duplex personality Relite & Brite   作:如月ねこ

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気分でサブタイが変わりました


第5話「情報」

「こんにちはー」

 

「やぁ久しぶり。よく来たな」

 

 古いドアを開くと心地の良いベルの音が鳴る。

 いつしか昔のバーの様な店内にあるカウンターの内側には少し年老いた、

 それでいて隙のない老人がグラスを拭きながら挨拶をしてくれた。

 

「え〜、こんにちはで良いかな?」

 

「ええこんにちは」

 

 服の上からでもわかる引き締まった肉体。

 白髪の混じった髪をオールバックにし、

 小さい丸い眼鏡をかけているこの人をBriteたちは知らない。

 

「朱莉姐、こちらのお方は……?」

 

「ん? こいつは情報屋の情報屋、湫だわよ。

 私の古い知り合いでもあるわ」

 

「こんにちは。注文は?」

 

「とりあえずお茶を3個とおすすめのワインを一杯頼もうかしら」

 

「うーわ未成年の前で自分だけ酒飲もうとしてるよこの人」

 

「酷い」

 

「言わないで! 私のライフはもうゼロよ!」

 

「んでお客さん、どうかしたのか?」

 

 くだらない感じになりかけた所で湫が話を振る。

 

「そうね、じゃあ聞くわよ、「惜別の花」「散花」「旅団“flos”」について知っていること

 はあるかしら?」

 

「ある」

 

 いともあっさりと肯定が帰ってきた。

 

「情報屋界隈では有名な話だ。日本に数ある武装組織、金さえ払えば

 完璧な結果で終わるために何でもする様な組織で、“仮装新都心の裏の顔”と言っても変わらない。

 旅団には特殊な各級制度があって、基本は実力主義、

 仕事をどれほど完璧に遂行できたかで階級が上がっていく。

 その中でも上位7名が「散花」として選ばれ、その中で階級が決まっていく。

「散花」第二位「惜別の花」は

 上から2番目。技術力が格段に高いらしい。んで後は拠点の情報。

 ある情報はここまでだ」

 

「分かったわ」

 

「かなりセキュリティが高く、未だまともな情報を持ってきたやつがいない。

 そこでだ、私からあんた達に旅団の調査を依頼したい。これはアンタらみたいな

 プロじゃないとできない様な依頼だ。もちろん報酬は豪華になる。

 ありったけの情報を集めてきてくれ」

 

「良いわよ、その依頼受けましょう」

 

 個人的にも知りたかったことを依頼として受けれる

 のは都合が良く、報酬もいいので即決する。

 

「期間は無制限、あればある分だけその時伝えてくれ」

 

「分かったわ。じゃあ作戦会議ね」

 

「奥に部屋がとってある。移動しよう」

 

「わーい」

 

「分かったわ」

 

 先頭を行く湫を朱莉、Brite,鴎の順でついていく。

 カウンターを店員に任せ、個室が並んでいる通路の一番奥の部屋に入る。

 

「ここなら防諜対策も完璧だ。思う存分話し合おうじゃないか」

 

 そう言って取り出したのは1つの大きい紙と、それよりかは幾分か小さい地図。

 

「この大きいのは基地の内部構造、監視カメラの位置とかだ。んで、

 この地図はこの基地の居場所だ」

 

 基地は3階建て、地下2階、地上1階となっていて、入口は2個、

 北と東の2つになっている。入り口付近は複雑な構造となっており、

 一種の要塞の様になったいる。

 

「これ入口塞がれたらまずいんじゃない」

 

「そうだ。入り口を塞がれると逃げ道は無い。だから入り口を確保する人員がいるが……」

 

「それじゃあ爀とレクスを呼びましょう、最近依頼が終わって帰って来れるって言ってたし

 彼らなら単体で防衛はできるはず」

 

「爀に……レクス? 誰のことなんです?」

 

 比較的新参である鴎は彼らのことを知らない。

 

「彼らは「ガレージ」のメンバーよ。任務で暫くいなかったけど、今度帰って来るのよ」

 

「成程」

 

「じゃあ爀達に入り口を任せ、あんたらは内部に侵入

 って事で良いのか? 人数を分散させるならどうする?」

 

「私と鴎、Briteだけにするわ。Briteは実質2人だしね」

 

「おっけ〜」

 

「日時はどうするんだ?」

 

「来週木曜日。ちょうどシフトの関係で守りが薄くなる」

 

「了解」

 

 この後、この話し合いは日を跨ぐほどに続けられ、

 結局この日はバーに泊まって行ったのだった。

 

 ——————————

 湫(シュウ)

 

 情報屋のバーを営む店主。

 嘗ては現在の爀を越すとも言われる技術を持っていた。

 年を重ねるにつれて情報屋を続けにくくなるので、

 現役の時の伝手を利用し情報屋の情報屋のバーを開店。

 今はただカウンターでワイングラスを拭きながら

 耳に入る様々な情報を集めている。

 

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