duplex personality Relite & Brite 作:如月ねこ
鴎が「鈴木諒」に関して調べ始めてから丸々1日後、 当の本人、鴎は頭を悩ませていた。
何せ本当に鈴木諒という人物は「普通」なのである。
———地元の小中一貫校を卒業、そのまま隣接区の進学校へ進学。
そのまま区内の大学で4年過ごした後、
地元のショッピングモールの店の販売店員として働き、
昇進してショッピングモールの一角を管理する区画長になって現在に至る。
———という経歴である
いかにも「平凡」なその経歴に逆に依頼主に疑問を感じざるを得ない。
しかし依頼主に対する詮索はタブーなので我慢する。
そう思ったその時部屋に呼び出しがかかる。
ビデオ通話(今の時代内線は全てビデオ通話である)に出てみると
案の定そこには満面の笑みを湛えた朱莉が映っていた。
《朝ご飯よ、って目の下のクマ酷いじゃない昨日徹夜したでしょ?》
「仕事なんです、仕方ないでしょう」
《まぁ無理しないようにね! んで朝ご飯食べることにする? 休んでてもいいのよ》
「いや、食べます。今降りるからちょっと待ってて下さい」
眠い目を擦りながらスロープを降りる。
「あ、おはよう」
[もしかして徹夜してた? ]
今日はReliteが表の日らしい。
「おはよう、後その予想は当たりです」
軽く返事をしてからリビング、まして作戦室の中央にある食卓に座る。
後からReliteも付いてきて、隣に座った。
Reliteが徐に口を開き聞いてきた。
「で、調査結果はどうだったの?」
「それは」
「それはご飯食べ終わってからにしましょうね」
答えようとしたが、朱莉に止められた。
「それじゃあ食べましょう」
「「「[ 頂きます ]」」」
「この間の復讐よ! グビグビ」
[苦っっっっっが! 舌が! 舌がァ! ]
賑やかなやり取りをしている多重人格者は置いといて、
自分の前には見るも立派なピザトーストがある。
朱莉が「小さいんだからたくさん食べなさいね!」
と奮発して作ってくれている(まず自分は背が小さくはない!)物だが、
自分の胃には少し多すぎるようだ。半分にしてそっと隣のReliteの皿に置く。
(流石にこの量は食べられない)
そう思いつつ黙々と食べているうちに全て食べ終わり、
漸く本題に入る。
「仕切り直して、調査結果はどうだったの?」
Reliteが聞いてきた。
「本当に本ッ当に平凡な経歴。偽装しているんじゃないかと疑ってしまうくらい。
逆に依頼者を疑ってしまうところでした。詳しくはこれを」
プリントアウトした「鈴木諒」の情報を渡す。Reliteはそれを暫く読んで、
「ふ〜ん、確かに怪しすぎるわね。“平凡”過ぎる。まあ実際に確かめてみればいいけど」
[じゃあ今すぐ行こう! GO! GO! ]
「準備くらいさせなさいよ!」
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暗い地下通路を抜けて狭い裏路地に出て、
少し歩いて大きい通りへ出る。
毎回このルートを通るのは非常にめんどくさいのよね
“しょうがないさ”
(分かってるわよ)
ナビゲーターによるとここからホバーバイクで20分ほどで
「鈴木諒」の務めるショッピングモールに行けるようだ。
近くの駐輪場に止めてある自分のバイクに乗って主街道へ出る。
現在12/13日午前10:22であり、頬を切る風が寒いが、
ホバーバイク内蔵のヒーターで温める。
正直風除けをつければいいのであるが、フレーム分死角が多くなる……
というのは建前で、Reliteに美的センスがそれを良しとしないだけなのだ。
〜閑話休題〜
無事ショッピングモールに到着した。
駐輪場にバイクを停めて足早に入店する。
入った瞬間完璧に調整された空調の風が頬を撫でる。
ここが今回の舞台、「ラストモール国谷店」である。
途中、気になる服やアイテムなどがあるが、見るのを我慢して先に進む。
少し入り組んだ通路を行くと、職員専用のドアを見つけた。
ここに入れば、自分“達”は「客」ではなく「侵入者」として扱われる。
尤も、そんな覚悟はとうにできている。
