ゾンビゲー転生サバイバル百合モノ   作:バルロjp

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今後の展開あんま考えてません

スキル振る時計をプラスウォッチという描写を2話に追加。

ADA…adaptation。同化能力? ウィルスとの適合才能。

24/5/1


運転

Q.運転できるんですか?

 

A.呻れ私のアメリカンソウル!

 

私が選んだ車はゾンビウィルスが作られ人体改造が可能でクトゥルフが参戦してきている世界にふさわしい性能の一般車だった。

 

すなわちこの車、アクセル(前進)ブレーキ(後退)ハンドル(左右)ぐらいしか運転に関する操作機関がない。正気か? 

 

そんなアポカリ車に対して私は色々と言いたい事があったが、別に車なんて移動できればそれで良くない? と思えばそれっきりだったので文句は飲み込んだ。いやだって、ゾンビを人だと認識して勝手に止まるようなAI車に比べたらマシだし……。

 

それにこの程度の操作だったらリアル高校生の私でもできる。なんせゲームと変わんないしね。

しかもしばらくは見渡す限り何もない荒野を進むのだ。ぶつけるものなんてほぼないし、運転の練習にはちょうどいいでしょ。

 

助手席に座らせようとしたけど明らか腕が窮屈そうだったクーを後部座席に乗せていざ出発。ぶろろろん! と車はエンジンを唸らせ軽快に走り出した。

 

あぁ、安心安全の実家(シェルター)が離れていく。あのシェルター、他プレイヤーからはどうやっても感知されないからガチ目に安全地帯なんだよなぁ。ま、プラスウォッチの機能の一つにあるマッピングでいつでも帰れるようにはしてるけどね。

 

ついでに確認のためマップを見てみると、問題なく走行している道がマッピングされていた。うんうん。現代っ子はオートマッピングがあるゲームじゃないと辛いものがあるからね。

 

と、私が操縦も道のりも楽だからって早速よそ見運転していると、窓で小さくなっていく町を見ていたクーから声がかかる。

 

「おねーちゃん、その手のやつなに? 白いふくのおにーさんたちもしてたやつ?」

「あー……そーいえばクーの分用意するの忘れてたな」

 

手の奴、つまりプラスウォッチ。

 

プラスウォッチはこの世界の人間の必需品だ。というより小学生になったら国からプレゼントされる(公式設定)。ゾンビウィルス作ってバラまいたR社が開発したとはいえ、この時計は国主導で作った事になってるからね。

 

実際、様々な機能をまとめたものだから、ゲーム世界の生活的にもゲームを遊ぶ時の性能的にも助かる。オプション機能も補ってるからね。

 

そしてそんな便利なプラスウォッチを人権剥奪実験体生活を送っていたクーは持っていないと。

 

でもご安心ください。さっきも言った通りそんな便利で一人一台配られているプラスウォッチ、当然、ゾンビ達だって持っています。つまり剥げばよろし。

 

しかしそれはそれとして。

 

「ほい」

「わっ! え、おねーちゃんのだよねこれ? いいの?」

「いいよ。というよりどうせしばらくは暇だし、教えるからそれに慣れちゃいなー」

 

私は外したプラスウォッチを後部座席に投げ渡した。声的にうまくキャッチできたようで何よりだ。

プラスウォッチはもちろんオフラインでも使えるが、基本的には衛星から情報を受信するのでどこで使おうと平気だし、誰のを使おうがサーバーで情報をまとめているので自分のじゃないプラスウォッチを使おうと関係ない。生体認証によって付けた人の情報しか映さないので防犯にもよいらしい。

 

「じゃ、まず腕に巻いて。……巻けないか。ちょっと腕とプラスウォッチ貸して」

「あ、うん。ありがとう。まえ見なくてだいじょうぶなの?」

「事故るようなモンもここらじゃなさそうだしへーきへーき」

 

アポカリプスな世界だ。運転歴3分で前方不注意運転をキメる女子高生がいてもいいじゃないか。一旦車止めればいいだけの話なんだけどね。

 

ともあれ、私はクーが差し出してきた左手にプラスウォッチを巻いてやる。しかし留めはせず、体を捻ったちょっと苦しい体勢のまま5秒ほど待って~。

 

ピーッ。

 

はい完了。もう巻く必要はなくなったのでクーの膝に置いてやる。多分左手に巻いて右の獣手使う事になっても、プラスウォッチは反応してくれると思うけど念のためだ。

 

「よっと。クーって文字読めたっけ?」

「ううん。聞いたりはなしたりはできるけど、もじはよめないよ」

「おkおk。確かそれ、ある程度のAIも埋め込まれてたはずだから……クー、その腕のに向かって語学モジュール追加って言ってみ」

「これに? えぇっと……ごがくモジュールついか? わわっ、なにかでてきたよ!?」

 

キュイィィィイイイ。

登録者であるクーの疑問符混じりの声を聴いた瞬間、プラスウォッチが機械的な音を出し始める。バックミラーでちらりとみると、クーの膝に置いてあるプラスウォッチからホログラムが出ており、クーの目の前でバーを映していた。語学モジュール適用具合のプログレスバーだろう。それに驚いたクーが声を上げているが……今度はその驚いた声が感嘆のものに変わっていた。

