元褪せ人のスローライフ(願望)   作:Crimson Wizard

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戦闘シーンムズ難過ぎ……マヂムリ
追記です。シルヴィアちゃん、今回一つとんでもないポンをカマしているので、次話で描写します


第22話

 

まず動いたのは、ベートだった。常人には、一瞬彼の姿がブレた様に感じられるだろう。

そして次の瞬間には、既にシルヴィアの眼前にベートの踵が迫っていた。

 

シルヴィアは慌てることなくバックステップを踏むと、右手に装備した"ロングソード"で斬り掛かる……だが

 

「遅せぇッ!」

 

回避されたと悟った瞬間にはもう片方の脚を蹴り上げており、シルヴィアはヘファイストスに鍛えて貰った盾を構えてその攻撃を受ける。

咄嗟に"鉄壁の盾"を使用したが間に合わなければそのまま吹き飛ばされる程の威力に一瞬目を見張るシルヴィア……

受けきった瞬間にガードカウンターを放つも、軽く跳ねるだけで躱された為、彼女は再び大きく距離を取る。

 

「……思ったよりも速いな」

 

とはいえ、相手に出来ないほどではない。

 

シルヴィアは力強く地面を踏み込み、神の恩恵(ファルナ)を授かった事により遥かに向上した身体能力でベートへと斬り掛かる。

彼はシルヴィアを見ながら後方へ飛んで距離を開けると、その更に後方から《雷の槍》が飛んでくる。

 

……フィンか。

 

不意をついて放たれたその攻撃を身を捩る事で躱すと、シルヴィアもその手に雷を握り込み、目の前のベートへとそれを放つ。

 

「うぉっ!」

 

不意打ちですら、躱されるか。第一級冒険者の反射神経は伊達ではないという事か。

 

そして今度は別の方向から、《ほうき星》が三発ほど飛んでくる。大きく距離を取り回避した所で、アイズがその身に風を纏い刺突を放ってくる。

私はルーンの業にてオルドビスの大剣を取り出すと、武器の記憶を呼び起こす。

 

戦技【オルドビスの渦】を発動し、大剣に回転を加える。既にアイズは私の目の前に迫っており、私は刺突攻撃を正面から撃ち破る。

回転させながら地へ叩き付けると、その衝撃により地面は砕け、大剣の攻撃を正面から受けたアイズは吹き飛ばされる。

 

「アイズッ!」

 

追撃を放とうとしていたベートは一瞬吹き飛ばされたアイズに気を取られ、シルヴィアから視線を外す。

私はその隙を逃さずに距離を詰めると、刀身をベートの身体へと叩き付ける。

 

「グハァッ……!」

 

『解き放つ一条の光、聖木の弓幹。汝、弓の名手なり。狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢……アルクス・レイッ!!』

 

全くシルヴィアの意識していなかった距離から、ベートを庇うべくレフィーヤが魔法を放つ。

明らかに自分では遠く及ばない実力者であるシルヴィアを相手にする際、シルヴィアの意識の外から撃ち抜くという戦術以外で、

レフィーヤにシルヴィアを傷付ける手段は無い。

 

だがシルヴィアは振り向きざまに盾でレフィーヤの光の矢を払うと、レフィーヤの魔法は掻き消える。

……そしてシルヴィアの頭上に青い魔力の剣を象った円陣が現れる。

 

 

 

「魔法の無効化っ!?そんな……!」

 

すぐに自分に魔法を放ったレフィーヤへと標的を定め、疾走するシルヴィアではあったがその前にガレスが巨大な戦斧を持って立ちはだかる。

 

「後衛には手を出させんぞ……!」

 

そしてシルヴィアが攻撃を放とうとした時、横から槍が投擲される。

 

「……やらせないよ。」

 

槍を避けると、フィンが頭上から飛び蹴りを放ってくる。大きく後ろへ飛ぶとフィンは投擲した槍を片手で拾い、くるくる手のひらで弄ぶ。

更にガレスの後方にリヴェリアが現れ、魔法の詠唱を開始する。

 

当然妨害をするべくシルヴィアは動くが、ガレスとフィンの連携により攻撃を放つ隙がない

 

 

「……こんなものかい?シルヴィア、だとしたら君の評価を改めざるを得ないね。」

 

「確かに……貴公らを甘く見ていたのは認めよう。だが、」

 

シルヴィアはどこからともなくまるで建物の一部の様な大剣を取り出し、それを大上段に構える

それを振り下ろすと同時に、巨大な大剣から紫色の魔力が迸り、地面を剥がしながら衝撃波がガレス達に迫る。

 