気配を探し、近くや扉の向こうに人がいないことを確認して扉を開けて、
素早く入る。指紋を残さないた目に、手袋をし、一応フードを深く被っている。
今のところは監視が少ない平従業員のいるようなエリアにいるので
サクサクより奥まで進めている。順路は鴎から貰ったショッピングモールの
内部構造データにマークしているので問題ない。しかし、
(問題はここからよね)
“うわー警備キツそう”
セキュリティレベル2エリアへ通じる通路を覗きながらぼやく。
(ここからは慎重に行くわよ)
警備に気づかれないように換気口に通じるダクトを這いずり
進む。ここから後2、30m進むと鈴木諒のいる区画長室になる。
もちろん区拡張室にも換気用ダクトはあり、そこから室内の様子を見ることができる。
まだ区画長室レベルなのでまだReliteが捕まる要素はまぁ無いだろう。
そんなことを考えているうちに、区画長室の換気口まで来た。
中を覗き見てみる。仕事場だとは思えない豪華な
レッドカーペットの上に大きなテーブルがあり、
その後ろには優雅に椅子に座り仕事をする「鈴木諒」
の姿があった。
“豪華すぎるんじゃない? ”
(今考えることじゃないでしょ)
そこから少しばかり見ていたが、鈴木諒には目立った動きが
無かった。もう少し張ってみるかと思ったその時、
近くのダクトでけたたましく警報音が響いた。
《侵入者を発見しました。場所は第二区画長室真上ダクト内です。直ちに勤務中の警備員は周辺を包囲、ダクトへの通路を—》
言い切る前に素早い動作で音の発信源にスローイングナイフを刺して、
動作を停止させる。そのままその警備ドローンのような物を
回収して走り出す。
(なんで警備ドローンなんかがここに!? 事前にもらったデータにはなかったはず……!)
⦅全体放送にて報告します。第二区画長室真上のダクトに侵入者あり。周辺の確保とダクトの封鎖をお願いします。⦆
警備ドローンは破壊したがこれで全館に侵入した事が発覚してしまい、
直ぐにここ一体は包囲されダクトの入り口も警備員が待ち伏せしている事になるだろう。
Reliteは焦っていた。ダクトを封鎖されて仕舞えばそれこそ一巻の終わりである。
その中で何故ドローンを回収したかというと、そのドローンから
何かがわかるかもしれないというほぼ直感のような理由である。
ドローンを片手にReliteは入ってきた入口とは別の出口で
脱出しようと、警備員たちは確実に得体のしれない侵入者を
確保しようと、Relite/Briteと警備員の脱出戦の火蓋が
切って落とされた。
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鴎
背が小さい
引き込まれるような黒い目
薄緑色の髪
「ガレージ」データ担当。世にも珍しい緑色の髪を持つ。
性格はキツめで、他人の強く当たるが、
唯一自分を貰ってくれた朱莉だけには大人しく従う。
鴎は本当の名前ではない。彼女は過去に捨てられている。
しかし本当の親にはあまり執着してないし、
調べたら出てくるだろうそれを調べる気もない。
それは彼女なりの折り目ということなのだろう。
好物:三色団子 トレンド 情報空間
苦手な物:孤独
メイン武器種:タガー
戦闘スタイル:基礎体力の少ない彼女は最小の体力で
敵を無効化する為にタガーに神経毒を塗っている。
勿論解毒剤も持っている。
持ち武器
「静寂の余波」
非常に短い短刀。刃の部分に細かい穴が空いており、
そこから粘性の高い麻痺毒を出す事で一度でも切られると
毒が回って中枢神経が麻痺、気絶するようになっている。
出す毒は取り替えることができ、しようと思えば
即死毒さえ仕込むことができる。
鴎は致死性の毒を仕込むときは確実に即効性の毒を
使う。何故なら一人孤独で死んでいく悲しさを
誰よりも彼女は知っているのだから。
固有技巧
「静寂の刃」
毒の流出量を調整し、刃を振ることで、毒の刃を飛ばす。
飛ばす毒は仕込んである毒に依存する
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