた綺麗な指がタクトのように優雅に振られる。青白い炎の球体は指揮者の指示を忠実に実行し、逃げるサソリモドキを追いかけ……直撃した。

 

「グゥギィヤァァァアアア!?」

 

サソリモドキがかつてない絶叫を上げる。明らかに苦悶の悲鳴だ。着弾と同時に青白い閃光が辺りを満たし何も見えなくなる。俺は腕で目を庇いながら、その壮絶な魔法を唯々呆然と眺めた。

 

やっぱ勇者以上のチートだな

 

光輝「チッ…まさか獲物を横取りするとは…やってくれるな」

 

そう呟く天之河

 

「…!……久しぶり過ぎて、腕が鈍ってる……一発じゃ仕留め切れなかった」

 

そう言いサソリモドキ達の方を見ると、彼女の魔法を受け弱って入るが倒されていなかった

 

光輝「だが、大した魔法だ……こんどは俺の番だ」

 

そう言うと天之河は再び写輪眼を開眼……そして

 

ハジメ「……!おいおいおい…マジかよ…」

 

「!……これって……」

 

彼女と俺は驚いた……それはそうだ……今天之河が発動しようとしている魔法に見覚えがあった……それは……

 

光輝「『蒼天』!」

 

彼女がついさっきまで使っていた魔法を、天之河が再現して放った

 

それによって今度こそサソリモドキ共は死滅した

 

ハジメ「(写輪眼の最大の強みは動体視力の向上…、見切る力を高める……それはつまり解析する力を底上げするということ………だからあいつは彼女の魔法を見切り解析し、再現ができた)」

 

相手の魔法を模倣することができる

 

彼女もそうだがこいつもチートだな

 

「ねえ…名前、付けて」

 

ハジメ 「は? 付けるってなんだ。まさか忘れたとか?」

 

突然名前をつけて欲しいと言われ困惑した

長い間幽閉されていたのならあり得ると聞いてみるも彼女はふるふると首を振る。

 

「もう、前の名前はいらない。……ハジメの付けた名前がいい」

 

ハジメ「……はぁ、そうは言ってもなぁ」

 

下手な名前を付けるかも知れないからやだなあと思いつつも一応考えやがて

 

ハジメ「ユエ〟なんてどうだ? ネーミングセンスないから気に入らないなら別のを考えるが……」

 

「ユエ? ……ユエ……ユエ……」

 

ハジメ「ああ、ユエって言うのはな、俺の故郷で〝月〟を表すんだよ。最初、この部屋に入ったとき、お前のその金色の髪とか紅い眼が夜に浮かぶ月みたいに見えたんでな……どうだ?」

 

思いのほかきちんとした理由があることに驚いたのか、彼女がパチパチと瞬きする。そして、相変わらず無表情ではあるが、どことなく嬉しそうに瞳を輝かせた。

 

ユエ「……んっ。今日からユエ。ありがとう」

 

ハジメ「おう、取り敢えずだ………ここを出ようか」

 

 

 

 

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