「っガレス!防ぎ切れ!」

 

「ぬぉおおおおお!!!」

 

ガレスは巨大な戦斧を地に突き立て、背後で詠唱するリヴェリアを守るべく攻撃を受け切る

衝撃波はそこで止まったが、ガレスは後方へ大きく吹き飛ばされる。

 

崩壊波を止めるとは……内心驚愕するシルヴィアであったが、この大きな隙を逃さぬよう"遺跡の大剣"をフィンへと振り下ろす。

 

「っ当たれば厄介だけど、僕相手だといい選択とは言えない……ねっ!」

 

小人族(パルゥム)らしく、"器用"と"敏捷"に特化したフィン相手では振りの遅い特大剣は確かに相性が良くない。

振り下ろしを飛び退く事で回避したフィンは、その腰を低く落とし、槍を構える。

 

戦技【巨人狩り】

 

シルヴィアがフィンの槍へ付与した戦技である。

 

武器を振り下ろしたシルヴィアの、一瞬の硬直をついて素早く接近したフィンは槍の穂先をシルヴィアへと突き立てる。

シルヴィアは咄嗟にローリングをして回避するものの、回避した先には先程吹き飛ばした筈のベートの踵が迫る。

 

「オラァッ!」

 

「ぐっ……!」

 

回避が間に合わず、武器を手放して両腕でその攻撃を受けたシルヴィアは、大きく吹き飛ばされる。

そこで、都市最強と謳われる魔道士である【九魔姫(ナイン・ヘル)】リヴェリア・リヨス・アールヴの魔法が詠唱を終える

 

……吹雪け三度の厳冬…我が名はアールヴ──

 

 

 

─────── ウィン・フィンブルヴェトル!!!

 

 

絶対零度を現世へ顕現するが如き、極寒の魔法……草花は凍てつき、シルヴィアを中心として巨大な氷像が出来上がる。

動きを止めたシルヴィアに、誰もが勝利を確信する。

 

「漸くか……、流石にシルヴィアも、儂ら全員を相手取るなど不可能だったか」

 

「ったりめぇだろ……猪野郎ですら出来ねぇよ、んな事は……」

 

ただ、一人を除いて

 

「……待て、ガレス、ベート。」

 

「んァ?何言ってんだ……こっからどうやれば身動きが取れんだよ……」

 

「……親指が、疼いている」

 

フィンのその言葉にハッとしたベートはすぐに追撃を加えるべくシルヴィアの氷像へ駆け出した

 

「待てベート!上だ!」

 

フィンの言葉に、この場にいるロキ・ファミリアの全員が上を向く

 

「っ頭おかしいだろォ!、あの女っ……」

 

ロキ・ファミリアの立つ平原……その上空に次元の裂け目、虚空が開き、その中から無数の小隕石が、彼等を目掛けて降り注いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……なんや?アレ、」

 

本来犬猿の仲であるヘスティアとロキは、仲良く並んで観戦している……訳でなく、

基本下界で振るう事を禁止されている神の力(アルカナム)……その数少ない例外の一つとして認められている"神の鏡"により、ある程度纏まる必要があった為である。

彼女達の他にも多くの関係者が遠隔からその様子を伺っていたものの、ほぼ全員がロキ・ファミリアが勝利して終わると考えていた。

……当然である。とはいえ大番狂わせの可能性も、限りなく低いとはいえゼロではない。

 

勿論、この場で賭け事をしている神や冒険者などいないがこれだけの準備をした以上何かあると考えるのは当然である。

だがまさか、小隕石を雨のように降らす奴がいるなんて誰も想定している筈がなく……

 

「ボクに聞かないでおくれ……シルヴィア君については、正直キミの子達の方が詳しいと思うよ」

 

リヴェリアの魔法により、勝負あり……と思われていたシルヴィアが取った行動は神々でさえも予想できないモノだった。

 

「過去、隕石を降らす魔道士っておったっけ?」

 

「……多分居ないんじゃないかな」

 

都市最大手のロキ・ファミリアと、あくまで個人の冒険者であるシルヴィアの擬似的な戦争遊戯(ウォー・ゲーム)とでも言うべきこのイベント。

観戦している神や冒険者達は、当然ロキ・ファミリアの勝利を疑っていなかった。

そこに隕石である……観戦していたウラノスさえも目を見開いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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流石のロキ・ファミリアといえど、当たれば一撃で戦闘不能に陥る可能性のある小隕石など避けるしかなく、

各々が大きく距離を取って回避に徹している。

 

