duplex personality Relite & Brite   作:如月ねこ

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“”内はもう片方の人格の思考です。


第1話「散歩」

 実はBrite/Reliteは「情報屋」である。

 その業務内容故に暇になることの多い職業で
 時には1、2月間仕事がないなんてこともある。


 その時は、家でゲーム(この時代はゲームも進化していて、
 五感で体験できるゲームだってある)をしたり、

 外をぶらぶら歩いたりすることが大抵だ。
 今回そんな職業のBrite/Reliteの休日のお話。


 

 ————————————————————————

 


「ふんふふんふふ〜」

 


 少し楽しげに街を歩く。最近は仕事が入ってきておらず、

 面倒な事務仕事も粗方終わっているので、

 やることがないのである。だから


 

「これどう?」

 “この’LOVE’って文字さえなければよかったのに……”

 

 などとウィンドウショッピング(たいていのものがネットで

 買えるこの時代にこんな言葉は使うべきでは

 ないのかもしれない)していた。
 少し時を進めて、Brite/Reliteはストリート街に入って行く。

 中央周辺の商業区とは違う、生きようとする生命力の

 溢れた活気を感じる。なんだかんだ言って、

 Brite,Reliteどちらもこのストリート街の方が

 肌に合っているというか少し砕けた空感気が

 好きなのである。

 閑話休題

 そんなストリート街の一角をふらふらと歩いている時、

 黒い影が一瞬視界の隅に映った。

 少し怪しいと思いつつも歩を進める。

 


(あれ誰だろ)

 


 “ロクな奴じゃないことは確かね”
 暫く歩いてみる。
 暫く歩いても視界の端に映った者は

 

 時々顔を覗かせながら付いてきているようだ。

 じゃあこっちから呼んでみようか、なんて思って、
 少しストリート街から外れた裏路地へ向かう。

 強襲するのにはうってつけな行き止まりに入り込み、

 道に迷った“ふり”をして、あれここはどこと頭を掻く。

 少し携帯端末で地図を見るすると、

 近くにいた2つの気配が動き出した。

 一人は正面から、もう一人は左後方から接近してくる。


 一人目に注意を惹きつけておいて、もう一人がその後ろから
 喉を掻っ切る典型的な暗殺の手法だ。

 

 

(やっぱり来たね)

 “まあさっさと気絶させなさいよね”


 

 この現代、世界では「情報」が非常に重要になっている。

 権力者のスキャンダル、国家間の秘密取引、はたまた
 色々な物の市場価格の変動など……


 それ故に「情報屋」の需要が上がり、

 対応して収入も高くなる。しかし、同じく情報の秘匿も


 厳重になり、昔とは比べ物にならないほど警備やセキュリティも


 強化されている。それに合わせて情報漏洩の罪は重いのである。

 それこそ数年牢に入れられるくらいには。故に情報屋というのは、

 極めてリスクの高い職業であり、生半可な技術ではすぐ失敗し尋問という名の拷問に掛けられる。


「情報屋」というのはそれほど危険な商業であり、

「情報屋」として生き抜いてきたBrite/Reliteは


 それだけでもかなりの手練であるということを示している。


 

 “私達が「情報屋」だってことはかなり秘匿されているはずなんだけど”


 

(多分見ぐるみ剥がしに来たんじゃないかな? 僕達それなりにいい格好してるでしょ?)

 

 “動きからして結構の間、強襲して身ぐるみを剥がして来ているようね”

 

 

(じゃあ始めようか)

 とりあえず状況把握。前と左後方から接近。

 どちらも黒く長いローブにフードを深く被っている。

 得物はアフェリク製の長剣と拳銃か。

 長剣持ちに向かって前に大きく一歩、踏み出す。

 まさか接近してくるとは思わなかったのか、

 少し驚いた顔をしている。

 そのままRe:Liteを連射……ではなく大きく飛んで、

 頭上を通り越す。そのまま放たれた1つの鎮圧用ゴム弾は、

 対象の額に危なげなく吸い込まれ、その意識を刈り取った。

 

(まずは一人)

 

 “私の出番ないの? ”

 

(しょうがないなぁ、変わるよ)

 

 

 ——“(Change)”——

 


 目の色が深緑から流血のようなワインレッドに変わり、
 鈍い銀髪は少し伸び、髪型が変化する。
 これが”Brite” と”Relite”の所謂人格交代である。
 任意のキーワードによって変えることができるが

 彼らの場合は「Change」となっている。

 これによって、彼らは“表”に出る人格を交代するのだ。

 

 ”頑張ってね〜”

 

(分かってるわよ)

 

 空中から着地し、そのまま「月夜葉隠」で、

 


 一閃。

 

 

 赤く、暗く、そして美しい曲線が、夜を駆けた。

 

 ____________________

 

「私の出番少なくなかった?」

 

 “いやしょうがないよ「切捨」は一撃必殺系の技巧だからね”

 

「だからそれも考えて出番配分を考えてって言ってるの!」

 

 “はいは—いわかりました次から気をつけまーす”

 

「もぉーッ!」

 

 

 悲痛な叫びが夜空に響く。しかし何も変わることはないのだ。

 その時、Briteは急に()()()()()()()()()

 その視線の先には何も無い。

 また視線を戻し、ちゃんと気絶した襲撃者をゴミ箱に押し込んで

 家に早く帰るべく、家へ向けて歩を進めるのだった。


 

 —————————

 少し時を戻す。

()()()()を陰で見ていた男がただ一人いた。

 その目には値踏みするような光が宿っている。

 これから起ころうとすることを見極めんとしているようだ。

 しかし何かをすることもなく、その男は戦闘終了と同時に

 ただ静かに、現場を去って行った。

 

 _________________

 ストリート街

 

 中心区にある商業区とは違う、

 生命力に溢れた、少し大きい区画。

 1日に1回は犯罪が起こるほど治安が悪いが、

 それもまた、ストリート街をストリート街

 たらしめている原因なのではないのだろうか


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