 

「わわ、『このもじがよめますか?』だって! あ、またもじが変わった! 『てきおうかんりょう、スタートがめんにもどります』……プロフィール、マップ、でんわ、ネット……ぜんぶよめる! わー! このプラスウォッチってすごいね、おねーちゃん!」

 

プラスウォッチ君はとっても優秀なので、腕にちょっと巻き付けるだけで心拍数血圧と言った基礎的な情報から身長体重年齢本部にあるサーバーから名前などの個人情報、才能と経験があるならば技術(スキル)の付与すらもできてしまう。凄いぞR社。全人類が赤ん坊の時にいろいろされているとはいえ明らかオーバー技術だぜ(公式設定)。

 

「そりゃぁもう、R社謹製の超技術だからね。R社が無けりゃこんなことにはならなかったけど、R社が無けりゃ外敵でこの世界無いぐらいには影響やばいよ」

「あーるしゃ?」

「そのプラスウォッチ作った会社」

 

R社は凄い。R社ならなんだってできる。細かい設定の矛盾は全てR社がなんとかしてる。ちなみにストーリーでは未だR社が何故ゾンビウィルスをバラ撒きアポカリ世界を作ったのかは明かされていない。

 

「で、んーとまずはプロフィールを見ようか。プロフィールって書いてるとこタッチしてみて」

「たっち……あ、いろいろとでてきたよ。わ、クーがうつってる! いつしゃしんとったんだろ?」

「R社ないしプラスウォッチは凄いから今撮ったんだろうね。でプロフィールで見るべきとこは左下のステータスなんだけど……」

 

またしても後部座席に体を捻って前方不注意運転。ぶつかるもんないから大丈夫だって。この世界なら人轢いても9割9分はゾンビだ。車痛むからあんましないほうがいいけど。

 

「HPとかはまーいいとして……STR16にADA19? はは、序盤に持っていい数値じゃないんだよなー」

 

映し出されていたクーのステータスの数値は苦笑するくらいには想定を超えて高かった。もちろん、これ以上の数値なんてこの先いくらでも見るだろうし、私自身もステータスは上げていくが……にしても序盤でこの高さは酷い。こんなもん戦ってたら絶対負けてたわ。

ちなみに基準値はSTRもADAも10だ。『クッキングケミカリー』は攻撃時、STRとADAを参照するので、昨夜もしクーと戦う事になってたら、普通に私の倍以上の火力が襲ってきたことになる。

 

「これって、高いほうがいいの?」

「そうね。高けりゃ高いほどいいねぇ。クーはもう、全体的に高いよ」

 

INTは死んでるけど。そう思う私の心を知らず、クーは私の役に立てると純粋に喜んでいた。可愛いね。私も扱いやすい子は好きだよ。

 

「ま、そういったとことかの詳しいのはまた後で話そうか。時間はまだまだあるだろうし……。それじゃ、今後の目標を明確にさせる話し合いをしまーす」

「こんごのもくひょー? まちに行って、ご飯をあつめるんじゃないの?」

「それは直近の目標かな。私が話しときたいのは最終目標だよ。ただ『生きる』って目標だけじゃダレたり飽きたりしちゃうから」

「おねーちゃん、生きるのにあきちゃうの?」

「……おねーちゃんはね、楽しくなかったら生きてられないんだ」

 

ああ。私はゲーム気分がまだ抜けきっていないので、膨大なコンテンツがあるとは言えただ生きるだけじゃゲームに飽きるって意味で話しちゃったけど、この世界で生きているクーには当然通じなかった。

別世界から来ましたって言って、クーが私に対して態度を変えるって事は無さそうだけど、今後ボロ出さないように一応気を付けておこう。

 

「んっんん。で、目標ね。一応、私が今目指しているのは、R社の研究所の一つ、時間跳躍技術について研究していた所を探し出して、こんな世界になる前に戻ること、としてる」

「………………?」

「あー、クーがいたとこみたいな建物を探し出して、クーが普通に生活していた時まで戻る? かな」

「へー! そんなことできるなんてすごいね! クーも先生とかみんなとまたあいたい! もどったらおねーちゃんにもしょうかいしてあげるね!」

 

私も表現力、ましてや幼い子に説明する事が得意なわけじゃないので、曖昧な表現になってしまったが、クーは理解してくれたようでよかった。

 

「準備整うまでどんくらいかかるかまだわかんないけどねー。……あっ」

 

そういやクー、研究所から逃げだして来たはずなんだよな。オートマッピングされてるはずだし、後でマップデータ抜こ。

 

「でも、その戻るのにはとっても大変で、色々としなくちゃいけないことがあるんだよねー」

「どんなことしなくちゃいけないの?」

「別世界の化物と戦ったり、R社に乗り込んだり、スタンドと戦ったり」

 

それぞれ『異界の紫結晶』『R社のデータ』『トール』に対応している。……『トール』はどうなんだろ。設定的にはサイバネ会社にあったものをスタンド達が持ってくから、あいつらより先だったら戦わず済むのかね。

 

「わわっ、たいへんそうだね。じゃあクーもお手伝いできるようにがんばるよ!」

 

バックミラー越しに見るクーはむんっと気合を入れていた。

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