下手に動くよりはある程度落ち着いて小隕石の落ちる予測地点から逸れる方が被弾する可能性を下げる事が出来る。

……が、ここには本来、まだこの場に相応しくない未熟な者がいる事を誰しもが忘れていた。

 

「あ、あっ……!」

 

「レフィーヤッ!」

 

咄嗟に駆け付けたティオネが、レフィーヤの前に立ち、負傷を覚悟して小隕石を殴り付ける

 

「オ"っラァアアアアッ!!!」

 

全力で助走を付け、その勢いを乗せた拳を叩き付けたティオネは、なんと小隕石を殴り砕いた。

 

……だが、その負担は大きく片腕は完全にイカれてしまっている。骨なんて粉々だろう

 

「レフィーヤ!私、今回何もしてないんだけどっ!」

 

一応アイズと三人掛りで連携を取って表情のないシルヴィアの分身を撃破したものの、シルヴィア本人には触れてさえいない

そう……、今回ティオネとティオナは戦闘が開始された瞬間にフィンよりとある指示を出され、機を窺っていたのだ。

それは仮にフィン、リヴェリア、ガレスの内、誰かが戦闘不能になった際、二人掛りでシルヴィアを抑えるという役割。

戦闘不能に陥ってしまったのがリヴェリアであった場合、相打ち覚悟で突っ込んで欲しいというものであった。

 

「……アンタが、私の分まで活躍しなさい。情けない負け方したら、許さないわよ?」

 

「そんなことっ……!」

 

不可能だ……そう言おうとして、レフィーヤは口を噤む。今回、レフィーヤをこのメンバーに選んだのはフィンだ。

フィンが、考えなしにレフィーヤを対シルヴィアとの戦いに呼ぶなんてことは、絶対に有り得ない。

この場にいる誰しもに役割が有り、フィンだけはレフィーヤの役割を明確に理解している。

 

が、それを彼は直接レフィーヤに教えなかった。自分で気付けと言うことなのだろうか。

 

レフィーヤには何故なのか分からない。未だに未熟な自分が、何を思いこのメンバーに選出されたのかは分からない。

 

でも……それでもッ!

 

「……分かりました!絶対に、シルヴィアさんに一撃入れてみせます…!」

 

「いい目になったじゃない……!あのいけ好かない女に一発重いのぶち込んでやりなさい!」

 

「ハイっ!」

 

そして小隕石が止み、レフィーヤは辺りを見渡す。レフィーヤを庇って被弾したティオネを除いて、誰一人、あの魔法で怪我すらしていない。

……私の所属する、ロキ・ファミリアは凄いんだ!

 

レフィーヤは呼吸を整えると、起き上がったアイズと目にも止まらぬ剣戟を繰り広げるシルヴィアを睨み、杖を構える。

 

『ウィーシェの名のもとに願う。森の先人よ、誇り高き同胞よ。我が声に応じ草原へと来れ。繋ぐ絆、楽宴の契り──────

 

 

───小さな妖精は、自分を信じてくれる仲間達の為に……何よりも、憧れのヒトの隣に立つ為、謳い始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クソがっ!」

 

またしても攻撃を躱され、カウンターを食らったベートが悪態を吐く

 

アイズ、ベート、ティオナ……そしてフィン。第一級冒険者がこの人数で攻め続けているにも関わらず、

未だリヴェリアの魔法以外で有効打を与えられていない現状にフィンは歯噛みする。

シルヴィアという女の、何が脅威なのか。当然フィンは事前に幾つか策を練った上で今回の戦いに臨んでいる。

が……想定していた以上に、彼女の動きが"上手すぎる"

 

力は脅威だ。あの膂力で掴まれれば、下手をすればガレスですら逃れられない可能性がある。

速度はそれほどでもない。確かに速いが、それでもレベル3……いや、レベル2の最上位程度の速度に収まる。

ベートやアイズの方が彼女よりも圧倒的に速い。

 

スキル……戦技や魔法も勿論脅威だ。その上彼女はその使い所が非常に上手い。

こちらの回避出来ないタイミング、もしくは自分の隙を埋める為にそれらを使用する。

魔法ばかり撃ってくるのであればまだやりようはあった。だが、直前まで隠している為咄嗟に撃たれると対応出来ない。

今の所、彼女の動きは冒険者……いや、恩恵を持たない人間の戦い方……その基礎を突き詰めた様な動きだ。

 

魔法や戦技の他には、今の所特筆するような動きは少ない。対複数戦は苦手だと、彼女から聞いたことがあったが……ブラフだったのかな。

何にせよ、彼女の疲労を待つのは愚行だ。反撃する隙を与えないよう、複数人で攻め続ける他ない。彼女が隙を作るその一瞬を待つ。

そして……その時こそ、この戦いの終わりだ。

 

シルヴィア……僕は絶対に、君に勝つ。

 

 

 

 

 

「……っ!」

 

アイズの刺突を盾で受け、ベートの蹴りを【猟犬のステップ】にて躱す。特殊な両刃剣を振り回すティオナの切り付けをロングソードで受け流し

時折飛んでくるフィンの祈祷を、ティオナを盾にするべく誘導しながら回避するが……あからさまな誘導に引っかかるほどフィンは未熟では無い

 

そしてティオナの振り回す両刃剣による、隙の大きな一撃を見ると、私は"カーリアの返報"によりパリィを取る。

 

「うわぁ!」

 

「……貴公!武器に振り回されているぞッ!」

 

大きく体勢を崩したティオナの腹部に蹴りを入れる。

 

「うぐぁッ、」

 

仰向けに倒れるティオナを庇うべく、アイズが風を纏って突進してくる。文字通り、精霊の風を身に纏うアイズに、単に斬り付けるだけでは効果は薄い。

私はロングソードを水平に"構え"ると大きく踏み込んでアイズへと刺突によるカウンターを放つ

 

その攻撃はアイズの風の鎧を貫通したものの、アイズを庇うように前に出たベートの蹴撃により防御を優先せざるを得なくなる。

即座に盾の戦技を付け替え、"鉄壁の盾"を発動し攻撃を受けるものの蹴りのみでなく拳も使い始めたベートによって劣勢となるシルヴィア……

 

「くっ!」

 

隙を狙うべく盾を投げ付け、視界を塞いだ上でロングソードも投擲する。

即座に盾を払い除けるベートだったが続いて飛んでくるロングソードに目を見張る……が、手甲で受け切ると再び攻勢に出る。

 

「アホが!テメェで武器を捨てやがったなッ!」

 

武器を投擲したことによりシルヴィアは必然的に丸腰となる。再びあの珍妙な術で武器を取り出される前にベートが飛び蹴りを放つ。

 

「喰らいやがれッ!」

 

武器を取り出す間もなく放たれたベートの蹴りに対してシルヴィアは……

 

「なっ!?」

 

腰を低く落とし、その飛び蹴りを避けた後、攻撃を外して隙を見せたベートへと掌底を放つ。

咄嗟に腕をクロスし、自ら後ろに飛ぶ事で威力を減衰させたベートは格闘術すら操るシルヴィアを憎々しげに睨めつける。

明らかに我流ではない武術の動きを警戒し、彼は一旦様子見に移る

 

そしてシルヴィアの意識が外れた頃、再びリヴェリアが魔術《流星群》を使用してベートの隙を潰す。

先程から、忘れた頃に攻撃してくるリヴェリアに何か策があるのは見れば分かる。

当然距離を詰めたいシルヴィアだが、前衛であるアイズやベートがそれを許さない。

 

 

『間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。

至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり───

 

 

そして……存在すら忘れかけていたレフィーヤの魔力の昂りを感じ、シルヴィアは目を見開く

 

『間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。

至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し──────

 

 

更にリヴェリアが得意とする高速詠唱を始める。明らかにレフィーヤと同じタイミングで発動するつもりなのが分かる

流石に、先程の魔法と同等の威力を食らってしまえば幾らシルヴィアとて即死するだろう

 

詠唱から察するに炎の魔法……如何にこの鎧が炎に対して耐性があろうと諸共燃やされてしまう

 

シルヴィアは、詠唱を途切れされるべく……まずは未熟なレフィーヤを狙う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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……っ!

 

詠唱しているレフィーヤに、シルヴィアが疾走しながら近付いてくる。並行詠唱が出来ないレフィーヤでは、攻撃を避けながら詠唱を続ける事は出来ない

だがレフィーヤは、精神を乱さない。攻撃を受けてでも必ず魔法を発動させるという気概で詠唱を続ける。

魔力暴発(イグニス・ファトゥス)上等の精神で詠唱を完成させるつもりのレフィーヤではあるがやはり、剣先が近付くにつれ

手足に震えが来てしまう……しかし彼女は杖を握り締め、震えながらも詠唱を途絶えさせる事だけはしない

 

その隙にシルヴィアは距離を詰めてきており、既に剣を抜いている。

そしてシルヴィアの後方を見ると、アイズとベートが膝を着いており、ティオナに至っては意識を刈り取られている。

 

シルヴィアがロングソードを振りかぶり、レフィーヤへと攻撃を当てる寸前……無防備な体勢のシルヴィアに、狙いすました様に雷が落ちてくる。

彼女はその攻撃を受けてしまうが、それよりもレフィーヤの詠唱を途切れさせる事を優先したのかレフィーヤに剣先が触れる……

 

ことは無かった。

 

凄まじい勢いでシルヴィアへと蹴りを放ったフィンは槍を弄びながらシルヴィアへと宣言する。

 

 

「悪いがシルヴィア、勝つのは僕達だ……アイズ!」

 

「ッ!」

 

再び死角から飛び込んで来たのはアイズ……

彼女は既に精神力をかなり消耗しており、あと二回も魔法を発動すれば精神疲労(マインドダウン)を引き起こして暫く動けなくなるだろう。

 

咄嗟にシルヴィアは至近距離で【嵐の刃】を放つも、サッと飛び上がるアイズに避けられる。

 

「使うぞッ!」

 

大声を上げたフィンを警戒して距離を取るシルヴィアだったが、それが失策だとすぐに気付いて再び距離を詰めようとする……だが

 

『魔槍よ、血を捧げし我が額を穿て───

 

 

 

ヘル・フィネガス!!!』

 

 

 

フィンが指先に紅い魔力を集め、槍の穂先の様なモノが生まれる。それで自ら額を撃つと、フィンの目が碧眼から紅眼へと切り替わる。

見るからに動きが変わり、槍はより鋭く、一撃が重くなる

 

「ハァアアア!」

 

フィンは長槍を巧みに操り、目にも止まらぬ刺突を繰り出す……避けるのはリスクが大きいと判断したシルヴィアは盾により攻撃を受け流す

……明らかにフィンの身体能力が向上しており、軽い突きでさえ盾を剥がされかねないと感じたシルヴィアは"嵐脚"により足元を崩そうとする

フィンはそれすらも意に介さず、力強く踏み込みながら槍を振り回す

 

そしてアイズも、フィンを見て次の一撃に全てを込めると決意する

 

『目覚めよ(テンペスト)───目覚めよ(テンペスト)!』

 

 

───エアリエル

 

それは付与魔法(エンチャント)の重ね掛け……如何にアイズの魔法の燃費が良いとはいえ、既に残り少ない精神力(マインド)で

そんなことをすれば当然精神力は空になる。今のアイズは気力のみで立っている様なものだった。

 

彼女は精霊の風を身に纏い、目にも止まらぬ速度でシルヴィアへと突き進む

 

「……いくよ」

 

この瞬間、文字通り空を飛んでいたアイズは"神速"の突きを繰り出しながら一切速度を緩める事無く加速し続ける。

 

 

 

 

「リル……ラファーガ!!!!!」

 

シルヴィアは反応すら出来ず、その神速の刺突を受ける。腹に風穴が開き、とめどなく血が溢れる。……だが、彼女はそれでも立ち上がる。

シルヴィアを貫いたアイズは、精神疲労(マインドダウン)を引き起こし、その場に崩れ落ちる。

 

だがフィンは未だ槍を持ち、まるで狂戦士(バーサーカー)の様に熾烈な攻撃を繰り出し続ける。

 

 

そして遂に、彼女達の詠唱が完成する

 

 

『『焼きつくせ、スルトの剣───我が名はアールヴ!!!』』

 

 

詠唱が完成した瞬間、ベートが理性を失っているフィンを蹴り飛ばし、アイズとレフィーヤをを回収する

 

 

 

 

 

 

────────── 『『レア・ラーヴァテイン!!!』』

 

 

 

アイズの攻撃により瀕死となったが、フィンの猛攻により回復する隙のなかったシルヴィアへ都市最強の師弟の魔法が突き刺さる。

ベートがフィン達を魔法の効果範囲外へと逃がし、シルヴィアの方を向く。

彼女を中心として天に昇らんとする二つの巨大な火柱が、彼女を骨まで焼き溶かす。

 

 

 

 

シルヴィアは火柱の中、笑みを浮かべながら燃え尽きた。

 






レフィーヤ→チート
ベート→短剣持って来てたらもう少し貢献出来た
アイズ→対人戦苦手なのに頑張ってえらい
フィン→バケモン
リヴェリア→火力お化け
ガレス→大盾持て
ティオネ→仲間思いのいい女
ティオナ→パリィのおやつ

あせんちゅはどのファミリアに加入するか。

  • ロキ・ファミリア
  • ヘスティア・ファミリア
  • ヘルメス・ファミリア
  • フレイヤ・ファミリア
  • ヘファイストス・ファミリア
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